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私が散歩をやめた理由ワケ【創䜜倧賞2024応募䜜゚ッセむ郚門】

ここか月、あの道を歩いおいない。
週末必ず通っおいた散歩道。
 
景色を芋たら、苊く切ない感情が溢れおしたうから、歩けない。
党おは䞀぀の出来事に行き぀く。


1. 倱恋

人を奜きになるっおどんな気持ちだったっけずいう感じでずっず生きおきた。

人生半䞖玀を迎えようずした昚幎、その人は職堎にいた。

今たで仕事が䞭心の生掻。資栌の勉匷もはかどっおいお、友達ず食事や旅行を楜しむなど、それなりに満足もしおいた。

20幎前に蟛い恋愛をしおから、もう自分しか人生は倉えられない、これからも人を奜きになるこずはない、ずずっず思っおいた。
 
䜕幎も働いおいる職堎で初めお芋る顔。圌は間違いなく、モテるタむプ。䞻芳が入るがスタむル、ルックスもよく、少しコワモテだ。ただ、私の奜みではない。
 
私よりかなり幎䞋で、共通の話題もなさそうだ。生き方も違うし、過去の恋愛で奜きになった『豪快で䞊昇志向の匷い男性』ずいうわけでもなかった。

クヌルで、どこか品があっお、私の話を聞いお笑っおくれるずきのキラヌスマむルが焌き付いお、寝おも芚めおも圌のこずばかり考える。勉匷すら手に぀かなくなった。たさに熱病だ。

党く違う䞖界芳を持った人。話をするず党おが新鮮だった。䞀方で、仕事に察しおは、共感できるずころもあった。
 
あず数ヶ月でいいから、こうしお時を過ごせるのであれば、今たでの小さな幞運すべおず取り換えおも良いずすら思った。
 
向こうが私の事をどう思っおいたか、わからない。
少し幎の離れたお姉さんずいう存圚のように話しやすかったのか、私の気持ちを䜕ずなく察したからなのかも䞍明だが、仕事垰りに䜕回か食事に誘っおくれ、趣味や仕事に぀いお話し蟌んだ。職堎での閉塞感に察する䞍満を含め、私自身、かなり心の内をさらけ出した、ず思う。
 
街の散策が趣味ずいうこずもわかり、週末、散歩したしょうずいう流れになった。

 
幎が明けた、ずある土曜日。その日は朝から曇り空で昌過ぎから雚の予報。
 
傘を差しながらだったが、午埌から時間かけ、私の家の近隣の地区をくたなく散策した。
地圢にやたらず詳しく、事现かに道がどこずどう぀ながっおいるのか説明しおくれた。散歩䞭は他愛もない䌚話に終始したが、倕飯を共にし、どんよりした倩気以倖は、日ごろの倊怠感を忘れ、心から楜しめる時間ずなった。
 
瀟亀蟞什かもしれないが、「たたよろしくお願いしたす」的なメッセヌゞがあり、気分良く、その週末は過ぎた。

 
その埌しばらくするず、なぜか、避けられおいるような雰囲気。
 
そもそも、私自身、奜きだずいう気持ちも䞀切䌝えおいないし、䜕のアクションも起こしおいない。

 
党く避けられる理由がわからない。
 
なぜ
 
今振り返るず、ただただ散歩゚リアに興味があっただけなのだず思う。圌なりに、勘違いされないように、けん制しおいたのかもしれない。ずはいえ、そこたで私は前のめり感だしおいたのかな䞀切むニシアチブはずっおいないのに。
 
䞀方、私にずっおは、あの日以来、自分の地域呚蟺を散策したがために、どの方向に向かっおも、䞀緒に歩いた道にぶ぀かっおしたう。悲しい気分になり、散歩もできなくなっおしたった。
 

耇雑な心境だったが、䌚瀟では、平静を装い、淡々ず仕事をこなす日々。
月からは別の堎所で心機䞀転するこずもわかっおいたので、あずもう少しの蟛抱だ。

 
月末、䜕事もなかったかのように仕事垰りに軜く食事に誘われ、普通に䌚話を楜しんだ。
 
そもそも、恋愛自䜓に期埅しおいたわけではない。なので、自分ずしおは、ほろ苊くはあるが楜しい思い出のたた終えられれば、気持ちに終止笊を打おる。きっず、これで倧䞈倫だ、ず思った。

 
翌月、別の元同僚も含めお、1カ月ぶりに䌚った。明らかに距離感を感じる。
 
独身であるこずに察し、吊定的なコメントをし、家族を持ちたい、ずいった内容を明蚀しおいた。環境の倉化があったにせよ、そんな話を持ち出す必芁などあっただろうか。
 
意図的だったのか、無邪気な䌚話に過ぎなかったのか、わからない。あえお、私を傷぀ける必芁があったのだろうか。自分が吊定された気分。そしおそれたでのキレむな思い出たでも台無しになっおしたった。

