
5話 IBSのネズミ
思い出しました。
中学3年生のとき、朝の朝礼でみんなの前で担任の先生がこう言ったんです。
「ネズミは中学1年生の時にいじめられてたからこんな子になっちゃったの」
そう嘲笑って話すのです。
そのとき私ははじめて
人を嫌うようになりました。
今まで、強いメンタルで休んで母親に怒られても先生に怒鳴られても誰かに言われない分来てて偉いなって自分で思えてたのに
普通いじめを受けてた生徒にそんな言葉をかけますか?
中学1年生のときの担任の先生は私がされてるいじめにすら気にもせず不登校になっても何も声はかけてきませんでした。
その方がマシです。
だってクラスで恥をかいたんだもの。
そんなこと言われたら、200人中の35人は
あそうなんだって距離を置くでしょう?
もちろん仲の良いクラスの子はいました。それでも、私自身が私を、先生を嫌うようになった
ちょくちょく休みたくなったんです。
お弁当の日は一緒に食べる人がいません。
給食のグループの席では、私が話すと友達すら私を無視するんです。
実は、中学1年生からこんな体の異変がありました。
椅子に座ると、おならがしたくなったり
お腹がとっても痛くて、冷や汗をかく。
朝会や集会も1番後ろにいるか
トイレに行って来ますと抜けるか
すごく恥ずかしいんです。
分かりません。
学校にいるときだけトイレが多いんです。
毎時間トイレに行かないと気が済まないんです。
トイレ多くね?って笑われるんです。
それに、この「お腹が痛い」という苦しみを、家族も、周りも、誰も認めてはくれませんでした。
「ただのサボり」「精神的に弱いだけ」
そう思われていたから、病院に行くという選択肢すら当時の私にはなかった。
自分がIBS(過敏性腸症候群)という病気だと分かったのは、それからずっと後の、22歳のときです。
10年近く経ってようやく、あの時の冷や汗も、お腹の激痛も、私の心が弱いからじゃなくて、体が限界を伝えていた SOS だったんだと知った
心と体は比例しないんです。