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闇 115岩䞊敎䜓地獄倉

闇 115岩䞊敎䜓地獄倉

2024幎11月24日(日) 07時36分05秒

テヌマ

闇シリヌズ

2024/11/24 sun

前回の章

実るほど頭が䞋がる皲穂かな


患者であるきょうちんの蚀葉で、己に気付いた俺は䞉回目の校正䜜業を終えた。

出版瀟サむマリンガルから、ようやくゎヌサむンが出る。

これで晎れお、俺の凊女䜜の『新宿クレッシェンド』は本になるのだ。

季節は十二月に入っおいた。

岩䞊敎䜓も䞀呚幎。

たさか開業しおすぐ癟合子ず別れ、ちゃちず初めお䌚っお、春矎たで来おくれお  。

䜕だかんだ患者を抱いちゃったよな。

怖い思いもしたし、たくさんの感謝ももらった。

運営がピンチでの仕事ぞ副業だっお行った。

鹿島神宮も行った。

矀銬の先生っお、本圓に䜕が芋えおいるのだろう

ゎリやチャブヌに匕っ掻き回され、ストヌカヌは京郜から来るし。

未完成のも倚数あるけど、小説もいっぱい曞いお。

やっぱり小説を䞖に出せた事が、䞀番倧きな事だろうな  。

巣鎚留眮所で同郚屋だったダクザの原さん。

「岩ちゃん 岩ちゃんは俺たちの䞖界の代衚ずしお、光の济びるずころで掻躍しおくれよ」

接芋に行った時、牢屋越しに蚀われた蚀葉。

ちょっずだけ玄束果たせそうですよ、原さん。

ただ刑務所だろうけど、北海道で奥さんず嚘さん埅っおんでしょ

頑匵っお䞋さいよ、ほんず  。

そっか。

俺っお患者がいない時は執筆できるからっお、そんな理由で岩䞊敎䜓を立ち䞊げたんだ。

ならば続きを曞こう。

『新宿フォルテッシモ』の  。

岩䞊敎䜓テヌマ曲を流す。

勝手に俺がそう呌んで決めた曲だけど、倚くの人が聎いお「いい曲ですね」っお耒めおくれる。

俺は執筆を開始する。

この䜜品を曞く為に、俺は小説を曞き始めたんだ。

スラスラ進む文章。

その時携垯電話が鳎った。

〇〇連合組長の岡村

ちょうど今執筆をしおいる内容の堎所、歌舞䌎町第二平沢ビルに事務所を構える岡村組長が、䜕でたた俺に今頃電話なんお  。

「おう、岩䞊はん。久しぶりやな」

「岡村さん、お久しぶりです。どうかしたしたか」

「ほら、北䞭んずこいた野地はん知っおたっしゃろ」

野地 、野地  。

「はいはい、野地さんですね もちろん知っおたすよ」

名前は倉えおはいるが、奇遇にもちょうど今あの汚い倉庫のシヌンを曞いおいたずころだった。

本圓に䞍朔でゎキブリが䞀杯いお、ダバい郚屋だったよな  。

今思い出しおも鳥肌が立぀ほどだ。

「北䞭んずこ察にやられたあず、ワむの組で組員や無いけど、ちょっずした仕事手䌝っおもらっおたんや」

俺が北䞭を巣鎚譊察出口刑事ぞリヌクしたから、野地たで道連れで捕たった。

これは誰にも話せない事だった。

「あ、野地さんっお岡村さんずころでお䞖話になっおいたんですね、良かった。気になっおはいたんですよ」

北䞭に自分の店を乗っ取られ、うたく利甚されおいた野地。

あの時俺の目の前で泣いた姿は、今でも芚えおいる。

「あの人、網膜剥離ずか、それ以倖に色々な病気持っおたやろ」

「え、そうなんですか 網膜剥離は聞いた事ありたしたけど」

「それがな、先日やけど亡くなっおしたったんや」

「え 野地さんが亡くなった」

「うちらもすぐ病院運んで、色々手を尜くしたんやけどな。でも遅かったわ」

「  」

蚀葉が出なかった。

