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闇 01幌少期、自衛隊線

闇 01幌少期、自衛隊線

岩䞊智䞀郎歳時

2024/07/08 mon
2025/07/10 thu
2025/07/19 sta
2025/09/27 sta
2025/10/04 sta
2026/01/28wed


二千二十四幎䞃月八日、月曜日友匕。

倢っお䜕だろう
よく䞭々叶わないから倢なんだず蚀う人は倚い。
俺にずっおこれたでの倢っお䜕だ

匷くなりたい。
リングの䞊で戊いたい。
ピアノを倧きな堎所で挔奏したい。
曞いた小説を䞖に出したい。

思った事党郚叶っおいるじゃん。

倢じゃなかったっお事
いや、間違いなく倢だったんだ。

でもすぐ叶っおしたい、そこで俺は満足した。
だからすべお䞭途半端だったのだ。

初めお曞いた小説で賞を取り、䞖に出したい。

もちろんそれも叶った。

でもさ、今になっお思うず運がいいだけで時期尚早だったのだ。
決定的な力が備わっおいないのに、結果を芋おふんぞり返る。

そりゃあみんな、離れおいくさ。
本物でも䜕でもないんだもの。

でもさ、振り返っおみろ。
銬鹿だから本圓に色々利甚され、隙され、金を倱い、心筋梗塞にもなっお、未だ醜く生きおいる。

小説を曞かなくなっお十䞉幎の月日が流れた。
今の䞖の䞭のほずんどの人間は、俺に興味など無い。

このたたただ幎を取り、朜ち果おお行くのだろうか
䜕ができる、俺に

自分の人生をそのたた曞いたら、誰でも䞀冊の本ができる。
みんな、よくそう蚀うけどさ  。

振り返っおみれば、本圓酷い人生だった。

瀺し合わせた接波のように降り掛かる悪意。
神の悪戯か、ここたで滅茶苊茶にされたんだ。

なりふり構わず曞いおみるか。
たず最近の酷い流れを思い出せ。
箇条曞きでいい。

䞭孊時代の悪友ず぀るんだ事による散財。
コロナワクチン打った翌日に心筋梗塞で死に掛ける。
マンションの埌付け䞍圓光熱費請求。
自称俳優のタカり行為。
癟四十䞇の詐欺被害。

现かいのを陀いたずしおも、本圓に酷いもんだ。
二千二十䞀幎から二千二十四幎の玄䞉幎、立お続けに身に降り掛かる地獄のような日々。

あれ、箇条曞きじゃなくっおいる。
党然文章さえ曞いおいなかった俺が  。

䜕故

簡単だ。
俺が曞きたくなったからだ。

倢でも䜕でもない。
珟実に今、俺は曞いおいる。

今たた十䞉幎の沈黙を砎り、たた文孊ぞ真摯に取り組む。
うん、それでいいんじゃないか。

䜕が生たれるのかなんお分からない。
それでもたたさ、もう䞀床足掻いおみよう。
文孊の䞖界を  。

ただ曞こう。
あの頃のように。

どうせ珟䞖では評䟡など無いだろう。
もう期埅なんおすんな。

たあいいさ。
思うたた、ただ曞き綎ればいい。
もっず先を芋ればいいだけだ。

癟幎、二癟幎埌の人たちが、い぀かこれを読むように  。


千九癟䞃十䞀幎九月十䞉日、月曜日赀口。

埌玉県川越垂、岩䞊家の長男ずしお生たれた俺。
家の目の前には映画通『ホヌムラン劇堎』があり、い぀も倖から映画に掛かる曲が聞こえおくる環境。

二幎眮きに匟が生たれ、岩䞊䞉兄匟ずなる。
長男だった俺は、過保護に甘やかされ、たた倧事に
育おられた。

鬌畜道 倩䜿の矜を持぀子

本川越駅前にただ『パヌラヌいづみ』があった頃だった。
小孊校の入孊匏を終えおから、い぀の間にか匷制で始たった雁字搊めの教育。
䞀぀も望んでいないのに八぀の塟や習い事ぞ通わされた。

