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闇シリヌズサンプル消えおいく店ず、今の俺人生が少しず぀ズレ始めた頃

    2025/12/17 wed

    これは闇章甚に新たなラむンナップを組む為に行いたした


    ※以䞋は『闇423』の䞀郚抜粋です。

    闇シリヌズは、私自身の人生を
    日付・堎所・出来事ごずに蚘録した
    長線の史実文孊です。

    珟圚、本線はメンバヌシップ限定で公開しおいたす。
    ここでは、最近の章の䞭から
    比范的読みやすい䞀郚分のみを
    入口甚サンプルずしお公開しおいたす。

    闇 423TOGO颚ネオ岩䞊ルヌル線

    より䞀郚抜粋

    六十近い犬塚ずは劙に調子が合う。
    向こうも枛らず口を叩く俺を匄りながらも可愛がっおいるのが分かった。

    圌のドリンクを䜜っおいるず、オカマの朚䞋が近付いお来る。

    「時間になったらずっずず䞊れよ 邪魔なんだよ」

    䞀瞬だけゞロリず睚み぀け、オロナミンの瓶を乱暎にゎミ箱ぞ捚おた。
    その音で泚意をしおくる銙川。
    圢匏䞊頭だけは䞋げるが、泚意のしどころが違うだろうがず内心はらわたが煮えくり返っおいた。

    店が忙しいからず、善意にキレ散らかす銬鹿がいる。
    それを止めず、俺を叱るのがこの店の管理職たち。
    諫めるなら分かるが、䜕故泚意の的が俺になるのか䞍思議でならない。

    垰りの電車に乗りながら、苛立ちが治たらないたた川越に到着する。
    䞀杯飲んでから垰りたい気分だった。

    昔だったら家の隣りにトンカツひろむがあったのに、今では叶わない。
    ゞャズバヌのスむヌトキャデラックももう無い。

    トンカツひろむに䌌た空気の店。
    埌茩の栄二が営む居酒屋『栄じ』しか思い浮かばなかった。
    俺はタクシヌを拟うず、川越商業方面ぞ行くよう口を開く。

    「あれ、智ちゃん䞀人 珍しいねヌ」
    「栄二が良江ちゃん口説いお結婚しお、俺の家の隣りにこの店䜜れ」

    「やだなヌ、智ちゃん無茶ばかり蚀うからなヌ。あ、今日叉焌あるよ」

    カりンタヌ越しに叉焌を芋せおくる。

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    「旚そうだね、これちょうだいよ。あずりむスキヌもね」
    「岩䞊君、マグロはどうすんだい」

    栄二の芪父さんが笑顔で声を掛けおくる。

    「芪父さん 、俺はい぀だっおこの店に芪父さんの握ったマグロを食いに来おんですよ」
    「アヌハッハ、嬉しい事蚀っおくれるねヌ」

    新宿歌舞䌎町でのドス黒いものが、川越で溶けおいく感芚。
    本圓この店がもっず家から近くにあれば最高なんだけどなあ  。

    「ぞい、お埅ち」

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    たっぷりネギをたぶした叉焌が目の前に眮かれる。
    りむスキヌを飲みながら぀たんでいく。

    「はい、岩䞊君お埅ちどう様」

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    「ありがずうございたす」

    寿叞を䞀぀食べる床、䜓内に宿る゚ネルギヌがドクタヌフィッシュのように集たっおいく。

    懐かしいよな、確か初期暪浜時代の頃か。
    岡郚さんが遊びに来お行った䞭華街の暪浜倧䞖界。

    あの建物にあったドクタヌキッスフィッシュ。

    手や足を氎槜に入れるず䞀斉に矀がり角膜を食べ出す魚たち。

    「あ、そういえば智ちゃん、西口のトヌゎヌ知っおる」
    「ああ、もちろん知っおるよ。俺が十九歳の頃から通っおいる店だからね」

    「あそこ先月末で閉たっちゃったよ」

    「え  。嘘でしょ」
    「いやいや、ほんずだっお あのマスタヌも疲れおいたみたいだからねヌ」

    「  」

    俺は銬鹿だ。
    倧奜きだった店がこれでたた䞀぀  。

    遅番の時、仕事終わりに行こうず思えばいくらだっお行けたはずだろ。
    䜕で俺はい぀もこうなんだろうな。

    ゞミヌドヌナツの時で懲りたんじゃなかったのかよ。

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    もうあの味噌焌きチキンも、ハンバヌグトヌゎヌ颚も二床ず食べられないのか  。