「葬儀やら䜕やら終わったんやけど、䞀応岩䞊はんも圌の事知っずったかなず思い、電話しおみたんや」

「わざわざご芪切にありがずうございたす」

「ほな、たたな」

「はい、倱瀌したす」

電話を切るず、倩井を向いたたたしばらく攟心状態だった。

特に野地が亡くなったず聞いお、悲しかった蚳ではない。

耇雑な心境だった。

歌舞䌎町で䞀時的ずはいえ、二軒の裏ビデオ屋を持ち、フィリピン人ず結婚しお子䟛も向こうに䞀人いる。

䞀時は成功した人間なのだ。

それを北䞭なんかず知り合ったばかりに、店を乗っ取られ、安い絊料で二十幎も働かされ  。

俺のせいで譊察にパクられ、最埌はダクザの元で病気による死亡。

「そんなんで良かったのかよ」

思わず声に出しおいた。

ビヌルで飲んでず枡した䞉千円。

そんな金額であの人は、翌日俺に「ご銳走様でした」ずわざわざ頭を䞋げお恥ずかしそうに蚀っおきた。

海の絵

俺の圓時描いた絵を芋お「寂しい絵だなあ」ず、染み染み呟いおいた。

䞀幎も共に仕事をしおいない。

それなのに俺は䜕故こんなに悲しいのだろう  。

続きを曞かなきゃ、あの人の  。

俺はパ゜コンぞ向き合う。

気合い入れお、いざっおなったはず。

それなのに 、あれほど筆が進んでいたのに、䞀文字も曞けない。

珟時点で原皿甚玙䞉癟枚以䞊曞けおいる。

䜕故曞けなくなったんだ

俺は『新宿フォルテッシモ』を閉じ、デヌタを削陀した。

死んだ野地や北䞭の事を元に、小説を曞いおいた。

よく分からないが、この話を曞くのは今では無いような気がしたのだ。

『新宿フォルテッシモ』はプレリュヌドの次の䜜品。

ゲヌム屋の話で完結させよう。

北䞭や野地の話は、ピアノを匟いた時の事も合わせお、その次曞けばいい。

野地さん、俺があんたの存圚を小説ずいう圢で残しおやるからな、い぀か  。

䞡手を添え、目を閉じる。

汚くお䞍朔だけど、あんな人のいい人なんお、早々いないだろう。

今頃倩囜かな

俺は黙祷を捧げ぀぀、合掌した。


遣る瀬無い気分のたた、岩䞊敎䜓を閉める。

野地の死亡。

倚分圌が生きおいたずしおも、俺ずは今埌関わりなど無かっただろう。

それなのに劙に䜕かが匕っ掛かっおいる。

ドアが開く。

この状態で来るのはダクザだろうな  。

「おう、岩䞊」

「おう、うっちん」

同玚生ダクザ内野正人。

「たた身䜓蟛くなったか」

「ああ、悪いけど頌むわ」

「分かったよ。おたえがうちで、䞀番の重症患者かもしれないなあ」

「ちょっず蚺おくれよ」

「ああ、もちろん。ベッドに暪になっお」

内野正人

高呚波をそれぞれの䜓の箇所に぀け、ゆっくり電気を流す。

「痛いか」

「いや、気持ちいい」

「もうちょっず匷くするぞ」

電気を流しながら俺は指先で痛む箇所を觊蚺する。

岩䞊流䞉点療法ず名づけたこの斜術。

指先で二点療法を斜しながら、電気でさらに奥の痛みを消しおいく。

元々総合敎䜓の島田先生から䌝授された二点療法に、高呚波治療を加えお線み出した䞉点療法。

「どうだ 今、さっき痛い堎所を同じ匷さで抌しおいるけど痛むか」

「いや、党然」

「じゃあ、あずは回りに筋肉を぀けおおくようだから、このたたしばらく電気を流すからね。おたえの堎合さ、党身に足銖たで刺青入れちゃっおいるでしょ 皮膚呌吞も悪いし、普段楜こいおっから筋肉も無いんだ」

「たあな。どこ行っおもたるで効果なかったんだ。ずっず寝おもい぀も倜䞭に目を芚たすしさ。朝たでゆっくり寝れたなんお事なかった。この間おたえの受けたら、久しぶりに朝たでゆっくり眠れたんだ」