ピアノ、絵画、習字、䜓操教宀、孊習塟、合気道、スむミングスクヌル、お囃子。

お囃子は芪父が入っおいる雀會の子䟛囃子『子雀』に入れたかったからだず思う。
少しでも倪錓を叩くのを間違えるず、手銖に朚の棒である通称『バチ』が圓たる。
手銖を抌さえながら泣く俺。
同玚生たちは自分の子䟛に察し、たるで容赊のない芪父を芋お䞀斉に蟞めおしたう。
そんな時、泣いおいる俺をよく慰めおくれたのが、雀會䌚長の栗原さんず同じ町内の小林柄倫さんだった。

䞀週間䞀日も䌑みの日がなく、孊校の友達からは付き合いの悪い奎ずいうレッテルを貌られる。
同じ登校班の同玚生パン屋の健ちゃんも、い぀からか俺を癜い目で芋るようになった。
安達すみれは「勉匷ばかりしお倧䞈倫」ずからかっおくる。

それを芋お泚意する隣りの家の定食屋『ひろむ』の䞀ちゃん。
効の良江ちゃんはい぀もプリプリず頬を膚らたせながら怒っおいた。

芪父は昔から家の金で遊び惚け、残されたお袋ず俺ら䞉兄匟は家で静かに暮らす。

倜䞭にふず目を芚たす。
䞡芪の蚀い争っおいる姿が芋えた。
芋おはいけないものを芋おしたった眪悪感に駆られ、寝たふりをする俺。

幌皚園の時から䞀緒の斎藀陜吟こず斎ダンず䞀緒に遊べないのが悲しかった。
圌の父芪は銀座通りでレコヌド屋の『音矜屋』を経営しおいる。
倉わった人で曞斎には油絵の具がたくさんあり、色々な絵を垃に描いおいた。

唯䞀の救いは家の目の前にある映画通『ホヌムラン劇堎』。
そこのおじさんたちは俺の姿を芋るず目を现くしお可愛がり、通内の二階の垭ぞ連れお行きコヌラずアンパンをくれた。
アンパンは奜きじゃなかったが、それでも黙っお霧りながら目の前にある倧きなスクリヌンをゞッず意味も分からず芋぀めおいた蚘憶。

小孊䞀幎生の頃、家から埒歩䞀分のずころで束本枅匵原䜜『鬌畜』の撮圱があった。
緒圢拳、岩䞋志麻、小川真由矎ず圓時の花圢スタヌたちが近くにいたのに、䜕も知らない俺はトコトコず前ぞ歩く。

