【認知症、介護】 母のこと 24
朝の一仕事を終えて座った瞬間に電話がかかってきて……
一昨日は、ケアマネージャーからでした。これから母との面談に施設に行くので、私も同席してもらえないか。
今朝は、母のいる施設の施設長から。これから母の町立病院受診なので立ち会って欲しい。
良いです。良いですけれど、今からですか?
せめて昨日知らせてもらえないんですか?
あ〜〜、昨日知らせて頂いたら、緊張して一睡もできない可能性があるから、これで良いのかも知れません。
母の町立病院受診は、かかりつけの内科と整形外科の紹介状持参です。これから施設で診察してもらえるようにするためのもの。大切な受診です。
担当の先生は、耳が遠い母のために、質問を大きな文字でモニターに出してくださいました。
どの質問にも大きな声でハッキリ答える母。
「完璧じゃないですか! 認知症? ほんとに?」
先生、ノリノリです。
こういう場面で力強くハッキリするのは、認知症アルアルでございます。
先生の質問。
「あなたのお父さんの職業は何でしたか?」
「海軍の軍人でした。そのあと製鉄所に勤めていました。門番でした」
私の補足。
家が没落して海軍へ。葉山沖で御用邸の警護をしていたとか。軍縮で長男だったため海軍を出され、警官などを勤め、故郷に戻る家はなく、釜石に流れ着きました。
「ええっ、情報量多すぎ! 何という船?」
な、み、か、ぜ!
先生、スマホで検索を始めました。
「お、俺はなにをしてるんだ?」
歴史好きのセンセイらしい。
次の質問。
「あなたの趣味はなんですか?」
「散歩が好きです。山岳部でした。登ることはなくなっても、歩いて花を見るのが楽しいです」
私の補足。
母はロッククライマーでした。
「ええっ! 情報量多すぎ! ロッククライマー?……90歳……??」
女性アルピニストの草分けです。
「うおお!」
っていうか、この年齢で高校に進学? お嬢様?
私の補足。
製鉄所の門番は部長待遇で、ある意味で深窓の令嬢であったかも。
「そうでしょうそうでしょう。いや〜、ファミリーヒストリーですか?」
先生は、机に用意してあった短歌を母に読ませました。
歌は覚えていません。私は覚えられない。
母はつっかえながらも、ちゃんと読みました。
「これは、私の歌?」
先生、びっくり。
私の補足。
母は歌人でした。もう詠めなくなりましたが。
先生、またびっくり。
「その歌の出典は?」
「太閤記です」
ふむふむ。
あ、母の生け花の先生は、乃木大将の奥様について行儀見習いをした方でした。
先生、大興奮!
診察を受けながら、母の人となりを見て頂けたようで、とても嬉しかったです。
楽しい診察でございました。
以後、よろしくお願いいたします。
