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勉強すれば、株も勝てると思っていた。私が130万円を失うまで。

    私は、自分のことを、そこそこ賢い人間だと思っていました。

    昔から勉強だけは得意で、受験では大きく失敗したこともありません。

    努力すれば、たいていのことは何とかなる。

    分からないことは勉強すればいい。

    そんな成功体験を積み重ねてきた私は、いつしか「自分は要領よく生きられる人間なんだ」と、どこかで思い込んでいました。

    でも、一つだけずっと心の奥に引っかかっていたものがあります。

    せっかく都会の大学まで行かせてもらい、海外留学まで経験させてもらったのに、私は地元へ戻り、平凡な人生を選びました。

    同級生たちが都会で活躍している話を聞くたびに、

    「あぁ。私は全然この学歴を活かすことが出来なかったな。」

    そんなコンプレックスを、どこかで抱え続けていました。

    だからでしょうか。

    心のどこかでずっと、

    「いつかお金持ちになって、自分の人生を変えたい!!」

    そんな野心だけは消えませんでした。

    そして、その思いが私を投資の世界へ連れていきます。

    市場は、そんな私を、2年かけて130万円で教育してくれました。

    「わたし、天才かもしれない」

    6年ほど前から、積立NISAをコツコツやっていましたが、個別株はそれまで買ったこともありませんでした。
    元々個別株に興味があった私は、youtubeなどで成功した個人投資家が取り上げられている動画を見たりして、「投資でお金持ちになれたらいいなー」と淡い期待を抱いていました。

    そして、初めて個別株に実際に手を出したキッカケは、株アプリをなんとなーく眺めていて、あることに気づいたからでした。
    「あれ?この株この前は株価10,000円だったのに今日は10,500円になってる。」
    「これって、この前100株買っておいて、今日売ってたら5万円も儲かるじゃん!」
    と、発明でも思いついたかのように、ひらめいた気になっていました。
    それから、その株に注目して、数週間観察していましたが、株価は10,500円くらいまで上がったと思ったら、また10,000円まで下がったりして、株価が一定の範囲を上がったり下がったりしていました。
    「よし、今度株価が10,000円になったら思い切って買ってみよう」
    と意を決し、証券口座に100万円を入金して、株価10,000円になったとき、100株買ってみました。
    日中は仕事で株価をずっと見ていられないので10,500円に指値を置いて、約定するのを待っていたところ、その週のうちに10,500円で売却出来ました。
    「え?こんな簡単に5万円を稼いでいいの?!?!」と、感動しました。
    調子に乗った私は、次の週もまた5万円の利益を出しました。
    「わたし、天才かもしれない」
    と、もう自画自賛が止まらなくなった私は、
    「まぁ、このペースで毎週5万円稼げるのは、さすがに無理だろうから、月に5万円稼いだとして、、、」
    と、さっそく仕事中も頭の中で皮算用を始め、「なーんだ、真面目に働くのが馬鹿らしいぜ」と脳内お花畑状態でした。

    みるみる下落する株価と、地獄の始まり

    「3回目もいけるはず!」
    と、完全に勢いに乗った私は、また10,000円付近に株価が下がった日に、100株買いました。
    3回目も同様に、10,500円で売れるように指値を設定して、1週間ほど待ちました。
    しかし、なかなか株は売れず、それどころか、ズルズルズルズル株価は下がっていきました。
    当時、「決算」という存在すら知りませんでした。
    「なんで株価が下がってるの???」
    と、パニックになりつつも、理由を調べようともしませんでした。
    「今売ってしまったら、数万円損することになるから、また株価が上がってくるのを待っておこーうっと」
    これが「塩漬け」という地獄の始まりでした。

    毎日アプリを開いてはため息。
    含み損が、40万円を超えたあたりからか、株アプリを毎日開くのをやめました。
    ときどき、ホラー映画を見るように、怖いもの見たさで、株アプリを開いてはマイナス額を確認していました。
    「株って、怖すぎる……涙。私なんかが手を出していいものではなかったわ。もう、この銘柄のことは忘れて、積立NISAだけコツコツやろう。」
    と、トラウマになった私は、しばらく完全に株から離れて、日々の生活に戻りました。