映画『鬌畜』緒圢拳の飛び出すシヌン

撮圱䞭カットが掛かる。
倧人の人に倧声で怒られ、倧泣きしながら家ぞ垰った。

この頃映画通で『宇宙戊艊ダマト』のアニメが攟映され、デスラヌの笑い方を真䌌しお匟の培也ず䞀緒によく笑う。

い぀からだろう、お袋の理䞍尜な虐埅が始たったのは  。

初めお殎られた時の事は未だ鮮明に蚘憶しおいた。

小孊生は俺䞀人で、二人の匟たちは幌皚園。
芪父に続き、お袋は倜になるずいない事も倚くなった。

腹が枛ったず泣き喚く匟の培也ず貎圊。
いくらあやしおも泣き止たず、俺は二人を二階の郚屋から䞀階の居間ぞ連れお行く。

おじいちゃんずおばあちゃんがいる居間たで行けば、䜕ずかしおくれるず思ったのだ。
お手䌝いさんずおばあちゃんが䜜ったご飯。
それを食べながら幞せな気分に浞る。

しばらくしおドアの僅かに開いた隙間から、癜い目が芋えた。
怅子に座る方向的に俺しか気づかない。

その目がお袋の目だず気付く。
䜕故か怒っおいる目぀き。

誰にも気付かれないくらい少しだけドアは開き、お袋がゆっくり俺を芋ながら手招きする。

無邪気におじいちゃんの䞊でテレビを芋ながらはしゃぐ培也。
おばあちゃんの腕の䞭でぐっすりず眠る貎圊。

この団欒を壊しおはいけない。
幌心ながら倉に気遣った俺は「ご銳走様」ずだけ蚀い、ドアぞ歩いおいく。

「あれ、智ちゃんもういいのかい」
「う、うん 、もうお腹いっぱいだから  」

優しいおばあちゃんの声に背を向けドアに近付く俺。
居間を出た瞬間匷い力で腕を匕っ匵られ、階段の方向ぞ連れお行かれる。

䜕故お袋がこの時こんなに怒っおいるのかたるで分からなかった。

二階ぞの階段を䞀段䞊る床、ケツを匷く叩かれる。
声を出したらおじいちゃんたちに気付かれおしたう。
俺は口を䞡手で必死に抌さえながら涙を流す。
郚屋に着くなり投げ飛ばされ、䜕床も殎られた。

そんなにおじいちゃんたちのずころぞ行った事が悪い事だずは思いもしなかった。
ひたすら䞡腕でガヌドしお嵐が過ぎるのを埅぀しかない俺。

「立おっ」

「は、はい  」

恐ろしいお袋の前に俺は蚀いなりになるしかない。

「これを持っおろ」

俺におもちゃ電話の受話噚の郚分を右手に持たせる。
電話機の本䜓を持ち、䞀歩䞀歩ゆっくりず埌ろに䞋がっおいくお袋。

幌いながらも、これからどうなるのかが理解できた。
分かっおいながら怖くお離せなかった。
受話噚を  。

手を離したら、そのあず䜕をされるかを想像しおしたう。
ただ幌い俺には、その想像のほうが怖かった  。

どんどん䌞びおいくコヌド。
それでも俺は電話の受話噚を震えながら持っおいる。

ただ恐ろしかったのだ。
抵抗しお、これ以䞊殎られるのが嫌だった。

おもちゃの電話機の本䜓ず、俺の右手にある受話噚を繋げおいるゎム補のコヌドが䌞びきったず思った瞬間、お袋の手元から離れおいた。

「  」

いきなり目の前が真っ暗になり、火花が散る。
思わずその堎にうずくたっおしたう。
目の䞊が焌けるような痛みを発しおいる。

「ハハハ 、銬鹿だねヌ。あんた、䜕やっおんの」

逃げようず立ち䞊がり、埌退した。
その時おもちゃのブロックを螏んでしたい、足の裏に痛みが走る。
倧事に䜿っおいたブロックは䜕個か割れおいた。

胞を抌され、床に倒れ蟌む。
合気道に行った時の颚景が思い出される。

皜叀を始める前に正座しお䞀瀌。
そのあず正座をしお目を閉じおいるずころを䞍意に先生が胞を抌しおくる。
そこで倒れおはいけない。
粟神を集䞭させるのが、本来の目的らしかった。

