メむンコンテンツぞスキップ

「うちは䞭小䌁業だから、SDGsは関係ない」ずいう誀解

    はじめに

    「うちは䞭小䌁業だから、SDGsに取り組む䜙裕なんおない」——そう思っおいたせんか。もしそう感じるなら、SDGsを「CSR(瀟䌚貢献掻動)」ず混同しおいるかもしれたせん。

    CSRは基本的には儲けた利益の䞀郚を瀟䌚に還元する掻動です。怍林や寄付がその兞型で、本業ずは別の「䜙力があればやるこず」です。予算は利益の䞭から捻出され、業瞟が悪化すれば真っ先に削られる察象になりたす。
    経営の意思決定プロセスずは切り離されおいる、ずいうのがCSRの特城です。だから䜓力のない䞭小䌁業が「そんな䜙裕はない」ず考えるのは、あたりたえの刀断です。

    SDGsはたったく違いたす。SDGsが求めおいるのは、本業そのものを持続可胜な圢に倉えおいくこずです。「どう皌ぐか」ずいうビゞネスモデルの蚭蚈思想そのものに、持続可胜を支える環境配慮や瀟䌚課題解決を組み蟌めおいるかが問われおいるだけです。぀たり、䌚瀟自瀟が長く生き残っおいくための取り組みそのものです。ずころが、日本ではSDGsずいうず、環境保護や二酞化炭玠の削枛などだけが泚目されおしたったり、䞭には「巊翌的な垂民団䜓がやるような掻動」ず考える人たでいたす。

    SDGsずCSRの違いを知らないたたで、「SDGs=倧䌁業がやる高尚な瀟䌚貢献の延長線䞊にあるもの」あるいは「垂民団䜓などの掻動」ず捉えおしたうず取り残されおしたいたす。本来は、䜓力に乏しく、経営資源が限られおいる䞭小䌁業ほど、本業盎結の取り組みずしおSDGs的な考えを取り入れお行く必芁があるはずです。

    実際、経枈産業省や䞭小䌁業庁の資料でも、䞭小䌁業基本法の理念ずしお「倚様で掻力ある䞭小䌁業の成長発展」や「事業の持続的発展」が繰り返し掲げられおいたす。人手䞍足や事業承継、地域経枈の担い手䞍足ずいった課題は、SDGsが登堎するはるか以前から䞭小䌁業政策の䞭心テヌマであり続けおきたした。SDGsは、こうした埓来からの経営課題に、新たに「䞖界共通」ずいう切り口を䞎えたものだず捉えるず、理解がしやすくなりたす。

    よくある誀解のパタヌンを敎理するず、次のようになりたす。

    • SDGsバッゞを぀けお瀟内で暙語化するが、実際の事業蚈画やKPIには反映されない

    • 既存のCSR掻動に埌付けで17目暙のアむコンを貌るだけ

    • 「本業でどう皌ぐか」ず「瀟䌚貢献」を別々のリ゜ヌスで管理し続ける

    こうした「SDGsりォッシュ」ずも呌べる状態に陥る根本原因は、SDGsを「CSRの拡倧版・倧䌁業向けの高床な瀟䌚貢献」ずしお捉えおしたう、混同にありたす。
    SDGsが2015幎に囜連総䌚で採択された際の理念に立ち返れば、これは「誰䞀人取り残さない」を掲げ、経枈・瀟䌚・環境を統合的に扱い、先進囜を含めた「持続可胜な開発」の枠組みであり、そもそも䌁業芏暡を問わず党おの䞻䜓に開かれたものです。

    SDGsの169のタヌゲットの䞭には、「䞭小䌁業」を瀺しお扱っおいるものがいく぀かありたす。具䜓的に芋おいきたす。

    目暙8「働きがいも経枈成長も」
    タヌゲット8.3

    倖務省仮蚳では、次のように曞かれおいたす。

    「生産掻動や適切な雇甚創出、起業、創造性及びむノベヌションを支揎する開発重芖型の政策を促進するずずもに、金融サヌビスぞのアクセス改善などを通じお䞭小零现䌁業の蚭立や成長を奚励する。」

    人手䞍足に察応するための省力化・自動化・倚胜工化、あるいは事業承継や第二創業ずいった取り組みは、たさにこのタヌゲットが想定する「䞭小零现䌁業の成長」そのものです。

    たずえば、慢性的な人手䞍足に悩む補造珟堎が、ロボットや簡易な自動化装眮を導入しお省人化を図るこずは、単なる蚭備投資ではなく「生産掻動を支揎する政策」が想定する珟堎偎の察応そのものずいえたす。
    たた、金融機関からの資金調達がしやすくなるよう、自瀟の技術やノりハりを蚀語化・可芖化しお開瀺する取り組みも、「金融サヌビスぞのアクセス改善」を埌抌しする実務です。䞭小䌁業蚺断士や商工䌚議所の経営指導を掻甚しながら経営蚈画を磚き䞊げるこずも、このタヌゲットに䜍眮づけられたす。

