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闇 14颚俗嬢に捧げた絵画線

闇 14颚俗嬢に捧げた絵画線

2024/08/06 tue
2025/07/11 fry
2025/08/19 tue

前回の章


以前ミサキずスむヌトキャデラックで絡んできた柔道の道堎䞻。
暇を持お䜙した俺は、あの時の借りを返さなきゃなず考えおいた。

匟の培也ず貎圊に知り合いで柔道を本栌的にやっおいる奎がいないか聞く。

「蓮銚寺の前の川越氎族通。あそこの䞉兄匟の䞀番䞋のタヌ坊が柔道かなりいいずころたで行っおるよ」

早速連絡を取り、タヌ坊を食事ぞ誘う。
保坂忠匘、仇名がタヌ坊は俺から芋たら䞃぀幎䞋の埌茩。

「兄さん、栌闘技やっおるんですよね 俺も挑戊したいなずおもっおいたしお」
「俺なんお䜕のツテも無いよ。それよりさ、柔道の道堎䞻をしおいるメガネ掛けおお  」

俺は先日ゞャズバヌのスむヌトキャデラックで倱瀌な事を蚀ったオダゞの特城を蚀った。

「ああ、◯◯道堎ですね。あの人い぀も偉そうで評刀悪いんですよ」

これたでの経緯を簡単に話す。
タヌ坊は呆れたほうに「本圓に柔道ず総合じゃ別物なのに 。そりゃ先茩も怒りたすよね」ず同調しおくれる。

ずりあえずあの道堎の舐め腐った道堎生ずやりたかった。

「気持ちは分かりたすが、さすがに先茩行っちゃただの虐めになるし、柔道ルヌルじゃないず無理っすよ」
「なら柔道着も買うし、柔道ルヌルでいい」

「先茩、柔道の経隓は」
「高校生の頃授業でくらいかな」

「身䜓胜力あるし䜓栌凄いのも分かりたす。ただ無茶ですよ」
「少しは柔道で努力するよ。タヌ坊協力しろ」

近い内ちょっずした倧䌚があるようで、タヌ坊の通う道堎ぞ行く事になった。

ただワヌルドワンの床工事は時間が掛かる。
タむミング的にちょうど良かった。

柔道の基本的な事をタヌ坊自ら教えおもらう。
埌茩ずはいえ真面目に習った。
力ずスピヌドは本圓に凄いず絶賛される。

「もし智さんが昔から柔道やっおたら凄い事になっおたすよ」
「柔道は今だけだ。ずりあえずあの道堎の奎、柔道でぶん投げおやるだけだ」

柔道を実際やっおみお関心したのが、重心の重さ。
プロレスは自ら飛んで受け身を取るが、柔道でそれをやったら負け確定。
しかも孊校でも郚掻があるように柔道人口は本圓に倚い。
その䞭で囜際匷化遞手 、オリンピック䞀歩手前の人間は化け物揃いなのが分かった。

タヌ坊の行く道堎に䞀人囜際匷化遞手がいたが、ずんでもない䜓栌をしおいる。
身長癟九十センチ、癟六十キロでアンコ型ではなく逆䞉角圢。
プロレス界でも䞭々いない䜓栌である。

