
私の好きな「あなたの顔」
「変わってないな」
あなたの顔を見るたびに、そう思う。
ゴクゴクゴク。
ストローでオレンジジュースを飲む
7歳のあなた。
口をチューッと突き出して飲むその顔は、
1歳のころと、おんなじだ。
私は、あなたの顔が好き。
…いや、違う。
あなたの顔に残っている「昔」を見るのが好きなのかもしれない。
「何してるのかな?」
テーブルの下から声がする。
妹と二人でライトをチカチカさせてた。
そっと覗くと、ひひひ、と笑う。
ああ、この顔。
1歳のころ、キッチンへそっと覗きに行ったときも、この顔だった。
エプロンも、ふりかけも、
ぜーんぶ出して。
「何してるの〜?♪」
そう聞く私を見て、ひひひひひ。
今も、
何かに興味を持ったときの顔は変わらない。
泣く顔も変わらない。
妹に嫌なことを言われると、
への字の口になって、目がうるうる。
「ママ〜〜〜」
泣きながら、私のところへやってくる。
7歳になっても、まだまだ疲れると、
ソファーで眠ってしまうあなた。
ぷっくりした口。
ぷっくりしたほっぺ。
そんな顔を見ると、
赤ちゃんのころのあなたを思い出して、
つい撫でたくなる。
昨日は、くしゃみが6回続いた。
1回。
2回。
3回。
4回目で顔を合わせて笑ったね。
5回目も、6回目も。
くしゃみをする顔も、
やっぱり、変わらない。
そういえば、
あなたが初めて太陽の光を見たときも、
あの顔だった。
抱っこして玄関の扉を開けると、
朝陽が差し込んできた。
不思議そうに、
じーーっと光を見るあなた。
あの顔を、私は忘れない。
誰かをじっと見つめるとき、
今も、あなたはあの顔をする。
私は、この顔が好きだ。
でも、ずっと好きだったわけではない。
3歳のあなたは、幼稚園が嫌だった。
園服を着るのも嫌。
玄関から動くのも嫌。
大泣きして私が外に追い出されることもあった。
私は困って、怒ってばかりだった。
そんなある日、一緒に読んだ絵本があった。
『あなたがとってもかわいい』
ページをめくる指が止まった。
「わたしは、いつまでも
あなたのお母さんだから」
声が、震えた。
ぎゅっと抱きしめた。
顔を覗くと、
あなたは照れくさそうに笑っていた。
そのとき、ふと思った。
泣いていても。
笑っていても。
怒っていても。
考えていても。
どの顔も、あなたなんだなって。
7歳になった今も、
私はあなたの顔を見る。
やっぱり、変わってない。
あなたの顔。
大きくなったね、と言われるあなたを見ながら、
私は今日も、小さかったあなたを見つけている。
変わってないな。
あなたの顔。
お読みいただき、ありがとうございました。
今回は、須川元介さんnote5周年記念
「まきと須川の文藝大賞2026 」の
エッセイ部門に参加させていただきました。
ずーっと、この日を待っていました^^
あらためて、
須川さんnote5周年、おめでとうございます!
応募期間 9.1(火)~9.15(火)
テーマ 「私の好きな〇〇」
文字数 1,000文字以内
※エッセイ部門への応募作品は一人1作品まで
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📚募集要項 須川元介さん
🌳企画・協賛 りっちゃんさん
▼エッセイ部門に参加された方の記事も、
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ここではそのままを受けとめてくださいます^^
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みんなでエッセイ書いてみよっ♡
ありがとうございました^^