隣の駅に行くだけなのに、のんびりバスで遠回りをした。
バスに乗れる喜びでいっぱいのこどもの車窓には、いつもよりも一段高い景色が流れていく。
時折り車内に響く降車ボタンのピンポンが、彼の非日常を演出してくれているようだ。
背もたれにまだ届かない、ちょこんと座る小さな背中を、私の左腕が隙間を埋める。
触れ合う私たちを、2人の共通認識のように暖かさが包み込んでいる。
どんな顔で眺めているのかのぞいてみようと思った矢先、小さな身体が寄りかかってきた。
満足気に夢を見ている彼の前を、精一杯の背のびでも届かない景色が流れ続けている。
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