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【178】 斑(ぶち)と淸(きよし)

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    (写真はジャーマン・シェパード(German Shepherd Dog))

    日本初の和訳者は日高ひだか柿軒しけん、明治41年(1908年)に発表。タイトルは『フランダースの犬』だが、キャラは日本風に改名されている。

    パトラッシュ → 斑ぶち
    ネロ → 淸きよし
    ジェハン・ダース(ネロの祖父) → 德とく爺ぢいさん

    アロア → 綾子あやこ
    バース・コゼツ(アロアの父) → 小を郡ごほりの旦那だんな
    ステファン・キースリンガー → 木蔦きつた捨次郎すてじろう

    この和訳は「国立国会図書館デジタルコレクション」で公開されており、このたび改めて読んでみたのだが、斑ぶちの描写は以下である。

    *

    フランダースの犬いぬと言いへば、毛けの黄き色いろな頭あたまや體からだの大おほきい耳みゝは狼おほかみの樣やうに整然ちゃんと突つつ立たつて、先せん祖ぞ傳でん來らいこき使つかはれて、段だん々だん發はつ達たつした筋すぢ骨ほねは逞たくましい。

    斑ぶちもフランダースで幾いく代たいの間あひだで寄よつて集たかつて意い地ぢ惡わるく使つかひ散ちらす奴ど隷れいの家け來らい、人ひとの玩おも具ちや、鞭むちと頸くび輪わで責せめ立たてられて精せい魂こん枯かれるまで角かど石いしごろごろな道みちに重おもい車くるまを曳ひかせられ、心しん臓ぞう破は裂れつで行ゆき斃たふれる種しゆ族ぞくの子し孫そんである。

    *

    黄色?

    ウィーダの原作もアメリカ版「青空文庫」の「The Project Gutenberg」で公開されており、該当箇所は以下だ。

    *

    A dog of Flanders—yellow of hide, large of head and limb, with wolf-like ears that stood erect, and legs bowed and feet widened in the muscular development wrought in his breed by many generations of hard service
    『The Project Gutenberg eBook of A Dog of Flanders』

    *

    日高ひだか柿軒しけんの和訳は、原作にかなり忠実である。フランダースの牛飼いは黒なのに、パトラッシュは黄色なのか? 謎は深まるばかりだ。

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    Amazon Kindle でトリに関する本や写真集を出版しています。 昭和後期のサブカルチャーの研究をライフワークにしています。

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