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【第39話 】STILL ── 木漏れ日とビール、続いていく日々 ── (完結)

    🌙 今日も読みに来てくださってありがとうございます。
    ついに、この物語も最終回を迎えました。
    二人が選んだのは、形式にとらわれない、笑顔あふれる「幸せな空間」。
    木漏れ日がキラキラと跳ねる庭で、大好きな人たちに囲まれて、二人は新しい一歩を踏み出します。
    10年前、一目惚れしたあの姿は、今、人生最高の美しさを纏って。
    美しくて、最高に俗っぽくて、愛おしい二人の結末を、どうぞ最後まで見届けてください。


    __________


    第39話 木漏れ日とビール、続いていく日々 


    結婚式をやりたい。
    と、彼女が言うもんだから、もちろん叶えてやることにした。
    俺自身、式なんて恥ずかしくて、どうでもいいのだが、
    ドレス姿の彼女を見たいというのは、
    男として当然の感情ではないか。

    式前日、
    「今更だけど、どうして結婚式がしたかったの?」と聞くと、
    「みんなと、幸せな空間で過ごしたかったの。
    だから、正直、主役がわたしじゃなくてもよかった。
    それが、誰の結婚式でも。」と
    笑いながら彼女は言った。
    そうか、俺は、
    何よりも君のドレス姿を楽しみにしてるけどな
    と思っていたが、口には出さないことにした。

    当日、彼女の控え室には、寄りつかせてもらえなかった。
    花嫁のドレス姿はサプライズだと、プランナーに言われ、渋々したがった。

    バージンロードを進む彼女に、見惚れた。
    俺のそばまで、お母さんに手を引かれてやってきた彼女は、
    俺に手を取られながら、
    「見惚れた?」と笑顔で囁き、俺の胸は高鳴った。

    親類と仲の良い友人だけの結婚式は、穏やかに済んだ。
    リングボーイを頼んだ、4歳の俺の甥っ子は、
    終始仮面ライダーの変身ポーズをしながらだったが。
    讃美歌のピアノ伴奏を頼んだ彼女のいとこは、オーバーな脚色で、
    手拍子や足拍子まで入れ、親戚じゅうの拍手喝采を浴びたが。

    それでもまあ、概ね、穏やかな式だったと思う。
    何よりも、花嫁がノリノリで笑い転げていたのだから。

    __________

    緑が、木漏れ日でキラキラして見える。
    素敵なお庭でのガーデンパーティ。
    わたしの理想の結婚式を作ってくれた彼に感謝だ。
    余興も、二人の馴れ初め動画もなくていい。
    ただ、幸せであってほしい人たちと、
    気持ちいい場所で、
    美味しいものを飲んで食べて、
    笑いながら過ごすだけの時間が欲しかった。
    わたしもドレスの下は、ヒールを脱いで、スニーカーにしたんだ。
    ドレスも、動きやすさ重視で、シフォンの軽いドレスにし、
    髪は、ふわっとまとめて、小花を散らした。
    どっから見ても、リラックスした花嫁なのだろう。
    それも、隣にいる彼がいつもわたしといることを楽しんでくれるからだ。

    二人で高砂席に座る。
    みんながこちらを見て、笑う。
    わたしも笑う。
    彼も笑う。

    あれ、セイジさん号泣してる。
    みゆきさん、相変わらず細くて、お綺麗。
    リカったら、しゃべりすぎ。
    福ちゃん、お肉を頬張りすぎ。

    楽しくなって、つられてわたしも飲む。
    ビール、思わず、喉を鳴らして一息に飲む。
    ぷはーーーっといつもみたいに息を吐いたら、席のみんなと目があって。

    「真亜子!あんた、飲み過ぎーーー!」
    リカからの野次が飛ぶ。
    笑って応える。
    隣を見ると、わたしより笑顔の彼がいる。
    「やっぱり、その飲みっぷりが一番可愛い」

    夢のような、キラキラした光景が、
    いつものわたしたちと溶け込んでいく。
    夢も日常も、
    どっちも、同じラインの上で、わたしの暮らしに在る。
    こうやって、わたしたちは続いてゆく。






    🌙 最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
    一目惚れのビールから始まった物語は、最高に幸せな一杯で幕を閉じました。
    完璧な台本よりも、偶然の連続を笑い合える二人でいたい。
    そんな真亜子と秀弥の「続いていく日々」を、皆様の心の中でも温かく見守っていただければ幸いです。
    これまで応援してくださった全ての読者様に、心からの感謝を込めて。

    栗野マヒロ



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    怖くても、前に進む。 その一歩に、そっと灯りをともす物語を——。 小説を書いています。 心の奥の“色”を見つめながら、 やさしくて、少し切ない恋の物語を綴ります。

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