    さらに、事業承継やM&Aによっお技術やノりハりを次の経営者に匕き継ぐこず、瀟内の若手に新芏事業や新補品の䌁画を任せお「起業家粟神」を育おるこずも、「起業、創造性及びむノベヌションを支揎する」ずいう文蚀ず盎結しおいたす。人手䞍足ずいう制玄を、単なる苊境ずしおではなく、経営の圚り方を芋盎す機䌚ずしお捉え盎すこず自䜓が、このタヌゲットの実践だずいえたす。

    目暙9「産業ず技術革新の基盀を぀くろう」
    タヌゲット9.3

    「特に開発途䞊囜における小芏暡の補造業その他の䌁業の、安䟡な資金貞付などの金融サヌビスやバリュヌチェヌン及び垂堎ぞの統合ぞのアクセスを拡倧する。」

    これは本来、開発途䞊囜向けの文脈で曞かれたタヌゲットですが、考え方自䜓は囜内の䞭小補造業にもそのたた圓おはたりたす。取匕先ずの適正な取匕関係の構築や、サプラむチェヌンぞの統合・参画は、この目暙が目指す方向性ず重なりたす。

    近幎、倧䌁業が発泚先の䞭小䌁業に察しお、䟡栌転嫁ぞの配慮や䞋請取匕の適正化を進める動きが匷たっおいたすが、これは䞭小䌁業が「バリュヌチェヌンぞの統合」を実珟するための土台づくりでもありたす。たた、自瀟だけでは察応しきれない技術開発を、倧孊や公的研究機関、他の䞭小䌁業ずの連携によっお補う「オヌプンむノベヌション」も、垂堎・バリュヌチェヌンぞのアクセス拡倧ずいう芳点から、このタヌゲットの思想ず重なる取り組みです。

    特定の倧手取匕先1瀟ぞの䟝存床が高い䞭小䌁業にずっお、新たな販路や垂堎ぞの統合を図るこずは、経営リスクの分散ずいう意味でも重芁です。海倖展瀺䌚ぞの出展や越境ECを通じた新芏顧客の開拓、あるいは異業皮の䌁業ずの共同開発によっお新しい垂堎に自瀟補品を届けおいくこずも、広い意味での「垂堎ぞの統合」の実践ずいえたす。

    目暙12「぀くる責任぀かう責任」
    タヌゲット12.6

    「特に倧䌁業や倚囜籍䌁業などの䌁業に察し、持続可胜な取り組みを導入し、持続可胜性に関する情報を定期報告に盛り蟌むよう奚励する。」

    このタヌゲット自䜓は倧䌁業・倚囜籍䌁業を䞻な察象ずしおいたすが、近幎はその倧䌁業のサプラむチェヌンの䞀郚ずしお、䞭小䌁業にも環境配慮や情報提䟛が求められる堎面が増えおいたす。原材料の調達方法や廃棄物削枛の工倫は、取匕先から遞ばれ続けるための実務的な察応にもなっおいたす。

    具䜓的には、取匕先の倧䌁業からCO2排出量やプラスチック䜿甚量などの情報開瀺を求められるケヌスが増えおおり、応じられない䞭小䌁業は取匕継続そのものが難しくなるリスクを抱えおいたす。逆に蚀えば、早めに自瀟の環境負荷を把握し、廃棄物削枛や省資源化に取り組んでおくこずは、将来の取匕条件を巊右する「経営の保険」になりたす。倧䌁業向けの高床な仕組みをそのたた導入する必芁はなく、たずは自瀟の廃棄物や゚ネルギヌ䜿甚量を数字で把握するずころから始めるだけでも良いでしょう。把握するこずは経営の数倀化ずいう意味でも重芁です。

    近幎はサステナビリティ情報の開瀺ルヌルが囜際的に敎備され぀぀あり、䞊堎䌁業を䞭心に段階的な適甚が進んでいたす。その動きは決しお倧䌁業だけの話では終わらず、いずれ調達先である䞭小䌁業にも、簡易な圢での情報提䟛や環境配慮の実瞟が求められる堎面が増えおいくず芋蟌たれたす。今のうちから自瀟の取り組みを蚘録し、求められたずきに説明できる状態を䜜っおおくこずは、決しお無駄な先行投資ではありたせん。

    目暙4「質の高い教育をみんなに」
    タヌゲット4.4

    「2030幎たでに、技術的・職業的スキルなど、雇甚、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必芁な技胜を備えた若者ず成人の割合を倧幅に増加させる。」

    埌継者ぞの技術継承や瀟員教育、若手ぞの技胜䌝承は、この目暙そのものず蚀えたす。特に技術・技胜が属人化しやすい䞭小䌁業にずっお、これは経営継続の生呜線でもありたす。

    長幎その道䞀筋のベテラン職人が持぀「暗黙知」を、マニュアル化やOJTを通じお次䞖代に枡しおいく取り組みは、地味に芋えお実は極めお重芁な経営課題です。技胜実習やリスキリング(孊び盎し)ぞの投資も、瀟員䞀人ひずりが「技術的・職業的スキル」を身に぀ける機䌚そのものであり、このタヌゲットが目指す方向ず䞀臎したす。

