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真夏のプールの水泳パンツ


    養護老人ホームに入所した叔母の様子を見に行った。
    心臓、足腰弱く車椅子生活だが、一番の問題は認知症である。
    ちょうど食堂で昼食が終わっ後に訪れた。こちらの顔を見るや穏やかに笑顔で手を振ってくる。

    「お昼ご飯は美味しかった?」
    と尋ねると
    「まだ食べてないわ」
    と応える。
    「え?今さっき食べたんじゃないの?」
    と再度聞くも
    「私はまだ何も食べてないよ」
    と平然と応える。

    もう、それ以上は聞かない。


    「俺は誰かわかる?」
    「わかるよ〜」
    「本当にわかる?」
    「わかるよ!」
    「誰?」
    笑いながら
    「わかるよ!」
    と応える。

    もう、それ以上は聞かない。


    3階の部屋からは、隣の小学校のプールが見える。
    「子供達が授業で泳いでいるよ。水しぶきがキラキラして涼しそうや」
    「へ〜服が可愛いいねえ」
    「服?」

    泳いでいる小学生の姿を見て驚いた。
    プールに入る子供達は、腕に密着した長袖の黒い水着で、足にはくるぶしまであるタイツ?スパッツを履いている。
    更に帽子もかぶっているから、殆ど皮膚を露出してないことになる。
    何とも、これが今のプールでの授業かと唖然とする。
    そういえば、近年、夏が終わった後に、身体中真っ黒に日焼けした子供達を、殆ど見なくなった。




    数十年前、夏最後のプール授業を思い出す。

    「先生!今日が最後のプールなんで水泳パンツを脱いで泳いでもええか?」
    「パンツを脱いで?」
    「女子がいなくなったら男子だけで泳ぎたいんや。お願い!」
    「男子だけなら、まあええか」
    「やったあ!皆んな裸で泳いでええって!」
    「わ〜!ヤッタ〜!」

    女子がいなくなると、男子全員が我れ先に水泳パンツを脱ぎ捨て、叫び声をあげながら真っ裸でプールに飛び込んでいった。

    裸で泳ぎ回っている男子を眺めながら先生が
    「お前ら、だれもパンツを脱いでないやないか。
    皆、白いパンツを履いたままやん、、」



    もう、これ以上は聞かない、、で。



     
     
    人生の折り返し点をとうに過ぎ、日々ささやかな笑いを求め続けています。四コマ漫画のエッセイを目指し、あなたに「クスッ」と「キュン」がお届けできたら満足です。

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