でもそんな事は、圓時の僕には分からない。

「䜕、勝手に転んでんだ。立お」

俺は蚀われるたた立ち䞊がる。
足元にはおもちゃのブロックが散乱しおいた。

お袋はいく぀かのブロックを拟っおいる。

「動くなよ。きょう぀けしお目を぀ぶっおろ」

「はい  」

これから䜕をされるのか。
身䜓を震わせながら、目を少しだけうっすら開けた。
お袋がブロックを投げ぀ける途䞭だった。

青色のブロックが俺の頭に呜䞭する。
幌い俺は再び倒れた。

「䜕、倧袈裟に倒れおんだ」

起き䞊がれば、たた同じ目に遭う。
分かっおいながら立ち䞊がる。

たたあの電話をやられたらどうしよう
あの痛みのほうが怖かった。
だからそうするしかない。

䜕床もお袋は、俺にブロックを投げ぀けた。

このたた殺されるのかな。
本胜的にそう感じた。

その時、郚屋のドアが勢いよく開く。

「おたえは䜕をやっおんだ」

おじいちゃんだった。
今たで芋た事のないような厳しい目でお袋を芋おいた。

二階の隒ぎを聞きき぀け、助けに来おくれたんだ。
真っ暗闇な䞭、䞀筋の光明が芋えたような気がした。
必死にその光ある方向ぞず向かう。

「おじいちゃん  」

自然ずその方向に駆け寄ろうずした時、背䞭に激しい痛みを感じた。

床に倒れ蟌む際、スロヌモヌションのように映し出される。
そしお、目の前に割れた癜いブロックの砎片が芋えた。

「わぁっ  」

俺は目を抌さえながら、床に転がった。
たくさんの血が出おいた。

俺は匷くならないず、い぀か殺されちゃう  。

それからあずは蚘憶にない。


このような出来事がり、しばらくおじいちゃんたちの郚屋で寝泊たりするようになった俺。
おばあちゃんは䞉兄匟によく子守唄を唄っおくれる。

気付けばたた䞡芪の郚屋ぞ長男の俺だけ戻された。
倜䞭に目を芚たすず聞こえおくる倫婊喧嘩。
ひたすら寝おいるふりをするしか思い぀かない。

お袋のヒステリックさは日に日に酷くなっおいく。

ある日塟を終え、郚屋にいるず䞀階から怒鳎り声が聞こえおきた。
声を聞き、自然ず身がすくむ。
巊目の䞊にできた傷が疌く。

「チクショり チクショり」

恐る恐る階段をゆっくり降りる。

芗き蟌むように廊䞋から居間を芋るず、お袋が入口のドアを手で開きながら鬌の圢盞をしおいた。
芋おはいけないものを芋おしたったような感芚。

おじいちゃんを始め、呚りの埓業員たちが「萜ち着け」ずお袋を宥めおいる。
しかし怒りはより゚スカレヌトし「チクショり」ず蚀いながら居間のガラスのドアを叩き付けるお袋。

䜕床か叩き付けおいる内に、ガラスにヒビが入っおくる。
俺は呆然ずそのおぞたしい光景を震えながら芋おいるだけだった。

䜏み蟌みのお手䌝いのせっちゃんが「坊ちゃん」ず蚀いながらその修矅堎から離れるよう肩を掎んでくる。

芪父の匟である修叔父さんが「萜ち着け」ずお袋の䞡肩を摑む。
錯乱するお袋。
俺は怖くおその堎を動けずただゞッず芋぀めおいた。

お袋ず芖線が合うず、俺の元ぞ凄たじい勢いでやっおくる。
せっちゃんが乱暎にどかされたあず、䞡肩を掎たれ「私はこうやられたんだよ こうやられたんだよ」ず皮膚に爪が食い蟌んできた。
䞡肩から血を流しながら力なく泣くだけの俺。

呚りにいた倧人たちが必死にお袋を匕き剝がす。
無力な俺は泣く事しかできず、気付けばおじいちゃんに抱っこされおいた。
圓然の事ながらその堎に芪父の姿は芋えない。

倜になっお母方の仲町のおばあちゃんが家に来た。
家から埒歩五分皋床の堎所なので俺が遊びに行く事はあっおも、仲町のおばあちゃんが来る事は珍しい。

廊䞋ぞ呌び出しおお袋ぞ䜕かを泚意しおいたようだが、たた怒り声が聞こえおくる。
身がすくみながらも、心配で郚屋から廊䞋ぞ出た。

仲町のおばあちゃんの手銖を掎むお袋。
よく芋るず爪を立おおいるのか、おばあちゃんの手銖から血が滎っおいる。
息を飲み黙ったたたその光景を芋おいるだけの俺。

そんな俺に察し、おばあちゃんは優しそうな笑みを浮かべながら「智ちゃん 、䜕でもないから郚屋ぞ戻っおおいで」ず蚀った。
芋おはいけない状況を芋おしたった。

そんな眪悪感を芚えた俺は、垃団に包たりひたすら目を閉じおいる事しかできないでいた。
頭の䞭では仲町のおばあちゃんの手銖から滎り萜ちる血の光景だけが離れなかった。


家族間は垞に仲が悪く、同じ家に䜏んでいるのに祖父母のずころぞ行くだけで殎る蹎るの匷烈な虐埅を受ける。
それでも幌い匟二人は、䞡芪がいない食卓で腹が枛るず泣く。
俺には䞀階ぞ連れお行くしか術がなかった。

長男である俺は日曜日になるず、お袋ぞ倖ぞ䞀緒に連れ回される。
デパヌトのような建物の『ニチむ』で芪戚の京子叔母さんず同じ家に䜏む芪父の効のピヌちゃんにバッタリ䌚った。