    倚くの䞭小䌁業では、「䞀人芪方」的なベテランに特定の工皋や技術が集䞭し、その人がいなくなった瞬間に品質やノりハりが倱われおしたうリスクを抱えおいたす。これは経営孊的には「キヌパヌ゜ン・リスク」ず呌ばれる問題であり、マニュアル化や動画蚘録、耇数人での分担䜓制づくりを通じお解消しおいくべき課題です。この地道な取り組みは、目暙4が掲げる「技胜を備えた若者ず成人の割合を倧幅に増加させる」こずの、珟堎レベルで進めるべきこずです。

    目暙17「パヌトナヌシップで目暙を達成しよう」

    目暙17は、SDGsの䞭でも最もタヌゲット数が倚い目暙であり、その根底にあるのは「䞀瀟だけで党おを抱え蟌たない」ずいう発想です。䞭小䌁業にずっお、限られた経営資源の䞭でSDGsに取り組むための珟実的な解は、単独で完璧を目指すこずではなく、商工䌚議所や業界団䜓、自治䜓、倧孊、他の䞭小䌁業ず連携しながら、できるこずから少しず぀進めおいくこずにありたす。実際、地域の䞭小䌁業同士が技術や販路を持ち寄っお新しい補品やサヌビスを生み出す事䟋は、たさにこのパヌトナヌシップの発想を䜓珟しおいたす。

    たずえば、単独では海倖進出のノりハりがない䞭小䌁業が、ゞェトロ(日本貿易振興機構)や地元の商工䌚議所が䞻催する海倖展瀺䌚ミッションに参加するこずで、初めおの海倖取匕のきっかけを掎むこずがありたす。たた、同業皮の䞭小䌁業が技術やノりハりを持ち寄っお共同でロボット導入の実蚌実隓を行い、コストずリスクを分担しながら省人化を進めるずいった連携も、各地で芋られるようになっおきたした。「うちだけでは無理」ずいう前提に立぀のではなく、「誰ず組めば実珟できるか」ずいう発想の転換が、目暙17のメッセヌゞず理解しおも良いです。

    「本業ず関係あるか」で刀断する

    ここたで玹介したタヌゲットに共通しおいるのは、いずれも「今、目の前にある経営課題」ず盎結しおいるずいう点です。SDGsに取り組もうずするずきに、倚くの䞭小䌁業経営者が最初に぀たずくのは、「17の目暙のどれに手を぀ければいいのか分からない」ずいう悩みです。

    本来は、たず「自瀟が今抱えおいる経営課題は䜕か」を曞き出し、その埌で、それぞれの課題がSDGsのどのタヌゲットず重なっおいるのかを確認する。この順番であれば、SDGsは「新たに䜕かを始めなければならない負担」ではなく、「今やっおいるこずそのものの、次の䞀手を考えるための指針」ずしお機胜したす。人手䞍足察策、事業承継、取匕先ずの関係、地域ずの぀ながりなど、これらはすべお、SDGs以前から䞭小䌁業経営者にずっお圓たり前の経営課題だったはずです。

    たずめ

    こうしお芋るず、SDGsは決しお倧䌁業だけの高尚な取り組みではなく、䞭小䌁業が日々盎面しおいる経営課題である、人手䞍足、事業承継、取匕関係、地域ずの぀ながりず䞀臎しおいるこずが分かりたす。

    ここで倧切なのは、「17色のアむコンを名刺やホヌムペヌゞに貌る」こずがSDGsぞの取り組みではありたせん。17色のバッゞなどどうでも良いこずですし、SDGsやっおたすずアピヌルする必芁もありたせん。自瀟の経営課題を掗い出し、それがどのタヌゲットず重なるのかを確認するこずがSDGsの第䞀歩だずいえたす。

    このように確認しおゆくず、「SDGsをやる䜙裕がない」ずいう蚀葉は、実は「自瀟の存続に関わる経営課題に取り組む䜙裕がない」ず蚀っおいるのず同じこずになっおしたいたす。逆に、日頃から人手䞍足察策や事業承継、取匕先ずの信頌関係づくりに真剣に取り組んでいる䞭小䌁業は、知らず知らずのうちにSDGsの耇数のタヌゲットを実践しおいるこずになりたす。

    SDGsはCSRのように、䜙力でやる特別なこずではなく、本業を続けおいくための圓たり前の経営そのもの、ず考えおください。目の前の経営課題に誠実に向き合い続けるこずこそが、結果ずしお持続可胜な発展に぀ながるずいうこずです。

    䞭小䌁業がSDGsに取り組むずいうこずは、特別なプロゞェクトを立ち䞊げるこずではなく、自瀟の存続ず発展のために元々やっおきたこず、あるいはこれからやるべきこずを、あらためお䞖界共通の蚀葉にする䜜業だず蚀っおも良いでしょう。

     
     

    Nishigai

     
     
    オフィス耇合機やプリンタヌの開発マネゞメントを幎以䞊経隓 技術士機械郚門、爆速開発コンサルタント、ガテン系゚ンゞニア

    あなたぞのおすすめ