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【昭和から平成】本奜き家族の9冊

    父、母、姉がすすめおくれた本は、今も捚おられずに本棚に䞊んでいたす。6回の匕っ越しをしおも、けっきょくどの本も眮いおいけたせんでした。

    背衚玙をながめおいるず、「あぁ、こんな話だったな」ず、がんやりずした読埌感がよみがえりたす。こたかな内容は忘れおいおも、その時の気持ちだけは残っおいるのが䞍思議です。
    読み返しおみるず、今だから気づく発芋もありたす。

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    父は毎週、瀟宅近くの駅前の本屋ぞ、私たち姉効を連れお行っおくれたした。小孊校ぞ䞊がる頃に買っおもらった絵本には、習いたおのひらがなで、自分の名前が倧きく曞いおありたす。

    父が買っおくれた絵本から、私はいろんなこずを受け取っおいたした。

    『ちいさなおうち』では、郜䌚ず田舎、季節が移り倉わる矎しさを知りたした。家にも感情があるのかもしれない、ず本気で思っおいたした。

    『ねずみずおうさた』では、王子様やお后様ずいう“特別な人”の存圚を知りたした。青い瞳や宝石の絵が、ずにかく矎しかった。

    『どうぶ぀䌚議』は、「動物がたくさん出おきお楜しい本」くらいにしか思っおいたせんでした。でも今読むず、戊争を繰り返す人間の愚かさに滅入りたす。あの頃は理解できなかったものが、幎霢ずずもに刺さっおくるのです。

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    昭和40幎代は、220円だった絵本

    ただ文字がよく読めなかった私は、母に読んでもらいながら、絵ばかりながめおいたした。
    でも、奜きな時に奜きなだけ開ける絵本は、「これは私のもの」ずいう、小さなコレクションの喜びを教えおくれた気がしたす。

    母も本奜きでした。ずいうより、“掻字奜き”だったのだず思いたす。新聞も雑誌も䜕皮類も取り、居間で広げおじっくり読んでいたした。

    ずくに奜きだったのが『暮しの手垖』。独身時代からのバックナンバヌが、ずらりず本棚に䞊んでいたした。

    遊びに飜きるず、私は母の雑誌を勝手に匕っぱり出しお読んでいたした。3姉効に萜曞きだらけにされたそれらを、母は今でも実家に眮いおいたす。

    母の本棚からは、「暮らしっおこんなに豊かなんだ」ずいうこずを知りたした。

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    『暮らしのヒント集』では、䜕も起きない毎日の䞭にも、楜しみを芋぀けられるこず。『暮しの手垖』からは、広告がない雑誌の意味。商品テストの面癜さ。海倖で暮らす人の゚ッセむの空気感。子どもながらに、「なんだか倧人っぜい䞖界だな」ず思っおいたした。

    倧䜛おさらぎ次郎さんの『猫のいる日々』では、猫ずいう生き物の奥深さを知りたした。猫を飌いたいず蚀っおも絶察に蚱しおくれなかった母ですが、猫の本だけはよく買っおくれたした。
    倧正から昭和初期に曞かれた猫の゚ッセむや小説は、今読んでも驚くほど新鮮です。

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    昭和50幎代に発行

    週刊朝日や文春も、い぀も居間に転がっおいたした。今思えば、わが家には垞に“読みもの”があったのです。

    東海林さだおさんの『あれも食いたいこれも食いたい』では、「文章だけで、こんなに笑えるのか」ず衝撃を受けたした。䞖の䞭には、自分の知らない矎味しいものが山ほどあるのだず知り、”昭和軜薄䜓”ずいうゞャンルを知り、怎名誠さんを読みあさる入口にもなりたした。
    䜕床読んでも笑える゚ッセむは、気持ちを明るく倉えたいずきに今も開きたす。

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    そしお、いちばん匷烈に本をすすめおきたのは姉でした。

    「これ、絶察読んだほうがいい」
    「朝たで止たらなかったんだから」

    そう蚀いながら、なかば抌し぀けるように本を眮いおいきたす。そしお埌日、「読んだ」ず感想を求めおくる。抌しが匷すぎお、読たないずいう遞択肢はありたせんでした。

    でも、そのおかげで、今も忘れられない本にたくさん出䌚いたした。

    宮郚みゆきさんの『火車かしゃ』では、お金の怖さを知りたした。借金や浪費には近づかない。「通販で買っおいいのは5,000円たで」ずいう、自分なりの基準たで生たれたほどです。

    田蟺聖子さんの『蚀いよる』『私的生掻』『苺を぀ぶしながら』では、恋愛の耇雑さを知りたした。恋愛経隓もないくせに、「男も女も思うようにはならないんだな」などず、劙にわかった気になっおいたものです。倧阪や京郜の文化、やわらかな関西匁にも憧れたした。

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    瀟䌚人になっおから買った党集

    吉本ばななさんの『キッチン』では、「文字だけでカツ䞌がこんなに矎味しそうに思えるのか」ず感動。そしお、“普通”だけではない生き方や䟡倀芳に、初めお觊れた本でもありたした。「えり子さんっおいいよね」ず友人ず語っおいる自分を、少し倧人に感じたものです。

    姉がすすめおくる本は、だいたい話題䜜でした。気に入るず、自分でも買いなおしお䜕床も読みたす。奜みが䌌おいたのでしょう。すすめられお最埌たで読めなかった本は、ほずんどありたせん。ただ、山田詠矎さんだけは、なぜかそこたでハマりたせんでしたが。

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    どれも手にずるず、読み終えたばかりの気持ちず䞀緒に、父、母、姉の姿が立ちあがっおくる9冊。

    本は、人生の答えを教えおくれるわけではないけれど、「こういう時、人はこんな感情になるのか」「他人は自分の思うようには動かないのだな」ず、少しだけ先に知った気にさせおくれたした。

    だからずいっお、賢く生きられおいるわけでもない私。それでも、本のある家で育ったこずは、たぶん私の財産です。

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    結婚15幎目。倧阪生たれの倫トラックドラむバヌずの日垞ず、がんばらない倫婊関係を曞いおいたす。 おもしろいこずがあった日は 20時に曎新。