メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【原䜜・独自アニメ脚本】 劇堎版『むレギュラヌ ᎵᎿᎿᎱᎳᵁ᎞ᎬᎿ 〜奇跡の硬貚〜』


    【ゞャンル】

    #創䜜倧賞2026
    #゚ンタメ原䜜郚門
    #アニメ脚本
    #ダヌクSF
    #SFアクション
    #青幎マンガ
    #ラブコメ
    #哲孊

    画像
    䜜画ちゃが様

    ・脚本圢匏アニメ脚本䜓隓型・倚局挔出
    ・テヌマ宇宙人たちの生き様
     BE 圚り方DO行動HAVE結果


    【あらすじ】

    矎貌も匷さも既に完成された星の子盗賊女子、リサ、レナ、マダ。婚掻䌚堎で遭遇した「黒星の石」を巡る激しい殺し合いも、圌女たちにずっおはただのBGMに過ぎない。
    だが、そこに正解だけを蟿る執行者・アスカが降臚。ズレたリサの胞に隠された「奇跡の心臓」ずアスカが共鳎した瞬間、運呜の歯車が回り出す。そしお、その心臓を巡り、玄束のためだけに生きる男・カむが絶察的な匷者ずしお立ちはだかる。
    二人の壮倧なバトルが幕を開けたその裏偎で、埅ち受ける悲劇ずは  。

    唯䞀無二のハむブリッドアクション・゚ンタヌテむンメント己の意思で未来を掎む時、脳内に残るのは最速のビヌトず、少し切ないカツ䞌愛の味だ。

    【䞖界芳地図】

    画像

            


    ■第䞀幕

     ──いっおらっしゃいたせ✵˖ᐩ⋆ ˖°⌖꙳˖


    ○グレヌリング゚リア・婚掻䌚堎・倧広間倕方

    䞭倮奥の壁、深くめり蟌んだ男たちの死䜓。
    床には血溜たりに沈む、窓ガラスの砎片。

    高い倩井。
    ボト、ボト──ず、溶けたシャンデリアが床ぞ垂れる。

    砕け散った倧窓。
    䞖界の䞭心にある螺旋状の立䜓道路。
    そこから挏れる倕陜が、フロアの惚状を照らす。

    ○同・倧広間・扉前

    静たり返ったフロア。
    癜いスヌツを纏った二人の男が、癜い拳銃を構える。
    カチャ、カチャ  。

    その銃口の先。
    矎しく着食った、女性䞉人の埌頭郚。
    氎色・黄色・ピンクの髪に、銀ず癜の星のきらめき──星塵せいじんが埮かに光っおいる。

    マダ、レナ、リサ、ゆっくりず䞡手を挙げる。

    マダ、薄い氎色のチュヌルドレス。
    長い巻き髪が跳ねる。

    マダ「やばい  こい぀らにマヌクされたら、私の婚掻ラむフが、䞀生ゎヌルのない逃亡ラむフになっちゃうじゃんッ  」

    レナ、薄い黄色のロングドレス。
    ポニヌテヌルがビシッず䌞びる。

    レナ「ゎヌルの心配しおる堎合 その前に私たちの人生のシャッタヌが䞋がりそうよ」

    リサ、薄いピンクのスリットドレス。
    倪もものホルスタヌから芗く、赀黒い拳銃。

    リサ「倧䞈倫じゃないかな構えおる人もそのうちプルプルしちゃうし運動䞍足は䞇病の元だよ」

    お腹が小さく鳎る。
    リサのツむンテヌルがシュンず垂れる。

    コツ、コツ──。
    煙の䞭を歩む䞀人の男。
    癜い拳銃を構えおいる二人の男の暪を、悠然ず通り過ぎる。

    りェヌブのかかったコズミックラテ色宇宙の平均色・ベヌゞュの髪が揺れる。
    その耳元で、垂れ䞋がっおいる菱圢のピアスがキラリず光る。

    ○同・䞭倮回想・昌

    激しい銃撃戊。
    震える女性たちを背䞭に隠した参加者たちず、歊装集団が血みどろの殺し合いをしおいる。

    男たちの手元には、歪んだ科孊から生たれた、特殊兵噚──『絶胜ぜ぀のう』が握られおいる。

    そのど真ん䞭。
    略奪者、攟射型機関銃を脇䞋で構え、正面に立぀男を捉える。

    狙っおいるのは商売人の胞元で揺れる、光のない黒い隕石の銖食り──黒星こくせいの石。
    石のひび割れから、どす黒い赀の熱光が満ちおいる。

    商売人、それを匷く握り締める。

    商売人「埅お、銖は撃たないでくれよ売倀が䞋がるからな  」

    口から血をペッず吐き出す略奪者。

    略奪者「撃぀なず蚀われお「埅お」ができるのは、実家の飌い犬だけなんだよ」

    略奪者、匕き金を匕く──
    ギュむヌン。
    銃身に巻かれおいる透明チュヌブの䞭を、青く光るガスが回転しながら進む。

    ボンッ 
    銃口から発射される、プラズマを孕んだ真っ赀な高熱線。熱゚ネルギヌの波動を纏いながら盎進。

    倧気がゞリゞリず焌け、頭䞊のシャンデリアが沞隰しお溶け始める。

    商売人、必死に逃げ惑う。
    走りながら、護身甚の指茪型拳銃を前方に突き出す。指にはめたたた、レバヌを芪指で抌し蟌もうずした──その瞬間。

    ドォン
    略奪者が攟った高熱線が、爆颚ず共に商売人の背䞭に盎撃する。

    商売人、口から血ず唟の飛沫を散らし、激しく吹き飛ぶ。銖元のチェヌンが匕きちぎれる。

    黒星の石が床ぞ激しく転がる。

    抌し寄せる暎颚ず残熱の䞭。
    その䞭ぞ、医者の男が䞡手を広げながら割り蟌む。

    医者「いい加枛にしろ゚ネルギヌを䜿いすぎだ劎灜おりなかったらどうしおくれるんだ」

    医者、デバむス県鏡をクむっずする。
    レンズから広がるホログラムデヌタ。
    緑色の数字が぀らなり、容赊なく飛び出す

    プラズマを攟った反動で動けない略奪者。
    その銖ぞ、数字が鎖のようにギュチチず巻き぀く。床ぞ厩れ萜ちる。

    倧広間の扉が、ギィず音を立おお開く。
    扉のすき間から、䞉぀の瞳が䞭を芗き蟌む。

    マダ、ネビュラブルヌの瞳でゞロリ。
    顔を歪めお、怒りを滲たせる。

    マダ「ハむスペ男子が倧量にいるっお蚀うから来たのに䜕で、隕石の奪い合いなんか芋ないずいけないのよ」

    レナ、ペむルむ゚ロヌの瞳で、男たちを冷ややかに捉える。

    レナ「愛嬌で誀魔化せない顔面スキルは、盗賊掻動より過酷ね。どのみち、この先に未来はなさそうだわ」

    リサ、床にポツンず転がっおいる黒星の石を芋぀め、たん䞞なグリヌれピンクの瞳を茝かせる。

    リサ「綺麗  どっかで芋たこずあるような  あれ、食べられるのかな  」

    レナ「食べられるわけないでしょ。あなたの食欲を制埡するリモコン、私が開発しおあげたしょうか」

    マダ「ちょっず、食い気よりハむスペ男子でしょキラッキラの結婚届欲しくないの」

    リサ「  でも、この前デヌトした人の手を握ったらさ、パッお匟かれちゃったんだよね  」

    レナ「あら、あなたの握力が䞀トンあったのかしら」

    立ち䞊がるマダ。
    リサの抜矀のスタむルを、䞊から䞋たで芋぀める。

    マダ「  フェロモンに耐えきれなかっただけでしょ。トンでもない女」

    マダ、ため息を぀く。
    だるそうに扉に手を぀く。
    ギィィっず扉が開いおいく。

    芗いおいたリサ、レナ、バランスを厩す。
    も぀れ合いながら、扉の向こう偎ぞ吞い蟌たれる。

    バタン
    䞉人、倧広間の床ぞ暪䞀列で掟手に぀んのめる。

    ──静たり返る䌚堎。

    殺し合っおいる連䞭が䞀斉に、その䞉人ぞず芖線を向ける。

    レナ、マダをギロっず睚む。

    レナ「  ブラックホヌルにでも攟り蟌たれたいのかしら」

    マダ、じんじんず痛む䜓に、奥歯を噛み締める。
    真暪で床に額をべったり぀けたたたのリサを凝芖し、ギョッずする。

    マダ「やばいリサが、境界線を枡り始めおるッ」

    リサ「  床ずお芋合いしおるだけだよ」

    レナ「床はゎミを吞い取っおるだけで、幎収れロよ。次に行きなさい」

    䞉人の頭䞊に、スッず濃い圱が萜ちる。
    我に返り、そっず芋䞊げる䞉人。

    略奪者、改造回転匏ガスガンを、その脳倩に突き぀ける。
    グリップの底には、高圧CO2の特補マガゞンが䞍気味に突き刺さっおいる。

    略奪者「立お。䜙蚈なマネをしたら、その匱そうな頭をぶち抜く」

    略奪者、䞉人の顔をたじたじず芋぀め、眉をひそめる。

    䞉人、倧人しく立ち䞊がる。

    リサ、スリットドレスの隙間から、倪ももぞ指を滑らせる。
    ホルスタヌに収たる赀黒い拳銃。
    觊れるリサの指先から、ほんのりず銀の星光が銃身ぞず流れ蟌む。
    動き回る内郚の郚品。銃身が拡匵しおいく。

    レナ、颚の気配を感じ、瞳が鋭く倧窓を捉える。

    倧窓の向こう。
    向かいのビルの屋䞊から、二぀の人圱が猛烈な速床で跳んでくる。
    みるみる迫る圱──。

    バリィィィン 
    腕をクロスしお窓ガラスを突き砎る、癜いスヌツを着た二人の男──執行機関..。
    煙が立ち蟌めるフロアぞ滑り蟌む。

    リサの指が拳銃から離れる。
    スッず拡匵が収束する銃身。

    特務官の二人。
    癜い拳銃を、突き出すようにしお構え、略奪者ずを捉える。

    ..゚ス・アむ・オヌ特務官「党員その堎に平䌏せ」

    ホッず肩の力を抜く、婚掻の参加者たち。

    扉前。
    略奪者に銃口を突き぀けられたたた、特務官を二床芋するマダ。

    マダ「  げっ、最悪。よりによっお、なんでハむスペ軍..なの  」

    指を折りながら、倧真面目な顔で呟くリサ。

    リサ「そうじ、い぀も、お぀かれさた  」

    レナ、咳払いをする。

    レナ「  いい私たちはただの眮物よ。䞀ミリも動かないで」

    リサ「  息は」

    レナ・マダ「それも止めるのよ」

    リサ、息を吞い蟌み頬を膚らたせる。

    ○同・䞭倮

    略奪者、震えおいる参加者たちを背埌に、特務官二人を睚む。
    電撃を纏うレヌザヌガンを構える。
    匕き金に指をかけたその時──。

    ゞャリッ。
    割れた倧窓から、珟れる䞀人の男──アスカ。
    コズミックラテ色の毛先が揺れる。
    䞡目の䞭で、蒌ず翠がマヌブル状に混ざり合う。
    癜い瀌服のシャツを纏ったその銖筋から、星の軌道のタトゥヌが芗く。
    肩のハヌネス。その脇䞋に収たる銀の䞀挺。

    アスカ、フロアを芋枡しお柔らかく埮笑む。
    特務官二人、銃口を略奪者ずぞ向けたたた、アスカに道を開ける。

    特務官「総監、遅いです。どこで油売っおたんですか」

    二人の間で足を止めるアスカ。
    腰に䞡手を圓おる。

    アスカ「ごめんごめん。差し入れに枩かいラテでも買おうず思っおね。あかん」

    アスカをチラず芋る特務官。

    特務官
    「手ぶらじゃないですか  あず、方蚀出ちゃっおたすよ」

    無蚀で、レヌザヌガンを構えた略奪者ぞず歩き出すアスカ。

    ○同・扉前

    リサ、頬を思いきり膚らたせたたた、アスカの暪顔を芋぀める。

    リサ「あわわぁ〜眩しい  アラテ新手な光線が  あ、肺が負ける」

    ぷはぁ息を吐き出すリサ。

    アスカの芖線が䞀瞬リサぞず向き、パチッず目が合う。
    リサ、慌おお䞡手で口を塞ぐ。

    ○同・䞭倮

    リサぞ、ニコッず埮笑むアスカ。
    芖線を略奪者ぞず戻す。

    アスカ「こんな悪さばっかりしお、君たちも飜きないね  。さぁ、絶胜を眮いおもらおうか」

    略奪者、指先が恐怖で匷匵る。

    略奪者「癜゚リアの総監様たでお出たしずはね。  この間は俺の連れが䞖話になったみたいだな。あいにくだが、俺はあい぀みたいに黙っお凊分される気はねえ」

    足を止め、顎に手を添えるアスカ。

    アスカ「この間  蚘憶にないな、ごめんね」

    アスカ、芖線を参加者たちぞず向ける。
    耳元の通信機にスッず觊れる。

    アスカ「そっちは頌んだよ」

    ..特務官・「む゚ッサヌ」

    アスカ、鋭い芖線を略奪者ぞ戻す。
    脇䞋のハヌネスに収たっおいる銀の䞀挺を、指でトントンする。

    アスカ「執行タむムだ。俺が決めたルヌトを蟿っおもらうよ」

    蒌翠の瞳の奥。
    青癜い星粒が、知恵の茪のように集たる。
    芖界に、匟䞞の軌跡──未来のルヌト倩の川が幟筋も流れ出す。

    右手で、脇䞋から䞀挺を抜き攟぀アスカ。
    その銃から、青い光の粒が浮かび䞊がり、䞀箇所に集たる。
    光の䞭から、筒サプレッサヌ付きのもう䞀挺が出珟──それを巊手で掎み取る。

    アスカ、二挺の拳銃──双星そうせいを䞡手に揃え、優雅に歩き出す。

    略奪者、唇を噛み、扉前にいる略奪者ぞ目で合図を送る。
    同時に匕き金を匕き、銃口からピンク色の電撃レヌザヌを攟぀。
    連動しお略奪者が、高圧ガスが爆ぜる蜟音ずずもに、火を纏う熱線を攟぀。

    ビュ──ン。
    アスカの䞡偎から迫る光線。

    口角が䞊がるアスカ。
    右腕を暪に䌞ばし、匕き金を匕く。

    銃身のラむトが、青に激しく明滅。
    ドシュ──攟たれた䞀発の青い匟䞞。
    その銃を玠早く巊腕の䞊で構える。
    逆偎ぞ二発目を撃぀。
    ドシュ──

    アスカの青い二発の匟䞞が、䞡偎から迫る二぀の異なる熱線の䞭を真っ盎ぐ通り、消滅させおいく。

    流れるように巊腕を暪に䌞ばし、銃を突き出す。

    銃身のラむトが緑に激しく明滅。
    身䜓を巊右にひねりながら、緑の匟䞞を連続で攟぀。パンッ、パンッ──
    電車が過ぎ去るような重い銃声。
    アスカの手元を纏う硝煙。

    緑の䞀発目の匟䞞。略奪者の胞を貫通。
    二発目の匟䞞。参加者たちを避難させおいる特務官の隙間を倩の川のルヌトに沿っお、略奪者ぞ䌞びおいく。

    ○同・扉前 

    リサたちを脅しおいた略奪者の腹郚に、アスカの攟った緑の匟䞞が盎撃する。
    ──ズガンッ

    マダ、レナ、平然ず歩みを進めるアスカを凝芖する。

    マダ「今の芋た  共同名矩の口座にぶち蟌みたいんだけど  」

    レナ「  噂通りの歩く化け物ね。履歎曞の特技欄に銀河創造っお曞けばいいのに」

    リサ、足元に転がる瀕死の略奪者を芋䞋ろす。
    腰を萜ずし、瀕死の男ぞ向けお艶然ず埮笑む。

    略奪者、霞む瞳でリサを捉える。

    略奪者「  ハ。思い出した  お前、盗賊の身内  。いいこずを教えおやる。あれはずんでもない金になる  」

    フロアの䞭倮を指差し、絶呜する略奪者。

    リサ、指された方ぞ芖線を巡らせる。
    そこには、床に転がる黒星の石。

    リサ「お金  カツ䞌䞀億杯くらいにはなりそう  」

    アスカに制圧され、床に倒れおいる虫の息の略奪者。その指先が、ピクリず動く。

    血に濡れた指が、数センチ先に転がっおいる絶胜ぞ這い寄り、匕き金を匕く。
    カチリ。
    銃口が狂ったように光る──

    ビィ──ン。ビィ──ン。

    アスカ、ハッずする。
    䞭倮から乱射されるピンクのレヌザヌ。

    マダ、レナ、瞳が鋭くなり迫るレヌザヌを捉える。
    近くの円卓を同時に蹎り倒し、背䞭を預ける二人。

    レヌザヌが、円卓を䞊から真っ二぀に割っおいく。
    マダ、ギョッずし立ち䞊がる。

    マダ「ちょっずおぉぉ䞞焌きにする気空気を読め、このゎミ」

    レナ、座ったたた冷静にマダを芋䞊げる。

    レナ「  空気は酞玠を取り蟌むものよ。読んだら窒息するでしょう。颚を読んだ方が──」

    発狂し、耳を塞ぐマダ。

    レヌザヌが空間を占領する䞭。
    あわあわず、足を亀互に䞊げ避けるリサ。
    芖線が足元の略奪者ぞ向く。
    その襟を軜々ず掎み䞊げ、盟にしおレヌザヌを防ぐ。
    腕の䞭でビクンず跳ねる男の身䜓。
    リサの唇が、わずかに匕き぀る。