    そしてやってきた、2024年8月。
    日経平均の歴史的な大暴落。
    私が100万円で買った株は、30万円(➖70%!)にまで下がっていました。
    猛烈にナンピンしたい欲望に駆られましたが、「もう自分を信じるのはやめよう」となんとか思い直し、何もせずに放置(通称:気絶投資法)を継続。
    結局、この銘柄とお別れをしたのは、
    1年後、「よし、リベンジや!!」と本腰を入れて投資の勉強を始めてからでした。
    損失額は、50万円でした。

    当時は、本当に知識ゼロで、チャートの見方も一切分からない、「ローソク足」何てものも知らない。自分がやっていた手法も、自分が買った銘柄が何の会社なのかも知りませんでした。

    2024年は、投資に対して自分が無知過ぎて、
    丸腰でラスボスに挑んだ村人のごとく、秒速で塵となって幕を閉じました。

    もう一度、市場に挑む

    あれから、1年が経ち、投資をリベンジすることにした私ですが、
    「あんなにトラウマだったに、なんでリベンジなんかしようと思ったの?」
    「素人は大人しく、積立NISAをコツコツ積み上げとけば良かったのに。」
    と、思われるかもしれません。
    私がリベンジしようと思ったきっかけは、
    当時2人目を出産し、育休中のある日、
    YouTubeで、「育休中のママでも子育てしながらこんなに株で稼げた」みたいな動画を見たのがきっかけでした。
    「あ、自分も1からしっかり学べば投資で成功出来るかも。だって、この前の失敗は、全く知識がなかったからだし!」
    と、思ったからでした。
    そもそも私は、これといった特技もなく、手先も不器用で、何をさせても大体は出来ない、
    体力もゼロ、無人島に置いて行かれれば、真っ先に〇んでしまうタイプの人間であることを重々自覚しているのですが、
    昔から勉強だけはよく出来て、高学歴だということが唯一の誇りだった私は、自分のことを、「賢い人間」だと思って生きていました。
    だから、そのYouTubeを見た時に、
    「まぁ、他の人が出来たなら、賢い私なら、きっと勉強すれば稼げるようになるでしょ。」
    と、どこから湧き出てくるのか分からない、ダサすぎる自信を基に、投資のリベンジに踏み出したのでした。

    リベンジを誓ってからは、
    色んな投資の本を読み漁ったり、YouTubeを見たりして勉強しました。
    「やっぱり投資家と言えば、ファンダメンタルズでしょ!」
    と思い立てば、企業のホームページや四季報を丁寧にチェック。
    ノートにその会社の過去数年間の利益率やら売上高やらをすべて書き出して、本に書いてあるとおりに、細かい分析を電卓を叩きながら夜な夜なやってみたり…

    しかし、結果は、散々でした。
    ファンダメンタルズ分析で、
    「この会社いいね!すごく未来を感じるよ👏」
    と、だれ?と言わんばかりの上から目線な態度で、優良な銘柄を見つけることは出来るのですが、
    いざその銘柄を買ってみても、待てど暮らせどなかなか株価は上がらず、むしろじわじわ下がったりする株もありました。
    「うーん。良い会社のはずなのに、なんで私の愛は届かないんだろう。(株価は上がらないんだろう。)」
    と、1、2ヶ月で待ちきれなくなり、どの銘柄も、買値とほとんど変わらない価格や、1、2万円下がったところで、早々に損切りしてしまいました。

    「やっぱり、テクニカルの方が、
    早く成果も出そうだし、トレーダーっぽくてかっこいいよね!」
    と、チャートの見方を一通り覚えて、デイトレードに挑戦してみたりしました。