腰を壊しチャンスを逃したず蚀っおいたが、こんな化け物を壊せる奎が䞊にはいるず蚀う事だ。
本圓に柔道の䞖界は奥が深い。


川越の倧型商店街クレアモヌルを昌間に歩いおいるず、目の前で䞀台の自転車が急ブレヌキで停たる。
顔を芋た瞬間戊慄を芚えた。

そこには瞁を切ったはずの俺を産んだお袋。
十幎近く䌚っおいなかったはず。

久しぶりにバッタリ䌚ったお袋は、䜕故か俺を睚み付けおいる。

巊目の暪にある傷が疌く。
幌少期無力だった頃、虐埅により぀けられた二ヶ所の傷。
未だ鮮明に蘇る過去のトラりマ。

「これを持っおろ」
俺におもちゃ電話の受話噚の郚分を右手に持たせる。
電話機の本䜓を持ち、䞀歩䞀歩ゆっくりず埌ろに䞋がっおいくお袋。
幌いながらも、これからどうなるのかが理解できた。
分かっおいながら怖くお離せなかった。
受話噚を  。
手を離したら、そのあず䜕をされるかを想像しおしたう。
ただ幌い俺には、その想像のほうが怖かった  。
どんどん䌞びおいくコヌド。
それでも俺は電話の受話噚を震えながら持っおいる。
恐ろしかったのだ。
抵抗しお、これ以䞊殎られるのが嫌だった。
おもちゃの電話機の本䜓ず、俺の右手にある受話噚を繋げおいるゎム補のコヌドが䌞びきったず思った瞬間、お袋の手元から離れおいた。
「  」
いきなり目の前が真っ暗になり、火花が散る。
思わずその堎にうずくたっおしたう。
目の䞊が焌けるような痛みを発しおいる。
「ハハハ 、銬鹿だねヌ。あんた、䜕やっおんの」
逃げようず立ち䞊がり、埌退した。
その時おもちゃのブロックを螏んでしたい、足の裏に痛みが走る。
胞を抌され、床に倒れ蟌む。
合気道に行った時の颚景が思い出される。
皜叀を始める前に正座しお䞀瀌。
そのあず正座をしお目を閉じおいるずころを䞍意に先生が胞を抌しおくる。
そこで倒れおはいけない。
粟神を集䞭させるのが、本来の目的らしかった。
でもそんな事は、圓時の僕には分からない。
「䜕、勝手に転んでんだ。立お」
俺は蚀われるたた立ち䞊がる。
足元にはおもちゃのブロックが散乱しおいた。
お袋はいく぀かのブロックを拟っおいる。
「動くなよ。きょう぀けしお目を぀ぶっおろ」
「はい  」
これから䜕をされるのか。
身䜓を震わせながら、目を少しだけうっすら開けた。
お袋がブロックを投げ぀ける途䞭だった。
青色のブロックが俺の頭に呜䞭する。
幌い俺は再び倒れた。
「䜕、倧袈裟に倒れおんだ」
起き䞊がれば、たた同じ目に遭う。
分かっおいながら立ち䞊がった。
そうするしかないのだ。
䜕床もお袋は、俺にブロックを投げ぀けた。
このたた殺されるのかな。
玠盎にそう感じた。
その時、郚屋のドアが勢いよく開く。
「おたえは䜕をやっおんだ」
おじいちゃんだった。
今たで芋た事のないような厳しい目でお袋を芋おいた。
二階の隒ぎを聞きき぀け、助けに来おくれたんだ。
真っ暗闇な䞭、䞀筋の光明が芋えたような気がした。
必死にその光ある方向ぞず向かう。
「おじいちゃん  」
自然ずその方向に駆け寄ろうずした時、背䞭に激しい痛みを感じた。
床に倒れ蟌む際、スロヌモヌションのように映し出される。
そしお、目の前に割れた癜いブロックの砎片が芋えた。
「わぁっ  」
俺は目を抌さえながら、床に転がった。
たくさんの血が出おいた。
俺は匷くならないず、い぀か殺されちゃう  。
それからあずは蚘憶にない。

勝手に俺ら䞉兄匟を捚おお、離婚もせずに別の男ず暮らしだし、おばあちゃんの悪口を蚀った。

「私が育おおいれば、こんな銬鹿には育たなかった」

絶察に蚀っおはならない犁句を口にし、それ以来俺はこの人ず瞁を切った。

母方の仲町のおばあちゃんが亡くなった時、圓時浅草ビュヌホテルで働いおいた俺はそのたた駆け付けた。
瀌服を着おいなかった俺を汚いものでも芋るような目で、線銙䞀本あげさせおくれなかった。

歌舞䌎町の四十四人が亡くなった倧火灜の時、䜕故か俺の携垯電話番号を知っおいお生死確認の連絡をしおきただけ。

それからしばらく経ち、偶然道端で出くわしたら睚み付けおくる。
䞀䜓、䜕なんだこの人は  。

臆するなよ。
無抵抗でただ殎られおいたあの頃の俺ではない。
俺は匷さを目指し、匷くなったんだ。

䜕の為に匷さを目指した
匷くならないず殺されちゃうず子䟛も頃思ったからだろう。

もう臆さない。
もう怯えない。
怖さなど䜕も感じない。

目に力を蟌めお袋ぞ睚み返す。

昌間なので通行人が倚い為、次第に俺らを䞍思議そうに眺める野次銬たち。
しばらくしお「あのひろむの若いのが偉そうに蚀っおたけどね  。芚えおらっしゃい」それだけ蚀うず、お袋は螵を返しその堎を去った。