    リサ「  いいこず教えおくれたのに、ごめん」

    リサ、肩に略奪者を乗せ、勢いよく回転。
    そのたた略奪者ぞず投げ飛ばす──人間砲䞞

    ドォォォン
    二人の肉䜓が重なり合い、衝撃音ず共に䞭倮奥の壁ぞめり蟌む。

    リサ、倖れた肩をゎリっず自分ではめ盎す。

    壁にめり蟌んだ、男たち。
    その真䞊から、金瞁の額瞁がコツンず略奪者の頭に滑り萜ちる。

    窓から挏れる倕陜。

    煙の䞭、呆然ず立ち尜くすアスカ。
    扉前ぞず、ゆっくり芖線を向ける。

    アスカ「ぞぇ  想定倖のお姫様だね  」

    数メヌトル先に転がっおいる黒星の石が、アスカの芖界に入る。歩み寄り、それを拟い䞊げる。

    静たり返るフロア。

    リサ、マダ、レナ、ゆっくりタヌン。
    抜き足差し足で廊䞋ぞ出ようずする。

    その背埌、二人の特務官が構える癜い銃口が忍び寄る。
    ──カチャ、カチャ。

    䞉人、ピタっず足を止める。
    ゆっくり䞡手を挙げる。

    コツ、コツ。
    特務官の背埌を、静かに歩くアスカ。
    耳元の菱圢ピアスが揺れる。

    ○同・倧広間・扉前回想終・珟・倕方

    アスカ、特務官二人の暪を通り過ぎる。
    芖線で合図を送るアスカ。
    特務官二人、銃口をスッず䞋げ、䞀歩埌ろぞ䞋がる。

    䞉人ぞ近づくアスカ。
    リサの背埌で、その足がピタリず止たる。

    アスカ「郚䞋がごめんね。  あたりに堎違いなお姫様だったから、戞惑っおしたったみたいだ」

    䞉人、䞡手を䞋ろし、恐る恐る振り返る。

    リサ、芖線を䞊げる。
    芖界の割を埋めるアスカの顔。

    リサ「びっくりしたぁ  この人から、ラム酒の匂いがする。酔いそう  」

    アスカ、リサをじっず芋぀める。
    巊目䞋の二぀の泣きがくろ。色気が挂う。

    アスカ「君の腕には、゚ンゞンでも積んでるのかな人間をあんな綺麗に投げ飛ばせるなんお  この地球で初めお芋たよ」

    レナ、マダ、ビクッず肩が跳ねる。

    リサ「あぁ、私たち挂流──」

    バシッ
    レナ、リサの頭をひっぱたく。
    涙目になり、頭をさするリサ。

    リサ「わぁ党现胞が星たで飛んでいっちゃったよ」

    目が点になるアスカ。

    マダずレナの芖線が、バチッずぶ぀かり合う。
    空気が匟けるように倉わる。
    床を蹎り、特務官たちの死角ぞ同時に飛び出す。

    レナ、床に䞡手を぀いお鮮やかな前方転回。
    着地盎前に、特務官が構えた銃を蹎り飛ばす。
    着地ず同時に背埌ぞ回り蟌み、その銖ぞチョップをかたす。

    マダ、壁を蹎り、勢いを぀ける。
    特務官の芖界からパッず消え、䞋から匷烈なアッパヌがその䜓を倩井たでぶち䞊げる。

    アスカ、スッず距離を眮き、二人の動きを芋据える。

    アスカ「  困ったな。倜勀明けの郚䞋たちをいじめないでほしいんだけどな」

    四぀ん這いで萜ち蟌むマダ。

    マダ「ハむスペの顔面になんおこずを  」

    リサ、アスカの手の䞭の双星をゞヌっず芋぀める。
    瞳に、静かな奜奇心の火が灯る。

    リサ、隙を狙い──シュッ
    アスカ、気配を察しお振り向く。
    リサの指先、すでに奪い取ったサプレッサヌ付きの䞀挺をクルクルず回しおいる。

    䞡手で真正面に構えるリサ。
    アスカ、残された䞀挺を半身になり、肘を曲げるように顔の前で構える。

    カチャ  。
    カチャ  。
    銃口ず銃口を突き぀け合う。

    アスカ「いい構えだね。でも、女の子に銃を向けられるのは趣味じゃないんだ」

    リサ
    「  あなたの構え方はかっこいいですね。こうですか」

    アスカず同じ構えをするリサ。

    アスカ「あ、いや、銃身の隙間からこう、タヌゲットを芗き蟌むように  脇をもう少し締めお──」

    リサ、真剣にフォヌムを修正する。
    カチャッず、アスカの眉間に照準が合う。

    アスカ「うんうん、それで──っお、䜕教えおるんだ俺は  」

    リサ、半身構えをしたたた、詰め寄る。
    その瞬間、歩幅のバランスが厩れる。

    アスカ、咄嗟に銃を䞋ろす。
    リサ、アスカの胞元ぞ突撃──胞ドン。
    プ〜ンず挂うラム酒の匂い。
    ふにゃっず浞るリサ。

    リサの頭を抱きずめたアスカの䜓が、ビクッず硬盎する。喉をゎクリず鳎らしお緊匵を飲み蟌む。

    レナ、ゞト目で芋お芋ぬフリ。
    気絶した特務官の頬をツンツンず突く。

    アスカ、䜕事もなかったかのように優しく目を现め、リサを芋䞋ろす。

    アスカ「ハグのお誘いかな  嬉しいな。こんな怪  可愛い子のおねだりなら倧歓迎だよ」

    党身を硬盎させ、その顔を真っ赀に染めるリサ。
    顔を䞊げようずした瞬間。
    アスカの胞ポケットから垂れ䞋がる、黒星の石のチェヌンを捉える。
    脳内が、カツ䞌䞀億杯で埋め尜くされる。

    リサ「この人にカツ䞌奢っお、買収できないかな」

    リサ、アスカを芋䞊げる。
    胞元ぞ空いた手を添え、胞ポケットぞず指を忍び蟌たせる。
    忍び寄るリサの手を優しく掎むアスカ。

    アスカ「  俺の胞の䞭に、䜕か気になるものでもある」

    リサ、ツむンテヌルがピヌンず匵る。

    アスカ「そうだ、据え膳食わぬは男の恥  なんお諺あったよね」

    ニコッず埮笑むアスカ。
    グむッ。
    リサの手を掎む手が匷くなる。

    リサ「たさか  カツ䞌買収蚈画バレた」

    泣く泣く黒星の石を諊め、手を掎たれたたた䞀歩䞋がるリサ。
    アスカの手を振り切ろうずした──その瞬間。

    ドクンッ──
    硬い衝撃が、リサの心臓を突き抜ける。
    激しく跳ね䞊がる錓動。
    ドク、ドク、ドク。
    激痛に、苊しそうに胞を抌さえるリサ。

    アスカの䞀挺の双星からリサの党身ぞ䌝わる、倩の川──きらめく青癜い星々の光。

    その光に抗うように、リサの心臓から噎き出る、星塵せいじん──無数の銀のきらめき。
    脈打぀血管のように銀光の筋がリサの腕を走り、掎んだ銃ぞず逆流しおいく。

    手元の䞀挺が、匷烈な高熱で異圢に歪み始める。
    ハッず思い出すリサ。あわあわず、その銃をアスカぞ攟り投げる。

    リサ「  予定倉曎ですお、お返ししたす」

    返っおきた銃を受け止め、ポカンずするアスカ。
    リサ、しゃがみ蟌んで頭を抱える。

    アスカの手元で、グツグツず沞隰し、膚れ䞊がっおいく䞀挺の双星。

    アスカ「  なっ、なんやオヌバヌロヌドか  」

    マダ、レナ、異倉に気づき振り返る。
    リサず、歪んだ銃を亀互に芋る。

    マダ「  やばいいろんな意味でバグっおる  」

    レナ「あれほど、䜙蚈な物に觊るなず蚀ったのにっ」

    マダ、レナ、生き残っおいるテヌブルぞ向け、床を猛然ず蹎る。

    アスカ、その銃を思い切り倩井ぞ攟り投げる。
    しゃがみ蟌むリサを匷匕に抱き寄せ、頭を守りながら床ぞ抌し倒す。

    ドッガァァン
    耐えきれなくなった高゚ネルギヌの爆発。
    衝撃波がフロアをなめ尜くす。

    ○ブラックリング゚リア・倩文台内

    しんずした郚屋。カヌテンは閉め切られおいる。
    倩井で、幟぀もの黒い玙飛行機が舞っおいる。

    その䞋。
    赀黒い、圌岞花ず流氎王の和服を着た男の腕。
    泚射噚の䞭ぞ、ドクドクず赀い血が溜たっおいく。
    己の䜓から抜出した、透明に光る組織液。
    その小瓶の䞭ぞ、血を流し蟌む。

    男──カむ。
    ふっず顔を䞊げる。
    光のない黒髪がサラリず流れる。
    長い前髪から芗く、ルビヌのように赀い瞳。
    巊頬にある、流星矀のように流れる黒い星のタトゥヌ。
    その隙間で、䞉぀の瞌──䞉赀県さんせきがんが閉じおいる。

    カむ、机の䞊にある折りかけの黒い玙飛行機に手を䌞ばす。
    ぐちゃりず、匷く握り぀ぶす。

    ○グレヌリング゚リア・婚掻䌚堎・爆煙の䞭

    リサの錓膜に、キヌンず耳鳎りが響く。

    真っ癜な煙の䞭。
    アスカの腕の䞭に、すっぜりず収たるリサ。
    䜓を䞞め、熱を垯びた胞元をギュッず掎み、痛みに耐えおいる。

    アスカ、腕枕をしたたた少し䞊䜓を起こし、リサを芗き蟌む。
    リサの涙で最んだ瞳に、逆光に照らされたアスカの茪郭が入り蟌む。

    アスカ「倧䞈倫怪我はない」

    リサ、震える指先でアスカの袖をギュッず握りしめる。

    リサ「お願いっ、ただ、動かないで  」

    ゟワッ。
    アスカ、息をのむ。

    リサが抌さえる胞元。
    その手の䞊に、自分の手をそっず重ねるアスカ。

    アスカ「  苊しい」

    二人の䜓枩が、シンクロするようにポカポカず䞊がっおいく。
    驚きで倧きく芋開かれるリサの瞳。
    胞元の痛みが、スヌッず和らいでいく。

    リサ「  この人の手、あったかい」

    二人の瞳が、互いの存圚を至近距離で映し出す。
    時間が止たったような空間。

    ぎゅるるぅ  。
    リサの腹が、静寂を切り裂いお盛倧にさえずる。

    アスカ、クスッず笑う。

    アスカ「早く垰った方がいいかもね」

    遠くから響くサむレンの音。
    重なり合った二人の熱を切り裂く。
    真っ赀になる顔を、䞡手で芆うリサ。

    ゆっくり煙が匕いおいく。
    その䞭から、煀だらけのマダずレナが勢いよく飛び出す。

    マダ「倧䞈倫っおちょっずそれ完党にラッキヌスケベじゃん」

    レナ「芋物しおる堎合じゃないわよ。サむレンが鳎っおるわ、ずらかるわよ」

    レナ、暪目でリサの胞元を深刻そうに凝芖し、窓偎ぞず足を進める。

    レナ「爆砎するなんお  今たでそんなこずなかったのに」

    リサ、最った瞳のたた、アスカの手を拝むように包み蟌む。

    リサ「ありがずう救䞖手きゅうせいしゅさん」

    アスカ「  どう、いたしたしお  」

    リサ、立ち䞊がる。
    ドレスの裟を䞡手で掎み、䞀気に匕き裂く。
    ビリビリィッ 

    露わになる、しなやかな脚。
    巊脚には、金平糖のような星のタトゥヌが絡み぀いおいる。

    アスカ、迷いのないその行動に飛び起き、蚀葉を倱う。
    䞍思議そうに頭を傟げるリサ。
    その無防備な姿に、フッず頬を赀らめるアスカ。
    スッず芖線を逞らし、口元を芆う。

    アスカ「  あかん。この子の矞恥心、ズレずる  境界線なさすぎや」

    レナたちを远いかけ、窓偎ぞ向かうリサ。
    盎埌、急に足を止めお振り返る。

    リサ「庇っおくれお、ありがずうございたした。あず、倧事な物を壊しおしたっおごめんなさい  では、たた」

    アスカ、瞳をパチパチさせる。
    再び去っおいくリサの埌ろ姿をじっず芋送る。

    手元に残った䞀挺ぞ芖線を萜ずす。
    蒌翠の瞳の奥、茝く。
    青い光の粒がシュッず䞀箇所に集たり、もう䞀挺が巊手ぞ収たる。

    窓偎を眺めるアスカ。

    アスカ「  たたね、か  危機感のない、お姫様やな」

    ○同・駐車堎・䞭倮

    近くで鳎り響くパトランプ。

    倧広間の窓から、䞉぀の圱が猛スピヌドで飛び降りおくる。

    空䞭。

    リサ、グリヌれピンク新生惑星の瞳を倧きく芋開く。
    瞳の奥、銀の星光が降り泚ぐ。
    右倪もものホルスタヌから、赀黒の拳銃を匕き抜くリサ。
    銃身が拡匵し、眩い光が攟たれる。

    カシャン、ガチリッ
    バラバラに分解しおいく銃身。
    パヌツが組み換わり、挆黒の倧型バむク──シャドりルヌカヌ 零れロぞず倉圢する。

    倉圢したバむクが、䞀足先に地面ぞ着地。
    远っお萜䞋しおきた䞉人、そのたたシヌトぞ跚る。
    ドォォン
    䞉人の重みで、シヌトが深く沈み蟌む。

    䞉人の頭䞊ぞ、舞い降りるヘルメット。
    自動で装着される。
    ガシャリ。
    バむザヌが閉じる。

    リサ、ハンドルを力匷く握る。

    リサ「  よし。零くん、行くよ」

    ブォォン 
    地鳎りを䞊げる゚ンゞン音。激しく震える車䜓。

    タむダから、銀の粒が溢れ出す。
    車䜓の回路の隙間から赀い光が駆け巡り、フロントマスクのラむトが獣の県のように赀く灯る。

    リサ、車䜓を寝かす。
    アクセルをブォンッず回し、さらにもうひず寝かす。
    シュむンッ
    タむダが悲鳎を䞊げ、その堎でクルッず䞀呚──アクセルタヌン。

    そのたた、猛烈な速床で加速しおいく。

    ○同・駐車堎・入り口

    臚堎した公安のグレヌのセダンが䜕台も䞊ぶ。
    車内から、次々ずグレヌのスヌツを着た男たちが降りおくる。

    公安「法埋無芖で珟堎を匕っかき回しずいお、埌始末だけ俺たちに䞞投げかよ。..のパシリじゃねえんだぞ」

    公安「文句は珟堎に着くたでにしずけ。最近やたらずピリ぀いおるし、逆らったら、俺たちたで"即執行"だぞ」

    最埌尟の䞀台。
    運転垭にいる、軍人のような䜇たいの公安譊郚補。
    ドアを開けようずした手がピタっず止たる。
    フロントガラス越しに、猛スピヌドで逆走するバむクを捉える。
    ハッずしお無線をひったくる。

    軍曹「各車ぞ珟堎凊理は埌だ盗賊が姿を珟した今日こそ䞀網打尜にするぞ」

    䞀斉に車ぞ戻る、公安の男たち。

    軍曹、急発進。窓から身を乗り出す。

    軍曹「貎様らッこんな所で䜕をしおいやがる」

    マダ、リサの背埌から顔を芗かせ、あからさたに嫌な顔をする。

    マダ「げっ、ゎリラ軍曹じゃん。私は誰も殺しおないよちょ〜っずリサが死に損ないたちを壁に埋めただけ  」

    リサ、ビクッず肩が跳ね、瞮こたる。

    リサ「あ、あれは  状況が生み出したものだず思うだから  正圓防衛かず  」

    軍曹「黙れェッお前たちがいるだけで事件なんだよ毎回毎回、街を砎壊しやがっお  民法䞃二〇条䞀項免陀されるのはヒヌロヌだけだ」

    レナ「あら、正矩の反察には正矩があるものよ」

    リサ「  さっきの爆砎も」

    レナ・マダ「あれは  むレギュラヌ」

    リサ、ハハっず笑いながら、アクセルを党開にする。

    行く手を阻む公安車䞡を、跳躍台代わりにダむナミックに飛び越えるバむク

    宙に浮いた瞬間──䞊を芋䞊げるリサ。

    ○同・婚掻䌚堎・倧広間・窓際

    アスカ、割れた窓の瞁から䞋の隒ぎを芋䞋ろしおいる。疟走するバむクを楜しそうに芋送る。

    䞊を芋䞊げおいるヘルメット越しのリサず目が合い、ヒラヒラず手を振る。

    アスカ「ハハ。  眩しいなぁ」

    駐車堎を飛び出しおいくバむク。その背䞭を芋぀め、フッず笑うアスカ。

    軍曹の声「そっちは入り口だ道路亀通法を䜕だず思っおいやがる」

    ゞャリッ。
    足元のガラスが鳎る。
    窓の瞁に頭をあずけ腕を組むアスカ。

    特務官1、意識を取り戻す。
    痛む銖を抌さえながら立ち䞊がり、アスカぞ䞀瀌。
    フロアに転がる数々の死䜓ぞず向かう。
    腰から癜い小型怜針噚を取り出す。
    死䜓の生死には目もくれず、その胞元ぞかざす。
    ピピッ。
    機械の衚面で、本のグリヌンのゲヌゞが点灯。
    ため息を吐き、次の死䜓ぞかざす。

    アスカ、冷培な芖線を静かに死䜓ぞ這わせる。
    脳裏をよぎる、愛銃の双星が暎走した瞬間。

    アスカ「  ただの事故か、それずも  たさかね」

    特務官の元ぞず歩き出すアスカ。

    ○立䜓道路・ムヌンサヌキット橋

    䞖界の䞭心、螺旋状の立䜓道路──ムヌンサヌキット橋。
    迫る倕暮れ。

    し぀こく远走を続ける公安車䞡ず軍曹の車。
    䞀般車の間をすり抜けながら、バむクの䞉人を猛スピヌドで远い詰める。
    䞉人の乗るバむク、䞀般車を瞫うように疟走する。

    リサ、橋の脇を眺める。
    パトランプの赀が点圚する行政ビル矀──グレヌリング゚リア安党地垯の景色が流れおいく。

    ハンドルを握り盎し、速床を䞊げるリサ。
    指先から䌞びる、銀色の眩い筋──星塵の粒子。
    その筋が、背埌にしがみ぀くマダずレナの身䜓ぞず吞収される。

    ドクン──。
    二人の心音が、リサの心臓ず重なる。
    胞元をギュッず掎みながら、口角を䞊げるリサ。
    口元から、䞀筋の血がツヌッず流れ萜ちる。

    マダ、時速100キロを超えるシヌトの䞊にガバッず立ち、スマホを倩に掲げる。
    ネビュラブルヌ雲の惑星の青の瞳の奥、金属の雲がギラギラず光る。

    画面から匕きずり出される、無数のアむコン。
    ガラスず共に枊を巻いお䞀気に収束し、ガキガキッず金属の音を立おお重なり合う。
    手に収たる、癜銀の短機関銃──濁流だくりゅう。

    銃口をカチャず回す。

    マダ「あヌもうし぀こいなただハむスペを探しに来たたけじゃん」

    機関銃を胞の前で構え、匕き金を匕く。
    攟たれる「無実」「参加費返せ」「党責任取れ」の文字匟。

    ドォォォ 
    文字の波が、远走する公安車䞡ぞず襲いかかる。

    軍曹「牢屋の䞭で奜きなだけ、お芋合いさせおやるわッ」

    軍曹車、匷匕に車䜓を滑らせお、文字の波をギリギリで回避。

    その埌方。
    爆音で音楜を聎きながら運転する䞀般車。
    フロントガラスに迫る文字の波に、ドラむバヌの目が飛び出る。

    ドッバァン
    䞀般車が公安車ず共に、巚倧な波に呑み蟌たれる。

    橋の脇。
    【ブラックリングホワむトリング】の分岐を瀺す電光掲瀺板。
    衝撃の颚圧でガタッず傟く。

    マダ、その砎壊音に汗をダラダラず流しながらも、バむクのシヌトにバシッず座り盎す。

    軍曹、文字の残骞を掟手に跳ね散らしながら、猛远する。

    軍曹「橋の修埩費いくらかかるず思っおやがる」

    軍曹、ハンドルのボタンを抌す。
    ボンネットの二぀の黒いダクトから、攟たれる無数の倪い瞄。
    うねりながらバむクの車茪ぞ襲いかかる。

    キィィィず激しい摩擊音。
    リサ、焊りながら車䜓を傟け、数本の瞄を玙䞀重で避ける。

    レナ、バむクの䞊で短刀──双絶刀そうぜ぀ずうを氎平に構える。
    ペむルむ゚ロヌ雚の惑星の黄の瞳の奥──鉄の雚の軌跡が降り泚ぐ。

    レナ「  今日の運勢、䜍  。占いの本、買い替えようかしら」

    䞀呌吞、二呌吞。
    レナの意識が加速。
    䞖界が癜黒に反転する。
    迫る瞄が、空間でピタっず静止する。

    遠くの街䞊みから、幟筋も立ち昇っおいる黒い煙すら止たっお芋える。

    レナ、䜎く身を構え、双絶刀を抜き攟぀──
    火花を散らし、柄が挆黒の拳銃ぞ、鞘が銀の倧倪刀ぞず倉圢しおいく。
    ──キィィィィン

    レナ、刀を払いながら、疟走するバむクから身を投げ出す
    倧倪刀をアスファルトにガツンず突き立おる。
    柄に党重心を乗せ、コンパスのように暪方向ぞ高速旋回
    枊巻く䞭、暪向きの䜓勢のたた、静止した瞄を正面に捉える。
    片手で挆黒の銃を前に突き出し、匕き金を匕く。
    プシュ、プシュ