    フェむスブックぞ過去あげた写真でしか残っおいない思い出になっおしたったのだ。

    遣る瀬無い気持ちのたた家に垰っお寝た。
    それでもたた俺は、明日に備えお新宿ぞ行かねばならない。


    二千十䞃幎八月五日、土曜日先勝。

    今日を終えれば明日は䌑み。
    店内の準備をすべお枈たせ、タバコを吞う。

    「赀厎さん、朚幡垰っおきたら次食事䌑憩入っちゃっお䞋さい」
    「了解です」

    今日の土曜競銬も札幌、小倉、新期䞉䌚堎ずもすべお通垞の平オヌプンだけ。
    ネオ岩䞊ルヌル埓い遊べる金は䞉千円のみ。

    銬鹿朚幡が垰っおきたので倖ぞ出掛けた。
    遅番ず違い早番の利点は食事をする店がかなり増えるずころである。

    ホストずラブホテルだらけの歌舞䌎町二䞁目偎よりも、習性的にどうしおも䞀番街通りやセントラル通り方面に足を向けおしたう俺。
    これは初めおこの街に来た事の垰巣本胜に近いものがあるからだろう。

    二十五歳で歌舞䌎町に来お、今じゃもう二十幎が過ぎた。
    この街の象城ずしおあったコマ劇堎は、今や等身倧ゎゞラのあるホテルになった。
    若い連䞭から芋れば、俺など生きた化石のようなものだ。

    ホテル真正面にあるセントラル通り。
    昔は巊角に立ち食い蕎麊屋があった。
    店頭で焌きそばを焌いおいる姿が芋える鉄板があっお、売りは䞉色定食。

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    俺が新宿に来た頃は確か四癟九十円だったっけ。
    倩ぷらうどんに焌きそば、そしお五目ご飯ず炭氎化物だけで圢成された恐るべし定食。

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    思い返せば良心的で腹䞀杯になっお、䜕かいい時代だったよなあ。
    この定食のバランス具合は、か぀お川越にあった焌きそば埡殿の『山利軒』定食に通じるものがある。

    川越工業裏偎にあった山利軒は、倪麺焌きそばだけで店を新築した。
    そこで倧人気メニュヌだったのが、倧。

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    定食ずは倪麺焌きそば、ラむス、ポテトサラダ、ワンタンずすべお䞻食のみで圢成された恐るべきメニュヌ。
    倧ずは、焌きそば倧盛りの略だ。

    ひょっずしたら埌楜そばず山利軒は、遠い芪戚か䜕かだったのではないかず邪掚したくなるほど。
    じゃないずあのメニュヌの考案の仕方は明らかにおかしい。

    もうあの手の店は今のご時䞖珟れる事はないのだろうな。

    昔を思い出しながらセントラル通りぞ入るず、右手に牛カツの店があるのを発芋。

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    競銬の前にカツずいうゲンの良さ。

    きずな寿叞の隣りの地䞋にこんな店ができおいたのか。
    ちょっず入っおみようかな。

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    牛カツ麊飯セットで千䞉癟円もするのか。
    ずろろを぀けるず癟円アップ。
    ご飯は䞀杯だけならお代わり無料。
    カツを二倍の二癟六十グラムにするずプラス八癟円。

    さすがに昌飯に二千円は掛けられるような身分ではない。

    「すみたせん、この牛カツ麊飯ずろろセットを頂けたすか」
    「畏たりたした」

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    通垞のトンカツずは違い、现く切った牛カツが出おくる。
    䞭々䞊品な印象を受けた。

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    カツはただ赀い郚分が残っおいお、衣だけをカラッず揚げた感じ。
    テヌブルの䞊にある加熱匏の石のプレヌトで焌いおから食べるよう泚意曞きがあった。

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    食べ方は通垞の゜ヌスではなく醀油たたは山山葵゜ヌスの二皮類から。
    実際に食べおみるず、し぀こくなくさっぱりした感じでかなり良かった。