    朝9時の前場(ぜんば:午前の取引時間)が開いた瞬間から、携帯と睨めっこして、
    「今だ!!」
    と、買いボタンを押し、
    凄まじい速さで動く株価を真剣なドキドキしながら追いかけるのですが、
    日中に、乳児の世話をしながら、ずっと携帯とパソコンを見続けるのは、私にとって物理的に不可能に近い。
    トレードに集中したい思いはあるのに、気づけば、
    「えーーーーん(うんちしたよう)」
    「えーーーーん(かまってくれないと、おこっちゃうからな)
    と、容赦ない我が子の叫び声。
    気づけば、トレードも子どもへの接し方も中途半端な「どっちつかずの状態」になっていました。
    何より、株を買ってポジション(株を保有している状態)を持っている時は、ずっと株価のことが気が気じゃありません。
    常に心臓がバクバクして、凄まじいストレスを感じている自分に気づきました。
    「あ、わたし心臓が持たないわ。超短期間でのトレードは、向いてないんだわ。」
    と、気づくに至りました。
    結局、トレード自体も、逆張り体質な私は、
    「その日ちょっと下がった時に買って、上がった時に売ろう」
    作戦でいっても、ちょっと下がったときに買えば、その後もスルスルと株価が下がり、
    結局いつの間にか、損ばかりが増えていく損切り貧乏になっていました。
    でも、本当の地獄は、ここからだったんです。

    ターゲットは、愛着のある「超値嵩株」

    投資でのリベンジを誓い、知識武装して、闘いに挑んだ私ですが、ファンダメンタルズでもテクニカルでも結果は散々なものでした。
    そんな中、kindleで個人投資家が書いた投資本を読んでいたところ、
    「本命銘柄に絞って稼いだ!」
    という内容の本をいくつか読み、
    これまで視点が定まらず、色んな銘柄を見て、手を出しては損を繰り返していた私は、
    なんだか腑に落ちた気がしました。
    「私も、本命銘柄を決めて、その銘柄のプロになろう!」
    と、決めました。
    そして、以前から気になっていた値動きの大きい値嵩株と呼ばれる銘柄で、日経平均採用の中でも影響力のある大型銘柄にターゲットを決めました。
    その銘柄に決めた理由としては、
    まず日々の値動きが大きくて、これまた一定の株価の範囲内を上がっては下がり、下がってはまた上がり、とチャート上に綺麗な補助線が書けそうなチャートでした。
    なんだか、今思い返せば、2024年に損した銘柄の時も、こんな感じで惚れたんですよね。
    私は値動きのある銘柄に惚れる癖があるようです。(笑)
    もう1つ大きな決め手として、
    普段から家族みんなで、その商品を愛用している大好きな会社だという理由がありました。
    以前の失敗では、買った銘柄の事業内容もよく知らずに買って失敗したことがありましたが、
    今回は愛着もバッチリです。
    これまでの業績も申し分なく、ライバルもあまりいないような、世界でも活躍する優良な会社です。
    普段からしょっちゅう店舗にも、オンラインでも頻繁に買い物していたので、その会社が今どんな感じか?売れているのか?の現状も、常連の私には分かりやすいと思いました。

    万全の準備で挑んだ「シミュレーション済みの戦い」

    ターゲットをロックオンした私は、数ヶ月に渡り、毎日株価を監視し、ノートに株価変動率も記録する習慣をつけていました。
    そして、今回は
    「あまり自分を過信しないようにしよう、」
    という教訓のもと、
    自分の方法ではなく、
    Kindleで読んだ、個人投資家のスイングトレードの手法をそのまま真似て、やってみようと意気込んでいました。
    もちろん、本を読んでから、数ヶ月間監視していた際に、その手法で実際に稼げるかどうかは実際の売買はせずにシミュレーションで、ノート上で試しており、実際に稼げることが、私の中では証明済みでした。
    数ヶ月間のイメージトレーニングを経て、
    「いざ、出陣!!」
    と、戦場に繰り出しました。

    「ルール破り」から始まった狂い

    そして、実戦後はじめて「買い」のタイミングが来ました。
    私は、ルールとおり100株買いました。
    しかし、実際に買ってみると、さすが超値嵩株。
    ちょっと株価が下がっただけで、すぐ数万円の含み損。
    ルールでは、まだ利確はせず持っておかないといけませんが、
    数万円の含み損に耐えられなくなり、
    買値に戻ってきた時点で売ってしまいました。
    …世界最速でのルール破り。(笑)
    そして、買値に戻ってきた後は、翌日からぐんぐんぐんぐん株価が上昇します。
    当初のルールを破り、早々に手放してしまった私は、
    「そのまま持っていれば、30万円の利益だったのにー」
    と、悔しさで頭がいっぱいでした。