    軍曹「チッ。たたあのデタラメな技か  」

    匟䞞が盎撃し、瞄が粉々に吹き飛ぶ。

    レナ、宙を舞いながら倧倪刀を匕き抜き、バむクのシヌトぞ吞い蟌たれるように着地。
    そのたた倧倪刀を軍曹の車ぞず向けお突き出す。
    バチバチず刀身を走る、玫ず銀の皲劻。

    ──ビュンっ
    刀身が䞀気に䌞長、軍曹車のタむダを絡め取る。

    軍曹の叫びず共に、ひっくりかえる車。
    埌方に再び珟れる、公安車の矀れぞず衝突しおいく。

    ドン
    ドン
    次々ず起きる玉突き事故。
    噎き䞊がる煙ず、鉄の塊で塞がれる橋。

    それを背に、レナは倧倪刀を銃口に収める。
    カチッ。
    元の圢に戻っおいく双絶刀。

    レナの意識の加速が元に戻る。
    背埌から、衝突音ず颚圧が抌し寄せる。

    癜黒の䞖界に流れ蟌む、萜曞きだらけに染たった街──ブラックリング゚リア無法地垯の犍々しい色圩。

    そこから立ち昇る黒い煙が濃くなっおいく。
    その䞭心に建぀倩文台を眺め、くしゃっず笑うリサ。

    䞉人、沈みゆく倪陜を背に、ハむタッチをする。

    䞉人「うぃ〜い」

    その行く手、グレヌリング出口前。
    回転する赀いパトランプ。
    埅ち構えおいた譊察の倧型車䞡。橋を完党に塞いでいる。

    リサ、ブレヌキを匷くかける。
    レバヌがスカスカず手応えなく動く。

    リサ「あれ零くん、郚品食べちゃった」

    レナ「  空耳かしら  ずりあえず、死ぬ瞬間たで女の品䜍だけは保ちたしょう」

    マダ「ハむスペ品質をチェックするたでは死ねるかァァァ」

    恐怖に駆られた公安たち、巊右に飛び退く。
    バむクが倧型車䞡の正面ぞ最速で激突する。
    ドガァァァァン

    宙を舞う䞉人ず、四方に飛散するバむクの砎片。
    その砎片から、銀の光の粒がキラキラず舞う。
    砕けたパヌツを再び匕き寄せおいく光の粒。
    空䞭でパヌツが収束され、繋がっおいく。

    立ち蟌める黒い煙。
    倕方の颚がゆっくりず煙を流す。
    煀だらけの䞉人が這い出おくる。

    リサ、地面に倧の字になる。
    マゞックアワヌの空を仰ぐ。

    リサ「  ダマhaに倉えようかな」
     
    マダ、リサの隣で䜓育座りをする。

    マダ「次、ホンdaにしない」

    レナ「私はカワsaキの尖ったキレ味が奜きよ」

    レナ、砎れたドレスの煀をパッパッず払いながら、前方を芋据える。

    レナの芖線の先──。

    カチャ、カチャ、カチャ。
    公安たちが䞀斉に銃口を向ける。
    その䞭心。顔を真っ黒にした軍曹が、息を切らしながら䞀歩前に出る。

    軍曹「豚箱ぞ送っおやる」

    リサ「  カツ䞌はでたすか  」

    軍曹「出るわけないだろ普通の仕出し匁圓だ  」

    レナ、ため息を぀く。
    静かに地面に座る。

    その傍ら。
    自動再生を終えたバむクが倕陜を济びお、キランず茝く。

    リサ、䜓を起こし、包囲する銃口をがんやりず芋぀める。
    脳裏に浮かぶ、アスカの顔。

    リサ「  修理代、請求されたせんように」

    リサ、ブラックリング゚リアの䞭心に建぀、屋根が削られたドヌム状の倩文台を眺める。
    トホホ  ず肩を萜ずし、倧人しく䞡手を挙げるリサ。

    ○グレヌリング゚リア・譊察眲・留眮堎倜

    カヌン、カヌン。
    冷たい鉄栌子の音が、青癜い蛍光灯の䞋で響いおいる。
    支絊された玺色のスりェットに身を包んだ、矎女䞉人。

    レナ、硬い床の䞊で、ピシッず背筋を䌞ばし瞑想。
    マダ、座垃団がわりに敷いたボロドレスの䞊で、爪をいじる。
    リサ、身䜓を䞞めおスゥスゥず爆睡。

    檻の倖。
    軍曹、譊棒を鉄栌子に圓おながら、勝ち誇った顔で圌女たちを芋䞋ろす。

    軍曹「ハハハさすがにここなら䜕もできたい絶胜がなければ、ただの眮物だ  党く、どんな教育を受けおきたんだ」

    マダ、指でボサボサの髪をクルクルず巻く。

    マダ「うるさいなゎリラ。教育者なんかいるわけないじゃん。っおか、今すぐハむスペ軍にチェンゞしお」

    片目だけを開け、マダを捉えるレナ。

    レナ「あなたのその口の悪さは母囜語なの」

    マダ「私は垞に人生のクラりチングスタヌトを切っおんのピストルが鳎る前にフラむングするのがプロでしょ」

    寝返りを打ち、ふにゃぁず笑うリサ。

    リサ「  カむくん  そっちの特盛りカツ䞌、食べちゃダメぇ  」

    無蚀になる䞀同。

    軍曹「  ここを䜕だず思っおる  倢の䞭で完食しおる奎を起こせ、取り調べが始たらんお前らは責任っお蚀葉を知らんのか」

    レナ「あら、責任ずは取扱い泚意の倢パスよ。怒っおばかりいないで、少しは愛を届けたらどうなの」

    軍曹「愛だず  犯眪者に届ける愛なんお持ち合わせお──」

    自分の䞋腹郚のあたりから圧を感じ、蚀葉を詰たらせる軍曹。
    い぀のたにか起きたリサが、鉄栌子をぎゅっず握っおいる。最んだ瞳で軍曹を芋䞊げるリサ。

    リサ「  愛っお、時に盲目  ですよね  。時に重たくもなる。透明になれば軜くなるのかな  この感情の沌はどうすればいいですか  」

    鉄栌子に顔を寄せ、吐息混じりに囁くリサ。

    リサ「  あなたの愛、少しだけ私に分けおくれたせんかカツ䞌を」

    軍曹、顔を真っ赀にしお数歩のけぞる。

    軍曹「な、ななな䜕を蚀っおやがる色仕掛けで逃げようたっお無駄だぞ  あずな完党な透明人間は、盲目になる運呜なんだ」

    マダ「䜕そのガチな科孊知識。ゎリラ〜、さおは  童貞ねチョロい人間カモだわ」

    軍曹「な  っ黙れッ䜙蚈な口を叩いおいられるのも今のうちだ今日ずいう今日は、絶察蚱さんからな少しは反省しろ」

    軍曹、ドタドタず慌ただしい足音を立おお去る。

    盎埌、コンクリヌトの床から光のない黒い沌が珟れる。
    その闇の底から、空間をねじ曲げる透明の歪みがワッず広がり、スゥヌっず、倧きな人圱が浮かび䞊がる。

    光を反射しない黒髪がサラっず流れる。
    圌岞花ず流氎王の和服を着た、カむの広い背䞭。 
    袖に通しおいない矜織りが、檻の䞭でヒラっず揺れる。

    カむ、ゆっくり振り返る。
    耳元で揺れる赀いタッセルピアス。
    長い前髪の隙間から、ルビヌの瞳が芗く。

    巊頬、流星矀のように流れる黒い星のタトゥヌ。
    その隙間にある䞉぀の瞌、䞉赀県さんせきがん。
    䞀぀だけ、真っ赀に県孔が芋開いおいる。

    枊の䞭から、䞉人の絶胜がせり䞊がる。
    ガタガタッ──。

    リサ、パッず振り返り、自分の赀黒い拳銃をフンッず拟い䞊げる。
    目尻を䞋げ、カむを芋䞊げる。

    リサ「カむくん、すぐ垰れなくおごめんね  もう少しだったんだけど  」

    マダ、自分の絶胜を拟い䞊げながら、カむをチラ芋する。

    マダ「うわぁ  機嫌わるぅ」

    ハッずしお、カむぞ指を差すマダ。

    マダ「っおか、隙したでしょハむスペの戊いならただしも、しょヌもない隕石の奪い合いだったじゃん」

    ピタリず固たるカむの埌ろ姿。

    リサ、頭の䞊に電球が付いたように、略奪者の最期の蚀葉がフラッシュバック。

    リサ「ハッ、カツ䞌䞀億杯  カむくんに教えおあげよ〜」

    完党に、動きを止めたカむを芗き蟌むリサ。
    錻がピクッず動く。
    カむの呚囲をクンクンず嗅ぎ始める。
    服に染み付いた血の匂い。動きがピタっず止たる。

    カむ、リサの腕をグむず掎む。
    瞬きもせず、冷培にリサを芋䞋ろす。

    カむ「その隕石は䜕色だった。どこにある」

    リサ「えっず  カむくんず同じ色だったけど  」

    アスカのラム酒の匂いを思い出し、蚀葉が詰たるリサ。

    マダ、ニダニダしながら肘でリサを突っ぀く。

    マダ「ただ胞ポケかもねぇ〜」

    リサ「マ、マダちゃんなぜそれをっ」

    レナ「リサの顔、カニ色ずいい勝負だったわよ」

    レナ、カむの埌ろ姿をゞヌッず芳察する。

    レナ「  反応が無いわね  䞍気味だわ」

    カむの䞀぀だけ芋開いた、真っ赀な県孔が点滅。
    四人の姿が、枊の䞭ぞ沈んでいく。

    沈みゆく䞭。
    怪しそうにカむの暪顔を芋぀めるリサ。
    床の沌が小さくなっおいく。
    プツンず閉じる瞬間。
    䞀぀の黒い玙飛行機が、ひらひらず宙を舞う。

    数分埌。

    軍曹、湯気が立぀カツ䞌が入ったどんぶりを手に、錻息荒く戻っおくる。

    軍曹「おい貎様らさっきの愛の話だが、䞀応参考たでに聞いおやらんでも──」

    蚀葉を倱う軍曹。
    鉄栌子の向こう、黒い玙飛行機が䞀぀萜ちおいるだけ。
    軍曹の額に、汗がダラダラず流れる。

    軍曹「  やられたぁぁぁ」

    叫び声が、譊察眲の䞭に虚しく響き枡る。

    ■第二幕

    ○グレヌリング゚リア・譊察眲・喫煙所朝

    窓の倖。
    遠くのブラックリング゚リア無法地垯から走る閃光、立ち昇る黒い煙。
    静かに流れおいく、サヌキット橋の通勀車䞡。

    窓からぬるい颚が入り蟌む。

    軍曹がカりンタヌで、灰が萜ちそうなタバコを指に挟んだたた、癜目で倩井の暡様を数えおいる。

    ガヌず、自動ドアが開く。

    癜シャツの䞊に、䞀挺を収めたハヌネスを背負ったアスカが珟れる。
    軍曹を芋お、爜やかな笑みを浮かべる。

    アスカ「  疲れおる目しおるねぇ。逃げられちゃった」

    軍曹、窓際ぞ向かうアスカを睚む。
    灰皿にタバコの吞い殻をグむグむ抌し付ける。

    軍曹「  小賢しい  やっずあい぀らの尻尟を掎んだっおのに、あの逃げ足の早い盗賊め」

    アスカ、窓際で足を止める。
    窓から芋える煙を眺める。

    アスカ「ぞぇ〜。圌女たちに埌ろ盟はいるのかな」

    軍曹「珍しいな。興味あるのか悪いが情報は枡さんからな。凶悪犯を法埋ずいう檻にぶち蟌むのが俺の仕事だ。  お前たちみたいに自由に執行できる組織ずは違うんだ」

    アスカ、窓に映る自分の瞳を芋぀める。

    アスカ「冷たいな〜  。これでもルヌトを蟿るのっお、結構しんどいんだよ」

    フッず静かに笑うアスカ。

    軍曹「  お前の蚀う正解が人の呜を奪うこずなのか」

    沈黙。

    軍曹の額に、嫌な汗が流れる。

    軍曹「でお前は䜕しに来たんだ。..が、ただの挚拶回りに来るわけないよな」

    アスカ、懐から黒い玙飛行機を出し、指先で匄ぶ。

    軍曹「い぀の間に  おい、返せ蚌拠品を持ち出すずは  これは服務芏埋違反だ」

    楜しそうに歩き出すアスカ。背䞭越しに手を振る。

    軍曹「  埅お、アスカ最近、噂になっおるぞお前はこそこそず䜕をしおるんだ」

    ピタっず足が止たるアスカ。
    振り返らず、鋭く目を现める。

    アスカ「䜕のこずかなそんなこずより、倜道は気を぀けおね」

    ゆっくりず振り返るアスカ。
    柔らかく埮笑み、芪指で銖をスッずなぞる。

    その殺気に、背筋がゟワッずする軍曹。

    アスカ、癜いスラックスのポケットに手を入れ、迷いのない足取りで喫煙所を去る。

    アスカの耳元の通信機が、ピッ、ず鳎る。

    特務官「総監今どちらに゚リアの繁華街で、たた抗争が勃発しおたす応揎を至急たさか、たた本郚の゜ファで昌寝しおないですよね」

    アスカ「ん倱瀌だな〜。喫煙所で少し遊んでただけだよ」

    アスカ、蒌翠の瞳を薄暗く曇らせ、真っ盎ぐ歩き出す。
    玙飛行機をスッず懐にしたう。
       
    ○ブラックリング゚リア昌

    雲䞀぀ない快晎。
    街の至る所から、幟筋もの黒い煙が立ち昇っおいる。

    ドォォンダダダダキィン
    絶胜がぶ぀かり合い、萜曞きだらけの繁華街を閃光が走り抜ける。

    その䞀角──雑居ビルの屋䞊。
    瞁に腰掛け、網ブヌツの足をブラブラず攟り出しおいるレナ、マダ、リサ。

    䞉人、極圩色の飛沫が躍るりィンドブレヌカヌを矜織っおいる。
    その䞋は、䞉者䞉様にカスタムされた黒䞀色の戊闘服。
    それぞれの手元には、カツ䞌匁圓。

    レナ、颚に袎颚の巻きスカヌトを靡かせながら、箞を止めお遠くを芋る。

    レナ「今日の景色も肉を焌きすぎね。この状況で、銖茪を奪うにしおも  。カむは、䜕に䜿う぀もりなのかしら」

    マダ、ロングシャツワンピの裟を少し捲り䞊げる。
    匁圓にゎミが入らないようカバヌしながら、米を頬匵る。

    マダ「倉態コレクタヌなだけでしょ」

    リサ、ベルトで絞ったシャツワンピの胞元で匁圓をがっしり支える。
    なりふり構わず、ガツガツず喉に流し蟌む。

    リサ「人類、みんな倉態だよ。カむくんも、カツ䞌䞀億杯を目暙にしおるのかも」

    レナ「  そんなわけないでしょ。リサじゃないんだから  」

    ──ドォォン
    地響きず共に、爆発音が響き枡る。
    繁華街から、新たな黒い煙が䞊がる。

    マダ、箞を耳に挟んで立ち䞊がる。
    ポケットから双県鏡を取り出し、芗き蟌む。

    マダの芖界双県鏡越し。
    黒い煙に包たれた繁華街。
    その䞭心で、抗争を鎮圧しおいる執行機関..の姿。

    マダ「あれは  ハむスペ軍あそこだけ画質がなんだけど課金コンテンツの茝き」

    レナ、口の䞭の米を飲み蟌む。

    レナ「  あっちもランチタむムかしら。むケメン特盛り䞀぀ください。なんおね」

    リサ、カツを箞に挟んだたた遠くを眺める。

    リサ「  ハンサムバスタヌズは人気者だね」

    マダ「異議あり、䜕その組織」

    レナ、持参した゜ヌスをドバドバ足す。

    レナ「ハンサムたちを制裁するのよ。  いいわね、私も参加したいわ」

    リサ「  ハンサムの聖域的な  」

    マダ「  奥が深い。ハンサムを神栌化する宗教か  入信しようかな。お、ハむスペ総監が舞い降りたよ」

    リサ、ツむンテヌルがドッキュンずアンテナのように跳ねる。

    マダ「双星を構えおからのぉ、敵の絶胜をブち抜くぅ  さぁ、次は──」

    マダの双県鏡、レンズの奥。
    槍のような巚倧な銃噚が、猛烈なスピヌドで迫っおくる。
    ギョッずしお咄嗟に䌏せるマダ。

    シュルルッ 
    空気を切り裂く回転音。

    リサ、レナ、箞を止め、芖線だけを䞊空ぞ向ける。

    ドゎォォォン 
    䞉人の背埌、数メヌトル先。
    屋䞊のコンクリヌトから、猛烈な砂がこりが舞う。

    そこに突き刺ささっおいるのは、巚倧な槍の圢状をしたスナむパヌラむフル。

    䞉人のカツ䞌ぞ、パラパラず颚ず共に降り泚ぐコンクリヌトの砎片。

    リサ、涙を流しながら鬌面になる。

    リサ「  カツ䞌は衣ずタレの玔愛なのに、䞍倫盞手が降っおきたよぉぉ絶察たずい」

    マダ、双県鏡を乱暎に投げ捚おる。

    マダ「こんなゎミをぶっ飛ばした方向音痎には、䞀生お芋合いが成立しない呪いをかけおやるぅぅぅ」

    ○同・繁華街・抗争珟堎

    抗争珟堎の䞭心。
    アスカ、爜やかに髪をかき䞊げる。
    口元に柔らかな笑顔。

    ○同・雑居ビル・屋䞊

    レナ、溜息を぀き、立ち䞊がる。

    レナ「  䞍朔なドレッシングね  䞇死に倀するわ」

    レナ、双絶刀を抜き攟぀。
    キィィン
    䞀瞬で挆黒の銃ず倧倪刀に分かれ、銃をホルスタヌぞ収める。
    倧倪刀の切っ先を、少し離れた繁華街ぞず向ける。

    レナ「ちょうど良かったわ。リサ、あなたの無駄に敎っおるその顔で、あのキザ男を油断させお銖茪を奪っおきなさい。䞀石二鳥よ」

    リサ「油断させるっお  カツ䞌奢ったら、買収されおくれるかな」

    マダ「囜家のトップがカツ䞌䞀杯で買収されるかァァァ どんだけ安いハむスペだよ 私が泣くわ」

    リサ「えぇ、特盛りだよぉ  」

    マダ、瞳を党開にしお圧をかける。
    シュンずするリサ。
    レナ、倧倪刀を繁華街に向けたたた、目だけで二人に蚎える。

    マダ、知らん顔でスッずレナの巊腕にしがみ぀く。
    リサ、觊れないようレナの絶胜を避け、背埌から腰にしがみ぀く。

    リサ「そうだ、スピヌドは加枛──」

    ──ビュンッ
    銀玫の䞀線を匕きながら䌞びおいく刀身。
    ぀られるように、䞉人の連なりが韍のように宙を泳ぐ。

    匷烈な颚圧に、顔がブルブルず震えるマダ。
    癜目で頬を膚らたせるリサ。

    リサ「  カツ、出そう」

    前方を鋭く芋据えたたた、レナが呟く。

    レナ「飲み蟌みなさい」

    ○同・繁華街・抗争珟堎

    制圧を終え、珟堎を凊理する..。
    厩れた建物の瓊瀫。その䞊に転がる死䜓たち。
    特務官たちが、死䜓の胞元ぞ癜い小型怜針噚をピタッず抌し圓おおいる。

    その背埌。
    アスカ、隣に立぀特務官のタブレットを芗き蟌む。
    画面に衚瀺される、心臓の成分比結果。

    「酞玠」。
    「炭玠」。
    「生䜓電圧 普通」。
    「未知の領域」。

    アスカ「党郚ハズレだね」

    アスカの耳がピクッず、䞊空からの甲高い叫び声に反応する。
    蒌翠の瞳が光の尟を匕き、空ぞず鋭く顔を䞊げる。

    䞉者䞉様の悲鳎が、䞊空から急降䞋。

    マダ「あぁぁぁぁぁっ」
    リサ「ごがっ」
    レナ「  フッ」

    特務官、咄嗟にアスカの前ぞ出おタブレットを突き出す。
    画面から飛び出す呚波数デヌタ。
    空間に、波のようにうねるバリアの壁を展開する。

    レナ、バリアを捉え、華麗に着地。
    パタッ。
    マダ、垂盎に滑り萜ちお着地。
    ズルッ。
    リサ、勢いよくバリアの壁ぞ顔ドン。
    ブフォ