「あら、智ちゃんじゃないの」

陜気に手を振っおくる二人に、俺も自然ず笑顔になり手を振り返す。
たったそれだけの事で、垰るず媚を売るなず暎力を受ける。
その䞀件以来、必然ず感情を露わにしなくなる幌少時代を過ごすようになった。

巊こめかみの目の近くに぀いた未だ消えない二぀の傷。
こんな地獄のような生掻が、ずっず続くのかず日々の日垞を恚んだ。
しかしそんなものは杞憂に終わる。

小孊校二幎生の冬。
あれだけ虐埅を繰り返した母芪は俺ら男䞉兄匟を捚おお、ひっそり家から消えた。

塟や習い事は、ピアノ以倖すべお蟞めた。
䜕故ピアノだけは続ける。
理由は先生が優しかったのだ。

しかし俺はピアノなどたったくせず、先生の家でテレビを芋おおや぀をもらい、垰りに送っおもらう際、い぀もゲヌムセンタヌに寄っおゲヌムをさせおくれた。
今でもゲヌムが奜きなのはこの時の圱響が倧きいず思う。


小孊䞉幎生の時、ホヌムラン劇堎でゞャッキヌチェンの映画『酔拳』が䞊映された。
こうやっお鍛えたら、俺も匷くなれるのかず思った。
初めおの暎力的衝動。
匷さの定矩を勘違いした俺は、クラスの女子を虐めおよく泣かす。
担任の神瀟の神䞻をしおいたずいう犏田文圊先生は、䜓育通ぞクラスの生埒党員を呌び出し俺をコテンパンにした。
この䞀件で正しい匷さずは䜕かを孊べたような気がする。

初めお心から笑顔になれた俺たち兄匟を祖父母、芪父の効である叔母さんのピヌちゃんが育おおくれた。
それでもボンボンだった芪父は、家の金を自由に䜿い遊び回っおいるだけだった。
母芪がいなくなり自由になった俺は毎日のように映画をタダで芳お可愛がられお育぀。

ゞャッキヌチェンの映画を芋お衝撃を受け、真䌌できるトレヌニングはやるようにする。
銀河鉄道は未来ぞの垌望を膚らたせる事ができ、芋おいお興奮した。


家業のクリヌニング屋の配達ぞ、たたに䞀緒に連れお行かれた俺。
お囃子の皜叀も蟞めたので、このくらいしか芪父ずの接点はほずんどなかった。

ある日通垞の配達ルヌトから倖れ、䜏宅街にある家の前に車を止める芪父。
䞭ぞ招かれるず、化粧の濃い女性がたくさんの料理を䜜っお埅っおいた。

劙に銎れ銎れしい化粧の濃い女性。
本胜的に奜きになれない。
幌心ながら父芪ず䜕かしら芪密な関係なのだろうず感じる。

これが生涯に枡っお因瞁のできる守銭奎加藀皐月ずの初めおの出䌚いだった。

小孊校高孊幎になるずおじいちゃんが匁護士を同䌎した状況で「逊子にならないか」ず蚀われる。
財産を少しでも俺に倚く残したかったらしいが、それを受けるず父芪の立堎が無いだろうし䞁重に断った。
おじいちゃんは笑顔で俺の頭を撫でながら「そうか、智䞀郎は偉いな」ずだけ蚀った。


小孊六幎生になり猛烈な腹痛に芋舞われ病院ぞ行くず、盲腞ず蚺断される。
おばあちゃんは孫である俺の身䜓に傷を぀けたくなかったようで、赀倖線で盲腞を散らす手術を勧めた。

䞀日だけ腹痛は治たるも、翌日から地獄のような痛みに襲われる。
おじいちゃんは䜕床も病院ぞ連絡するが、安静にしおいれば倧䞈倫の蚀葉だけで俺は日々衰匱しおいく。

おじいちゃんの玠人刀断で別の病院ぞ連れお行かれたら、腹膜炎を起こし掛けおおり緊急手術で即入院ずなった。
呜の危険たであず䞀歩だったらしい。
俺はおじいちゃんの刀断により呜を救われた蚳である。

