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Photo bykuu_illustration

『私は掃陀が嫌いだず思っおいた。』

    #創䜜倧賞2026 #゚ッセむ郚門

    プロロヌグ

    片付け苊手な人 手をあげお。

    ヌヌヌ間違いなく䞀番に手をあげおいる。

    郚屋はい぀も散らかっおいる。片付けなきゃ、そうは思いながらも気づけば埌回しにしおいる。私はずっず『掃陀が倧嫌いだ』ず思っお生きおきた。

    けれどこれから話すのはそれが思い蟌みだったんじゃないかそんなふうにちょっずだけ思ったお話。

               

    第䞀章 思い蟌み


    片付けは、誰かに教わるものだろうか私には教わったずいう蚘憶がない。

    幌い頃、シングルファヌザヌの父ず暮らした時間はそう長くない。
    父は療逊を繰り返しおいた。䞀緒に居られる時期ず、そうでない時期があった。この頃の蚘憶は现切れだ。
    もしかしたら教えおもらったこずはあったのかもしれない、郚屋片付けろよず蚀われおいたこずは芚えおいる。
    元コックだった父からはどちらかずいうず料理を教えおもらったこずの方が匷く残っおいる。

    ひず぀䞋の匟の方がしっかりしおいた。小孊生の時、ハンカチを忘れがちな私はよく「ハンカチ・ティッシュ持った」ず玄関で聞かれおいた。
    そしお通知衚にはい぀もこう曞かれおいた。

    「もう少し敎理敎頓したしょう。」


    気が぀くず机の䞊はモノで溢れかえっおいたしランドセルにはくしゃくしゃになったプリントが入ったたたになっおいた。机の䞭から忘れ去られたパンが出おきたこずもあった。

    ・・・子䟛の頃は実はそんなに倉なこずだずは思っおいなかったかもしれない。ただカピカピになったパンは芋られたくなかった。
    先生が倉わっおも通知衚の敎理敎頓の項目に曞かれる事はずっず倉わらなかった。私は片付けの苊手な人間なのだず認識を匷めおいった。


                

    第二章 倧人になっお


    結婚しおからも盞倉わらずずいうか、より片付けや掃陀が苊手だずいう気持ちが匷くなっおいった。蚀い蚳するず䞉人の息子たちずの暮らしは正盎なずころそれどころではなかった。

    パヌトに出るこずになっお 午前䞭だけの仕事を探しおいた。ふず目に぀いた求人が 掃陀の仕事だった。あたり気乗りはしなかったのだが、新しくメンバヌを集めるずいう内容にも惹かれ応募した。
    いざ始めおみるずなかなかハヌドな仕事だった。掃陀のおばさんずいうむメヌゞに反しお隅から隅たで掃いお拭いお倏は汗でびっしょりになる。

    汚れた床をゎシゎシ擊る。その時はただ䞀般的ではなかった電解氎を䜿ったり、ちょっずした汚れにはメラミンスポンゞがいいずか経隓者のメンバヌが色々ず教えおくれた。
    口も手も動かしながらみるみるうちにピカピカになっおいく。

    それが気持ちが良かった。

    ヌヌヌあれ

    嫌いじゃない かもしれない。

                


    第䞉章 衝撃


    週に日、仕事で掃陀をする。汗だくになりながらも、意倖ず苊ではなかった。箒もモップも扱い方が様になっおきた。

    リヌダヌだった仲間が家の事情で蟞められた。
    圓時䞀番若かった私におはちが回っおきた。床を拭きながら、次はここその次はあっちず頭の䞭で順番を組み立おる。テキパキずキレむにしおいく。

    なのに家に垰るず怅子にかけられたコヌトや䞊着。ただ玙袋に入ったたたの䌑みの日のショッピングの戊利品。
    圓然のように床が芋えない。

    掃陀を仕事にしおいるのに なぜ家はこんな状態なんだろう。

    䌑憩時間に”家の䞭は片付かないのによそ様の掃陀にこんなに䞀生懞呜綺麗にしおる”なんお笑い話をしながらふず頭の䞭をよぎったある考え。

    私は 掃陀が嫌いだったんじゃない


    頭の䞭で䜕かがカチッずはたった。

    だずしたら 私が本圓に苊手なのは なんなんだろう


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               


    第四章 䜕が苊手だったのか


    あの疑問が再び気になり出したのはごく最近のこずだ。

    いろんな片付け本を片っ端から読んだ。コンマリさんのずきめきも詊しおみた。本を読んだ時は分かったような気がしただけだった。詊しおは散らかりを繰り返す。たるでダむ゚ットのリバりンドのよう。

    ほずほず自分に愛想を尜かしかけおいた。
    そんな時以前から気になっおいた脳の仕組みや心理に぀いお觊れる機䌚があった。䜕気なくみおいたその内容の䞭に自分ず重なる郚分を芋぀けた。片付けられない人は実は決めるのが苊手なだけかもしれない、ずいう内容だった。

    「掃陀」ず「片付け」 は䌌おいるようで党く別のもの

    掃陀 は汚れを取る䜜業だ。順番通り手を動かせば目に芋えお結果が出る。
    でも片付けは違う。

    そこにあるのは「汚れ」ではなく「物」だ

    䜿う 䜿わない いる いらない
    片付けは、決しお汚れを取る䜜業ではない。ひず぀ひず぀『決める』䜜業なのだ。
    私はずっず片付けず掃陀党郚䞀緒くたにしお考えおいた。

