
『アルプス大戦争! ~三国協商VS三国同盟 飲み物戦記~』第7話:ミルク共和国の逆襲! ヤギ独立戦争、勃発!?
アルプスの山々に囲まれた、誰にも肩入れしない平和な国。
その名は――スイス。
東の小さな村、グラウビュンデン州。
飲み物は争い、
お菓子は同盟を組み、
チーズは勝手に分裂しました。
そして今。
ついに、この物語で一番平和だった存在まで動き出します。
「ミルク共和国、入場!」
会議室の扉がゆっくり開く。
純白のマント。
銀色のミルクポット。
穏やかな笑顔。
先頭に立つミルク大統領は、静かに一礼した。
「皆さま。」
「争いの前に、一杯飲みませんか。」
会議室が静まり返る。
粗挽き公爵が腕を組む。
「……珈琲に入れるか。」
ビール大公もうなずく。
「料理にも使えるな。」
チョコレート王も笑顔になる。
「最高の相棒だ。」
誰も反論できない。
「えっ?」
ハイジが目を丸くする。
「もしかして……終わる?」
その瞬間だった。
「メェェェーー!!」
勢いよく扉が開く。
何十頭ものヤギたちが、一斉に会議室へ突入した。
「な、何だ!?」
先頭に立つ角の立派なヤギが、高らかに宣言する。
「我々は!」
「アルプス・ヤギ自治領の独立を宣言する!」
「えぇぇぇぇーーっ!?」
司会者は椅子から転げ落ちた。
ヤギ代表は胸を張る。
「人間たちは毎日チーズだ、ミルクだと騒ぐ!」
「だが忘れるな!」
「全部、我々が作っている!」
会場が静まり返る。
ビール大公が小さくつぶやく。
「……確かに。」
エスプレッソ公爵もうなずく。
「否定できない。」
ラクレット伯爵は帽子を脱いだ。
「敬意を表します。」
フォンデュ大統領も立ち上がる。
「今までありがとう。」
「メェ。」
ヤギ代表は満足そうにうなずいた。
その時だった。
会議室の隅で、
牛が静かに手を挙げた。
「モォ。」
全員の視線が集まる。
「……。」
「……。」
「……。」
司会者が恐る恐る聞く。
「もしかして……あなたも?」
牛は静かに答えた。
「モォ。」
通訳係が青ざめる。
「ぎゅ、牛連邦も独立するそうです。」
「また増えたーーー!!」
ハイジは頭を抱えた。
「お願いだから、もう国を増やさないで~!」
しかし。
窓の外では、
羊たちが何やら円陣を組み始めていた。
嫌な予感しかしない。
🏔次回予告
アルプスに新たな波乱!
羊連合!
牧羊犬騎士団!
そして、まさかのアルパカ王国まで参戦!?
会議室の定員は、とうとう限界を迎える!
次回!
第8話「動物連合軍結成!? 会議室の定員、ついにオーバー!」
ハイジ
「もう外で会議しようよ! アルプスは広いんだから~!」