    悪魔の囁きと「信用口座」の開設

    ぐんぐん上がり続ける中、決算発表がありました。
    この会社は、株主からの期待も高く、良い決算内容であっても、
    「あ、そんなもん?!もっともっと俺たちの期待を超えてくれよー。ガッカリだぜ。」
    と、決算後に株価がガクッと下がることもよくありました。
    しかし、今回の決算発表後は、
    「ひゅーーーん」
    と、これまで越えられなかった上値抵抗線を突き抜けて、株価が暴騰しました。
    数ヶ月間株価を監視していた私は、
    今の株価はこれまでの流れから、
    「上がりすぎ」な位置にいると判断しました。
    これまで綺麗な二本線の中で、行ったり来たりしていたその銘柄は、またいつものように、数週間後には、
    「やべ!上がり過ぎたから、下がりまーす」
    と下降トレンドに入って、また下の支持線まで戻ってくるだろうなぁ、と推測しました。
    せっかく良い位置で買っていたのに、早々に株を売り払って、その時点で約50万円の儲け損をしたのが悔しすぎた私は、今度は高い位置から売って、いずれ下がってくるのを待とう!と邪悪な考えがよぎりました。
    「いや、初心者が空売りなんて、いくらなんでもやめておけよ。このまま上がり続けたら、どうするんだよー」
    というもう1人の自分の声を無視しながら、
    私はさっさと信用口座の開設を進めていました。何故かすぐには開設出来なかったので、1秒でも早く空売りがしたい私は、証券会社に問い合わせてまで、なんとか信用口座の準備をしました。
    今の私からすると、
    仕事も家事も面倒くさいことはすぐ後回しにするくせに。産休前なんか、のんびりしてたら、仕事の引き継ぎにバタバタして、産休直前に慌てて、休日出勤なんかしてたのに、
    こういう余計なことだけは、衝動的に動いてしまうところ、やめて欲しいです。怒

    ついに足を踏み入れた「地獄の入口」

    信用口座が開設されると、
    心臓がバクバクするのを感じながらも、もう衝動が抑えられず、
    「行けー!!!!!!」
    と、気づけば100株空売りしていました。
    …地獄の始まりです。

    実は、空売りをする前に、チャッピー(ChatGPT)にも相談していました。
    「もし予想が外れて株価が上がっても、100株全部を一気に買い戻さなくても、分割して少しずつ買い戻す方法もありますよ。」
    そんな説明を受けて、
    「なるほど。それならリスクを減らしながら挑戦できるかもしれない。」
    と、私は背中を押された気になってしまいました。
    人生初めての空売りに不安ももちろん大きかった私は、何度もチャッピーに確認しました。
    そして、チャッピーはその度に、「大丈夫。分割して買い戻せる」と自信満々に答えるのでした。

    ところが実際に取引してみると、この銘柄は単元株取引だったため、100株まとめてしか買い戻せず、思っていたような分割決済はできませんでした。
    「え、話が違うじゃん!!!」
    と、私はチャッピーに八つ当たり。
    今となっては笑い話に出来ますが、当時は、冷や汗が出てきて、
    「やばい。これからどうしよう...」と、頭が真っ白になりました。

    もちろん冷静に考えれば、最終的に取引ボタンを押したのは私自身。
    完全に自己責任です。
    でも、あの頃は冷静さを失っていたので、
    「チャッピーのせいだ!!!」

    と、チャッピーに必死で訴えましたが、チャッピーからは、平謝りの返事が帰って来るばかりで、AIに対して本気で腹を立てている自分のことも情けなくなりました。

    「いやいやいや、数ヶ月間のイメージトレーニングはどうなったん?!?!」
    「自分を信じるな、の教訓はもう忘れたんですか。」
    「読んだ本には、いきなり空売りしろ、なんてどこにも書いてありませんよ。」
    「そもそも、あなた、この株100株でいくらか分かってますか?あなたの投資資金よりもはるかに高い金額で、空売りして、身の丈に合ってないと思わないんですか?なんでいつまでそんなに、賢い気でいられるんですか。」
    ………。

