
お母さんは奈良時代の衣装を着ていた――亡くなった母が夢とセラピーで同じ姿で現れた話
亡くなった人は、霊界でどんな姿をしているのだろう。
そんなことを考えたことはありますか?
私は考えたことがありませんでした。
でも、母が2度にわたって現れたとき——夢の中でも、グリーフセラピーの中でも——まったく同じ姿で現れたんです。
奈良時代の衣装に、高く結い上げた前髪。
あれは、何だったのでしょう。
母が亡くなって、半年後のこと
母が他界したのは、9年前のことです。
身体が不自由で、長い間苦労してきた母でした。最期は穏やかだったけれど、残されたほうはなかなか気持ちの整理がつかない。
亡くなってからしばらくは、ちゃんと成仏できたのかどうか、ずっと心配していました。
夢に出てきた母の「変な髪型」
亡くなって半年ほどたったころ、母が夢に出てきました。
でも、何かがおかしかった。
髪型が、生前と全然ちがう。
前髪を高く結い上げていて、まるで時代劇に出てくる人みたい。着ているものまではよく見えなかったけど、雰囲気がいつもの母じゃない。
「夢だから、こういうこともあるよね」
そう思って、そのときはやり過ごしました。
グリーフセラピーで、また会った
しばらくして、グリーフセラピーというものを受けました。
亡くなった大切な人に会ってお話できる、そういうセラピーです。
半信半疑だったんですが、試してみたら——現れました。母が。
そして、思わず声が出そうになった。
夢に出てきたときと、まったく同じ髪型だったんです。
前髪を高く結い上げて、乙姫様みたいな雰囲気。
しかも今度は、着ているものもはっきり見えました。上はピンク色で、赤い長い着物。ひらひらとした、素敵な装束でした。
「私の妄想かな」と思う気持ちも正直あります。
でも、夢で見たのとおんなじ髪型が、セラピーでも出てきた。
それは、さすがに偶然とは言いにくい。
気になってしまったので、調べてみました。
あの髪型と衣装、どこかで見たことがある気がして。
検索したら、すぐに出てきました。
奈良時代の服装と、髪型でした。
上はピンク、赤い長い衣。前髪を高く結い上げるスタイル。
まさにあれです。
霊界に行った母が、好みで奈良時代の衣装を選んでいるのか。
それとも、それが母の「本当の姿」なのか。それはわかりません。
ただ、おもしろいとしか言いようがない。死後の世界って、そういうものなのかもしれない、と。
霊界の母は、ひらひらと飛んでいた
セラピーの中で見た母は、とても若くて、楽しそうでした。
生きているとき、母は身体が不自由だった。
動きたくても動けないことが、ずっとあった。
でも霊界の母は、ひらひらと飛んでいた。
どこへでも行けて、誰とでも会えて、時空も越えられる。そんな感じで、のびのびしていた。
見ていて、こっちが嬉しくなった。
苦しみから解き放たれて、ちゃんと楽しくやっているんだ、と。それがわかっただけで、ずっと胸にあった重さが、少し軽くなった気がしました。
成仏しているかどうか、お寺で確かめた日
それでも、私はずっと気になっていました。
「ちゃんと成仏できているだろうか」
スピリチュアルな体験はしたけれど、確信が持てない。そういう正直な気持ちがありました。
母は曹洞宗でお葬式をしました。本山は永平寺ですが、遠くて行けないので、横浜にある総持寺へ。
「ここならわかるだろう」と思って、足を運びました。
本殿に手を合わせて、母の戒名と俗名を伝えて——静かにお聞きしました。「この方は、成仏しておりますか」と。
仏さまは、ちゃんと教えてくださった
ひと呼吸おいて、お返事がきました。
「その者は成仏しておる」
それだけです。それだけなんですが、もうそれで十分でした。
ほんとうに、心から安心しました。
大切な人を亡くしたとき、ちゃんと成仏できたのか気になる方、たくさんいると思います。もし迷っているなら、宗派の本山や大きなお寺に足を運んでみることを、私はおすすめしたいです。
ちゃんと、教えてもらえることがある。
母があの衣装でひらひら飛んでいるのを想像すると、今でもちょっとおかしくて、でも温かい気持ちになります。
大切な人を亡くした誰かに届いてほしくて、書きました。