
漫画|ぼくと祖父と自転車
あの頃、置いていけなかった感情の話。
それがぼくのマンガのテーマになっている(今のところ)

保育園のころ、ぼくはおじいちゃんの自転車で送り迎えをされていた。
昭和のその当時は、二人乗りで注意されることもなく、おじいちゃんはタバコをふかしながらペダルを漕ぎ、ぼくは後ろの荷台に立って、その背中越しに町並みを––––世界を眺めていた。
視線の高さも、揺れる荷台の感触も、煙の匂いも、まだ覚えている。
今、ぼくはそのおじいちゃんに近づいている。
朝、洗面台の鏡をのぞくと、自分の顔のなかに、おじいちゃんが重なって見えることがある。あのころ背中を見上げていた人に、いつのまにか、こちらが似てきている。
あの自転車の荷台から見えていた世界を、いまでも時々、思い出す。
あとがき
いつか、おじいちゃんのあの自転車にもう一度乗ってみたい。あと、早く孫が欲しいぜ。
……なんて夢を言う前に、まずはわが子らを育てあげねば。精進、精進。
「あの頃、置いていけなかった感情」シリーズを他にも書いています。