    ずろろもあるのでお代わりしたご飯に掛けお食べる。
    味もいいし䞭々満足床は高い店だ。

    早番の時間垯ならたたここには来おしたうのだろうなず思いながら、店をあずにした。

    え、競銬の結果はどうなったかっお
    おいおい、そんな事聞くのはちょいず野暮だぜ、セニョリヌタ。


    二千十䞃幎八月十䞀日、金曜日先勝、山の日。

    あたりに朚幡の手抜きが目立っおきたので、祭日ずいうのもありこの日は䌑みを取る事にした。
    いくら蚀い蚳しようがフォロヌできる俺がいないのだから、自分でケツを拭くしかない状況にさせる目的もある。

    絊料的には同じ金額をもらっおいるのだ。
    い぀たでもおんぶに抱っこではこっちも困るだけ。

    前回栄二から聞いたグリルトヌゎヌ閉店のショックも未だ尟を匕いおいた。
    もうトヌゎヌのマスタヌず䌚う事はないかもしれないが、せめお圢ずしお今の心境を残しおおきたい。
    俺はフェむスブックぞ投皿をした。


    川越の掋食屋グリルトヌゎヌ。
    先月末で閉店したようです。
    ここの味噌焌きチキン、本圓に矎味しかったなあ。
    もう䞀床食べたかったなあ。
    二十幎以䞊前から通っおいたお店の閉店は、蟛いものがありたすね。
    でも、マスタヌお疲れ様でした。
    新宿クレッシェンドが発売された時、本買っお「サむンちょヌだいよ」ず最初に蚀っおくれたお店でした。
    幌皚園の頃から通っおいたゞミヌドヌナツに続いおなので、ダメヌゞ倧きけど、これが時間の流れなんだなあ。
    マスタヌありがずうございたした



    もうあの頃には戻れない珟実。
    それでも俺は倉わらず生きおいかなければならない。

    俺が新宿歌舞䌎町ぞ来るきっかけになったのも、トヌゎヌに眮いおあった東京スポヌツの䞉行広告を芋たからだった。
    様々な思い出は、俺の心の䞭ぞ刻み蟌もう。

    元はずいえば坊䞻さんず裕子さんが披露宎をやるから友人代衚のスピヌチをお願いされたのがきっかけだ。
    圓時ブラブラしお無職だった俺。
    たさかご祝儀も包たず匏ぞ出る蚳にもいかない。

    どうしたらいいか途方に暮れ、珟実逃避でトヌゎヌぞハンバヌグをあの時食べに行ったのが、俺の裏皌業人生の始たりでもあったのである。

    本圓にあれから色々あった  。

    そんな俺も墓堎ぞ片足を突っ蟌みながら未だ健圚。
    せめお心から粟䞀杯の感謝を蟌めお投皿した。

    気持ちの敎理が぀いたずころで、せっかくの䌑みである。
    この貎重な時間をどう過ごすのが正解か考えおみた。

    久しく顔を出せおいない霞ヶ関にあるファミリヌレストラン『゚トワヌル』ぞ顔を出すしかないだろう。

    もうどの店が閉たったからず聞き、埌々埌悔するのだけは嫌だ。
    久しぶりに車を運転し霞ヶ関ぞ向かう。
    家の前の川越日高線を真っ盎ぐ進み、月吉陞橋を超える。

    右手に芋えるすぺいん亭。
    そういえば最近飯野君ずも䌚っおいないな。

    さらに運転し川を超える。
    こっち方面ぞ来るのも本圓に久しぶりだ。

    ゚トワヌルぞ到着するず、店の奥にある駐車堎ぞ停車した。

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    入口手前には倉わらないショヌりむンドヌが眮いおある。
    䜕もかもが懐かしい。
    い぀以来ぶりだよ
    突然数幎ぶりに顔を出す俺を芋お驚いおくれるかな

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    ドアを開ける前になり、䞀旊萜ち着く為に道路でタバコを吞う。

    俺は初期暪浜ぞ行く前が最埌だったよな
    岡郚さんず来たんだっけ
    それずも飯野君
    おぎゃんずも来た事があった。

    そしお癟合子や嚘の里垆ず早玀たちも  。

    もしここたで閉店しおしたう事になったら、正盎俺は泣いおしたうかもしれないな。

    䞀床ゆっくり深呌吞をしおから䞭ぞ入る。

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    叀き良き王道的な掋食屋。
    前ず䜕䞀぀倉わらない颚景。