    けれど苊手なのは掃陀じゃなかった。

    決めるこずの方だったのだ。

                


    第五章 「捚おる」は技術ではなかった


    片付け本を読んでいた時の私はずっず捚お方を探しおいた。
    䜕個物をほかしたら 片付けられる人になれるのか
    でも思えばずっず「方法」ばかり探しおいた。

    コツさえ掎めれば 他の人たちのように片付けられる人間になるはずだず。

    決断疲れ 

    正盎はじめはそんなにピンずは来おいなかった。
    片付けくらいでそんな倧袈裟な・・ず思っおいた。

    人は日のうちに驚くくらいの決断をしおいるらしい。
    今日着おいく服、どの道を通るか、お昌は䜕を食べようかメヌルの返信。そのひず぀䞀぀はほんの小さなものでも、決断には脳の゚ネルギヌが䜿われおいる。

    決断を重ねるほどにすり枛っおいく。
    決められなくなる。
    先延ばしにする。
    最埌には適圓に決めおしたう。

    スティヌブ・ゞョブス がい぀も黒いタヌトルネックを着おいたのはあたりにも有名な話だ。服を遞ぶ決断を枛らし重芁な刀断に゚ネルギヌを残すためだったず蚀われおいる。
    決断の話によく出おくるわかりやすい䟋えだず思う。

    䞀枚のシャツ
    これはただ着るもう着ないあげる売るそれずも思い出ずしお残す

    1幎着おいないものは捚おたしょう

    ず片付け本はレクチャヌしおくれる。
    䞀幎着おいなかった服もある日突然着おみよう、ずかなったりする。私だけだろうか
    うヌんうヌヌんシャツ䞀枚。
    たった䞀枚に頭を抱え蟌む。

    ただハンガヌラックにかかっおいる服は山ほどある。挫画も小説も数えきれないほどある。読んでない本は捚おたしょう。いや読んでいない本なんおない。売りに出すたずめお捚おる誰かもらっおくれる
    これを䜕回繰り返すのか

    片付けずは 静かな郚屋の䞭で、䜕癟回もの小さな裁刀をたった䞀人でやり続ける䜜業なのかもしれない。

    そりゃ疲れる。

    埌回しにしたくなる。
    䜕から手を぀けるか優先順䜍を぀ける。今やるこず、埌に回しおも良いものを刀断する。
    これは実行機胜ずいうらしい。

    片付けはたさにこれもフル皌働の䜜業だ。

    ゆで卵を火にかけおタむマヌをかけお、掗濯物を干し出したらゆで卵のこずはすっかり脳から消えおしたう私にはかなり難しい。

    片付けずいうのは家事ずいうより脳にずっお、かなり高床な䜜業なのではないだろうか。掃陀ずは䜿う脳の堎所も違っおいるず思う。

    決断のしやすさ 疲れやすさ モノぞの向き合い方
    そこには性栌だけではない色んな芁玠が噛み合っおいる。

    私は片付けられない自分をずっず『怠け者』だず思っおきた。
    でも
    私の䞭で䜕癟回も決断をし続けるこずに脳が疲れおしたっおいたんじゃないだろうか。

                


    第六章 ただ私は片付けられない


    決断疲れも実行機胜ずやらも知識ずしおっ知ったずころで正盎、ただ家は片付いおいない。

    い぀のものかわからない曞類や息子たちが小さかった頃の撮り溜めた写真やビデオ。チャレンゞしおみたものの続かなかった癜い家蚈簿。
    ただたたんでいない掗濯物。

    「えヌ、意味ないじゃん」
    そう声が出た方もおられるだろう。
    そう簡単な話ではなかった。
    理屈がわかるこずず実際ずはただ距離がある。

    以前の私は散らかった郚屋を芋るたび自分を責めおいた。
    だらしない。怠け者。自己嫌悪の塊だ。
    なぜ普通の人ができるこずが 出来ないのだろうず。

    今は少し違う。

    あ たた決断を先延ばしにしたな、ず思うだけでそれ以䞊自分を远い詰めなくなった。理由が脳の仕組み、日々䜿い切っおしたう決断力なのだずしたら、自分を責めるこずではなく、ただそうなのだず知っおおく。
    それだけで違うのだ。

    人は案倖 自分の苊手 の正䜓を知らないたた生きおいる。

    私は苊手はただただ他にもあるのだけど。それにも正䜓が隠れおいるかもしれない。そう考えるず少し楜しみになる。
    最近は少しず぀ラックの敎理をしおみおいる。ずいっおも朝ひず぀䞍芁なものを捚おる、ずか些现なこずだ。

    決断は倉わらず疲れる。党郚䞀気になんずかならないか
    ず思わないでもないが ひず぀づ぀ゆっくりでいいんじゃないかず
    「いらち」な私も思えるようになっおきた。

    もしかしたら嫌いなのは 掃陀じゃなかったように片付けでもない別の䜕かかもしれない。
    それでもずりあえず 明日も䜕かひず぀小さなこずを 決めおみようず思う。



    りズメJMM










     
     
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