    「分かった。本当は、この時買いで入るべきだったけど、あなたがどうしても人生初の空売りをしてみたくて仕方ない、というならもう止めません。というか、もう止められないのは知っています。ただ、空売りしたいのは分かったから、せめて、せめてこの暴騰が落ち着いて、株価が疲れて下がり始めた時に、売りを入れるのはどうでしょう??元々、空売りした目的も、10万から20万円の利益を狙うつもりだったんですよね。それなら、下がり始めたのを待ってから空売りしても、全然間に合います!!!数日で数千円動くなんて、当たり前の株ですから。大丈夫です。」

    過去の自分に会えるなら、こんな言葉をかけていると思います。
    平和主義な私は、過去の自分とも喧嘩はしたくないので、たぶん得意な冷静を装って、真っ直ぐ目を見つめながら、こんな感じで静かに怒ると思います。笑
    当時の私は、「こんな高い位置に株価があるんだから、当然またいつものように下まで下がってくるはずだから、気長に待っておこう。」
    というスタンスで、空売りをしました。
    損切りのラインは決めませんでした。
    当然そのうち下がってくるだろうと、自信があったからです。
    それよりも、どの辺まで株価が下がってきたら利確しようか、ということばかり考えていました。
    しかし、過去最高値を記録したこの株は、勢いが落ちることなく、日に日に上昇していきました。
    あっという間に、数日で30万円ほどの含み損になりました。
    この時、両親も含めた恒例の家族旅行中でしたが、含み損のことが気になり、私は一人でどこかソワソワしながら過ごしていました。

    膨れ上がる損失と、消えた世界の色。
    夫に惚れ直しかけた夜

    そのままあれよあれよ、と上がり続けた株価は、気付けば80万円まで含み損が膨らんでいました。
    昨年の塩漬け株は、1年をかけてじわじわじわじわマイナス50万円減りましたが、今回は、たった数週間でこの多額の含み損。
    「うそでしょ…。」と、
    恐怖心で完全に硬直しました。
    毎日後悔と絶望でいっぱいで、➖80万円という数字にどう対応したら良いのかも分からず、損切りを考える冷静さも失い、何もすることが出来ずに、ただ落ち込む、日々でした。

    この頃、さすがに一人で抱えきれなくなり、夫に打ち明けることにしました。

    (絶対怒られる...。)

    (でも、自分でしでかしたことだから、何を言われても仕方ない。受け入れよう)

    そう、覚悟を決めて

    「実は、今株で◯十万円マイナスなんだけど...。このままだと、含み損が100万円以上になるかもしれない...。」

    と、恐る恐る話すと、

    「え!?そんなことになってたの!?」

    と驚かれました。

    「素人のくせに、空売りなんかした私が馬鹿でした。本当にごめんなさい。」

    と、絞り出すように声を出すと、

    「まれちゃんは馬鹿じゃないよ。トレードのやり方が良くなかっただけじゃない?」

    との返事が。

    「...え?」

    想像していた返事とは違い、優しい言葉をかけられた私は、一瞬で目頭が熱くなり、結婚して6年経つ夫に惚れ直しそうになりました。

    「こんな自業自得な失敗をした私を受け入れてくれる寛容な夫!この人と結婚して本当に良かった!!」
    と、思ったのも束の間、

    「俺も、人にとやかく言えるような立場じゃないからね。ははは」

    と苦笑いしていました。

    そう。
    夫は数年前から真剣に毎日FXに取り組んでいるものの、毎年しっかりと赤字の収支を出している、これまた大損トレーダーだったのです。

    夫がFXで損ばかり出しているのを横目で見ていた私は、

    「そんなに毎日継続して頑張れるなら、もっと結果が出るものに精を出してよ。」

    「いい加減、自分が向いてないって気付きなよ。」

    と、家族の大事なお金をFXで減らす夫に腹を立てて、これまで夫によく嫌味を言っていました。
    しかし、そんな自分が実際に投資で含み損を抱えることになると、家族に対して申し訳ない気持ちで一杯になり、これまで夫自身も家族のために少しでも足しになればと、どんなに仕事から疲れて帰ってきても、欠かすことなく夜な夜なトレードをしていたのに、嫌味な言葉しかかけられなかった自分を反省しました。