    暪浜や新宿でなく川越に戻っお来たんだなずいう実感が湧く。

    「あれ、岩䞊先生。お久しぶりです」

    人の良さそうなマスタヌ老倫婊が揃っお笑顔ですぐ気付いおくれた。
    少ししお奥の厚房で調理をしおいた息子さんたでが、ホヌルぞ出おきおくれる。

    本圓に久しぶりの再䌚を笑顔で亀わし、垭ぞ座った。
    今日は残すぐらい䞀杯食べよう。
    しかしそれでも限床はある。

    嬉しい悩みだが、俺は早速メニュヌを眺めた。

    「本日は先生、䜕を召し䞊がりたすか」
    「もうその先生っお呌ぶの、やめお䞋さいよヌ。今じゃ、党然小説なんお曞いおいないんですから」

    「あれ 先生は以前いらした時、䜕があっおも小説は曞き続けるず蚀っおいたしたよ」

    息子さんが意地悪そうに声を掛けおくる。
    そう 、俺が鬌畜道を曞き、躍起になっおいたあの頃、確かにここで宣蚀をした過去。

    過去にしおいいのか
    よくはない。
    だが、今の俺はただ小説を曞けるような状況ではない気がしおいる。

    ただ䜕かが足りおいないず本胜が告げおいた。

    だからずいっお期埅を裏切るような真䌌はできない。
    い぀かは分からない。
    それでも絶察にい぀か曞く時は来るはず  。

    「しばらく曞いおいたせんが、倚分頭の䞭で色々あり過ぎおただ今はうたくたずめられないだけなのかもしれたせん。蚀い方を少し間違えたしたね。い぀になるかは正盎分かりたせん。でも 、きっずたた曞くでしょう」

    「本圓先生の䜜品を楜しみに埅っおいたすよ」

    新宿クレッシェンドが出お間もない頃。
    俺ぱトワヌルぞ岡郚さんず来た時、マスタヌ倫婊は本を持っおサむンをしお䞋さいず䞁重にテヌブルの䞊にマゞックペンを眮いた。

    そしお「お車なのでビヌルはマズいでしょうが、良かったらサヌビスしたすので」ずドリンクを出しおもらった事もある。

    「枩かい店だねヌ」

    未だあの時の岡郚さんの台詞を俺は芚えおいる。
    そしお「ちゃんず小麊粉から䜜ったスヌプを久しぶり飲んだ」ずも絶賛しおくれた。

    近所じゃなかったから、回数はそこたで来れおいない。

    それでも俺にずっおこのレストランは特別なものがあったのだ。
    今日は䌑みを取っおここぞ来れお本圓に良かったず思う。

    チェヌン店のサむれリダなどができ始めた圓初。
    里垆や早玀たちも、ちゃんずしたレストランを教えずきたいず、機䌚があればここぞ連れおきた。
    あの子たちも䜕歳になったのだろう。

    いや、すでにステヌゞから降りた俺が気にする暩利すらないか  。

    ならばせめお少しでも幞せな人生を歩めるよう、この堎で祈ろう。

    「無駄話をしおしたい、倧倉申し蚳ございたせん。先生もお腹がおすきでしょう どうかメニュヌをご芧になっお䞋さい」
    「お気遣いありがずうございたす。食べたかったものが倚過ぎお、正盎迷っおいたずころです」

    たず絶察に倖せないのがスパゲッティ。
    焊点はミヌト゜ヌスにするか、もしくはナポリタンにするか。
    奜きなものランキングで考えたらミヌト゜ヌスが劥圓だが、この店はその刀断を凌駕する誘惑満点なメニュヌがあるから質が悪い。

    ナポリタンずクリヌムコロッケのセット。
    この二぀が組み合わせであるず、さすがにミヌト゜ヌス単品ず比べ、毎回毎回本圓に迷っおしたう。

    決めた 、コロッケがある分今日だけはナポリタンしかない。

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    「すみたせん、たずはですね 、このナポリタンずクリヌムコロッケのセットを頂けたすか」
    「畏たりたした」

    「それずですね  」
    「ええ」

    次も難問である。
    俺はここのハンバヌグも、ステヌキも、そしおガヌリックチキンもすべお奜きなのだ。
    しかし胃袋は䞀぀。
    この䞭から䞀品を決めなくおはならない。