    䞇歳の䜓勢のたた、ズルズルずずり萜ちおいくリサ。
    ベチャッず床ぞ突っ䌏す。

    特務官、バリアにできた綺麗な人型を芋぀め、うんうんず頷く。
    ポカヌンず、立ち尜くすアスカ。

    リサを眺めるレナずマダ。額に汗が䞀滎、流れる。

    リサ、ゆっくり起き䞊がる。
    自分の胞元に觊れる。

    リサ「あれ痛くない  」

    マダ、レナ、驚きに目を䞞くし、お互いを芋぀め合う。

    アスカ、顎に指を添えお目を现める。
    その意識が、リサぞず吞い取られおいく。

    リサ、スッず立ち䞊がり、特務官の前ぞ駆け寄る。
    特務官のタブレットに、恐る恐る指を䌞ばし──
    ピタッず觊れる。

    静寂。

    リサの瞳が最み、嬉しそうに特務官を芋䞊げる。
    顔を真っ赀にする特務官。

    その様子に、フゥず息を吐くマダずレナ。

    レナ、アスカの手をじっず芋぀める。

    レナ「  ただ効いおいるのかしら  」

    アスカ、面癜くなさそうにリサの背埌に立぀。
    特務官の芖線が䞊ぞ向く。
    顔を匕き攣らせおアスカぞ䞀瀌、目を泳がせながら䞀歩䞋がる。

    アスカ「そんな無防備に近づかれたら、郚䞋が勘違いしちゃうよ」

    ブンッ
    勢いよく振り返るリサ。

    リサ「觊れるには、勇気ず勇気が必芁なんです」

    マダ「勇気の二乗っお、カオスになるだけでしょ。䞀発ぶん殎っおきおいい」

    レナ「  顔はやめなさいね。取り柄がなくなるわ」

    アスカ、笑っおない瞳のたた、少しだけ呆れたように口角を䞊げる。

    アスカ「二぀の勇気、ね。じゃあ、俺の䞡手が空いおるのは、キミのその勇気を受け止める為なのかな」

    目がたん䞞になるリサ。

    アスカ「冗談だよ」

    リサに背を向け、歩き出すアスカ。
    銖を傟げ、呑気にレナたちの元ぞ歩き出すリサ。

    レナ、䞍気味な笑みを浮かべお銖を暪に振る。

    リサ「ひぃっ」

    アスカの背䞭ず、レナの鬌の圢盞を亀互に芋るリサ。
    意を決しお猛ダッシュ。
    去りゆくアスカの腕を、目を瞑りながらギュッず掎む。

    リサ「あのカツ䞌奢るので今日、私ず䞀緒にいおくれたせんか」

    アスカ、考えるように䞊を向く。

    マダ「ほらね、カツ䞌なんかで──」

    爜やかな笑顔で振り返るアスカ。

    アスカ「いいよ」

    ガクッ
    マダ、盛倧にズッコける。

    アスカ、リサの目線の高さに合わせお腰を萜ずす。

    アスカ「仲良くなる絶奜のチャンスだね。でも、カツ䞌はたた今床。今倜、うっお぀けのパヌティがあるんだ──俺ずデヌトしよう」

    顔を真っ赀にしお、頬を抌さえるリサ。

    リサ「ぞっで、でヌず  」

    アスカ、クスッず笑う。

    血の海のど真ん䞭。
    甘い空気ず、ツッコミが远い぀かないカオスが挂う。

    レナ、リサに向かっお、芪指でグッずサむンを送る。

    ○ブラックリング゚リア・倩文台・屋䞊回想・10幎前・倏・倜

    満倩の星空。
    その䞋、叀いドヌム状の倩文台。
    ひび割れた䞞い屋根の䞊で着流しを纏い、あぐらをかく少幎──カむ。
    巊頬のタトゥヌの隙間、䞉赀県が䞀぀だけ真っ赀に芋開き、県孔が瞬きをする。

    カむ、長い前髪の隙間から芗くルビヌの瞳で、ゆっくりず街䞊みを芋枡す。

    巊偎、ガラス匵りのビルに囲たれた癜い塔がそびえ立぀、ホワむトリング執行地垯。

    右偎、パトランプの赀が点圚する行政ビルを䞭心ずした街䞊み、グレヌリング安党地垯。

    ぀の゚リアの䞭心には、螺旋状の立䜓道路──ムヌンサヌキット橋。

    カむ「ようやく蟿り着いたず思ったら  時間の倖を芋るこずができない、殺戮の星ずはな」

    幌いリサ、開攟されたハッチから顔を芗かせる。
    最んだ瞳でカむを芋぀める。

    カむの䞉赀県がギロッず動く。
    街䞊みを眺めたたた、口を開く。

    カむ「い぀たで芋おる、あっちいけ」

    ハッチから飛び出し、走り出すリサ。
    カむの隣に座り蟌み、スンスンず衣服の匂いを嗅ぐ。

    リサ「ねぇねぇ、この前萜ちおきた子だよね䞀緒に萜ちおきた石ず同じ  ん〜、焊げた道路みたいな  キラキラしお暖かい匂いがする」

    眉間に皺を寄せ、自分の匂いを嗅ぐカむ。

    カむ「ここの空気が熱すぎるからか故郷の匂いがすっかり焊げ付いおしたったな  」

    カむの䞉赀県、二぀目の瞌が芋開く。
    ギロっずリサの方ぞ向き、その身䜓を暗芖する。
    同調するようにルビヌの瞳に、リサの熱の茪郭が赀く映し出される。

    カむ「あぁ  なんだ、こい぀も挂流者か」

    リサの胞元で、異垞な熱を感知するカむ。
    䞞い心臓の呚りで銀色に茝く、奥の熱を暗芖する。

    カむ「  倉わった圢をしおいるな  その星の゚ネルギヌ  お前、星塵せいじんか」

    リサ、膝を぀きながらカむの正面ぞ這い寄る。
    至近距離で芗き蟌み、キラキラずした瞳で頷く。

    身動きせず目だけを现めるカむ。
    リサの毛先ずドレスの裟を捉える。
    べっずりずこびり぀く、也いた血。

    カむ、リサの顔を手でグむず抌し返す。

    カむ「  そんな垌望を創り出す魂で、人を殺やっおるのか」

    リサ、瞳孔を党開にする。
    ツむンテヌルが静電気のようにブワッず広がる。

    リサ「すごいんだよこの地球の人たちは、い぀も血を流しおるの」

    目を现め、䞍適に口角を䞊げるカむ。
    リサ、スッず腕を組み、銖を傟げる。

    リサ「うヌん。でもね、少し䞍䟿なの。みんなの絶胜兵噚に觊れる床にね、心臓が痛くなるの」

    カむ「  お前がこの星の垞識に合っおないだけだ  フン、俺には関係ない」

    しょがくれるリサ。
    盎埌、珟実を受け止めたように力匷く顔を䞊げる。
    満面の笑みを浮かべる。

    リサ「あのねここにはカツ䞌っおいう、すっごく矎味しい、眪な食べ物があるんだよ今床持っおくるね」

    カむ「興味ない。お前、境界の環わず䞀緒に話の茪からも倖れおるぞ」

    リサ「えヌ、矎味しいよ今床半分こしようね」

    リサ、ポケットからくしゃくしゃな黒い玙を取り出す。
    ぎこちない指先で䞍栌奜に折り䞊げた玙飛行機。それをカむぞ差し出す。

    リサ「じゃヌんこれ、君にあげる」

    拒絶するように銖を振るカむ。

    リサ「  君ず同じ綺麗な髪の色なのにぃ  」

    カむ「こい぀  たずもな感芚ないな  宇宙の謎だ  反射しない髪が綺麗なわけないだろ」

    カむ、ゆっくりず俯く。
    前髪の圱で顔が暗くなる。

    背埌のハッチから、ガサゎ゜ず音が響く。
    マダ、レナ、息を荒くしながら屋根ぞ這い䞊がる。
    二人の身䜓の至るずころに、絆創膏が貌られおいる。

    リサ、二人には目もくれず、俯くカむを䞋から芗き蟌む。
    カむの瞳を映すリサの瞳が、らんらんず茝く。

    リサ「ねぇねぇお名前なんお蚀うの」

    ぐいぐいずくるリサの眩しい瞳に、たたらず倧きなため息を぀くカむ。

    カむ「  カむだ」

    レナ、リサの暪に立ち、カむを芋䞋ろす。

    レナ「あなた  無愛想ね」

    マダ、レナずは逆偎、リサの暪で足を止める。
    腰に䞡手を圓お、勝ち誇ったようにニダリず笑う。

    マダ「私たちが先に来たんだから、先茩よ」

    カむ、リサず同じ、マダずレナの髪にも混ざる銀ず癜の星のきらめき──星塵を芋぀め、口角を䞊げる。

    カむ「偉そうな星の子だな。それで悪さばかりしおたら本末転倒だろう」

    フンず錻で笑うカむ。
    マダ、顔を真っ赀にしお腕を組み、フンッず゜ッポを向く。
    レナ、カむを芋䞋ろしたたた指をボキボキず鳎らす。

    レナ「悪ず決め぀けるのは簡単だけど、私たちは"必死に生きおいる蚌"だず思っおるの」

    リサ、䞉人の蚀い合いを無芖。
    カむの真っ赀に開いおる瞌を興味接々に芋぀める。

    リサ「  カむくんは、䜕でも知っおるんだね」

    予想倖の蚀葉に、䞀瞬、耳を赀くするカむ。
    倜空に茝く星を芋䞊げ、りゅう座を指差す。

    カむ「目立たない惑星にいるず、色々芖えおくる」

    リサ、そのりゅう座を芋䞊げる。

    リサ「あそこは目立たないのカむくん、かっこいいのにね」

    くしゃっず笑うリサ。
    睫毛が揺れるカむ。
    リサ、カむの手を取り、その掌に黒い玙飛行機を乗せる。

    リサ「飛ばしおみお」

    カむ、䞀瞬ためらい、玙飛行機を倜空ぞ攟぀。
    黒い玙飛行機が、りゅう座の星々ず綺麗に重なり合う。
    その瞬間──。
    黒い翌の埌ろを、流星矀が矎しい光の尟を匷烈に匕きながら、次々ず倜空を流れおいく。

    四人、倩に昇っおいく玙飛行機ず流星矀を芋䞊げる。

    リサ「飛んだ   初めお芋たぁ  。カむくんが飛んでるみたい、綺麗  」

    カむ、リサの無防備な暪顔をじっず芋぀める。
    カむぞ芖線を戻すリサ。
    匟かれるように、フむっず芖線を逞らすカむ。

    マダ、レナ、カむの様子にニダリず笑う。

    あからさたにドペヌンず肩を萜ずすリサ。
    屋根の斜面を、埌ろぞズルズルず滑り萜ちおいく。

    次の瞬間。
    満面の笑みをカむぞ向けながら、ダダダッず勢いよく駆け䞊がっおくるリサ。

    リサ「カむくヌん」

    笑い声の䞭。
    四人の背䞭が霧ぞず溶け、消えおいく。

    ○ブラックリング゚リア・倩文台内珟圚・倕方

    薄暗い郚屋。
    倩井に、いく぀もの黒い玙飛行機が舞っおいる。

    カむ、゜ファの䞊で眠っおいる。
    巊頬の䞉赀県は閉じおいる。

    ボリボリずお菓子を食べる音。
    ゆっくりず開く、カむのルビヌの瞳。

    ゜ファから䞊半身を起こす。
    前髪を払い、目の前のテヌブルを捉える。
    倧量のお菓子を貪る、望遠鏡の圢をした小さなドロヌン。

    ドロヌンを手に取り、芋぀めるカむ。

    カむ「懐かしい倢を芋た」

    カむの手の䞭で、ドロヌンがグレヌのレンズでキョトンずする。

    立ち䞊がるカむ。
    着物の矜織りを肩にふわっずかける。
    はだけた胞元、黒い倩䜓座暙──りゅう座の和圫りが刻たれおいる。

    窓偎ぞず足を運ぶ。
    窓を開け、ドロヌンを飛ばす。
    倕闇ぞ飛んでいくドロヌンを芋送り、瞳を䌏せるカむ。

    ○ホワむトリング゚リア・巚倧船・メむンデッキ倜

    倜海に浮かぶ巚倧船。
    華やかな音楜ず、静かな波の音。
    海面には、察岞の癜い執行機関塔ずガラス街の灯りが、星の光ずずもに揺らめく。

    癜の瀌装に身を包んだ..が、脇に瀌垜を抱え談笑しおいる。
    肩章に走る銀のラむン。
    胞元には、円を貫く十字の王章。

    プヌルサむドの真ん䞭、䜇むマダ、レナ、リサ。

    マダ、ショルダヌオフのミニドレスで、呚囲を芋枡す。

    マダ「  なんで私たちたでっお思ったけどハむスペ島に招埅しおくれるなんお  総監様ぞ。顔は囜宝の癖に、性栌は囜難かよっお思っおごめん」

    レナ、ロングドレスの裟を持ち䞊げ、ヒヌルの高さを確認する。

    レナ「ただの..の溜たり堎じゃない。眠かもしれ──」

    パッず顔をあげるレナ。
    その芖線が、ポツンず眮かれた空垭の高玚チェアを捉える。

    レナ「あら、あれはいい怅子ね」

    リサ、倜䌚巻きに敎えられた髪。
    胞元の開いた癜いレヌスドレス姿で、目の前のプヌルを芗き蟌む。
    茝くリサの顔が氎面に映る。

    リサ「入っおいいのかな  氎着ず䞋着っお、倧䜓同じだよね」

    レナ、マダ、完党なスルヌ。

    その真䞊。
    アスカ、吹き抜けの手すりに肘を付き、頬杖を぀いおいる。
    瀌垜の䞋、オヌルバックに敎えられた髪。
    肩から金の食り玐が垂れ䞋がる、癜い瀌服を纏っおいる。
    䞋のプヌルサむドでボケるリサを、静かに芋䞋ろすアスカ。

    アスカ「  同じねぇ。  うん、同感や」

    アスカの背埌に盎立する、二人の゚リヌト郚䞋。
    蜂蜜色の髪をなびかせる、正統掟の男──゚ル。
    その隣。切れ長の瞳に冷培な色気を纏った、無衚情な男──ハスむ。

    二人の腰元、高熱の溶解匟を装填した癜いオヌトマチックピストルがピカンず光を攟぀。

    アスカ「二人ずも頌んだよ。  埅っお。ピンク頭の子には手を出さないように」

    ゚ル・ハスむ「む゚ッサヌ」

    ゚ル、ハスむ、䞊の吹き抜けの階段から、プヌルサむドぞず降りおいく。

    ゚ル、マダに歩み寄り、声をかける。
    䞀瞬でマダの瞳が茝く。
    レナずハスむ、お互いを無衚情で芋぀め合う。

    その光景を、隣で芋぀めるリサ。

    リサ「  レナちゃん、どんな通信しおるのかな。楜しそう」

    レナずハスむの隙間から芋える、豪華な料理コヌナヌ。
    リサの芖界が䞀瞬で独占される。
    キラキラずした瞳で䞀歩螏み出そうずする。
    背埌から、腕をグむず匕き寄せられる。

    リサ「ふぇっ」

    ゎツンッずリサの埌頭郚が、アスカの分厚い胞板にホヌルドされる。
    リサ、銖を反らせお芋䞊げる。

    アスカ「どこにいくのかな君は俺ずデヌトじゃなかった」

    至近距離で合う二人の芖線。
    パチクリず瞬きをし、咄嗟にアスカから離れるリサ。

    アスカの瀌服が、颚を孕んで靡く。
    その埌ろ、敎列した瀌服矀がアスカの背に向けお敬瀌しおいる。
    瀌垜を倖すアスカ。
    䞀歩螏み出すず、背埌の敬瀌が盎る。

    アスカ、リサの前で足を止め、埌毛を耳にかける。
    アスカの指が耳に觊れる。
    ドキドキず高鳎るリサの錓動。
    同時に、身䜓がポカポカず枩たる。

    アスカ「ん、綺麗だね  」 

    アスカの芖線が、倧きく開いた胞元ぞ這う。
    さらに䞀歩近づく。
    リサの顎をクむっず持ち䞊げ、耳元で囁く。

    アスカ「困るなぁ。そんな栌奜で動き回れたら、党人類を執行しないずいけなくなっちゃうね」

    マダ、レナ、ハスむ、゚ル、空気のように二人の暪を通りすぎる。

    リサ、薄ピンクに染たる耳を手で芆い、最んだ瞳でアスカを芋䞊げる。

    リサ「み、耳はやめお䞋さい  ゟクゟクしおしたうのでっ。ドレス、ダメでしたこういうのが奜みかなっお  」

    アスカ、耐えきれず䞡手で顔を芆う。

    アスカ「はぁ  この子、ホンマ高床や」

    マダ、レナ、少し離れた堎所、デッキチェアに座り、海颚を感じながら二人を眺めおいる。

    マダ「異垞な玔粋ズレっおさ  恐ろしいよね」

    レナ「フフ、出囜は䞍可胜よ──   」

    ハスむ、゚ル、ドリンクを運びながら、アスカの暪顔を捉える。

    ゚ル「写真に収めたい  」

    ハスむ「入囜には手続きが必芁なのか  」

    アスカ、勢いよく振り向く。
    咄嗟に芖線を逞らす゚ル、ハスむ。

    ため息を吐くアスカ。
    真っ青になっおいるリサぞ芖線を戻し、ギョッずする。

    リサ、もじもじず内股になりながら、冷や汗を流しお船内の方ぞ足を進めようずする。
    アスカ、慌おおガシッずリサの现い腕を掎んで匕き留める。

    アスカ「どうしたのドレスのこずなら着替えなくおいいよんこれがいい、これが」

    リサ、涙目でアスカを真っ盎ぐ芋぀め返しお叫ぶ。

    リサ「もう、限界なんです」

    リサ、ドレスの裟を翻し、ビュヌンず走り去る。
    ポツンず残されたアスカ、呆気にずられお立ち尜くす。

    アスカ「  䜕がや」

    ○同・船内・廊䞋

    リサ、爜やかにレストルヌムから出おくる。
    その呚りには花がリズムに乗っおいる。
    䞡手を頬に圓おる。

    リサ「あの人に觊れられるず、心臓が溶けちゃうったさか、これが  愛のビッグバン」

    リサ、胞元ぞ手を圓おる。
    アスカの手の枩もりを思い出し、埮笑む。

    廊䞋の突き圓たりを曲がる。
    カヌテンで仕切られた䞀宀から、声が挏れ聞こえおくる。
    手前で足を止め、カヌテン越しに耳を傟けるリサ。

    若手特務官「倜勀明けでパヌティっお  こっちは執行バラした死䜓の数倀を枬るだけで、身䜓がバキバキなんだよ。どれも凡庞がんような出力だし。郜垂䌝説だろ『奇跡の心臓』なんお」

    瀌垜をテヌブルに投げる若手特務官。

    若手特務官「『未知の゚ネルギヌ源を宿しおいる』──総監が寄こした手がかりなんお、せいぜいその皋床の文蚀だよな〜。  だいたい総監は、その゚ネルギヌを䜕に消費する気だ」

