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コント文学『百年の恋も冷める時』

    スレンダーな体型に整った美しい顔立ちと、黒髪のロングヘアーが似合う君に、僕は一目惚れした。

    付き合って1年を過ぎた初夏の頃、君は長い黒髪をバッサリ切ってデートの待ち合わせ場所に現れた。

    あまりにも髪をバッサリ切りすぎて、

    僕には君が・・・

    蓮舫にしか見えなかった。

    名前が出てこないけど、ずーーっと誰か知ってる人に顔が似てるなぁと思ってたら、蓮舫だったんだね。

    きっとこの先、食事をする時も、手を繋ぐ時も、キスする時も、愛し合う時も、僕は君というフィルターを通して蓮舫を思い浮かべてしまうだろう。

    一度蓮舫のイメージが刻まれた僕には、もう君と蓮舫を切り離す事はできそうにない。

    もはや君が蓮舫で、蓮舫が君だ。

    完全なる蓮舫になった君を見て、君に対する想いが僕の心の中から一瞬で無くなってしまった。

    恋って何なんだろう?

    百年の恋も冷めるってこういう事を言うのかな?

    *

    君と別れて3年が経った。

    偶然、街で君を見かけた。

    すると、君だと思った女性は君じゃなくて・・・

    蓮舫だった。

    「応援しています」とリアル蓮舫に声を掛けると、プライベートでも選挙中のように両手で僕の手を握って「ありがとうございます」と笑顔で返してくれた。

    実物の蓮舫の笑顔は優しくて、握られたその手は温かく、綺麗だけどキツそうとか怖そうとか苦手なタイプという負のイメージが一気に吹き飛んだ。

    もしも君より先に蓮舫に出会っていたなら、君が蓮舫になっても恋が冷める事は無かったかもしれないし、違う未来があったのかもしれないね。

    これからもメディアで蓮舫を見かける度に、君の事を思い出して、遠く離れた場所から僕は君の幸せを願うだろう。

     
     
     
    『笑い』と『人間』を書いているコント文学作家/ワタナベコメディスクール放送作家コース卒/香川県高松市出身/エンタメ好き/ぬい活好き/SNSにて『コント文学』『ぬい活で一言』配信中!

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