この時芋舞いで父芪の知り合いである化粧の濃い女性が深倜来た事があった。
この時はただこの女が加藀皐月ずいう名前だず知らない。
俺は寝たふりをしおやり過ごした。
化粧品臭い残り銙が錻を぀き、䞍快感を芚える。


遊び人だった父芪は家に垰るず豹倉し、傍若無人だった。

「情けない面をしやがっお」ずすれ違うだけで殎られ、突発的で理䞍尜な暎力を受ける。
「俺がおたえくらいの幎には、もっず女にモテおいたぞ」ず殎られる。
料理をしようずしお台所に立぀だけで「女みおえな真䌌しおんじゃねえ」ず殎られた。


俺らを捚おたお袋は家から五癟メヌトルも離れおいない堎所で、別の男ず䞀緒に料理屋を始めた。

囲炉裏端料理『鬌』。
鬌のようなお袋だったから、鬌ずいう店名を぀けたのだず感じた。

実家が近かったお袋は、姪である埓兄匟の宇接朚裕子に察し、自分の郜合いいように蚀い蚳をしおいたようだ。
逆恚みで俺を恚む裕子は暡範的な優等生だったので、ずおも先生受けが良くたた圱響力もあった。
そんな圌女が俺の家は寄っお集っお母芪を远い出したずいうデマを発信するようになる。
再び孊校でも闇が蚪れた。

女の担任の垂倉利子先生でさえ「裕子ちゃんに聞いたんだけど、岩䞊君お母さんず䌚いたいでしょ」ず蚳の分からない仲介を買っお出る。

過去の匷烈なトラりマ。
猛烈に拒み、先生受けの悪かった俺。

俺は小孊䞉幎生の時の犏田先生が担任のたただったらなず、䜕床も願ったが無理な話である。


ピヌちゃんから「䜕でおたえたちのお母さんは、お兄さんず離婚しないか分かる」ず質問された。
小孊生の子䟛にそんなもの分かる蚳がない。

「おたえのお母さんはね、家の財産が目的だから離婚しないんだよ」ず蚀われた。

幌少時代から思っおいた事。

匷くならないず殺されちゃう。
頭がいいだけでは誰も守っおくれない。


鬌畜道 倩䜿の矜を持぀子 䞭孊線

䞭孊生になっおもツッパる事は䞀切しなかった。
ゲヌムセンタヌには䞍良が溜たるようになっおいた頃。
しかしそんな栌奜だけ態床だけ悪くしたずころで、匷くなれないのは身䜓が自芚しおいた。

皮肉な事に父方の埓効枅氎麻衣子ず、母方の埓効の宇接朚裕子ずは同じ䞭孊。
䞭孊䞀幎の時の担任鈎朚正巳先生は、もの凄い暎力教垫だ。
ゲヌムセンタヌぞ行ったのを知られただけで殎られた。

同じクラスの飯野誠ずは仲が良くなり、よく図曞通ぞ行っお時間を共有した。

䜕故麻衣子ず裕子ず同じ埓効だず知ったクラスメむトの矢島は、俺に協力しおくれずせがんでくる。
もの凄い撫男なので、やめた方がいいず䌝えおもし぀こい。
やがお「片芪の奎は本圓に䜿えない」ず眵り、俺は䜕床も殎り぀けた。

結果登校拒吊を起こした矢島。
担任の鈎朚正己は俺を呌び出しボコボコに殎っおから、党教宀を晒されるように歩き回された。

䞭孊䞉幎生になり岩厎智兞こずチャブヌや、岩厎努こずゎリず同じクラスになる。

病匱だった祖母は秋に他界する。
最埌たで俺の高校受隓を心配しおくれた。
プロレスや盞撲を芋るのが倧奜きだったおばあちゃんの死。

受隓日前日、俺はおばあちゃんの眠る広枈寺ぞ深倜䞀人で行き、墓参りをした。


高校生時代に家業にパヌトで入っおきた緑ずいう面倒芋のいい人がいた。
匟の培也ず䞀緒にいい人が来お良かったねずい぀も話をしおいた。

高校䞀幎の担任谷先生。
谷は身長が倧きかった俺をやたら郚掻動ぞ入れたがる。
始めはラグビヌ、それを蟞めるずバレヌボヌル、ハンドボヌルずずにかく䜕かしらの郚掻ぞ匷芁させた。
最終的にサッカヌ郚ぞ入り、䞀幎生の最埌ず共に担任が代わるのを知り蟞めた。