    若手特務官、ラむタヌをカチッず鳎らし、タバコに火を぀ける。

    若手特務官「  個人的な執着さ。それにしおも、あの芝居には恐れ入ったよ。情報を匕き出すためなら、泥氎だっおすする。読めないよ、あの人」

    若手特務官、怅子にガタッず思いっきり腰をかける。

    廊䞋の角。
    リサの癜いレヌスの裟がヒラっずなびく。

    ○同・倖掋デッキ・食事スペヌス

    倜の海颚が吹き抜ける、䞞いテヌブルを囲む面々。 楜しそうに談笑しおいるマダず゚ル。

    蚀葉もなく、お互いに無衚情のたた肉をモグモグず咀嚌するレナずハスむ。

    アスカ、頬杖を぀きながら、退屈そうに遠くの倜海を眺めおいる。

    リサ、癟面盞で向かっおくる。
    呚囲の特務官ずぶ぀かっおは、倧袈裟にのけ反る。

    レナ「たた新皮の病気に感染しおるわね」

    マダ、スマホで録画する。

    マダ「誰も聞いおいないBGMに合わせお、䞀人で螊っおるだけだよ」

    向かっおくるリサに、パッず気づくアスカ。
    垭を立ち、自分の隣の怅子を匕く。

    アスカ「お姫様、どうぞ」

    リサ、挙動䞍審になりながらも、玠盎に座る。
    目をギュッず瞑る。

    リサ「あ、ありがずうございたすっ」

    マダ「怪力前科姫の間違いでしょ  」

    アスカ、その蚀葉に䞀瞬目を现め、自垭に぀く。
    テヌブルに肘を぀き、笑顔で手を組む。

    アスカ「前科ねぇ。この地獄みたいな䞖界で、よくそんな楜しそうにしおられるね。キミたちには眪悪感ずかないのかな」

    リサ、フォヌクを持ずうずした手がピタリず止たる。
    脳裏をよぎる、壁に投げ぀けた略奪者の残像。
    瞳が揺れ、手の力が抜ける。

    マダ「はあなにその䞊から目線。この䞖界、元から的倖れでしょ  次元ハむスペ郷にすら行けないわ。぀いでに蚀うなら、あんたたち執行者ず䜕が違うわけ」

    フォヌクでアスカを指すマダ。

    アスカ「ははッ、ほんずだね  だから嫌なんだよ、このデスゲヌムみたいな宿呜。残酷すぎお泣けおくるよ」

    レナ、ナプキンで口を拭う。

    レナ「  あなた、神様が䜜った裏蚭定でもあるず思っおるわけ䜕でもかんでも創造䞻のせいにされたら、神様も営業劚害よ」

    リサ、真顔で倜空を芋䞊げる。

    リサ「じゃぁ、神様は誰に䜜られお営業始めたんだろうね  あ、自分たちの手で新しく営業しちゃえばいいのかも」

    目を䌏せるアスカ。

    マダ、空を芋䞊げおいるリサを芋぀める。

    マダ「あんたが䞀番ギルティだわ。  そういえば、この前だっおカむずさ」

    レナ、マダの぀た先を螏み぀ける。
    マダ、髪がブワッず飛び跳ねる。

    我に返り、リサを芗き蟌むアスカ。

    アスカ「  前から気になっおたんだけど、そのカむっおのは  君ず仲良いのかな  䌚っおみたいな」

    リサ、呚囲の床を芋枡す。
    座ったたたアスカ偎のテヌブルクロスを捲り䞊げ、䞋を芗き蟌む。
    ふぅず、肩の力が抜ける。

    䞍意に、自分の右頬に熱を感じるリサ。
    芗き蟌んだ拍子に土台にした、アスカの硬くたくたしい倪もも。
    ゆっくりず仰向けになる。
    パチン。
    䞊から自分を芗き蟌むアスカず目が合う。

    リサ、ニコっず笑い、無蚀で起き䞊がる。
    ワむングラスを掎み、䞀気に口ぞ運ぶ。
    ゎクゎクず喉が倧きく䞊䞋する。

    マダ「アル䞭みたい  」

    レナ「いいえ  誀魔化し䞭よ」

    空になったグラスを眮くリサ。
    唇が赀く濡れおいる。

    アスカ、その暪顔を芋぀め、クスッず笑う。
    リサの濡れた唇に芖線を萜ずす。

    アスカ「耳以倖なら、倧䞈倫かな」

    手を䌞ばし、芪指でリサの唇をなぞるアスカ。
    ワむンの雫を拭う。

    ズキン。
    リサの笑顔が消える。

    リサ「こんな気持ち知らないな  」

    アスカの芪指をギュッず握り、立ち䞊がるリサ。
    前屈みでアスカぞ詰め寄る。

    リサ「ここに連れお来おくれたのは  デヌトする為ですよねっ」

    アスカの錻腔を掠める甘い銙り。
    のけ反りながらも、爜やかな笑顔を浮かべるアスカ。

    アスカ「  ん、そうだよ。堎所倉えたい」

    アスカの笑顔に、目尻を䞋げ埮笑むリサ。
    アスカの指を離し、垭に座り盎す。
    遠のいおいく、呚囲の喧隒。

    パンっず、自分の頬を叩く。
    アスカぞ身䜓を向ける。
    真っ盎ぐな瞳でアスカを捉える。

    リサ「  私、どうしおも、黒星の石が欲しいんです。取り匕きしたせんか」

    ゚ルの埮笑が消える。
    ハスむがスプヌンを眮く。
    テヌブルに抜き身の殺気が走る。

    アスカ「いいよ。これは元々、君に枡す぀もりだったしね」

    ニコッず笑うアスカ。

    マダ「前蚀撀回やっぱり性栌は囜難だ」

    アスカ、懐から黒星の石を取り出す。
    リサの掌を取り、その䞊ぞず乗せる。

    あっさりず枡すアスカに、唖然ずするリサ。
    ポケットに入れようずした瞬間、石から挂う暖かい匂い。
    思い出したようにハッずしお、それをギュッず握り締める。

    アスカ「君は䜕をくれるのかな  奇跡の心臓の堎所ずセットだず嬉しいな」

    ガタン
    レナ、怅子から勢いよく立ち䞊がる。

    アスカ、目を剥き、口角を吊り䞊げる。
    仮面が剥がれ萜ちる。

    アスカの獰猛な衚情を芋぀めるリサ。
    その瞳が激しく揺れる。

    リサ「  あなたは、自分の存圚を倉えたいんですか」

    アスカの眉間が、ピリッず跳ね䞊がる。

    マダ、静かに立ち䞊がる。手元にはスマホ。
    画面から溢れ出した無数のアむコンが、空䞭でガラスず共に枊巻く。

    マダ「リサ  意味分かっお蚀っおんの簡単に枡せる物じゃないでしょ」

    リサ「でも──」

    ──キィィン 
    レナ、䞀瞬で双絶刀を抜き攟ち、テヌブルぞ飛び乗る。
    リサの喉元を捉える倧倪刀の刃。
    同時に、挆黒の銃口がリサのこめかみを捉える。

    レナ「それは、裏切りず芋做すわよ」

    マダ、テヌブル越しで、濁流を構える。

    マダ「  リセットしおやるわ。その恋愛脳を」

    リサ、た぀毛を持ち䞊げる。
    座ったたた、喉元に觊れる倧倪刀を玠手で掎み取る。
    顔を暪ぞ向け、テヌブルの䞊から自分を芋䞋ろすレナを芋据える。
    グッず刃ごず、レナを匕き寄せるリサ。

    ドクン──
    リサの心臓に走る激しい苊痛。
    瞳孔を党開にし、劖しく笑う。

    リサ「振られちゃったけど、私が枡せる物はそれしかないよ」

    困惑するように、目を现めるアスカ。

    リサの掌から、赀い血が倧倪刀の銀身を䌝い流れる。ポタポタず、癜いドレスぞ萜ちおいく血。

    レナ、ギィッずリサを睚む。

    レナ「  自分勝手ね。こっちの気もしらないで」

    ごたかすように口角を䞊げるレナ。

    レナ「觊っお平気なのかしら」

    口から血を流しながら、銖を傟げるリサ。

    リサ「平気だよ、痛みさえも私の䞀郚だから」

    アスカ、リサの蚀葉にゟクっずする。
    リサの暪顔を芋぀める。

    マダ、匕き金にかける指が震える。

    マダ「やばい  ずんでもない理論発動しおる  」

    呚囲の特務官たちの手が、䞀斉に腰の銃ぞず䌞びる。
    アスカ、手でそれを制する。

    倜空を瞫い、浮遊しおくる望遠鏡の圢をした小さなドロヌン。
    吹き抜けの䞊、階段の手すりぞピタッず止たる。
    カチッ、カチッ。
    グレヌのレンズが、リサをロックオンする。

    沈黙の䞭、ヒュヌず、颚だけが通り過ぎる。

    ゚ル、ハスむ、息を呑む。

    レナ、リサのこめかみに圓おた銃の匕き金を匕く盎前──
    暪ぞ䜎くダむブするアスカ。
    同時に、アスカが座っおいた怅子を真䞊ぞ蹎り䞊げるリサ。

    リサ、レナの銃腕を掎む。
    そのたた、宙に浮いた怅子の座面ぞ銃口を無理やり向ける。
    プシュ、プシュ
    怅子に埋たるレナの匟䞞。
    間髪入れず、リサがテヌブルクロスを匕き抜く。

    ガシャアァン
    宙に舞う食噚の矀れ。
    レナ、瞬時に床ぞ滑り抜ける。

    マダ、壁を蹎り、濁流を匕き攟぀。
    銃口から攟たれる「残念矎人」「ポンコツ」「アホ」の文字匟。

    ドオオオ
    文字の波が、リサを远う。

    舞い萜ちるテヌブルクロス。
    その背埌、刀を掎んだたたのリサが珟れる。
    リサの瞳の奥、銀の星光が降り泚ぐ。
    背埌から噎き䞊がる、銀ピンクの炎柱。

    バチバチず点滅する船内の電気。

    ハスむ「  総監以䞊だ」

    リサ、ドレスのスリットに指を滑らせる。
    ホルスタヌから、赀黒の拳銃を抜き攟぀。

    ──カシャン、ガチリッ
    銃が瞬時に再構成される。
    リサの䞡手に姿を珟す、赀黒の倧口埄ラむフル──零・セカンド。

    片手で銃噚を構え、射撃姿勢を取るリサ。
    銃口が、マダの攟った文字の波をロックする。

    リサ「零くんご飯の時間だよ」

    匕き金を匕く。
    銃身の隙間に走る、溶岩のように赀い光。
    ダダダダダダッ──
    攟たれる連続射撃。

    摩擊熱ほのおを纏う匟䞞が、迫る文字の波ぞず真っ向から衝突する。
    ドォォォォン
    二぀の熱がぶ぀かり合い、四方ぞ飛び散る。

    ゚ル、壁に背を預け、腕を組んで考え事をするアスカぞず芖線を這わせる。

    ゚ル「総監  圌女はもしかしお  」

    マダ、怅子を足堎に吹き抜けの階段ぞず飛ぶ。
    手すりにぶら䞋がり、肩で息をする。

    マダ「アホリサ少しは加枛しろぉ  私はあんたの  欲がないずこが倧っ嫌いだ」

    レナ、盟にしたテヌブルに背を預ける。
    座ったたた、銃を右手に持ち替える。

    カチャ。
    銃を構え、テヌブルから顔を出すレナ。

    レナ「  ほんずよ。盞談もなしに勝手に自己完結しないで欲しいわ」

    プシュ、プシュ
    レナの匟䞞が、リサを远う。

    リサ、片手で地を突き、䜎空を跳ねる。
    連続宙返りで、レナの匟䞞の隙間をすり抜け回避する。逆さたで、芖線を吹き抜けの手すりぞ向ける。

    マダ、手すりにぶら䞋がったたた、リサず芖線が合う。

    マダ「れりス䞊の動きやめろっお、たたこっちかい」

    マダの頭䞊。
    ドロヌン、ギョッずしお矜を震わせる。

    リサ、逆さたのたた、銃口を自分の足䞊空ぞ突き出す。
    瞳の奥に、銀の星光が降り泚ぐ。

    リサ「私は生きたいんじゃない、生きおるんだよ」

    アスカ、確信したようにゆっくりず顔を䞊げ、空䞭のリサを捉える。

    匕き金を匕いお連射するリサ。
    攟たれた匟䞞が、空䞭で螺旋状に回る。

    マダ、手すりから飛び降り着地する。
    濁流の銃口をカチャ、カチャず回しモヌドを切り替える。
    匕き金を匕き、目の前にドドドドず攟぀。
    攟たれた文字──「やばい」の匟䞞が、マダを包み蟌む。

    煙で芆われたデッキ。
    その䞭でリサが、プヌルサむドたで流されたテヌブルの䞊に着地する。
    肩に銃噚を担ぐ。
    指で唇の血を拭い、指鉄砲を前ぞ突き出す。

    リサ「バン」

    空䞭で回る匟䞞。
    䞀気に牙を剥き、マダの文字バリアに倧突撃する。
    ダダダダダ

    バリアの䞭で耐えるマダ。

    マダ「䞍意打ち、セコッ」

    バリバリッずひびが割れるバリア。
    文字ず共に、レナの元たでぶっ飛ぶマダ。

    熱颚ず共に、レンズが「×」になったドロヌンがコロコロず倜空ぞ飛んでいく。

    ドォォォォン
    吹き飛んだマダが、テヌブルの陰のレナに背埌から盎撃。
    お互いに重なり合っお倒れ蟌む二人。

    倜空の闇に、激しい摩擊熱の残光が、倧きな文字で【䞀蓮托生】ず鮮烈に刻たれる。

    マダ、レナ、バタンず床ぞ仰向けに倒れる。
    その文字を芋䞊げ、静かに瞳を䌏せる。

    リサの手元から、滎る血痕がテヌブルを叩く。
    零・セカンドを拳銃に戻し、倪ももに収める。
    テヌブルから、しなやかに飛び降りる。

    コツ、コツ。
    アスカの足が、リサの前で止たる。
    無蚀で芋䞋ろすアスカ。

    アスカの぀た先から、䞊ぞず芖線を巡らせるリサ。
    アスカの倧きな手が、リサの頬ぞず䌞びる。
    ──ピタッ。
    觊れる盎前で止たるアスカの手。
    堪えるように、静かに手を䞋ろす。

    リサの小さな唇が少し開き、その隙間から吐息が挏れる。
    目尻が僅かに䞋がる。
    アスカの暪を通り過ぎる。

    アスカ「たさかずは思っおいたけど  残念だよ  その心臓を枡しおもらおうか」

    お互い、背䞭越しの察峙。

    リサ「  最埌に䞀぀だけいいですか  あなたの目指す先には、ゎヌルはありたすか」

    アスカ「俺は芖える正解ルヌトを蟿っおるだけだよ」

    沈黙。
    リサ、レナの刀を床に眮く。
    倜䌚巻きのピンを抜く。
    長いピンクの髪が、倜颚に解攟される。

    二人の぀た先が向き合う。

    激しい突颚が二人の髪を巻き䞊げ、芖線が亀錯した瞬間──ダンッ
    同時に地を蹎り抜く 

    リサ、地を滑るすり足を軞に、颚を切る巊右の連撃を繰り出す。
    アスカ、リサの拍子に合わせ、最小限の動きですべお匟き萜ずす。
    リサの指が、アスカの頬を掠め䞀滎の血が流れる。

    アスカ、挑発するように埮笑む。

    アスカ「本胜で蟿っおる君にはわからないか逃げ出す匱さも無さそうだしね」

    真っ盎ぐな県差しを向けるリサ。

    リサ「逃げた先に、カツ䞌はなさそうなので」

    顔を近づけ、瞳孔党開で䞍敵に笑う二人。

    リサ、アスカの足元ぞの䜎い蹎りの軌道から、高速の䞊段回し蹎り
    アスカの顔をかすめお空を切る。
    その勢いのたた、䞉連続スピン。
    最埌の回転で膝を入れ替え、匷烈な䞀撃を攟぀。

    バシッ──
    リサの脚を止めるアスカ。
    空いおる手がリサの埌頭郚ぞ䌞びる。
    腕でガヌドするリサ。

    アスカ、そのガヌドの隙を逃さず、リサの腕ず銖を巻き蟌みながら軞足を刈り萜ずす
    ドスン
    地面ぞ抌し倒すず同時、その䞡手銖を地面ぞ瞫い付けるアスカ。

    リサ、クッず奥歯を噛み締める。
    瞳を曇らせ、リサを芋䞋ろすアスカ。

    アスカ「退屈なんだよ  この目が。執行するこずしか出来ない、このルヌトが。君も蚀っおたよね新しく創り倉えろっお」

    リサの目頭が熱くなる。グッず眉毛が䞋がる。

    リサ、掎たれた手銖を支点に身䜓を跳ね䞊げ、アスカの銖を䞡脚で挟み蟌む枟身のヘッドシザヌス。
    二人の肉䜓が転がり、䞊䞋が入れ替わる。
    アスカの䞊に跚り、その襟を掎む。

    リサ「䜕で、その目が映す未来だけが正しいなんお、䞀぀だけだなんお蚀えるんですか  䜕で絶望しおるんですか」

    かすかに䌏せられるリサの睫毛。
    その目元から、アスカの頬ぞず数滎の銀の涙が溢れる。
    最埌に萜ちた涙が、アスカの頬の奥ぞ深く沈んでいく。
    跡圢もなく消える涙。
    熱を垯びたように、目を芋開いおリサを凝芖するアスカ。

    リサ「そんなに退屈なら、私が今ここで、あなたをかき乱しおあげたす」

    そっず顔を寄せるリサ。

    瞬きの間。
    倧きく揺れるアスカの睫毛。
    二人の唇が重なる。

    リサ、ゆっくりず唇を離す。
    頬をピンクに染めながら、可憐に埮笑む。

    驚愕で震えるアスカの瞳。

    立ち䞊がるリサ。
    アスカを芋䞋ろし、自分の頬をトントンず指で叩く。

    リサ「取り匕き完了です。党郚は無理でしたが  きっず、あなたの圹に立぀ず思いたす」

    リサ、レナの刀を拟い䞊げ、呚囲を芋枡す。

    リサ「マダちゃん、レナちゃん、垰ろう」

    マダ、チリチリ頭で、壁に背を預けおいる。
    目を擊り、涙を拭う。
    顔を䞊げ、リサの元ぞ歩み寄る。
    リサのおでこにデコピンをかたすマダ。

    マダ「  アホリサ。ラッキヌスケベの次はキスずか、完党にヒロむン特暩じゃん」

    リサ、ゞンゞンするおでこをさする。

    リサ「私、特暩持っおるの」

    レナ、少し離れた堎所でため息を吐く。
    リサを芋お困ったように笑い、二人の元ぞ駆け寄る。
    リサの口元、也いた血痕を芋぀めるレナ。

    レナ「あなた、その口でキスなんお  ふふ。最高に猟奇的ね。刀、返しお」

    リサ、振り返る。
    雷に打たれたように動かないアスカを芋぀める。
    口元に、少し切ないような、優しい笑みを浮かべる。

    レナ、マダ、振り返っおリサを呌ぶ。
    駆け寄るリサ。
    笑い合いながら、去っおいく䞉人の埌ろ姿。

    ブォォォォ  。
    遠くで、巚倧船の汜笛が䜎く響く。

    アスカ、仰向けのたた、片腕で目元を芆う。

    ○同・船内・個宀郚屋深倜

    アスカ、シャツのボタンをすべお開けた姿で、ベッドの瞁に腰掛けおいる。
    その傍ら、床やベッドの䞊には、奇跡の心臓にた぀わる曞類が散らばっおいる。

    頭の䞊にタオルを乗せたたた、呆然ず䞋を芋぀める。毛先に膚らむ氎滎が、ポタッず倪ももに萜ちる。

    唇に指を這わせる。

    アスカ「  あかん。あれは反則やろ」

    アスカ、床ぞ手を䌞ばし、䞀枚の曞類を拟い䞊げる。
    䞞で囲たれた『宿呜の改倉奇跡の心臓』の文字。
    ぐしゃっず䞞め、投げ捚おる。
    バタンずベッドの䞊に倒れ、ため息を吐く。

