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【078】 件(くだん)とクタベ

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    (*写真はペリカン目サギ科アマサギ属アマサギ)

    私が件くだんを初めて知ったのは、戸隠神社の式年大祭に行ったときのことだ。参拝すると「白澤はくたく避怪図ひかいず」と呼ばれるお札ふだをもらった。第一印象は、「なんやこいつ? キモ!」である。

    近くに貼られていた説明には、「白澤はくたくは件くだんの元ネタ」らしきことが書いてあった。

    頭は人間、体は牛。だから「件」の字が当てられている。これはチャイナ漢字の用法ではない。確かに見た目は白澤と似ているが、件くだんがチャイナ由来なのか、それぞれ独自に発祥した妖怪なのかは不明である。

    白澤はくたくは、チャイナ版の神武天皇に相当する初代皇帝の「黄帝」がチャイナ南部で出会った妖怪。人語を話し、1,520種類の妖怪について説明したのだそう。

    白澤はくたくも朱雀や玄武と同じく瑞獣=縁起の良い生物、である。

    では日本の件くだんとは、どんなキャラか?

    それは内田百閒の短編小説『件くだん』を読めば分かる。井伏鱒二の『山椒魚』に比肩する名作だ。件くだんの別名はクタベ。漢字があるようだが、現代のフォントでは表記できない。

    *

    さて、「ウシ」を冠した日本の生物名は、ウシガエル、ウシアブ、ウシエビ、ウミウシなどそこそこあるが、トリにはいないようだ。英語では Cattle egret = ウシサギ がいる。日本名はアマサギ。

    アマは亜麻色、飴色など諸説あるが、夏羽の淡い橙色が由来らしい。アマサギはウシが耕した土から出てくるミミズが主食なため、常にウシのそばにいる。だからウシサギ。

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    Cattle egret = ウシサギの冬羽

    朱雀、玄武、白澤。次は白虎を見てみよう。

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    Amazon Kindle でトリに関する本や写真集を出版しています。 昭和後期のサブカルチャーの研究をライフワークにしています。

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