
「大量離職時代」が到来 欧米の離職者数百万人
ーーコロナ感染症、リモートワークの長期化、エッセンシャル労働の需要増大、急激な経済再開、労働者の志向変化など、欧米ではさまざまな原因で大量離職が起こっている。そこには、中国の若者の間で流行している「寝そべり運動」との共通点がある。それは一種の資本主義文化批判ではないか。
(訳者・脇浜義明)
2021年11月21日「Dissident Voice(反対の声)」 ショーギ・テレ
「大量離職時代」とは、米国内でこの20カ月の間に数百万人が離職、9月だけで440万人が仕事を辞めた現象を指す。8月も同じで、記録的な数の離職者である。
10年前の2011年11月の離職者数は150万人だった。現在、米国内の求人数は1040万人で、コロナ・パンデミック以前の水準を超えている。コロナ勃発前の2019年11月の求人数は、680万人だった。
劣悪な労働条件と低賃金、コロナ・ウィルスへの恐怖、ストレス、託児所の不足、職場での行動規制、雇用主の傲慢などで疲れ切ったことが、欧米で大勢の労働者が離職する理由である。離職者増加と同時に貧困、借金、飢え、ホームレス、格差も増加している。社会的・経済的条件が悪化する中で、何百万人もの離職者が出ているのだ。
この40年間、ネオリベラル緊縮政策に苦しめられ、職場で不当な扱いを受けて生活水準、作業水準が確実に低下、不安定化している。
毎日コンピューター画面で何時間も作業するのは健康に悪く、生命をすり減らす。9月にやっと多くの場所でコロナに関する規制が解かれたが、職場に戻りたくないと思う労働者の数は多い。経営者は契約金支給、僅かな賃上げ、フレックス・タイム労働などを提示するが、あまり効果はない。
まともな水準の賃金や労働条件と、労働現場での労働者の発言力、決定権を保障することが必要だ。単に賃金と手当を若干改善するだけでは効果がない。労働者は毎日生気を吸い取られながら、無意味で非生産的なルーティーンを上司の命令で機械的にやらされるのが嫌になったのだ。本当はもう辞めたいのだ。
会議も嫌だし、納期や目標やノルマや研修にうんざりしている。労働者は際限なく神経をすり減らすストレス、多忙さに、もう嫌気がさしている。
ーー新しい創造的な生産方法への変革
しかし不満を持ちながらも、低賃金で無意味で苛酷な仕事にしがみついている人々の数の方がまだ圧倒的に多い。我慢して屈辱的職場にいるが、子どもや扶養家族がいなければすぐにでも仕事を辞めたい人々がほとんどだ。「定年の年齢だったらなあ」という言葉を聞くのは、珍しいことではない。
この20カ月で、金持ちとそれとグルになった政治家がもたらした非情で出口のない破局。政治的・経済的エリートが無責任な社会支配を続けている限り、人々の能力や才能が正当に評価され、バランスのとれた健康的な社会は期待できない。
彼らエリートは、人々に経済と社会のあり方を決定する力を与え、人間中心の社会構造を形成することを妨害する。このコロナ禍20カ月に展開した労働と生産の破局は、前例のない短期間で数百万人規模の世帯を破壊した。しかも世界的だ。
今や労働者は、資本家から人々の人権と生活を破壊する力を奪い取って、自分たちの労働のために創造的な生産方法へと変革しなければならない。