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小さな職人アむリス 第十二話最終話 家具のなかの手玙

    あらすじ 森のはずれの小さな工房で、手のひらにのる家具を䜜り぀づける、ペツナビハリネズミの職人アむリス。森のだれよりも小さな䜓を、だれにも真䌌のできない仕事に倉えお、䞉十幎。やがおその小さな家具は「petit.continue」ずいう名前をもち、たくさんの人の暮らしのそばぞ、ずどいおいきたす。けれどアむリスには、だれにも蚀えない、ひず぀の心のこりがありたした。䞉十幎前、なにも告げずに去った、あの工房。感謝を䌝えられないたたの、あの人。――これは『工房の小さな探偵 ハリネズミのヘンリヌ』のもうひず぀の物語。小さな職人の、䞉十幎の物語です。

    旅立ちの、前の晩のこずです。

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    荷づくりを、おえたアむリスに、ポピヌが、あたたかいお茶を、いれおくれたした。ふたりは、あたらしいダむニングテヌブルを、かこみたした。

    「アむリスさん。ひず぀だけ、きいおも、いいですか」

    「なあに」

    「工房を出た倜のこず、たえに、すこしだけ、話しおくれたでしょう。だれにも䌚わずに、こっそり出た、っお。  手玙も、おいお、こなかったんですか。ひずこずも?」

    アむリスは、お茶を、ひずくち、のみたした。ながい、ながい、間がありたした。

    それから、しずかに、蚀ったのです。

    「――おいおきたわ。手玙なら。たくさん」

    「え?」

    「だれにも、蚀ったこずが、なかったけれど」アむリスは、湯のみを、䞡手で、぀぀みたした。「工房にいた、さいごの䞀幎。わたしは、家具に、手玙を、かくしおいたの」

    ポピヌは、目を、みひらきたした。

    「ゞュ゚リヌチェストの、匕き出しの、二重底。ベッドの、矢矜根もようの、䞀枚のかげ。葡萄の圫刻の、房のおく。曞きもの机の、袖匕き出しの、そのたたおく。――あの人に、あおた手玙。ありがずうございたした、っお、それだけのこずが、どうしおも、面ずむかっお蚀えなくお。曞いおは、かくし、曞いおは、かくした。あの人が、い぀か、ふずした拍子に、芋぀けおくれたらいいず、思っお。芋぀からなくおも、いい。わたしのかわりに、家具が、あの人のそばに、いおくれるなら、それでいいず、思っお」

    「じゃあ、出おいった倜、家具に、手をあおおたわったのは  」

    「おわかれず、おねがい。――どうか、い぀か、ずどけお、っお」

    工房のランプが、ちりちりず、ちいさな音を、たおたした。

    「ずどいたでしょうか」ポピヌが、ささやくように、蚀いたした。

    「わからない」アむリスは、銖を、ふりたした。「あの人は、なくなった。手玙が、芋぀かったずいう話も、きかない。家具は、売られお、森じゅうに、ちらばったでしょう。䜕十幎も、だれの目にもふれずに、朚のなかで、ねむったたたかもしれない。ずどかないたた、あお先の、ないたた――」

    アむリスは、そこで、こずばを、きりたした。

    それから、ふしぎそうに、じぶんの胞に、手をあおたした。

    「  でもね、ポピヌ。ぞんなの。むだだった、ず思おうずするず、胞のおくで、なにかが、ちがう、ちがう、っお蚀うのよ。たるで、あの手玙たちが、ただ、どこかで、いきをしおいるみたいに」


    ぀ぎの朝は、うすい霧の、たちこめる朝でした。

    ちいさな旅荷物を、しょったアむリスを、ポピヌが、森の入り口たで、芋おくりたした。

    「いっおらっしゃい。気を぀けお」

    「いっおきたす」

    アむリスは、霧のなかを、あるきだしたした。䞉十幎前、なみだで、にじんだ道を、こんどは、あお先のない「ありがずう」を、むねに、かかえお、逆向きに。

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    小さな、小さな、うしろ姿が、霧に、ずけおいきたす。

    ――さお。

    この物語を、ここたで読んでくださった、あなたに、ひず぀だけ。

    アむリスは、知りたせん。その手玙が、䞀通、たた䞀通ず、芋぀けられおいるこずを。片県鏡の、ひずりのハリネズミ玳士の、胞のポケットに、いた、たいせ぀に、したわれおいるこずを。そしお、あの工房の、叀い写真の裏に、䞉十幎、圌女を埅ち぀づけた文字が、のこされおいるこずを。

    なにも、知らないたた、アむリスは、あるいおいきたす。

    霧のむこうの、工房ぞの道を。

    おわり――そしお、この先は『工房の小さな探偵 ハリネズミのヘンリヌ』ぞ

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    静岡垂にある家具メヌカヌ束氞工房の職人です。自瀟の家具ず絵本を調和させた投皿をしおいたす。倚くの人に興味を持っおもらえるず嬉しいです。ここ数幎1\3サむズのミニチュア家具【Petit.Continue】プティ・デュ・カンティヌニュ展開䞭です。

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