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風物詩

    取引先から西瓜が届いた。

    給湯室でおっかなびっくり大きな西瓜に刃を立てる。

    お皿に乗せて社内に配ると、ここから私の独壇場。

    制服のブラウスを捲り上げて西瓜を持つ。

    シンクのうえに身を乗り出し、先端にかぶりつく。

    垂れた果汁はそのまま指を伝って
    シンクに落ちて薄赤いドットが咲く。

    がしゅがしゅと食べ進めていると
    向こうから名前を呼ばれた。


    私は聞こえないふりをして、夏を食べていた。



     
     
    アラフォーの映画好き事務員。 今日も遊ぶ金欲しさに働いています。 日常を綴るショートエッセイや短歌を書いています。

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