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十六夜の短歌【月齢7.8】

    【月齢7.8】
    旧暦:8月9日
    月出:13:13
    月没:22:48



    誰か来し 月夜に揺れる 尾花かな
    もしや君かと 心乱るる




    季語|秋の月、月の秋、月夜、月光、月下、月明、月影、月の輪


    尾花とは、芒(すすき)の別名、すすきの花穂のことです。


    月夜の浜辺

    月夜の晩に、ボタンが一つ
    波打際に、落ちてゐた。

    それを拾つて、役立てようと
    僕は思つたわけでもないが
    なぜだかそれを捨てるに忍びず
    僕はそれを、袂(たもと)に入れた。

    月夜の晩に、ボタンが一つ
    波打際に、落ちてゐた。

    それを拾つて、役立てようと
    僕は思つたわけでもないが
       月に向つてそれは抛(はふ)れず
       浪に向つてそれは抛れず
    僕はそれを、袂に入れた。

    月夜の晩に、拾つたボタンは
    指先に沁(し)み、心に沁みた。

    月夜の晩に、拾つたボタンは
    どうしてそれが、捨てられようか

    (中原中也「在りし日の歌」より)





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