二幎、䞉幎の担任把先生。
この頃から俺はずにかく喧嘩ばかりしお日々を過ごすようになる。
俺はこの把先生に䜕床も助けられ、結局停孊すら䞀床も経隓せずに無事卒業させおもらった。
瀟䌚人になっおも、この先生ずは定期的に亀流がある仲になる。


離婚もせずに別の男ず䞀緒に暮らすお袋。

遊び人で完党に育児攟棄の芪父。
䞖間䜓だけを気にする芪父は垞々近所の人たちに「コむツは頭がいいから六倧孊ぞ行かせる」ず嘯く。

西歊台高校の孊費も払わず、おじいちゃんにすべお出しおもらった俺。
圓然の事ながら倧孊進孊など䜕䞀぀考えおいなかった。
矎術の先生から矎倧の掚薊を出すから行けず蚀われるも、結局行けばおじいちゃんが金を出す矜目になるのを知っおいたので断った。

育おの芪はおじいちゃん、そしお叔母さんであるピヌちゃん。


ある日、父芪に匄ばれた人劻䞉人が同時に家ぞ怒鳎り蟌んできた事もあった。
芪父はその堎から逃げ、長男である俺が䜕故か捕たり家の䞭で意味䞍明な話し合いになる。

その䞉人の内の䞀人が家業ぞパヌトに来おいた緑で、圓時高校生だった俺の前で父芪の事を愛しおいるず泣きながら喚く姿を芋お、心の䞭で䜕かが壊れたような気がした。

もう䞀人は小孊生時代から芋た事のある化粧の濃い女性、加藀皐月だった。
この人が䞉人の䞭でも䞀番我が匷く、人間恥を知らないずここたで図々しくいられるものかず感じる。
初めお䌚った頃から生理的に奜きになれなかったが、自身の感じたものは間違っおいなかったのを確信した。

ピヌちゃんは「䜕故おたえたちのお母さんが離婚しないか分かるか」ず同じ質問をしおくる。
「それは家の財産が目圓おだったんだよ」ず垞々蚀われた。

匷くなりたい。
そしお嫌だったけどお袋の元ぞ䞀床行き、話し合っお俺が䞡芪を離婚させないずず考えるようになった。
捚おられたずはいえ、お袋の性根がそこたで腐っおいるようには䞍思議ず思えなかったのだ。

離婚にさえ応じおくれれば、財産が目圓おずいうピヌちゃんの蚀い分は芆るはず。
その為にはいち早く瀟䌚人になりたくお、䞀番早く就職が決たる自衛隊を遞んだ。

烈火劂く怒る芪父。
垞に栌奜を぀けたい性栌の為、自分の長男が六倧孊ではなく自衛隊ぞ進むのを蚱せなかったのだろう。
䜕床も殎られたが、半分この父芪に察しお恥を描かしおやろうずいう魂胆もあった。
そんな理由で俺は自衛隊を遞択したのである。


高校を卒業しおすぐ小孊時代お䞖話になったピアノの先生の家ぞ挚拶ぞ行った。
小孊生時代、あれほど俺を可愛がっおくれたのだ。
六幎ぶりの再䌚に胞を躍らせる。

するず先生は䌚っおくれず、先生の母芪が憎悪の籠った目で睚み぀けられ、二床ず来ないでくれず远い返された。
あれだけ優しく接しおくれたピアノの先生の家族が䜕故ここたで豹倉したのかたったく理解できなかったが、仕方なく倧人しく匕き䞋がった。


瀟䌚人になっお䞀番始めの行動が母芪ずの再䌚だった。

他人以䞋ず割り切っおいたので敬語で話す俺に察し、母芪は泣きながら瀌儀正しく育っおくれおず勘違いする。
しかし離婚にはすぐ応じおくれた。

俺の芁求を飲んでくれた母芪に察し、圌女なりの蚀い分は聞いおあげようず思い、自衛隊にいる間数回䌚いに行く。

それを知った父芪は「そんなおたえは母芪が恋しいのか 岩䞊の姓を捚おろ」ず眵られた。
おたえのケツを拭いおいるだけなのに、䜕お蚀い草だ。
俺ず芪父の溝はより深くなる。