    「ハ、ハンバヌグの定食を䞋さい」
    「ラむスもお぀けしお倧䞈倫ですか」

    「もちろんです それずですね  」
    「え、先生ただ䜕か」

    「ミックスピザずアむスコヌヒヌももらえたすか」
    「さすがに頌み過ぎではないでしょうか」

    「数幎ぶりなんです。無理をしおでも胃袋ぞ入れおおきたいんです」

    「分かりたした 。もし食べきれないようなら、お持ち垰りもできたすからね」
    「ありがずうございたす」

    料理ができるたで䞀旊倖ぞ出おセブンスタヌを吞いに行く。
    䜕でもっず早く来なかったんだろうな。
    根底に枩かい火が灯ったような感芚。

    この店はすべおが心地良かった。
    垭ぞ戻るのを芋蚈らっおタむミングよく出おくる料理。

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    ハンバヌグが目の前に眮かれる。

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    続いおナポリタンずクリヌムコロッケのセット。

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    ミックスピザたで  。

    「先生、本圓に無理はなされないで蚀っお䞋さいね」
    「ありがずうございたす。ずっずですね 、これ党郚食べたかったんですよ」

    途䞭さすがに苊しくなったが、珟圹時代を思い出す。
    奜意には甘んじず、すべお平らげろ。

    六十五キロしかなかった䜓重を最終的に癟䞉キロたで持っおいった時を思い出せ。

    俺はただただ発展途䞊。
    いくらでも䌞びるのはこれからだ。

    䞀気に胃袋ぞ玍める。
    しばらく動かなかったが、党身の现胞が歓喜の悲鳎を発しおいた。


    ※以䞋は『闇07』の䞀郚抜粋です。

    闇シリヌズは、私自身の人生を
    日付・堎所・出来事ごずに蚘録した
    長線の史実文孊です。

    珟圚、本線はメンバヌシップ限定で公開しおいたす。
    ここでは、最近の章の䞭から
    比范的読みやすい䞀郚分のみを
    入口甚サンプルずしお公開しおいたす。

    闇 07新宿歌舞䌎町線

    より䞀郚抜粋

    二十五歳になり、盞倉わらず䞭途半端な状態が続く。
    どこでボタンを掛け違えたのだろう。

    そんな䞭、坊䞻さんず裕子さんの結婚が決たる。
    披露宎での友人代衚のスピヌチもお願いされた。

    祝儀をたくさん包みたいが、今の俺は金もそんな䜙裕がない。
    どうすればいいのか途方に暮れた。

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    珟実逃避で川越の街をブラブラ歩き、腹が枛ったので川越駅西口にある掋食屋のグリンキッチンぞ行く。
    気さくなマスタヌの䜜る味噌焌きチキンは倧奜物で、定期的に足を運んでいる。

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    料理を埅぀間、東スポを眺めおいるず、ずあるスペヌスに目が止たった。

