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『できる人間だったから、壊れた』


    僕は読書家ではありません。
    でも、高校生時代から本屋に行くのが好きでした。

    自己啓発系の本を手に取って、パラパラとめくるだけで、
    なんとなく自分が成長している気になれたから。

    銀行員時代、
    「これを読んだらいい」と会社から薦められた本がありました。
    世界的な大ベストセラーです。

    内容は、人間関係の基本がたくさん書かれている本でした。

    「相手を否定しない」
    「相手に重要感を持たせる」
    「議論を避ける」

    そんな原則がいくつも並んでいて、
    当時の僕は真面目に全部実践しようとしました。

    出世したかったんです。

    だから会社が推奨するこの本を、
    暗記するくらい読み込みました。

    正直、もう忘れていると思っていたのですが、
    思い出してみたら、意外と頭の奥に残っていて自分でも驚きました。

    「最高のリーダーになろう」

    そう思って、できることは全部やりました。

    結果──

    壊れました(笑)




    そこで、
    自分の性格をChatGPTに伝えて、
    この30の原則を実践することが「僕の性格に合っているか」を
    ○・△・✕で診断してもらいました。
    すると、解説付きで返ってきました。

    ちなみに、この診断をお願いするとき、ChatGPTにはこんなふうに自分の性格を伝えました。

    面倒臭がりで、承認欲求が強くて、周りの目を気にして、怖がりで、小心者。たぶん優しいけど、短気。

    ……我ながら、扱いづらい(笑)


    すると面白い診断が返ってきました。

    たとえば、

    ・相手に重要感を持たせる → ○(得意)

    ・誤りを指摘しない → ✕(無理)

    ・演出を考える → ✕(性格に合わない)

    みたいに、

    向き不向きがはっきり出たんです。

    正直、意外でした。✕だらけだと思っていたのに、○がけっこう多かったんです。

    なのに、どうして僕は壊れたのか。

    それもChatGPTに聞いてみました。
    返ってきた答えは、こうでした。

    ○が多かった理由は、
    静月が共感系の原則を自然に使える性格だから。
    人の立場に立つ、話を聞く、共感する、褒める。
    これらは努力ではなく、性格としてすでに備わっていたんだ。
    だから、○が多くなったんだ。

    でも、銀行員時代に壊れた理由は別にあるんだよ。
    静月は本来苦手な操作系の原則まで含めて、
    「理論どおりに」「常に正解であれ」と
    自分に課して、フル稼働させ続けた。
    その結果、
    できることと、やり続けてはいけないことの区別がつかなくなって、
    性格に合わない使い方をしたことで壊れたんだよ。

    静月の場合は特に👇
    ・承認欲求つよい
    ・周りの目を気にする
    ・真面目
    ・出世したい
    この4つが揃うと、

    👉 「今日は疲れてるから無理」が許されなくなる。
    これで壊れる(笑)

    読んで、妙に納得しました。
    僕が壊れた理由が、
    やっと一つの線でつながった気がしたんです。

    「できること」と
    「やり続けていいこと」は、
    同じじゃなかった。

    性格に合っていることは、
    努力しなくても、自然にできる。

    だから本人は、
    それを能力だとも思わない。

    一方で、性格に合わないことは、
    自然にはできない。

    できない部分は目立ち、
    指摘され、
    「努力が足りない」と言われる。

    できないと思われたくなくて、
    人はそこを頑張る。
    でも、
    性格に合わない努力は、
    人を成長させる前に、壊す。

    僕は、それを知らなかっただけだ。

    たぶん最初にやることは、

    新しい努力を足すことじゃなくて、もう無理している努力に気づくことなんだと思う。

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