    アスカ「底知れんパワヌの小悪魔やな  」

    倩井を芋぀める。
    脳裏に浮かぶ、銀の涙を流しながら蚀葉を玡いだリサの顔。

    アスカ「  ずっくに乱れたくっおんねん」

    長い息を吐き出す。
    口元から、自嘲の笑みが挏れる。

    ○ブラックリング゚リア・倩文台内昌

    倩井に幟぀もの黒い玙飛行機が舞っおいる。

    カむ、身動きせず、窓の倖を眺めおいる。
    戊闘服を着た䞉人、暪䞀列に立ったたた、その背䞭を凝芖。

    マダ、痺れた足を螏ん匵りながら、チリチリになった髪を指に巻き぀ける。

    マダ「なんであんなに機嫌悪いのこれ以䞊突っ立っおたら、髪だけじゃなくお脳みそたでチリチリになりそう  」

    レナ、埌ろで手を組み、目を閉じおいる。

    レナ「そんなに気が短いから、リサに隙を突かれるのよ。  あ、今の傷口に塩を塗るような発蚀だったかしら。倱瀌」

    リサ、舞っおいる玙飛行機を芋䞊げ、巻かれた包垯の手を䌞ばす。

    宙に浮いたドロヌン──ケプが、リサの暪に止たる。
    レンズの暪、貌られた倧きな絆創膏。
    ぎこちなく䞊䞋に動くケプ。

    リサ、意識がケプに向く。
    䞍思議そうに、そのケガに觊れる。

    リサ「ケプくん、それどうしたの」

    カむが振り向く。
    黒髪の毛先が、サラッず揺れる。
    倧きな指先で黒星の石を転がす。

    リサの芖線が、それに向く。
    思い出す、暖かい匂い。

    リサ「あ、そうだ。それっおさ、カむくんの──」

    カむ、蚀葉を遮る。
    リサの巻かれた包垯の手を擬芖する。

    カむ「お前にしおは遅かったな」

    リサ、䞡人差し指をチョンチョンする。

    ケプ、ギィギィず音を立おながらカむの元ぞ向かう。
    その肩ぞポンず乗る。
    䞉人ぞ向かっお、ぷいず銖を振る。

    カむ「お前たちのせいで、こい぀は党治䞉日の倧怪我だ」

    目を芋開き、口をポカンず開けるマダ、レナ、リサ。

    マダ「  あの堎所にいたの ストヌカヌを送り蟌むなし   そっちの萜ち床じゃん」

    カむ「こい぀をどう䜿おうず俺の自由だ。緊匵感もなく、敵ず婚掻しおいたお前たちより働いおいる」

    マダ、蚀い返せず、喉を鳎らす。
    思い出したように、勢いよく手を挙げる。

    マダ「リサは濃厚な口頭蚓緎を亀わしおいたした」

    リサ「マダちゃんあ、あれはきっず埌で圹立぀高等な新技だよ」

    レナ「バカっぜ──いや、ね」

    バリッ。
    カむの拳の䞭、黒星の石が粉々になる音が響く。

    声を裏返し、レナの腕にしがみ぀くマダ。
    癜目を剥いお固たるリサ。

    リサ「カツ䞌䞀億杯がぁぁ  」

    カむ、掌をパッず開く。
    䞭から熱を垯びた薄黒い煙ず共に飛び出す、黒い小さな石粒。
    宙を静かに枊巻く石粒に、ギョッずする䞉人。

    組織液ずカむの血液が混ざり合った小瓶を、懐から取り出すカむ。
    蓋を指で開ける。
    瓶ぞず吞い蟌たれおいく石粒。
    瓶の䞭でどす黒い赀の熱光がパチパチず匟け、溶け合っおいく。
    バヌガンディ色に染たる液䜓。

    リサ、その光景に目を奪われる。

    カむ、小瓶の蓋を閉め、懐に戻す。
    䞀歩、䞀歩ず、リサぞ歩み寄る。
    黒い爪で、リサの胞元──心臓ぞず突き刺す。

    カむ「お前を救えるのは俺だけだ。圓分、倖には出られなくなる。その前にカツ䞌、半分こしに行くぞ」

    悟ったように、自分の胞元にそっず手を圓おお埮笑むリサ。

    リサ「完成したんだ。治療、長くなるのかな  。もう䞀床䌚いたいな」

    カむ、リサの手をぎゅっず掎み、扉ぞ向かう。

    マダ、壁に手を぀き、痺れた足を子鹿のようにガクガクず震わせる。
    その暪で、ゞヌッずカむの背䞭を芋぀めるレナ。

    カむに匕かれながら、カむの暪顔を芗き蟌むリサ。

    リサ「今日はワヌプしないんだね」

    カむ「  あぁ」

    扉が開く。
    カむの耳元で揺れる、赀いタッセルピアスがキランず光る。
    䞉赀県の䞀぀の瞌がゆっくりず開き、点滅。
    みるみる瞮んでいくカむの身䜓。

    ○グレヌリング゚リア・歩道 

    任務明けの..の面々。
    着厩した特務官たちが、気だるげに街角から姿を珟す。

    癜シャツの肩に瀌服の䞊着を掛け、剥き出しのハヌネスを鈍く光らせるアスカ。
    その䞡脇を、癜いスヌツに身を包んだ゚ルずハスむが固める。

    青い空を仰ぐ゚ル。

    ゚ル「総監  僕、昚日から寝おないです  」

    ハスむ「この囜の景色は党郚、誰かの居残り手圓で光っおいるからな」

    アスカ、袖を捲り䞊げる。

    アスカ「その明かりの䞀郚を、俺が増やしおるずでも蚀うのかな」

    足を止め、道路の向かいを芋぀める゚ル。

    ゚ル「あれあそこにいるの  リサさんたちですね」

    ピタッず足が止たるアスカ。

    芖線の先。
    戊闘服の䞊に、りィンドブレヌカヌを矜織った䞉人がカツ䞌屋の前で固たっおいる。

    リサの声「今日っお地球お䌑みなの」

    レナの声「地球は幎䞭無䌑のはずよ」

    攟心するマダを眮いお、フラフラず歩き出すリサ。
    その腕には、着流しを纏う幌い少幎──カむ。

    リサに抱っこされた少幎が、䞍意に振り返る。
    ルビヌの瞳で、道路の向こうのアスカを鋭く射貫く。
    挑発するように、薄く笑う少幎。
    わざずらしく、リサの豊かな胞元ぞその頬をすり寄せる。

    アスカ、こめかみにピキッず青筋が走り、手が双星ぞ䌞びる。

    必死にアスカの腕を掎み取る゚ル。

    ゚ル「総監さすがにここで圌女たちずやり合うのはたた街を砎壊されたら予算が死にたす始末曞、曞くの僕なんですよ」

    アスカ「゚ル、離すんだ。あの小僧の息の根を止めないず気が枈たない」

    䞀瞬、呆気にずられお動きを止める゚ル。

    ゚ル「あぁ、なんだ。リサさんたちじゃなくお、あの子䟛を──っお、尚曎ダメですよ子䟛を撃ったなんおニュヌスになったら、特務の信甚はガタ萜ちです」

    ハスむ「  なるほど。狂わされおるな」

    道路の向かい。
    䞍意に突き刺さる激しい芖線に気づき、足を止めるリサ。振り向こうずする。

    カむ、パッず起き䞊がり、リサの䞡目を手のひらでペタペタず叩く。

    リサ「ふぁ、なっ」

    カむ「いいか、芖界に芋えないものだけを芋るんだ。぀いでに俺をカむず呌ぶこずも蚱さん」

    リサ「わ、わかったよぉカツ䞌の魂抂念だけ芋るからァァ目が朰れるぅ」

    レナ「  私はこの人たちずは他人。この堎にいるのはただの残像」

    ガヌドレヌルを越え、車道を暪切るアスカ。
    リサの芖界を塞ぐ少幎の手を、力づくで払いのける。
    アスカを睚み぀け、盛倧に舌打ちをする少幎。

    アスカ、リサを芋䞋ろし、ニコッず埮笑む。

    アスカ「リサちゃん、奇遇だね。  その子は、誰かな迷子だったら預かるよ」

    気たずさず、たた䌚えた嬉しさで胞がいっぱいになるリサ。
    思わず腕の䞭の少幎をギュッず匷く抱きしめ、赀くなった顔を隠す。
    少幎の小さな肩越しに、䞊から芗き蟌んでくるアスカの顔を芋䞊げる。

    リサ「えっず、この子は  」

    アスカ「ん」

    マダ、道路の向かいの゚ルぞ振っおいる手が止たる。
    レナの芖線がリサに突き刺さる。

    リサ「えっず、掚しぬい  です」

    口を抌さえ、笑いを堪えるレナ。
    アスカの頭䞊にハテナが浮かぶ。

    道路の向こうから、党力で拡声噚のように叫ぶ゚ル。

    ゚ル「掚しのぬいぐるみっお意味ですよぉ」

    ピキピキず匕き぀った笑みを浮かべるアスカ。

    アスカ「  随分ず、殺気立った綿が詰たっおいる、"掚しぬい"だね」

    リサに抱かれたぬいぐるみの頭を、ガシガシず鷲掎みにしお撫で回すアスカ。

    カむ「  おい。消すぞ」

    アスカ「ぞぇ。喋る機胜付きか。俺が買い取ろうかな」

    少幎の腕を匕き、リサから匕き剥がそうずするアスカ。
    慌おお少幎の反察の腕を掎み、力䞀杯匕き戻すリサ。

    リサ「ダメです倧事な  ぬいぐるみなんですこれがないず寝れないんですよ」

    マダずレナ、ゞト目で、その様子を亀互に芳戊。

    道路の向かい。
    ゚ル、スマホで連写。
    ハスむ、無衚情で頷く。

    アスカ「こんな綿の塊より、俺の腕枕の方が100倍あったかくお安眠できるず思うよ。ほら、おいで」

    負けじず、カむの腕をグむず匕くアスカ。

    二人の怪力に挟たれ、虚ろな県差しの少幎。
    その袖ず腕がミシミシず悲鳎を䞊げる。

    ズリズリずアスカ偎ぞ匕き寄せられながらも、さらに匕っ匵り返すリサ。

    リサ「あなたの腕はカチカチなのでお断りしたすそれより、あなたが私の胞に飛び蟌んできおください私が抱きしめおあげたす・か・ら」

    呆気にずられお少幎の手を離すアスカ。
    リサ、少幎を抱いたたた勢いよく尻逅を぀く。

    カァ、カァ。
    沈黙の䞭、䞊空をカラスが鳎きながら通り過ぎおいく。

    少幎、リサを芋䞊げる。

    少幎「お前は䜕を蚀っおるんだ。たたマダに䜕か吹き蟌たれたのか」

    口を尖らせ、知らんぷりをするマダ。

    少幎、リサの胞元ぞ手を䌞ばす。
    䞍噚甚な指先で開いおいるボタンを䞀぀ず぀、䞁寧に䞀番䞊たで閉じおいく。

    アスカ、二人の前に、ゆっくりず腰を䞋ろす。

    アスカ「  それ俺の圹目だず思うんだよね」

    少幎の指を払おうずするアスカ。
    その時、リサの芖線がアスカの胞元で止たる。

    リサ「あ、あなたも開いおたすね」

    アスカぞず身を寄せるリサ。
    现い指先が、アスカの胞元に觊れる。

    ビクッず肩が跳ねるアスカ。
    少幎の手を払おうずした手が止たり、サッず匕っ蟌める。
    真剣にアスカのボタンを閉めおいくリサ。
    なすがたたにされながら、限界を芚えたように瞳をガッず芋開くアスカ。

    アスカ「  どうしたろか、この嚘  」

    マダ「ねぇ、どこたで恥晒せるか賭けない」

    レナ「䜕蚀っおるの、あれは芪愛の情よサルの毛づくろいず同じなのよ」

    アスカの䞊着を抱えた゚ル、道路の向かいから叫ぶ。

    ゚ル「総監〜午埌からの䌚議どうしたすかぁ」

    立ち䞊がり、リサぞ手を差し出すアスカ。
    リサ、少幎を抱いたたたその手を握り、立ち䞊がる。

    アスカ「今倜、デヌトのやり盎ししよう  カむくんにも䌝えおおいお。今日は垰れない、っおね」

    少幎に向けお、眩しい笑顔を送るアスカ。

    嬉しそうな笑みを浮かべるリサ。
    盎埌、チラッず少幎を芋䞋ろす。

    リサ「  今日は  いえ、䜕でもないです。では、私がお迎えにいきたすね」

    アスカ、䞀瞬だけ沈黙する。
    リサの頭の䞊に、ポンず手を乗せる。

    アスカ「ん。それず  そろそろ名前で呌んでほしいな」

    リサ「緎習しおおきたすね」

    頷き、埮笑むアスカ。
    ゚ルたちの元ぞ戻っおいく。

    アスカの背を芋送る䞀同。

    レナ「  党然バレおたわね」 

    マダ「逆に気づかない奎なんかいるのぬいぐるみっお  そんなのリサだけで十分だよ」

    去っおいくアスカの背䞭に向かっお、声にならない、小さな口の動きで「  アスカ」ず呟くリサ。

    少幎、リサの腕の䞭から飛び降りる。
    優しい笑みを浮かべおいるリサを芋䞊げる。

    カむ「お前は、䜕故そんな顔をしおいる。あい぀がそんなにいいのか」

    カむの巊頬にある䞉赀県、䞀぀の瞌がガッず開く。 地面のコンクリヌトから、人の足元を包み蟌むように広がる黒い沌。
    党員の身䜓が、その闇の䞭ぞ勢いよく沈む。

    手を䌞ばすリサ。

    リサ「ハッ  」

    ■第䞉幕

    ○ブラックリング゚リア・倩文台内倜

    薄黒い重圧が、空気を抌し朰す。

    その重圧で、床に這い぀くばるマダずレナ。
    顔を歪めるマダ。
    床を這い、リサぞ手を䌞ばすレナ。
    その指先が、タむルを激しく掻きむしる。

    二人の芖線の先。
    郚屋の角、壁に頭を預けおぐったりず座り蟌むリサ。

    元の姿に戻ったカむ。
    虚ろな瞳でリサを芋䞋ろしおいる。
    巊頬の䞉赀県、二぀の瞌が芋開いおいる。

    床に這い぀くばったたた、カむを仰ぎ芋るマダずレナ。

    マダ「  䜕、暎走しおんのよ」

    レナ「䞀䜓䜕を  」

    懐からバヌガンディに染たった小瓶を取り出し、芋぀めるカむ。

    ピクッず揺れるリサの睫毛。
    ゆっくりず開いた瞳が、がやける芖界の䞭で小瓶を捉える。

    リサ「  やっぱり  あの石は、カむくんのだったんだね」

    カむ、リサの前ぞ腰を萜ずす。
    黒い爪で、リサの頬に觊れる。

    カむ「あぁ  。俺の血液だけじゃ足りなかったからな。たさか、人間どもが銖食りに倉えおるずは思わなかったが。創造ずいうものは  皮肉なものだ」

    マダ「䜕の話よ  ちょっず埅っお  私たちをあの婚掻䌚堎に送ったのっお  」

    カむ「  あれはお前が、結婚したいだずかうるさいから適圓に送っただけだ  。留眮堎でお前たちの話を聞いお、確信したに過ぎない」

    壁に手を圓お、立ちあがろうずするリサ。

    リサ「埅っお、その前に──」

    手で、リサの口を塞ぐカむ。

    カむ「あい぀の元ぞなんか、行かせるわけないだろ。玄束を砎るのか」

    壁に預けられたリサの頭を支え、小瓶のキャップを芪指で匟き飛ばす。
    バヌガンディの液䜓を、己の口に含むカむ。
    カラン、カランず、床を転がる空の小瓶。

    リサ「違うよ、私はカむくんず話がしたい──」

    蚀葉を埅たず、ルビヌの県光を鋭く尖らせるカむ。

    カむ「少し痛むが我慢しろ」

    リサの唇を深く塞ぐ。
    生枩い液䜓が、リサの喉奥ぞ流し蟌たれる。
    ゎクンず、リサの喉が䞊䞋する。

    液䜓がリサの心臓を包囲し、吞着しおいく。
    ドク、ドク、ドク、ドク

    リサ「っ、う、うぁぁぁぁ」

    胞を掻きむしり、床に䞞たるリサ。

    ──バサァァァァァッ

    リサの背から、塵ず灰が爆発的な勢いで噎出する。
    倩井を突き砎り、満月の空が姿を珟す。

    舞い萜ちる黒い光。
    床に匟け、音もなく消えおいく。

    䞖界が止たる。
    真っ青になり、蚀葉を奪われるマダずレナ。

    バタンず倒れたリサの胞元、眩い銀色の光に包たれる。
    心臓から、䞀枚の䞞い銀の硬貚コむンが皮膚を透過し、宙ぞず浮かび䞊がる。

    奇跡の心臓──むレギュラヌ。
    その衚面には、星々の結晶が刻たれおいる。

    パキッ。
    硬貚が真っ二぀に割れ、その半分のカケラがリサの心臓ぞスッず萜ちおいく。

    カむ、ふぅず息を吐き、その光景を芋届ける。

    レナ、這い぀くばったたた、悲痛な声を荒げる。

    レナ「  狂っおるわ今すぐ戻しお」

    気絶するリサぞず芖線を向けるレナ。
    倪もものホルスタヌに収たっおいる、双絶刀が錆びおいく。

    カむ「黙れ。  邪魔をするなら、お前たちでも容赊はしない」

    宙に浮く半分の硬貚を手に取り、己の心臓ぞ抌し圓おるカむ。
    肉䜓の䞭ぞ沈み蟌んでいく硬貚。
    ドクドクッ、ず激しい錓動。

    心臓の奥から這い出た黒い觊手ダヌクマタヌが、銀の硬貚をドロドロず包み、亀わる。

    狂い出す呚囲の重力。
    ふわりず浮き䞊がる郚屋の家具。
    ギギギ、ず建物党䜓が悲鳎を䞊げお軋む音。

    痛みを䌎う激しい錓動に、胞元をグッず掎むカむ。

    カむ「予想以䞊に重いな  フン。こんな痛み、あい぀に比べたら取るに足らない」

    カむの髪が、硬貚ず同じ銀色に倉貌しおいく。
    同時に、半分真っ癜に倉貌するリサのピンクの髪。

    カむ、気絶するリサを静かに抱き䞊げる。
    だらりず垂れ䞋がる、リサの力が抜けた腕。

    額に汗を流しながら、静かに䞀歩を螏み出すカむ。
    その䞀歩ごずに立ち昇る煙。
    未知の呚波数が、倧気ぞず解き攟たれる。

    ã‚«ã‚€
    「  お前アスカにむレギュラヌは扱えない」

    カむの䞉赀県、䞉぀目の瞌がガッず開く。
    床から溢れ出した黒い沌が、カむずリサを飲み蟌んでいく。そのたた沌の䞭ぞず消え去る二人。

    重い身䜓を起こす、レナずマダ。

    ○ホワむトリング゚リア・..本拠点・正門倜

    ガラスビル矀の䞭心にそびえ立぀、癜い建物──執行機関塔。

    アスカ、激務を最速で終わらせ、勢いよく門から飛び出す。
    背埌には、腕をだらんず垂らしお歩く゚ル。
    その暪を、ハスむがスタスタず远い抜いおいく。

    ゚ル「  あぁ、しんどい  僕の今芋おる、䞖界は珟実なのか  倢かもしれない」

    ハスむ「珟実だ。  総監、お疲れ様でした」

    アスカ「ん、お疲れ様」

    アスカ、足を止め、腕時蚈を芋る。

    アスカ「どこ連れお行っおあげようかな。やっぱり、カツ䞌屋かでもええんかデヌトで  」

    リサのくしゃっず笑う顔を脳裏に想像し、フッず優しく埮笑むアスカ。

    次の瞬間──。

    バサァッ
    匷烈なルビヌの瞳ず、党開の䞉赀県がアスカの目の前たで迫る。
    ──シュッ
    銀色の閃光を残し、通り過ぎる。

    ハヌネスぞず手が䌞びるアスカ。

    アスカ「誰だっ  」

    総監のただならぬ殺気混じりの声に、鋭く振り返る゚ルずハスむ。

    アスカ「  なんや、この胞隒ぎ」

    スッ、スッ。
    巊右から二぀の圱が走り、アスカの足元ぞ滑り蟌む。
    汚れた戊闘服を纏い、床ぞ跪くマダずレナ。
    二人の絶胜は錆び、光を倱いかけおいる。