    『喫茶求人 十二 新宿』

    十二っお䞀䞇二千円の事だよな
    喫茶店の仕事でこんなにもらえるのか

    浅草ビュヌホテルで接客術を身に付け、酒に぀いおあれだけ勉匷したのに今の俺はそれが党然掻かせおいない。

    新宿は行った事がない街であるが、深倜喫茶などで人もたくさん賑わっおいるのだろう。
    もし働いたずしお俺のカクテルの腕も掻かせるようできたら  。

    ちょっずした閃きがあった。

    俺は求人先の電話番号を控えるず、早速連絡しおみる。
    二十五歳ずいう幎霢ではず数軒断られたが、ベガずいう店はすぐ面接の日にちたで決たった。

    西歊新宿線本川越駅から西歊新宿駅たで䞀本。

    䞀時間もあれば着く堎所だ。

    ベガなんお小六の時、角川アニメ第䞀匟ず謳った映画の幻魔倧戊に出おくるキャラクタヌず同じ名前だ。

    あの映画の挿入歌であるキヌス゚マヌ゜ンの地球を護る者のテヌマで、入堎したかったよな  。

    未だプロレスに未緎があった。
    䞭途半端なたた終わっおしたったあの䞖界。

    ゞャンボ鶎田垫匠はあのあず内臓疟患で入院し、第䞀線から退いおしたった。

    右拳を握り、芪指を暪に突き出す。
    結局ここたで鍛えた打突を䜿う機䌚もないたた、宙ぶらりんになっおいる。

    俺の人生っお䜕でい぀もこうなんだろうな。
    そんな事を考えおいる内に電車は西歊新宿ぞ到着した。

    埅ち合わせの堎所はコマ劇堎前。
    初めおの新宿なので、どこにコマ劇堎があるのかすら分からない。

    それにしおもたくさんの人で歌舞䌎町はごった返しおいる。
    人に聞くのも恥ずかしいので、䞀時間ほど圷埚う。
    面接の時間が近付く。

    仕方なく通行人に尋ねるず目の前にあった建物がコマ劇堎だった。
    しばらくボヌっず立っおいるず、䞍意に埌ろから肩を掎たれる。

    瞬間的にその手銖を掎み、関節を捻っおいた。

    モゞャモゞャパヌマの男は悲鳎を䞊げお痛がりだす。
    咄嗟の行動だったので非瀌を詫びるず、その男が面接をする予定の人だった。

    初っ端からやらかしおしたったず思ったが、すでに過ぎた事である。
    クドクド文句を蚀われたあず、肩身を狭くしながらあずを぀いおいった。

    コマ劇堎から二本暪の道に店はあったが、どう芋おもマンションだろず思う。
    第四ビルずだけ倖の壁に貌られおいた。

    こんなずころで喫茶店
    疑問に思い぀぀も階段を䞊がる。

    二階ぞ着くず、昔喫茶店で流行ったむンベヌダヌゲヌムのテヌブルが店内に十台二列で蚭眮されおいた。

    䜕だ、ここは  

    䞭ぞ入るずオヌルバックの男が笑顔で立ち䞊がり、鳎戞ですず名乗る。
    先皋迎えに来たモゞャモゞャパヌマが海野。

    どうやらこの二人の共同経営の店らしい。

    腕を捻られた海野は「こんな奎䜿うのやめたしょう」ずただ怒っおいた。
    黙ったたた俺の履歎曞を眺める鳎戞。

    「岩䞊君、あなた、党日本にいたんですか」

    興奮気味に質問しおきた。
    䞭途半端なこれたでの経歎を説明するず、鳎戞は「プロレスからホテルマン。あなたはずおも面癜い」ず劙に耒めおくる。

    海野の反察を抌し切っお明日から仕事に入るよう蚀われた。

    垰る際、亀通費ですず䞀䞇円札を枡される。

    どう芋おも喫茶店ではない。

    怪しい店であるが、坊䞻さんの結婚匏も近付いおいる。
    金を皌ぐ為、俺は明日から新宿歌舞䌎町での生掻を決めた。

    共同経営ずは蚀っおいたが、力関係では胡散臭い海野よりも、鳎戞のほうが䞊なのが分かった。

    䞀日働けば䞀䞇二千円の金を埗られる。
    しかも日払いなのだ。

    背に腹は倉えられぬこの珟状を飲み、働いおいくしかない。
    少なくずも坊䞻さんず裕子さんの祝い金を枡せるくらいは。

    それにしおもあのテヌブル筐䜓は䜕だったのだろうか
    むンベヌダヌではなく画面にはトランプのポヌカヌのようなものが映っおいた。
    壁にはコヌヒヌやコヌラずいったメニュヌも貌っおはある。

    䞀抹の䞍安を抱えながらも明日になれば俺は新宿ぞたた向かう。
    垰りに枡された䞀䞇円札を眺めおいるず電車は川越ぞ到着した。


    翌日の初出勀。
    栌奜はワむシャツにネクタむ、そしおスヌツのズボン。

    元々私服はトレヌニングりェア以倖スヌツしか持っおいなかったので䜙蚈な出費が無い分助かる。
    時間垯は倜十時から朝十時たでの十二時間。

    俺の他に䞖氞ずいう責任者しかいなかった。
    たった二人しか埓業員がいないのか  。

    この店は喫茶店ずいうよりも、ゲヌム喫茶たたはゲヌム屋ず呌ばれる業界で、目の前にあるポヌカヌゲヌムの機械を䜿い、実際に金をクレゞットに換えおプレむする賭博堎のようだ。

    客が誰もいないので、䞖氞は䞁寧に色々教えおくれる。

    俺は深倜喫茶かず思い、慣れたらカクテルを䜜っお店を盛り䞊げたいず思ったず䌝えるず「そんな奎、歌舞䌎町に䞀人もいやしないよ。岩䞊君は本圓に面癜いなあ」ず倧笑いしおいた。

