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【117】 な…なんと 我が頭上に死兆星が!!

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    (*写真は北斗七星とアルコル)

    天を見よ!!
    見えるはずだ あの死兆星が!!

    な…なんと 我が頭上に死兆星が!!
    (ワナ‥ワナ)


    「死兆星」は武論尊の独自命名と思われるが、この星は実在している。その名はアルコル。

    天体や星座のほとんどがギリシャ神話に因んでいることは今まで説明してきた通りだ。しかし最も有名とも言える星座の北斗七星の星々の名は、アラビア語でありギリシャ神話は無関係なのだ。これは珍しい。

    柄杓の先端から、一般的な呼び名(英名):チャイナ名で並べると、

    1、ドゥーペ(Dubhe):天枢
    2、メラク(Merak):天璇
    3、ファクダ(Phecda):天璣
    4、メグレズ(Megrez):天権

    5、アリオト(Alioth):玉衡
    6、ミザール(Mizar):開陽
    7、アルカイド(Alkaid):揺光

    柄杓ひしゃくの器うつわ部分の1〜4を「魁カイ」、柄の部分5〜7を「杓ヒョウ」と分ける概念もあり、そこからの和名は「四三の星」。「魁カイ」+「杓ヒョウ」=「斗ト」となる。

    「魁カイ」はラオウの兄カイオウ、「杓ヒョウ」はケンシロウの兄ヒョウなのかも知れぬ。羅将ハンの元ネタは不明だ。

    北斗七星、ギリシャ神話では大熊の尻尾。しかしイギリスでは Big dipper(大きな匙さじ)、ロシアではボリショイ・コフシ(大きな柄杓)で、日本・チャイナと同じ。

    フランスでは Leル grandグラン chariotシャリオ(大きな戦車)、ドイツでは Großerグローサー Wagenヴァーゲン(大きな荷車)、スペインでは Elエル Carroカロ、イタリアでは Grandeグラン Carroキャロ で、いずれも大きな車の意。

    北斗七星の星々のアラビア語の意味は諸説あるので割愛するが、アラブでは北斗七星を「棺桶を曳く人々」に見立てている。柄の先端のアルカイドは、「先導者」の意。これがアルカイダの語源なのだと思う。

    北斗七星が何に見えるか、世界ではクマの尻尾、荷車系、柄杓系の三つに大別されるようだ。しかしクマの尻尾は星座で描かれるように長くない。ギリシャにおけるクマは、チャイナにおけるライオンやサイのように、人伝ひとづてに聞いた想像上の幻獣だった可能性がある。この調査にハマるとたいへんそうなので、ここではやめておく。

    そしてミザールの脇にある死兆星のアルコル。チャイナ名は「輔」。日本の古典に出てくる「添え星」がアルコル、または「寿命星」なる方言がある、との説をいくつか見つけたが、根拠となる資料は見つからなかった。

    日本人には肉眼で見えず、存在を認識していなかったと考える。添え星は、衛星の一般名称であろう。アジア人より視力の良い白人にも見えにくく、アラブやヨーロッパでは、徴兵時の視力検査に使われたそうだ。

    見えたら合格
    :戦場で死ぬ、という俗信が、死兆星の元ネタなのかも知れない。

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    Amazon Kindle でトリに関する本や写真集を出版しています。 昭和後期のサブカルチャーの研究をライフワークにしています。

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