
呼吸の仕方 #note文芸部大賞2025
長男の浪人が決まり、
塾の寮に入寮した後、
私はブログを始めた。
最初は、
何気ない日々の生活を
綴っていた。
秋が過ぎ、
冬の足音が近づいた頃、
落ち着かなくなっていった。
様々な不安が
寄せては返す日々。
それでも、
私が呼吸出来たのは、
同じように
眠れない夜を抱えた
誰かの言葉だった。
顔も知らない人の
「お互い、頑張りましょう」
その一言に、救われた。
ブログを書くことは、
前を向くためではなく、
倒れないための
小さな支えだった。
冬が来て、
春が近づく頃、
私は知った。
一年は、
人を強くする時間じゃない。
耐えている自分に
名前をつけるための
時間なのだと。
結果が出るまで、
私はただ書き続けた。
不安も、祈りも、
言葉にして
置いていくために。
今、ブログは書いていない。
それでも、
あの時の私の言葉を
受け取ってくれる人がいる。
あの一年は、
誰かの一年の
1ページに
そっと足されている。

次の企画に参加しています。お題は「1年」
初投稿です。よろしくお願いいたします。