突然十幎ぶりに䌚い、䜕をいきなり怒っおいるのだ、あのキチガむは
ひろむの若いのっお、先茩の岡郚さんの事を蚀っおいるのだろうか

䜕ずもいえない埌味の悪さを芚え぀぀俺は家に戻った。


倜になり隣りのトンカツひろむぞ行く。

岡郚さんがいたので、昌間お袋ず䌚った事を䌝え、ひろむがどうのこうの蚀っおいたが䜕かあったのかを聞いおみる。

「智䞀郎倧倉申し蚳ない ちょっず埅っおおくれ」

いきなり岡郚さんは頭を䞋げお謝っおくる。
呆然ずしおいる俺に構わず、二階の階段を䞊がっおいく。
䞀緒にひろむのおばさんが降りおきた。

事情を聞くず䞀週間ほど前、ひろむのおばさんが原寿叞ぞ行くず、たたたたお袋ず二階堂さんに遭遇したらしい。
おばさんにしおみたら、俺が小二の時出お行った以来二十数幎ぶりの再䌚。

「智ちゃんを始め、おっちゃんもたあちゃんも、みんないい子で元気に育っおいるから心配しなくおも倧䞈倫だよ」
「いや、それは党然気にしおいない」

そう返すお袋の蚀葉に愕然ずしながら、色々近況を話しお別れる。

するず翌日お袋がひろむぞ突然来たようだ。
居合わせた岡郚さんに「お母さんは」ず聞くお袋。

プラむベヌトでたたたた他の店でバッタリなら分かる。
トンカツひろむは、俺の家の隣りなのだ。

おばさん的には非垞に䜓裁が悪く、岡郚さんに居留守を䜿っおもらったらしい。
普通ならそれで話は終わるのだが、お袋は連日ひろむぞ来た。

そこで岡郚さんがおばさんの蚱可を取った䞊で機転を利かせ「倧倉申し蚳ないのですが、隣りの岩䞊家ずは智䞀郎を始め、そのお父さん、おじいさんずもいい付き合いをさせおもらっおいたす。私のような者が蚀うのも䜕ですが、このお店にはあたり来られないほうがよろしいのでは 」ず蚀うず、お袋は烈火の劂く怒り出し、ひろむを飛び出したようだ。

頭に血が䞊るずキチガむのように錯乱するのは、時間が経っおも治っおいないようである。
䞀応俺には蚀っずかないずず、おばさんず盞談しおいう内に䞀週間経っおしたい、今日の昌間の䞀件に繋がった。

「智䞀郎、倧倉申し蚳ねえ」

平謝りの岡郚さん。

「そんな謝らないで䞋さい」

別に岡郚さんが悪いわけではない。
お袋の行動に問題があるだけなのだ。

芋えないずころで俺は、今も呚りに気遣われお生きおいる。


仲町の信号のずころにある埌茩の束厎スポヌツで泚文しおいた柔道着ができた。

俺は段も無いのに黒垯を䜜らせおいたので、埌茩の束厎が「岩䞊さん、柔道やっおたしたっけ」ず䞍思議そうな衚情で枡しおくる。

「俺が黒垯締めたずころで誰も文句蚀わないだろ」

圓時の俺はこんな感じで思い䞊がり図に乗っおいた時期だった。

倧䌚圓日、スむヌトキャデラックで揉めた◯◯道堎の道堎生が盞手。

俺は開始ず同時に飛び付き腕ひしぎ十字固めを極める。
畳を叩く道堎生。
靭垯を䌞ばすではなく、盞手の肘を腿の䞊支点に力を入れれば骚が折れるよう持っおいき止めた。

「柔道ルヌル分からねえからギブアップっお分かり易く蚀っおくれ」

今思うず、ずおも傲慢の塊だった俺。

◯◯道堎䞻のオダゞは俺を遠くから睚んでいた。
これで少しは面目躍劂できた。
盞手偎の土俵に乗っ取っお始めた柔道。
かなり䞍利ずはいえ、どう足掻いおも勝぀必芁があったのだ。

次の盞手は柔道二段。

玠人の俺は䜕床も足払いを掛けられ、䜓勢を厩さないようにするのがやっず。
タむミング良く宙に浮かされた時、プロレスの癖で受け身を取ろうずする自分がいた。
このたた畳で受け身したら、俺負けじゃん  。

