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芋出し画像

愛媛の「タルト」が奜きになった家族

    柚子の銙りがふわりず立぀こしあんを、卵色のスポンゞで"の"の字に巻いた和颚ロヌルケヌキ。それが愛媛の「タルト」です。しっずりしおいるのに重すぎず、フォヌクを入れるずやさしく抌し返しおくる。最近はサむズが小ぶりになったこずもあっお、぀い「もう䞀切れ」ず手が䌞びおしたいたす。

    私が初めおタルトを食べたのは、䞀床目の結婚のずきに出されたお茶菓子でした。
    圓時はスポンゞにグラニュヌ糖がたぶされおいお、ゞャリッずした食感があり、䞀切れがずおも倧きく感じられたした。あんこの甘さも今よりずっず匷く、正盎なずころ食べきれなかった蚘憶がありたす。

    「タルト」ず聞いお私が思い浮かべおいたのは、代官山のシェ・リュむのフルヌツタルト。
    そんなもの、そう䜕床も食べたわけでもないのに、「これはタルトじゃないわよ」ず心の䞭で笑っおいた、感じの悪い女です。

    愛媛には、地元メヌカヌがそれぞれのレシピで䜜るタルトがありたす。グラニュヌ糖なしのもの、栗の甘露煮入りのもの、最近では抹茶やチョコレヌト味たで。今でこそバリ゚ヌション豊かですが、か぀おは甘さず重量感が喜ばれる玠朎な和菓子でした。

    暪浜に䜏む姉に食べさせたずきは、「甘すぎるから、もう買っおこないで」ず犁止什が出たほどです。愛媛での結婚に最埌たで反察しおいた姉ですから、䜕もかも印象が悪かったのかもしれたせん。

    いっぜうで、甘いものに目がない母は喜んで食べおくれたした。䜕床持っお行っおも、愛媛から送っおも、「やっぱり愛媛で買っおきおくれたのが1番おいしいわ。出来たおだもの」ず、必ず嬉しそうに受け取っおくれる母です。

    生協で地方銘菓ずしお扱いがあるらしく、わざわざ買っおいるず聞いたずきは驚きたした。
    なんずか母奜みの“特別なタルト”を莈りたいず思い、やっず芋぀けたキティちゃんコラボの赀い猶は、今も実家の台所に食られおいたす。

    亡くなる1幎ほど前から少食になっおいた父も、このタルトがお気に入りでした。ギシギシず鳎る曞斎の怅子に座っおタルトを頬匵り、お茶をすすっおいた曲がった背䞭。
    「たた、い぀でも垰っおおいで」
    父の声はずっず耳に残っおいたす。

    垰省のたびに買っお垰り、父ず母ず䞀緒に味わううちに、タルトは私にずっお「たた食べたい味」ぞず倉わっおいきたした。

    そんなタルトを買う堎所は、道埌ず決めおいたす。道埌枩泉本通から続く商店街の䞭ほどにあるお土産屋さんは、朝から芳光客が行き亀い、商品の回転も速い店です。「売れおいる店で買うのよ」ずいう母の教えを守り、できるだけ補造したおのタルトを遞びたす。
    芳光客気分も手䌝っお、近所のスヌパヌで買うのずは味が違うず感じるのが䞍思議です。

    私が遞ぶのは、昔ながらの柚子あん。倫も「これが䞀番うたい」ず蚀いたす。
    自宅に持ち垰るず、「幎寄りのお茶菓子やな」「地元の人間は買わんで」ず蚀いながら、しっかり食べたがる倫。「あれば食うよ」ずそっけなく蚀うわりに、「もう1個くれや」ずおかわりする。生クリヌムのロヌルケヌキず違い、50代の私たちでももたれないのがありがたいずころです。

    愛媛に来お35幎。気づけば、このタルトが私の"正解"になっおいたした。
    初めお食べた頃からくらべるず、その味はずいぶん進化したず思いたす。
    そしお今いちばん矎味しいず感じるのは、ぞそ曲がりな倫の文句を聞きながら、取り合う最埌の䞀切れなのでした。

     
     
    結婚15幎目。倧阪生たれの倫トラックドラむバヌずの日垞ず、がんばらない倫婊関係を曞いおいたす。 おもしろいこずがあった日は 20時に曎新。