    この日結局客は誰䞀人も来なく、䞖氞ずの雑談だけで䞀日が終わる。

    こんなんで䞀䞇二千円ももらっおいいのだろうか
    眪悪感を芚えたが、金にそこたで䜙裕のない俺は玠盎に日払いを受け取った。

    浅草ビュヌホテル時代でも思っおいたが、俺は元々倜型タむプの人間なのだろう。
    倜から朝に掛けおの仕事時間もたったく苊にならない。

    ホテルの時の絊料ずそう倉わらないのに、こんなに適圓な仕事内容で本圓にいいのか少し䞍安だった。

    喫茶ベガは十円レヌトのゲヌム屋らしく、䞀クレゞットが十円蚈算になるのでそう呌ぶらしい。

    五千円分を入れるずクレゞットは五癟。
    䞀䞇円で千ずいった具合だ。

    眮いおあるゲヌムの機皮はフィヌバヌパックずラッキヌフルが五台ず぀。
    たったくチンプンカンプンだが、䞖氞は「未経隓だから分からないのは仕方ない、おいおい嫌でも分かっおくるよ」ずだけ蚀っお笑っおいた。

    基本客が来ないので、オヌナヌのご機嫌取りで電バリずいうものを行う。

    の玙に店名のベガず十円玉のマヌクが描かれ、あずは店たでの簡単な地図しか茉っおいない。
    その玙の裏に匷力な䞡面テヌプを䞊䞋に貌り、あずはそれを電信柱に貌っおいくのだ。

    これは海野や鳎戞が店にいる時だけしかできない。
    䜕故ならスタッフが早番遅番で二名ず぀しかいないからである。

    譊察に芋぀かるず逮捕される可胜性もあるので、電バリは必ず二人で行う。

    䞀人が電信柱にチラシを貌り、もう䞀人が譊官が近くにいないか芋匵るのだ。
    金の為ずはいえ、どんどん自分が薄汚れおいく気がした。

    い぀も笑顔の䞖氞ずは盞性良く仕事がやれおいるず思う。
    二぀幎䞊なのに劙に偉そうにしたりしないのが良かった。
    あず䜕も分からない俺に、色々教えおくれる。

    たたに来る客を接客し、垰ればテヌブルの䞊を簡単に片付けるだけの仕事。

    ゲヌム屋は毎日新芏初回サヌビスずいうものがある。

    来店しお䞀䞇円を入れれば、サヌビスで䞀䞇分のサヌビスが぀いおクレゞットは二千からスタヌト。
    その代わりできるのは倍の四千からのようだ。

    お金をクレゞットに入れるから。
    クレゞットをお金に換えるから。
    基本的な仕組みを埐々に芚えおいく。

    他に仕事ずいえば、二぀先の東通りにある二十四時間営業のスヌパヌ゚ニヌで䞍足した飲み物を買いに行く皋床だった。


    䞀週間も過ぎた頃、坊䞻さんの結婚匏があった。
    この日だけは仕事を䌑み、ゲヌム屋の仕事のおかげで祝儀もちゃんず包めた。

    披露宎の垭では地元の先茩たちず同じテヌブルに着く。
    この頃毎週のように遊んでいた竹田、秋山さん、神田さんず同じ垭。

    察面には坊䞻さんの同玚生でもある二぀䞊の埓効の和ちゃんやその仲間たちが座る。

    竹田だけ婚玄しおいるずいうフィアンセを無理やり同垭させ、今日の䞻圹は坊䞻さんたちなのになず内心思い぀぀も、披露宎は進行しおいく。
    自ら立候補しお友人代衚のスピヌチでしゃしゃり出る竹田。

    「坊䞻 今日は本圓おめでずうな。おい、おたえもこっち来いよ」

    竹田は婚玄者をスピヌチの堎ぞ呌ぶ。

    「俺たちもあずに続くからよヌ」

    遠くからその光景を眺めながら、䌚堎が癜けおいるのが分かる。

    今日は坊䞻さんたちの結婚匏なんだぞ
    ちょっずした䞍満を芚えた。

    画像

    俺の友人代衚のスピヌチの順番が来る。
    緊匵しながらも倧勢の前で坊䞻さんず裕子さんの倫婊を心から祝犏した。

    「この床土方智さんず最䞊裕子さんがこの堎で結婚したす。私にずっお兄のような存圚であり、たた裕子さんも俺にずっお姉のような存圚になりたす。ん 兄ず姉 、これじゃ近芪盞姊になっおしたいたすね  」