    アスカ「  君たち䜕を  リサちゃんは──」

    呚囲を芋枡し、リサを探すアスカを芋䞊げるマダ。
    地面に぀いた䞡手が、ガタガタず震えおいる。

    マダ「あい぀が、リサの心臓を取り蟌んじゃったよ  あれがないずリサが死んじゃう  」

    激しく跳ね䞊がるアスカの錓動。

    䞋唇を匷く噛み締め、悔しさに眉尻を悲痛に䞋げるレナ。

    レナ「  私がもっず早く気づいおいれば  䜿い方を間違えればどうなるか  お願い、カむを止めお」

    アスカの衚情から、すべおの枩床が消え去る。

    アスカ「  やっおくれたね」

    リサを奪われた怒りで、アスカの背埌に蒌翠の炎が噎き䞊がる。

    ○ブラックリング゚リア・倩文台・屋䞊

    幟床もの激戊で真っ平に削られた屋根。
    その䞊で、リサを抱きかかえたたた街の景色を眺めるカむ。

    二人の髪が、倜颚に冷たく靡く。

    腕の䞭で眠るリサを芋぀めるカむ。
    その癜い頬を、愛おしそうに指先でなぞる。

    カむ「  これで、少しは  」

    脳裏をよぎる、アスカを芋぀めおいたリサの顔。

    カむ「俺には芋せない衚情かおだな  」

    静かに瞳を閉じるカむ。

    ○同・倩文台・屋䞊回想・10幎前・冬・昌

    青空の䞋。
    半分削り飛ばされた䞞い屋根に座る少幎カむ。
    匷い陜光が、その小さな身䜓を照らす。

    カむ「遅いな。あい぀には乗り物が必芁だな」

    や぀れた姿のリサ、カツ䞌を高く掲げ、満面の笑みで駆けおくる。

    リサ「カむくヌんカツ䞌持っおきたよ半分こしよぉ」

    リサの姿に、カむの瞳が现たる。

    カむ「あい぀  たた、興味本䜍で絶胜に觊れたな。孊ばない奎だ」

    勢い䜙っお足がも぀れ、バランスを厩すリサ。
    宙を舞うカツ䞌。

    リサ「カツ䞌がァァァ」

    屋根からパッず消倱するカむ。
    座っおいた堎所の黒い沌が閉じおいく。
    地面からスゥッず這い出るず、カツ䞌ずリサを同時にキャッチする。
    リサを地ぞ降ろすカむ。

    無邪気に抱き぀くリサ。
    密着した巊頬が、カむの絶胜──䞉赀県ぞず、柔らかに觊れる。

    咄嗟にリサを突き攟すカむ。

    カむ「っ、バカ觊るな」

    地面に倒れ蟌むリサ。
    すでに胞を抌さえ、劇痛に悶えおいる。
    荒い呌吞のたた、震える手で圌女を芋䞋ろすカむ。

    カむ「あれほど蚀っただろ人の絶胜には觊れるなず䜕語を話せば通じるんだ倧䜓お前は、出䌚った時から人の心にガツガツ入りすぎなんだこの䞉赀県だっおな  っ、ハァ、ハァ。  そこで埅っおろ」

    苊痛の冷や汗を流しながらも、パシッずカむの手を力匷く掎み取るリサ。

    リサ「カむくんは、自分の目嫌いなの芖野が広くお  かっこいいのに」

    その蚀葉に、倧きく揺れるカむの瞳。
    ヒュヌ  ず、凍えるような冷たい颚の音だけが呚囲に響き枡る。

    奥歯を噛み締め、拳を握りしめるカむ。
    リサの前ぞ腰を萜ずし、圌女の手を包み蟌む。
    己の額ぞ、その掌を匷く抌し圓おる。

    カむ「  痛いくせに、そんな顔で笑うな。お前が苊しむ姿を芋たくないんだ。  俺は死ねない。お前にだけは、先に逝っおほしくない」

    倧きな瞳から、ぜろぜろず倧粒の涙を溢れさせるリサ。

    リサ「倧䞈倫だよ、カむくん  。私は死なないし、ずっずカむくんず䞀緒にいるよ」

    カむ「  嘘を぀け、匱っおるだろ。お願いだから絶胜にはもう觊れないでくれ  」

    立ち䞊がり、リサを立たせようずするカむ。

    カむ「今すぐ、この星から出る。ほら立お」

    リサ「え、やだみんなずここに居たい痛みなんお倧したこずないよ、このたたでいい」

    立ち䞊がるのを拒み、瞳を揺らすリサ。
    カむ、口元を匕き結ぶ。
    ため息を吐き、再び腰を萜ずすカむ。

    カむ「だったら、俺が治しおやる」

    リサ「  治せるの」

    カむ「  俺の血だったら  少なくずも、痛みはマシになるはずだ。その代わり、俺ずずっず䞀緒にいるず玄束しろ」

    リサの小指に、自分の小指を絡たせるカむ。

    カむ「お前語で蚀うなら  "痛みも半分こ"だ」

    涙を溢れさせながら、䜕床も䜕床も頷くリサ。

    リサ「指切りげんたん、嘘぀いたら、手を千切り──」

    カむ「埅お  銖だろ」

    泣きながら、笑い合う二人。
    地平線を背に、二人の指切りががやけおいく。

    ○ブラックリング゚リア・倩文台・屋䞊珟圚

    カむ、瞳を開ける。

    コツ、コツ、ず足音が真っ平らな屋根に響く。

    リサを優しく暪たえるカむ。
    腰を䞊げ、振り返る。
    カむの背埌から噎出する、『赀黒い炎』。
    その䞭で激しく散る、『銀の光の粒子』。
    同時に、暪たわるリサの呚囲を包み蟌むように匵られる、球状の黒いバリア。

    カむ「やっず来たな」

    芖線の先。
    蒌翠の炎を背負ったアスカが立っおいる。
    暪たわるリサを捉え、その瞳が鋭く现たる。

    アスカ「あんな情熱的な挑戊状を貰うのは初めおだよ。  リサちゃんを返しおもらおうか」

    カむ「返せだずふざけたこずを。お前が欲しいのはこの心臓だろぅ」

    己の心臓を指で指し瀺すカむ。

    カむ「これで䞖界を倉えられるずでも思ったか愚かな奎だ  決められた垞識に瞛られ、未来ずいう結果ばかりを远う」

    背埌に静かに暪たわるリサの気配を、䞀瞬だけ愛おしそうに背䞭で感じるカむ。
    口元から、自嘲の笑みが挏れる。

    ザワザワず揺れる朚の葉。
    䞡手を広げ、倩を仰ぐカむ。颚の空気に觊れる。

    カむ「今この瞬間、ここに圚る呜の衝動だけが、党おを創り出す」

    仰いだたた、芖線だけをアスカぞ向けるカむ。

    カむ「぀たりだ、昚日今日珟れただけの奎に、本胜で生きるリサのこずなどわかるたい」

    アスカ「ハハ、君っおわかりづらいね。䞍噚甚っおいわれない」

    アスカの芖線が、カむの背埌のリサぞず向く。

    アスカ「  俺は今、怖い  リサちゃんを奪われるこずが。どうしおくれるのかな──デヌトを台無しにした眪は、重いよ」

    その蚀葉に、ルビヌの県光をピキッず限界たで鋭く尖らせるカむ。

    カむ「吐き気がするほど口が回る奎だ。あい぀は枡さん  」

    二人、同時に䞀歩を螏み出す。

    凪ぐ颚。
    䞀枚の朚の葉が、地面を叩く。

    次の瞬間、䞀挺を抜き攟぀アスカ。
    䞀瞬で二挺、双星が䞡手に収たる。

    カむの䞉赀県が、鋭い光を攟぀。
    胞の䞭から、金属のギザギザずした刃の長刀を抜き攟぀──月蝕ノ愛刀げっしょくのあいずう。

    刀身から滎る血を䞀閃しお払う。
    舞い䞊がった血飛沫がカむの県前ぞず凝瞮され、ピタッず静止する。

    ザァァァッ
    アスカぞず攟たれる血の散匟。
    同時に、地を蹎り疟走するカむ。

    迫る血の散匟を、右銃で撃ち抜くアスカ。
    ドシュッ、ドシュッ
    その隙間からカむをロックし、巊銃の匕き金を匕く。
    バン バン
    攟぀匟䞞が、倩の川のルヌトに沿っおカむぞ䌞びる。

    猛スピヌドで刀をの字に旋回させ、匟䞞を匟き萜ずすカむ。
    キン、キン、キン

    双星を宙ぞず攟り投げるアスカ。
    その呚囲に珟れる、金色のさそり座、わし座、はくちょう座の王章。
    二挺の銃ず共に、ぐるぐるず混ざり合う。
    立ち昇る癜い煙が、雲のリングを圢成。
    そこからカヌブを描き、射出される無数の蒌翠の矢。
    党方䜍からカむぞず殺到する光線。

    カむ、動かない。

    カむ「フ、無駄だ」

    䞀段ず発光するカむの䞉赀県。
    䞀拍遅れお、空気が重く沈み蟌む。

    ドッ、ボォォン
    党方䜍ぞ爆ぜる挆黒の衝撃波。
    迫る光線を、こずごずく吹き飛ばす。

    口角を䞊げるアスカ。
    頭䞊のリングの䞭心から溢れ出す、蒌翠の小さな枊。
    瞬く間に巚倧化する──倩の川の心臓ブラックホヌル。

    カむ「フン。銀河ごずきが俺に勝おるずでも思っおるのか」

    呚囲の瓊瀫、カむの刀から滎る血痕たでもが、その闇ぞず吞い蟌たれる。

    アスカ「先茩ず呌んでほしいね」

    枊が停止する。

    カラン、カラン  。
    静寂の䞭、空き猶が転がる音だけが響く。

    盎埌、逆流を始める枊。
    吞い蟌たれたものが、青癜い星々の光ず混ざり合う。倪い蒌翠の巚線ずなっおカむぞ䞀盎線に攟たれる。

    アスカの前方に、癜いオヌトマチックピストルを構えた゚ルずハスむが滑り蟌む。

    ゚ル・ハスむ「揎護したす」

    二人同時に匕き金を匕き、攟たれる高熱の溶解匟。

    正面から迫る蒌翠の巚線ず溶解匟を、鋭く暗芖するカむの䞉赀県。

    カむ「光速に近づくほど時間の流れは遅くなるものだ。圓たる䟡倀もないが  いいだろう」

    ドッドッドッド
    容赊なくカむの肉䜓を穿぀、無数の穎。
    ゞュッず音を立お、溶けた傷口から溢れ出す芋えない銀ず黒の星粒。
    现胞を䞀瞬で線み盎すように、塞がっおいく傷口。

    カむの頭䞊。
    光を倱い、錆びた色に染たった絶胜を構えたマダずレナが匷襲する。

    マダ「カむッ目を芚たせそんなの愛でも䜕でもない」

    レナ「狂愛にもほどがあるわ。その歪んだ執着ごず、ここで断ち切っおあげる」

    残像を残しお埌方ぞ䞋がるカむ。
    前髪の隙間から芗くルビヌの瞳を発光させ、顔の血管を浮き䞊がらせる。

    カむ「狂愛だず   なら、その名に恥じないようにあい぀を骚の髄たで愛し尜くしおやらないずな」

    二人の腹郚を、二刀で鋭く斬り䞊げるカむ。
    倧きく暪ぞ跳び、そのたた匷烈な回し蹎りを叩き蟌む。

    ドォン、ドォン
    血を撒き散らし、空䞭ぞ吹き飛ぶマダずレナ。

    冷培な県光でハスむず゚ルを射抜く、カむの䞉赀県。

    ダンダァンッ
    芋えない重力に抌し朰され、䞀瞬で屋根ぞず叩き぀けられるハスむず゚ル。
    党身の筋肉を軋たせ、必死に抗うハスむ。

    アスカ、額から汗を流し、顔を苊しげに歪たせる。

    アスカ「  リサちゃんを埅たせるわけにはいかないんだよ」

    アスカの瞳の奥、知恵の茪の茪郭が䞀段ず茝く。

    ♪ 挿入歌むントロ「蒌翠のホンノり」By アスカ

    頭䞊の枊から、射手座の王章に包たれお戻っおくる双星。
    蒌翠の火花を散らし、幟千のパヌツが超高速で組み換わり倉圢。
    アスカの䞡手に、捻れた矢印の二剣──双星の倩河そうせいのおんががガチリず収たる。
       

    ♪1Aメロ
    境界線なんお 芖えたルヌトをなぞるだけ
    正解が党おなら 宿呜は悲劇か 俺は君のビヌトに溺れたい

    真っ赀に充血しおいく、アスカの蒌翠の瞳。
    地を蹎り、真っ向から疟走する。

    ♪1Bメロ
    痛みも 涙も 党郚 歊噚になる 
    ポむントは意味じゃない 感じるたた 指をかけろ

    カむ、赀黒刀ず黒銀刀を激しく亀差させる。
    二刀から無数の銀のきらめきず、ドロドロずした挆黒の闇『黒銀炎こくぎんえん』が噎出。
    䜎い姿勢のたた、屋根ぞ巚倧な円を描く。

    ♪ 倧サビ
    運呜さえ ケ・チ・ラしおやる 
    愛しおるず 抱きしめるたで 

    壮絶な黒銀炎が、刀から円の軌道ぞ䞀気に移る。
    ボワァッ
    勢いよく満月の空ぞず舞い䞊がる、炎の巚倧な壁。


    魂よ 咆えろ 錓動よ 突き進め
    リミット 超えた先で ボクらが答えだず

    カむ、黒銀炎の䞭から匟䞞の劂き速さで飛び出す。

    ガキンッ
    アスカずカむの刃が亀差する。
    抌し合う二人の刃。
    芖線が、真っ向からぶ぀かり合う。

    カむ「あい぀がお前を遞ぶこずはない  」

    アスカ「それはこっちの台詞だ」

    バリッ
    真っ平らな屋根に走る巚倧な亀裂。

    互いに䞀歩、䞋がる。

    二人同時に膝を倖す
    䜓幹を抌し出し、䞀瞬で間合いを詰める。
    ──キィィン

    アスカ、歯を食いしばり、カむの刀をすり抜ける。
    右の剣が喉元を穿ち、巊の剣が胎を薙ぐ。
    死角なき、同時攻撃。

    間䞀髪で、海老反りになるカむ。
    二剣が錻先ず胎を掠め、倜颚に舞う赀い血。
    のけぞった䜓勢のたた、埌方ぞ鮮やかにバク転。
    着地ず同時、党䜓重を乗せた二刀を勢いよく振り䞊げる。

    キィィン
    二剣を氎平に亀差させ、防埡するアスカ。
    亀差させたたた、䞋から突き䞊げるカむの匷烈な膝蹎り。

    口から血をブッず噎き出すアスカ。
    䞀瞬意識を飛ばしながらも、空䞭で反射的に身を翻し、着地する。

    闇に染たる空。
    倩ぞず舞い䞊がり続けおいる黒銀炎。
    その炎の奥、無数の銀のきらめきず、挆黒の闇が䞍気味に波立぀。

    ピシッ。
    倜空の空間に、小さな歪みの穎が空き、次第に広がる。

    地面に片膝を぀くアスカ。
    その沈み蟌んだ勢いのたた反転、地を蹎り出す。
    空䞭で激しい瞊暪のひねり回転。
    遠心力を乗せた頭䞊連撃が、カむを切り刻みにかかる。

    カむの頭䞊から、鋭い剣先が豪雚の劂く降り泚ぐ。
    シュッシュず、残像を残しお䜓をすり替えるカむ。
    同時に二刀を颚車のように高速回転させ、アスカの猛攻を封殺する。
    アスカの剣が、カむの衣服を切り裂く。
    その肌から噎き出す、现い血線。

    アスカの最埌の䞀撃が届く、その盎前。
    悊びに歪んだ笑みを浮かべ、真っ赀な䞉赀県をさらに発光させるカむ。
    足元から溢れ出す黒い沌の䞭ぞ、急速に沈んでいく。

    空間を空振る、アスカの二剣。
    アスカが着地した瞬間。
    少し離れた䜍眮の屋根から、スゥッず這い出るカむ。

    ──その瞬間。

    ボォォォオオオンッ──
    空が悲鳎を䞊げる。
    倧気が、猛烈な勢いで宇宙の倖ぞず䞀気に吞い蟌たれおいく蜟音。
    二人の錓膜ぞず、激しく響き枡る。

    空ぞず、意識が向くアスカ。

    アスカ「なっ」

    ○街の䞭

    空を芋䞊げる人々。
    窒息し、喉をかきむしりながら、次々ず地面ぞず倒れ蟌む。
    空に空いた巚倧な穎ぞず、地䞊のすべおが猛烈な暎颚ず共に巻き䞊げられおいく。

    垰宅途䞭のゎリラ軍曹。
    愛車のハンドルを突颚に煜られ、必死の圢盞でハンドルを切りたくる。

    ○地球宇宙空間

    宇宙空間に浮かぶ、䞞い地球の茪郭。
    その青い星の衚面が、『黒銀炎』によっお、みるみる包み蟌たれおいく。

    ○倩文台 屋䞊

    砎滅しおいく倩を芋䞊げたたた、ピタリず動きを止めるアスカ。
    吹き荒れる暎颚が、その髪や衣服を激しくなびかせる。

    カむ、胞を抌さえ、血反吐を吐く。

    カむ「  これほどたでずはな。お前の心臓はタチが悪い」

    苊痛に顔を歪めお嘲笑いながら、ゆっくりずアスカぞ向けお芖線を戻す。

    カむ「䜕を絶望しおいる。これが、お前の求めた奇跡だ」

    俯くアスカ。
    䞡手の剣をグッず握りしめる。

    二剣を、瞳の真ん前ぞかざす。
    蒌翠の瞳の奥にある知恵の茪の茪郭が、鏡のように剣身ぞ刻たれる。
    剣をに亀差させ、掲げるアスカ。

    頭䞊の枊、その奥から噎き䞊がる蒌翠の光煙。
    バァァン
    同時に、枊の円を真っ二぀に突き砎り、倩空ぞ射出される眩い金の瞊線。
    倜空の闇を䞀瞬にしお駆け抜けおいく。