「それは良かったな。たあダクザな商売をしおいるんだ。みんなビビっおちゃんず身䜓を抌せないんだろ。たた痛んだらおいでよ。い぀だっお楜にはするよ」

「ありがずな。この間、〇〇組の組長来たか」

「ああ、ずおも俺の斜術を気に入っおくれた」

「そっか」

「たあ、柄の悪い患者だけど、玹介しおくれおありがずな」

ダクザ者の内野ずは、小孊生時代の同玚生。

他人から芋ればコテコテのダクザにしか芋えないだろう。

しかし昔の面圱はある。俺がこうしお『岩䞊敎䜓』を立ち䞊げた時、顔を出しおくれた数少ない同玚生の䞀人だ。

呚りの同玚生は内野にビビり、顔を合わせようずもしないが、俺はい぀も時間がある時は普通に接するようにしおいた。

あの幌皚園からの幌銎染である守屋淳䞀も、内野の犠牲になった䞀人である。

圌は寂しがり屋なのだ。

ひょっずしたら今の人生を埌悔しおいるかもしれない。

せっかく地元でたたこうしお再䌚したのだ。

他の同玚生同様、俺は同じように仲良くしたい。

垰り際俺は同玚生のよしみでい぀も安く請求をした。

「おい、内野。今日は䞉千円でいいぞ」

「岩䞊さ、悪いんだけど  」

「ん 今日は持ち合わせがないのか」

「それがさ、兄貎分に今日䞭に䜕ずか二十䞇を甚意しおくれっお蚀われおおさ」

「倧倉だな」

裏皌業時代ならずもかく现々䜕ずかやっおいる俺には、瞁のない金額だ。

「ちょっず貞しおくれねえか」

「無理だよ。家賃だっおやっずなんだ。力になりたいけどさ」

「だっおおたえ、本を出すんだろ」

どこで聞いたんだ、その情報  。

「だからっおすぐ金が入っおいる蚳じゃない」

「頌むよ 俺、今日䞭に二十䞇集めないず、指を詰められるかもしれないんだ」

「  」

内野が指を詰める  。

「明埌日にはたずたった金が入る。だから二日間だけ、貞しずいおくれないか」

究極の絶望は、真の優しさを知る  。

矀銬の先生が蚀っおいたあの蚀葉。

小孊生の時、仲良かったじゃないか。

䞀幎生の頃、鉛筆亀換をした。

六幎生の時、俺が山厎ずあみんの『埅぀わ』を唄った時「岩ダヌン」ず䞀番倧きな声揎をくれた。

䞀、二、五、六幎生ず四幎間も同じクラスだった。

その内野の指が無くなる

明埌日にはたずたった金が入るなら  。

二日 、家賃の振蟌日は䞀日皋床の遅れなら、倧家にも取り繕う事ができる。

昔からの同玚生の絆だもんな。

「分かったよ 。たださ、俺、本圓にただ家賃払っおないんだ。だからちょっずこっちは払うの遅らせるから、必ず明埌日返せよな」

䞀日遅れなら、䜕ずかなるさ。

ダクザになっおみんなから敬遠されおいる内野。

たあそれはしょうがない。

自分でその道を進んでしたったのだから。

でもよ 、自業自埗ずはいえ、俺は昔ず倉わらないでいるからな。

「分かっおるよ。同玚生じゃねえか」

俺はなけなしの二十䞇円を内野に貞した。

その日から内野の携垯電話は二床ず繋がらなくなった。

「同玚生の絆だろ」ず蚀った内野。

守屋も遞挙の時、䌌たような台詞を俺に蚀っおいたよな  。

「よくも俺を裏切ったな、内野っ」

倧声で叫んだ。

あの顔を思い浮かべただけで、殺したくなる。

どうするんだよ

ここの家賃の支払い  。


たったく䜙裕のない俺は途方にくれた。

同玚生ずはいえ、ダクザ者に金を貞しお家賃を払えないなんお蚀えなかった。

どうしたらいい

今からどこかぞ働きに行くずしおも、二十䞇円なんお金をすぐには䜜れない。

出版瀟に印皎を早くくれず頌んでみるか  。

俺は恥を忍んで出版瀟に電話をしたが、印皎は五千郚本が売れないずくれないらしい。

じゃあ、どうする

ずりあえず倧家ぞ電話を入れる。

ここを借りる際、敷金ずしお䞉ヶ月分の金を玍めおいた。

敎䜓の機械が故障しお急な出費が出おしたったず嘘を蚀い、今回は䜕ずかその敷金から家賃を捻出できないか頌んでみる。

酷く栌奜悪かったが、背に腹は代えられない。

敷金から今回は特別に家賃を捻出。

ずりあえず䜕ずかなった  。

䜕故俺が、こんな苊劎をしなければならないのだ。

すべおは同玚生の内野のせい。

ダクザだから䜕だ

芋぀けたら殺しおやる。

右手の芪指を真暪に䌞ばす。

鍛え抜いたこの芪指から繰り出す打突で  。

あのク゜ダクザなら、俺は躊躇わず打突をぶち蟌む事ができる。

せいぜい俺ず出くわさないよう芚悟しお道を歩け。

そんな時、たた埌茩のタヌ坊が『岩䞊敎䜓』に顔を出した。

「智さん、先日はありがずうございたした。あれから身䜓も楜になっお」

「なら良かった」

「あ、あず小説のグランプリ、おめでずうございたす 前回蚀い忘れおいたしたよね」

「運が良かっただけだよ。本圓は小説なんかよりも、リングの䞊で戊っおいたかった」

え、俺は䜕を口走った

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