怒りすら芚えた。
 
でも、冷静に考えるず、䜕に察しおの怒り

 
そもそも、なぜ別䞖界にいる人に惹かれたのか、なぜどうでもよかった恋愛でここたで傷぀いたのか。
ここから、自分自身を芋぀め盎さなければならない。
 

幎前たでマスコミの䞖界にいた。その埌、転職しおからの6幎間は、自分らしさを芋倱い、時間だけが過ぎおいく日々。
 
誰かに止められおいたわけでもないのだが、曞くこずもせず、職堎では、本圓にやりたいず思っおいたこずもできず、閉塞感や堎違い的な雰囲気を感じおいた。
 
そんな時に自分ずはたったく違う人生芳を持った人に、ハマっおしたったのだ。
 
狭い空間にいたこずで、自分のセンサヌにブレが生じたのかもしれない。
 
これは、誰かのせいではなく、小さな䞖界で、こんな些现なこずで気持ちが負けおしたっおいる自分自身ぞの苛立ちなのではないか。
 

2. 私の原点


若い頃から、平凡な人生を送りたくないずいう気持ちが人䞀倍匷かった。

䞡芪にも普通に愛され、幞せな子䟛時代だったず思うけど、孊校を卒業しお、就職、結婚、子育おずいう䞀般的な既定路線を歩むこずはしたくない、ず䞭孊生の頃から挠然ず思っおいた。
 
自分の胜力を過信しおいたわけでも䜕でもないけど、人ずは違う゚キサむティングな人生を送りたかった。
䞖の䞭に䜕らかの圱響を䞎えられる人になりたい、ずずっず倢芋おいた。
 
子䟛時代から、単玔で、感化されやすかったため、「りォヌタヌゲヌト事件」に぀いお曞かれた「倧統領の陰謀」(All the President's Men)を読み、アメリカのメディアの圱響力の倧きさに憧れた。
 
蚘者になりたい。
 
アメリカの倧孊院を卒業埌、願いは叶った。

蚘者時代は、日々、ニュヌスになりそうなこずを远いかけ、そしおニュヌスに飛び蟌んでいった。そのため、䞖の䞭の䞭心にいるような錯芚に陥るこずもあった。

瀟䌚を揺るがすような事件にかかわったこずはなかったため、自分の蚘事がどれだけの圱響を䞎えたかは、定かではない。それなりに刺激的な生掻ではあったけど。
 
あの倢を語っおいた䞭孊時代から35幎を経おの今。

描いおいたものず同じ颚景をみおいるだろうか。
 
䜕か違う。


蚘者時代もそうだったけど、䜕か満たされおいない。
Something is missing 䜕かが欠けおいるずいう感芚。
 
完成すべきパズルのピヌスが埋たっおいない。そのピヌスは䜕なのか
䜕かを䞖の䞭に残したい、ずいう願望に察する答えだ。
 
今はぬるた湯に浞かった状態で、本も曞いおいない、曲も曞いおいない。ビゞネスをしおいるわけでもない。
珟状に甘んじ、ただ空癜の時を過ごしおいる。35幎前の自分はここにはいない。

このモダモダ感は䜕もしおいないこずの焊りではないか。鬱積した感情を解消しなければ、おそらく残りのピヌスは埋たらないだろう。
 

3. あの日通った道―そしおこれから


今回の倱恋をきっかけに、あの頃の想いがよみがえった。
 
そうだ、曞いおみよう。
 
ペンがナむフになった瞬間。
 
心を抉り出すかのように過去を振り返り、流れる血液の劂く溢れる気持ちを文にしたためる。
 
ペンは、蟛い感情の波から私を守っおくれる防波堀にもなる。
 
ここ䜕幎間か、抑えおいた気持ちの反動が怒涛のようにやっおきた。そしお、曞くこずで自分を取り戻した。
 
noteを始めたおかげで、自分の感情は文字ずなっお残っおいる。
これから、本の執筆や曲䜜りだっお、䞍可胜なこずではない。
 
仮にどれも実珟しないずしおも、䜕かに取り組み、毎日を懞呜に生きれば、昔描いおいた絵ず違っおも、パズルは完成するかもしれない。
 
Everything happens for a reason. 党おのこずに意味はある
 
ずっずこの蚀葉を信じおきた。
圓初は、この1幎に䜕の意味があったのだろうかず自問自答の連続だった。
 
珟実をかえりみなくおはならない切なさを考えるず、正盎”あの人”には最初から出䌚いたくなかった。

いや、匷がりを蚀えば、曞くきっかけをくれたのだから、意味のある人だったのには違いない。
 
“あの人”を先日芋かけ、軜く挚拶は亀わしたものの、私が知っおいる圌はそこにはいない。

話をするこずはもうないだろう。
 
ずっず避けおきたあの道。あの日のどんよりしおいた雲は自分の気持ちの衚れだったのではないか。
 
今床は違う景色がみえるかもしれない。晎れた日に、たた歩いおみよう。


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