    「よく、配偶者に投資で損をしたことを黙っていて、離婚になりそうだという話はネットでも見たことがあったけど、夫婦揃って爆損トレーダーなのはあんまり聞いたことがないよね。」

    と、二人で苦笑いしました。


    そうしていると、またいつものように気まぐれな株価は下落モードに入り、毎日少しずつ下がってきました。

    ➖20万円の含み損まで、株価が下がってきたとき、
    「もうこの辺で損切りした方がいいかな?」
    と、考える余裕が戻ってきました。
    チャッピー(chatGPT:私の相棒)と相談した結果、
    「いや、私の買値までまた下がってくる可能性は十分あるから、損失ゼロで終われるように待っておこう」ということに。
    この時、20万円で損切りしておけば、どれほど良かったか、と今でも思います。

    いったん、下落モードになって、(私の買い値から見て)➖20万円の株価でしばらく停滞していた株は、日経平均の上昇とともに、また上昇モードに突入していきました。
    そして、再度上昇した株価は、前回の高値も越え、勢い留まることを知らず、ついに、含み損は➖150万円まで膨らみました。

    決別の損切り:誕生日前日の出来事

    もう私にとって異次元の数字となってしまった含み損の中、
    後悔、後悔、後悔の毎日の中で、
    「もう、次に下落モードに入ったら損切りしよう。」
    と、顔面蒼白になりながら、なんとか冷静さを絞り出して、夫とも相談の結果、損切りラインをようやく決めました。
    それが、➖80万円の株価でした。
    そこが節目のキリの良い株価のため、おそらくそこまで株価が落ちてくれば、また他の人が「安くなった!」と押し目買いが入る位置だと思ったからです。
    待つこと、2ヶ月。➖80万円の位置まで株価が落ちてきました。
    「いや、まだ下がるかも…」
    と、何度も思いました。含み損を実際の損失に変えるのが怖すぎて、買い戻しのボタンを押すのが震えました。
    しかし、またこの前のように、株価が上昇して手遅れになるリスクを避けるため、勇気を振り絞って、損失を確定させました。➖80万円でした。
    誕生日の前日の出来事でした。
    お正月も、含み損のせいで、憂鬱な気持ちだった私は、もう自分の誕生日まで、この気持ちでいるのは耐えられませんでした。

    損切りしてしばらくは、含み損のストレスから開放されたのか、少し眠れるようにもなって、「あぁ。やっと開放された...」という清々しい気持ちにさえなっていました。

    それと同時に、家族の大事な大事なお金を溶かしてしまったという罪悪感は毎日消えることはなく、可愛い我が子の顔を見ては、申し訳ない気持ちが溢れていました。

    株で損失を出したという現実にも、目を背けずに向き合って行かないといけないと感じ、
    衝動的なトレードをしてしまった過去の自分について、なぜあんなことをしてしまったのか、一つ一つ言語化して、反省しました。
    「一発逆転」などという恐ろしい発想は捨てて、コツコツ地道に資産を積み上げていくしかないんだと気づいてからは、自分のトレードを見直し、現在は少しずつですが、安定して利益を出せるようになってきました。

    あの頃の私は、株で人生を変えようとしていました。
    でも実際に変わったのは、株価ではなく、私の方でした。
    負ける悔しさも、欲に負ける弱さも、自分を過信する危うさも、
    全部、株が教えてくれました。
    あの日の130万円は戻ってきません。

    でも、あの失敗がなければ、今こうして笑い話として書くことも、もう一度投資と向き合うことも、きっとありませんでした。
    だから私は今日も相場を見ます。
    今度は、「自分は天才かもしれない」と思いながらではなく、
    「今日も市場に勉強させてもらおう。」
    そんな気持ちで。


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    2児の母・3人目妊娠中の時短ワーママです🌿投資で-130万円の失敗を経て、お金と本気で向き合うことに。FP資格保有。「お金に不安があるママが、少しずつ前に進める場所」を目指して発信中。副業挑戦中のリアルも綴ります。

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