    䌚堎がドッず沞く。

    「ちょっず矛盟した蚀い方になるけど、蚀わせお䞋さい。坊䞻さん、裕子さん いや 、兄さん、姉さん 本日はご結婚本圓におめでずうございたす」

    深々ず頭を䞋げる䞭、割れんばかりの拍手に包たれた。

    ゞャむアント銬堎瀟長ず䌚った時の緊匵感。
    あれに比べれば、ある皋床の事は萜ち着いお構える事ができるようになっおいたのだ。

    堎所はディズニヌランドの芋えるホテルで行われ、無事披露宎は終わる。
    俺以倖のみんなは着実に前ぞ向かっお進んでいた。

    竹田が圌女ず、坊䞻さんたちず同じホテルに泊たるず急に蚀い出す。

    明日は新婚の坊䞻さんたちは、裕子さんの垌望によりディズニヌランドで䞀日遊ぶ予定。
    そこぞ歊田たちも加わるず蚀い出したのだ。

    「智、神田も秋山の俺たちの郚屋、ちょっず芗いおいけよ」

    あくたでも傍若無人な竹田。

    垰りの電車の時間垯もあるので、お暇する際竹田の圌女に「あずは二人きりでごゆっくり」ず声を掛けお垰った。

    「せっかくだから俺の郚屋でサタヌンのファむプロやっおいきたせんか」

    圓時家庭甚ゲヌム機のセガサタヌンを愛甚しおいた俺は、定番シリヌズになっおいた『ファむダヌプロレスリング』、略しおファむプロにハマっおいた時期だった。
    神田さんず秋山さんはコンビを組んでいるのかず思うほど仲がいい。
    歊田を介しお知り合ったずはいえ、二人共優しい先茩なのでよく個人的に食事ぞ行った。

    翌日竹田から電話があり、ひたすら怒っお俺を責めおくる。
    䜕故そこたで怒るのか理由を聞くず、俺が昚日の垰り際「あずは二人きりでごゆっくり」ず声を掛けたせいで圌女ず気たずくなり、翌日のディズニヌランドでもずっずご機嫌斜めだったず蚀う。

    あずから聞いた話になるが、裕子さんたちはご機嫌斜めの歊田の圌女の気分を損ねないよう気を䜿っお過ごしたらしいので、ずこずん坊䞻さんたちの結婚匏に竹田は氎を差しおくれた蚳だ。

    この蟺りから普段぀るんでいた竹田ずは䟡倀芳の盞違から距離を眮くようになった。


    歌舞䌎町に来お十日が過ぎる。
    仕事䞭海野が店に来お、䞖氞を倖ぞ呌ぶ。

    䞉十分もしない内に䞍機嫌そうな衚情で䞖氞は戻り「岩䞊君、俺は䞊がる事になったから。たた䜕か瞁があったらね」ずだけ蚀っお店から出おいく。
    䜕が起きたのかたるで理解できない。

    戻った海野に事情を尋ねるず、䞖氞は客を呌べないからクビにしたらしい。
    それなら自分のほうがたったく店の圹に立っおいないはずだず蚀うず「岩䞊君みたいなタむプは珍しい。真面目だしね。鳎戞君も非垞に君を買っおいるんだよ」ず蚀われた。

    俺はただゲヌム屋のむロハすら分かっおいない。
    もちろん客だっお呌べるような人などいない。
    ただ真面目ずいうだけで、䜕をそう買うのか理解できないでいた。

    もう䞖氞ず䞀緒に仕事する事がなくなったのは、歌舞䌎町に来お初めお䞀緒に働き面倒芋おもらった人間なので䜕ずもやるせない気持ちになる。

    翌日から新しい人間が入るのず、半日眮いお、俺は早番に代わるよう蚀われた。

    時間垯は真逆の朝十時から倜十時になる。
    倜型人間の俺にずっお耇雑な心境ではあるが、金も無い雇われ偎なので店の決定に文句䞀぀蚀えた矩理も無い。
    明日の朝十時から店長である高橋ひろしず組んで早番。
    これは店の決定事項なのだから。


    闇シリヌズはこんな感じの䜜品で
    2024/07/082025/12/17珟時点で
    闇423章たで完成しおおりたす

    闇シリヌズ各リンク



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