    ○地球宇宙空間

    黒銀炎に、倖偎から䞍気味に包み蟌たれおいく䞞い地球 。
    その絶望の星の衚面を、地䞊から攟たれた金の軌跡が、鮮烈に切り裂いおいく。

    ○倩文台 屋䞊

    血に染たっおいく、アスカの䞡目。

    盎埌。
    カむの背埌で、リサの身䜓を包み蟌んでいた黒いバリアが消倱する。
    異倉を捉えた瞬間、アスカの意識がリサぞず吞い寄せられる。

    カむ、よろけながらも口角を䞊げ、アスカを捉える。

    カむ「隙だらけだ」

    党身から衝撃波を噎き出し、アスカを正面から匟き飛ばす。

    ドォォォン

    アスカ「っ、がっ」

    ガガガガッ
    瓊を削りながら、䞀瞬で数十メヌトル埌方ぞず滑萜しおいくアスカ。

    這い぀くばったたた、悲痛な声を匵り䞊げるハスむず゚ル。

    ハスむ・゚ル「アスカさん」

    ○地球宇宙空間

    䞀気に匕いおいく金の軌跡。
    黒銀炎が、地球党䜓を再び芆い尜くしおいく。

    ○倩文台 屋䞊

    地平線の向こう。
    瞬く間に、県䞋の街党䜓が枯れ果お、灰色に染たっおいく。
    䞊空の穎から倱われおいく、倧気。

    その砎滅の光景に、蚀葉を倱う゚ルずハスむ。

    その傍ら。
    屋根を䌝うマダずレナの血が、暗い䞋界ぞず音もなく滎り萜ちる。

    空を銀の雷線が切り裂き、激しく萜雷。
    ドンッ、ピシャァァン
    倧きく開いた穎から、シュゎォォォヌ、ドォォォンず萜ちおくる数千の火球。

    ハスむず゚ル、マダずレナを必死に抱え䞊げ、炎の䞭を疟走。屋根から䞀気に飛び降りる。

    アスカ、血だらけの䜓で立ち䞊がる。
    リサぞ向け、最短距離を突進する。
    その身䜓を抱き䞊げ、屋根を匷く蹎る。
    衝撃ず共に、地面ぞず萜䞋し、転がる二人。

    〇地面

    降り泚ぐ火球の雚。
    アスカ、腕の䞭のリサを芋぀める。
    脳裏を駆け巡る、くしゃっず無邪気に笑った顔、真っ赀にしお恥ずかしがる顔、い぀ものズレた発蚀のリサ。

    霞んでいく瞳の䞭で、懐から黒い玙飛行機を取り出し、リサの手の䞭ぞず握らせるアスカ。
    リサの身䜓を匷く抱きしめ、その肩に顔を埋める。

    アスカ「  ごめん、ごめんね  リサちゃん。俺が奇跡の力に頌らなければ、俺に君みたいな勇気があれば、こんなこずにはならなかった  」

    アスカの血に染たった片目から、消倱する光。
    頭䞊の枊が、歪んだ茪郭を倱っおゆっくりず消えおいく。同時に、地面に転がっおいる二剣もスゥず消倱する。

    リサの顎を、優しく持ち䞊げるアスカ。
    小さな唇に、自分の唇を重ね合わせる。

    アスカの最んだ瞳から溢れ出す、銀の涙。
    頬を䌝い、地面に萜ちた䞀滎が、たばゆい銀の波王ずなっお䞀面ぞ広がる。

    その銀の光に呌応するように、ドクン、ドクンず眩い銀色の光を攟ち、激しく拍動を始めるリサの胞元。

    ○リサの䜓内

    ポチャン  。

    銀の雫が、リサの心臓に残った硬貚──半分のカケラぞず真っ盎ぐに萜ちおいく。 
    回り出す、銀のカケラ。

    ○地面

    リサの胞元から、糞のように䌞びる無数の眩い銀の筋──星塵の粒子。
    マダやレナの身䜓ぞ、次々に繋がっおいく。

    䞀筋の光の筋が、リサを抱きしめるアスカの胞元──心臓を優しく貫く。

    アスカの瞳の䞭。
    蒌翠の茝きが、再び鮮烈に蘇る。

    リサの指が、アスカの頬を柔らかに撫でる。
    驚きに目を開け、唇を離すアスカ。

    リサ「アスカさん  ただ終わっおないです  。私は圹に立ちたしたか」

    アスカ、こみ䞊げる涙を堪えきれず、深く頷く。

    アスカ「ずるいなぁ、君は  。宿呜なんかより、君が隣にいるこず。それが俺の、たった䞀぀の答えだったんだ  」

    リサ、くしゃっずした笑顔を浮かべ、匷く抱きしめ返す。
    二人の䜓枩が、ポカポカず䞊がる。

    その背埌。
    二人を冷酷な瞳で芋䞋ろしおいるカむ。

    カむ「  やめろ、それ以䞊リサに觊るな。  ちょうどいい、ここはもうお終いだ。行くぞ、リサ」

    リサの腕を掎み、無理矢理立たせるカむ。
    遮ろうず手を䌞ばすアスカを、カむの攟぀嚁圧感が匟く。
    倩を芋䞊げながら、瞳が揺れるリサ。

    リサ「駄目だよ、カむくんなんずかしないずこれ  私の力が原因だよね」

    俯いた前髪の隙間で、瞳が激しく揺らぐカむ。
    固く結ばれた唇が震える。

    カむ「俺は玄束守っただけだ  痛みもマシになっただろ」

    蚀葉を詰たらせ、カむの胞元に手を圓おるリサ。

    リサ「  痛いよぉ。カむくんの方が、もっず痛いでしょ」

    カむ「なんだそれ  こんなのはすぐ慣れる。今すぐ俺を遞べ䞀緒にいるっお蚀っただろぅ」

    拳を血が滲むほど、握り朰すカむ。

    カむ「俺は䜕にしがみ぀けばいいんだ  お前ず出䌚わなければ  こんな醜い感情なんか、知らずに枈んだ  」

    虚ろな瞳で、静かに立ち尜くすカむ。
    蚀葉を完党に倱い、俯くリサ。

    リサ「  カむくんがいたから、この䞖界で生きおこれた  あの日の玄束が奇跡になったんだよ。ありがずう。今床は私の番だね」

    リサ、顔を䞊げる。

    ドクンッ──
    二人の胞元から眩い銀光がバサァッず激しく溢れ出す。

    カむの胞から半分の硬貚。
    リサの胞元からは、残った半分のカケラが皮膚を透過し、浮かび䞊がる。

    倒れたたた、その正䜓に圧倒されるアスカ。

    アスカM「心臓が  硬貚  」

    リサ、自分の胞元のカケラを優しく眺める。

    リサ「やっぱり暖かいな  半分残しおくれるんだもん  倧䞈倫、䞀人になんかしないよ」

    宙に浮いた二぀のカケラが匕き寄せられ、元のひず぀の硬貚──むレギュラヌ奇跡の心臓ぞず戻る。

    黒髪ぞず戻っおいく、カむの髪色。
    同時に、すべおが真っ癜な星の姿ぞず染たっおいくリサの髪。

    パッず、目の前のカむを真っ盎ぐに芋぀めるリサ。

    リサ「キミは反射しないんじゃない。カむくんが広すぎる宇宙だから、倪陜も「たぶしっ」っお逃げちゃうんだね」

    瞳を倧きく芋開くカむ。
    党身が硬盎する。胞元だけが倧きく䞊䞋する。

    穎が空いた倩を芋䞊げるリサ。
    癜い髪が颚に螊り、アスカの錻腔ぞずリサの銙りが届く。
    ざわ぀くアスカの錓動。

    アスカ「  リサちゃんお願いだ、やめおくれっ  」

    アスカ、咄嗟に身䜓を起こし、リサぞ手を䌞ばそうずする。

    クルッ、ず振り向くリサ。
    宙に浮く硬貚から、䞀気に䌞びる幟぀もの銀色の筋。その筋が茪のように、アスカの身䜓を優しく包み蟌む。
    同時に、カむ、そしお街の人々ぞずも無数に䌞びる。降り泚ぐ火球を匟く。

    カむ、ハッずしお、身䜓を包み蟌んだその筋を叩く。

    リサの脳裏に、アスカの䞀挺が歪んだ瞬間がよぎる。振り向き、アスカぞ笑みを浮かべる。

    リサ「銀河の救䞖手さん力は反発し合ったけど、あの時からシンクロしおたんですね」

    ゆっくり歩き出すリサ。
    アスカ、その笑みに涙を堪え、芖線を萜ずす。
    奥歯をギリっず噛み締める。

    リサ、屋根の瞁際で足を止め、倩を芋据える。
    マダ、レナ、錆びかけたたたの絶胜を収めながらリサの䞡端に立぀。

    リサ、倪もものホルスタヌから拳銃を抜く。
    パラッず銃身が少し砕ける。

    リサ「  ごめん、零くん、先に垰っちゃったみたい  」

    レナ「遺蚀なしずは、いい床胞ね  仕方ないわ。チャチャっずやるわよ」

    マダ、屋根の瞁から、砎壊され厩壊しおいく県䞋の街をじっず眺める。

    マダ「  たたゎリラに远いかけられるさすがに、これは免陀されるよね  されなかったら請求曞はカむに送っおやる」
       
    芖線を合わせ、笑みをこがす䞉人。
     
    リサ、目の前で浮いおいる銀の硬貚を掎む。
    マダ、レナ、リサの拳の䞊ぞず手を重ねる。

    リサの瞳孔が開き──奥底に銀の星光が小さく点る。

    リサ「私たちの営業を始めよう」

    マダ、レナ、目元に涙をにじたせながらも頷く。

    䞉人の背埌に、銀ピンクリサ・銀む゚ロヌレナ・銀ブルヌマダの炎柱が噎き䞊がる。

    䞉人の存圚の軌跡が䞀぀になる。
    重ねた手の䞭に、䞉人の火柱が吞い蟌たれる。

    リサ、もう片方の手に握られた黒い玙飛行機を飛ばす。
    䞉人、手を離す。
    硬貚ず玙飛行機が惹かれ合い、猛烈な速床で枊を巻く。

    ゎン、ゎン、ゎン ず膚匵する。
    ゎォォン 
    䞉人の目の前に、黒い矢印型の倧型飛行機が出珟。
    矢印の先端に装着された、巚倧硬貚。

    リサ、瞬きをする。

    リサ「テむクオフ」

    ゎォォォ
    飛行機が高速で飛行し、音速を超える。
    ゜ニックブヌム衝撃波が攟出される。
    ブシュりゥゥゥッ

    降り泚ぐ火球の隙間を瞫いながら、穎が空いた倩ぞず突き進む。

    ゎォォォォン 
    先端の巚倧な硬貚が、その穎ぞずピタリずはたり蟌む。

    銀の筋が地球党土を駆け巡り、包み蟌む。
    枯れ果おおいた草朚が息を吹き返し、色鮮やかな花々が䞀斉に芜吹いおいく。

    銀色の星塵の粒子に包み蟌たれおいた人々が、星が瞬きだした倜空を芋䞊げる。
    ゎリラ軍曹、誇らしげに空ぞ敬瀌を送る。

    リサの指先から、さらさらず銀の塵がこがれ萜ちる。連動するように、隣に立぀マダずレナの身䜓からも、癜い塵が溢れ出す。

    二人はお互いに芖線を合わせ、悪戯っぜく楜しそうな笑みをこがし合う。
    盎埌──二人の姿がプツンず消え去り、二粒の光ずなっお、倜空の圌方ぞ向けお最速で駆け昇っおいく。

    塞がった穎から、硬貚が空に溶けおいく。
    銀の瞁取りが残るその堎所から、幟千もの黒い玙飛行機が溢れ出す。

    屋根の䞊に残されたリサ。
    さらさらず剥がれ萜ちる半身の塵が、地面ぞず積もる。

    カむ、薄くなっおいく筋の䞭で、リサず舞う玙飛行機を芋぀める。

    カむ「  お前はどこたでも芏栌倖むレギュラヌだな」

    目尻を䞋げ、埮笑むカむ。
    党開の䞉赀県が点滅する。
    身䜓が急速に瞮み、幌い少幎の姿になっおいく。
    赀い残光を纏う、その小さな身䜓。
    次第に黒い光の粒ぞず姿を倉え──リサの身䜓に吞い蟌たれる。

    アスカを包んでいた筋が消倱。
    アスカ、地を蹎る。

    アスカ「埅っおくれ、リサちゃん  ただ君ず話したいこずが、話さなきゃいけないこずが、たくさんあるんだ  っ」

    無数の黒い玙飛行機が流星のように舞い散る䞭を、必死に駆けるアスカ。

    リサの顔半分がさらさらず塵に倉わっおいく。 ゆっくりず振り返る。アスカの瞳ず重なり合う。
    唇を小さく動かす。

    リサ「たた逢えたら  今床こそ、カツ䞌屋に行きたしょうね」

    リサ、涙を溜め、満面の笑みを浮かべる。
      
    アスカ、枟身の力で圌女を抱き寄せる──。

    パラパラ  。

    アスカの掌に残ったのは  枩もりさえ眮き去りにした、残酷なたでに軜い䞀握りの塵だけ。

    ♪ むントロ「BLACK ROUTE」By リサ

    アスカ、䞡膝からボロ切れのように厩れ萜ち、手の䞭の虚無を芋぀める。

    アスカ「  リサちゃん」

    こがれ萜ちた䞀滎の雫が、その塵を濡らす。

    ♪ 1Aメロ
    䜕もない堎所で 空黒な玙ちぎっおさ
    ぎこちない指先で 黒い翌 折り䞊げた

    オフショ幌いカむずリサ。寄り添っお眠る二人の傍に、玙飛行機ず、空になった䞀぀のカツ䞌どんぶり

    ♪ 1Bメロ
    真っ黒な 裞足で 消えない跡を 残す灯火 
    ボクの隣 ふず芋たら 圱だけ 笑っおた

    オフショカツ䞌を手に叫ぶマダ、カツを咥え必死に䞌を抱えるリサ、無衚情で完食を目指すレナ。逃げる人を、ゎリラ軍曹が猛远

    ♪ 1サビ
    僕らの玙飛行機 屋根の䞊で 飛ばしおみた
    届かないず 決め぀けおた ゜ラの向こう 矢印が倉わる

    オフショマダが「男の萜ずし方」をフリップで解説。リサは真面目にメモを取り、レナは隣で瞑想

    远いかけおく 行き堎所をなくした 䞍安な軌跡だったずしおも
    僕らの玙飛行機 ただ飛べるっお 信じおる 

    オフショ和服姿のカむ、泣きながら玙飛行機を空ぞ飛ばす

    ♪ 2Aメロ
    雫の甚玙 赀い海 ため息で にじたせた
    ポケットの 小さな空 折り目だらけ 倢の地図

    オフショ略奪者のお墓前で手を合わせるリサ

    ♪ 2Bメロ
    垰り道 闇を螏んでみる キミの暪顔 俯いおた
    うたくなんお いかないね その蚀葉 氞遠に倉えた

    オフショテヌブルでう぀䌏せになりながら、顔を芋合わせお満面の笑みで笑い合うカむずリサ

    ♪ 2サビ
    僕らの玙飛行機 満月の空に向けお
    さよならさえ 飲み蟌んだたた ルヌト越えお 存圚をこえる

    オフショ船内の廊䞋。壁に寄りかかり、䞀人静かに涙を堪えおいるリサ

    行き先なんお 決めなくおいい 今はたださ 堕ちないように
    僕らの玙飛行機 心に觊れお 笑えたら (oh〜

    駆け寄っおくるリサを、瀌服姿のアスカが䞡手を広げお受け止めようずする

    ♪ Cメロ
    濡れたアスファルト にじむ街灯 ぐしゃり朰れた 黒いカケラ
    拟い䞊げた 君の手のひら「綺麗だよ」っお 空にかざす

    オフショカツ䞌を頬匵るリサの埌ろで、頬杖を぀きながら埮笑むカむ

    ♪ 倧サビ
    ボクらの玙飛行機 匷がりさえ 折りたたんで
    カラダ消えおしたっおも それが 道しるべだ

    爆炎の䞭、アスカずリサが亀わした慈愛のキス

    远い颚もさ 向かい颚もさ キミがいれば 合図になる
    ボクらの玙飛行機 どこたでもっお 投げおみよう 

    屋根の䞊。倜空に舞う䞀機の黒玙飛行機を芋䞊げおいる、カむ、リサ、マダ、レナの埌ろ姿

    ♪ アりトロ

    静かに星がたたたく宇宙。䞀機の黒玙飛行機が、どこたでも遠くぞ流れおいく

    ○星の海

    挆黒の宇宙。
    無数の星が音もなく煌めく。
    地面は鏡の氎面。

    その氎面に座っおいるリサ。

    静寂の䞭、ツヌン、ツヌンず氎面に波王が広がる。

    カむ「  リサ」

    リサ、呌ばれた方ぞ、そっず顔を向ける。
    その芖線の先に、和服姿のカむが立っおいる。
    涙を浮かべ、立ち䞊がる。

    リサの目の前で足を止めるカむ。
    瞳を濡らし、蚀葉を詰たらせる。

    カむ「ごめんな  。お前を傷぀けた。あんなこずを思ったこずは䞀床もない。お前ず半分こしたカツ䞌ほど、俺を救っおくれるものはどこにもなかった」

    頭を巊右に振り、カむの袖をギュッず掎むリサ。

    リサ「䞀人で戊わせおごめんねっ、䜕も返せなくおごめんねっ  」

    黒い指茪を纏った指先で、しゃくりあげるリサの涙を優しく拭うカむ。

    カむ「本圓、アホな奎だな。お前の存圚そのものが奇跡だっおこずただ気づいおないのか  ほら、これは眪滅がしだ。俺の半分を持っおいけ」

    リサの額に己の額を寄せるカむ。
    䞉赀県が脈打ち、黒い星粒がリサの胞元ぞ流入。

    リサの髪が、ピンクに戻っおいく。

    二人の背埌の空間に小さな黒い沌が珟れる。
    ザァヌず音を立おながら、次第に倧きくなっおいく。

    カむ「   時間切れだ。もう行け」

    カむの和服の袖を必死に掎み盎す。

    リサ「カむくんはどうなるの」

    カむ「俺を誰だず思っおる。忘れたのか俺の絶胜を」

    リサの脳裏に、幌いカむが零した蚀葉がフラッシュバックする。
    リサを匷く抱きしめ、耳元で囁くカむ。

    カむ「䞀床しか蚀わないからな。俺はお前を──」

    その蚀葉に、リサの瞳が倧きく揺れる。

    カむ「  あい぀に䌝えろ。新しく創り倉えられた䞖界で、お前は生きおいけるのか。ざたぁないな、っおな」

    リサを枊の䞭ぞず抌し出す。
    フッず、笑みを浮かべるカむ。

    沌の穎から芗き蟌むカむを、無数の黒い玙飛行機ず流星矀が暪切っおいく。


    リサの瞌がパッず芋開かれ、銀の星光を宿した瞳にルビヌの火が灯る。

    黒い硬貚が、チリヌンず音を立おお宙を回る。

           完食


    ■あずがきむラスト付き


    改めたしお
    今回、初の創䜜倧賞にマッハで滑り蟌たせおいただきたしたフゥ
    本䜜は、人間の本質ず宇宙法則を土台に、絵で語るラむブ感を重芖した蚭蚈図です
    䞀般的なアニメ脚本ずは異なる、圢匏そのものがむレギュラヌですが  是非、埡䞀緒に芳枬創造に参加しおみおください

    䜕はずもあれ笑っお、脳を興奮させ、お腹空かせおくれたら最高です♡
    キャラたち知的生呜の生き様ず、癖の匷い魅力が、皆様の心にぶち刺さっおいたすように

                           己の存圚を最倧限に__䜜者にの


    最埌たで䜓隓しおいただきありがずうございたした

    画像

    画像
     
     

    にの

     
     
    初めたしおキャラに党おを委ね、読者様にも楜しんでもらえるようなアニメ脚本蚭蚈図を執筆するのが倧奜きです。垞に魅力的な恋愛ストヌリヌやキャラクタヌを考えおいたす◝(⁰▿⁰)◜商業挫画の原䜜やコミカラむズを目指しお掻動䞭です

    あなたぞのおすすめ