自分が出お行った蚀い分をするお袋。
次第に蚀い蚳から、亡くなった祖母の悪口になっおきた。

俺には優しく厳しかったおばあちゃん。
そんなおばあちゃんの悪口を蚀うお袋に察し、我慢できなくなり反論をした。

「䜕でこんな銬鹿に育っちゃったんだろ。私がちゃんず育おおいれば  」

自分の意思で俺たちを捚おお出お行った事も忘れ、お袋は俺を眵倒した。

駄目だ、この人  。

たるで話が通じない。
俺は完党にお袋ず決別する事にした。

結局のずころ、人間の性根ずいうものはそうそう倉わらないものなのである。
俺の根底には匷烈な憎悪が根付いおいる事に気付く。


北海道の雪


自衛隊朝霞駐屯地前期教育での無茶苊茶なシゎキ。
班長副班長共にレンゞャヌ出身だった俺の班は、ずにかく毎日酷い仕打ちを受けた。

催涙ガスをテントの䞭で焚き、サザ゚さんの歌詞五番たで曞いた玙きれを枡され、䞭で歌わされた事もあった。
これは歌詞を芋るから目をやられ、歌を唄うから喉をやられる事を想定しおのシゎキだった。

ガスマスクを぀けたたた、倖呚五キロを走らされた事もある。
腹筋の姿勢で足を䞊げたたた䞀時間攟眮。
腕立お䌏せの䜓勢のたた䞀時間攟眮。

途䞭厩れるず容赊のない暎力が飛ぶ。

性栌の曲がった班長は俺たち班員に蚀った。
おたえたちを埌期教育の駐屯地は、遠くぞ飛ばせば飛ばすほど俺の成瞟は良くなるず。

「おたえらこのたた朝霞にいられるず思うなよ」

そしお十名の俺たちから䞀䞇円ず぀貯金おろすよう呜什され、自衛隊にある売店で十䞇円分の班長が芁求するものを買わされた。

この時同じ班だった富田は高田駐屯地ぞ行く。
どうせ地元の近くにいられないのなら、ずこずん遠くに行っおやろう。
ダケク゜になった俺を含めた班員の四名が䞀番遠い堎所の北海道を遞択し、行く事になった。


北海道倶知安の街の人間はずおも優しい。
しかし䞊官たちは腐っおいた。

基本的な生掻の䜿い走りは圓たり前。
酷い䞊官になるずわざわざ䞀番遠い隊舎の四階にある自動販売機でコヌラを買っお来いずいうひねくれた人間もいた。

態床が生意気だず文句を蚀われ、数名による問答無甚の暎力行為は日垞茶飯事。
挫画『あしたのゞョヌ』に出おくる少幎院でのリンチのシヌンで『パラシュヌト郚隊』ずいうものがある。

あしたのゞョヌより抜粋

䞡手足を数名に抌さえ぀けられ、二段ベッドの䞊から俺の腹目掛けおダむブ。

あしたのゞョヌより抜粋

癟名ほどいる重迫撃砲䞭隊の䞭隊旅行で凜通ぞ行った時、俺は酔ったふりをしお五人しかいないコンパニオンの䞀人ず宎䌚堎の隅でむチャむチャした。
垰ったあずに壮絶なリンチが埅っおいた。

この時は死ぬかず思ったが、倚勢に無勢俺䞀人が鍛えた自衛官十数名に察抗したずころでどうにもならなかったのだ。

䞊官の呜什には絶察。
ならば蟞めおしたえば䞊官ではない。

俺は䞀任期途䞭で蟞める事を決意し、そのたた北海道ぞ䞀週間だけ留たった。
これたで酷い仕打ちをした䞊官たちぞ仕返しする為だけに朜䌏しおいたのだ。

狭い町である。
䌑暇を取った自衛官の遊び堎所などすぐ特定できた。

ある皋床の埩讐を終えるず、俺は地元川越ぞ戻る事に決めた。


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