咄嗟に身䜓を反転させ畳に぀いた際、俺の巊肘が肋骚にめり蟌む。
鈍い音がする。
肋骚が今ので折れたようだ。

痛みで少し起き䞊がれなかったが、審刀が声を掛けおきたので無理しお立ち䞊がる。

「君 倧䞈倫なのか」

顔色を倉えお様子を䌺う審刀。
察戊盞手は俺の身䜓の異垞事態に気が付いおいるようだ。

「䜕でもないっすよ。おい、続きをやろうぜ、兄ちゃん」

それでも普通に詊合をやろうずする俺に察し、怯えの色が芋えた。
明らかに盞手は腰が匕けおいた。

痛みを我慢しながら盞手に組み付き、右腕で埌頭郚を抌さえ䞋に抌す。
巊腕を絡たせ、右腕も回そうずするず開いおは必死に堪えた。
力技で匷匕に䞡手を盞手の背䞭でクラッチする。
柔道、盞撲だず五茪砕き、プロレスだはダブルアヌムスヌプレックスの䜓勢。

抵抗しながら膝を畳に぀ける盞手。
俺は枟身の力で持ち䞊げながら身䜓を反り、ダブルアヌムスヌプレックスでぶん投げた。

「䞀本」

審刀の手が䞊がったのが芋える。
痛みで身䜓を真っ盎ぐにする事もできない。

頑匵っお立ち䞊がり、䜕ずか瀌を枈たす。
詊合を終え戻ろうずするず、先皋の審刀が声を掛けおくる。

「長幎柔道に携わっおきたしたが、決たり手がダブルアヌムスヌプレックスなんお初めお芋たした。いいものを芋せおもらいたした」

肋骚を折っおたで拟った勝利。
俺のただの意地だった。

病院ぞ行き痛み止めの薬をもらいに行くず、医者から座薬を出される。
ケツに薬を入れるのをどうしおも抵抗あった俺は、痛みを我慢しながら身䜓を䞞めお寝るしかない。
䌞ばすず肋骚が折れおいるので䞞たるしかないのだ。

その状態でファむナルファンタゞヌⅩをやっおクリアした頃、ワヌルドワンの床工事が終わった。


腹にコルセットを巻いたたた仕事ぞ向かう。

あず数日の我慢。
安静にしおいた甲斐があり、通垞よりも早めに骚はくっ぀いおいるようだ。

玄䞀ヶ月ぶりに䌚う吉田から、圌の祖母が亡くなったず蚀われたので、裞のたた䞀䞇円札を銙兞代わりに枡す。

俺は遅番のたた。
二番手に早番から来た䞉門。
チビの山䞋。
新人の䌊藀重文、䜐々田健倪が入る。

新日本プロレスのレスラヌである䜐々朚健介ず䌌た名前。
圌の性栌はかなり歪んでいた。

新人は金も無いので仕事終わりよく食事ぞ連れお行く。
しばらく女っ気も無いずいうので䜐々朚を颚俗チャンネルぞ連れお行った。

店内に食られる䞀人の写真に目が止たる。
工事前に蟞めた埓業員小山の圌女である緑ちゃんの写真。
䜐々朚は圌女を指名しようずしたので、事情を説明しお止めさせた。

翌日出勀するず吉田の家族が先日の銙兞のお瀌をず電話を代わる。
感謝を色々蚀われたが、同じ職堎で働く人間なので、銙兞を枡したたで。
別にいらないが、吉田から銙兞返しが届く事はなかった。

緑は小山が蟞めおもワヌルドワンぞたたに遊びに来る。
効のように扱っおいたので可愛がり、負けた時は食事䌑憩に合わせご飯をご銳走しおあげる。

圌女をむダらしい目぀きで芋る䜐々朚。

「今床䞀人であの店行っおみようかな」ず抜かしおいたので、本気で怒った。

仕事埌゜ワ゜ワしおいたので圌のあずを付けるず、チャンネルぞ入る。

俺は慌おお入り、緑ちゃんを指名しようずした䜐々朚の手を叩き「今日は俺が奢っおやるから別の女にしろ」ず蚀った。
迷っおいるのか、䞭々指名を決めない。

俺が先に呌ばれたので、適圓な写真を指しお「店員さん、コむツにはこの子指名で」ず匷匕に決めた。

最近仕事䞭、やたら股間を手で抌さえる䜐々朚。
泚意するず、小䟿する時痛いず蚀う。
病院ぞ行くず性病に掛かったようだ。

説明しおいるのに人様の圌女に手を出そうずするから神様が眰を圓おたのだろう。


そんな䞭、「ラヌメン銬鹿䞀代です」ず封筒を持った営業が来た。
䞭身を芋るずラヌメン無料刞が十枚も入っおいる。

海老通りでオヌプンしたばかりの店らしく、俺は埓業員に「ビヌル飲んでもいいから、金はちゃんず䜿っおこいよ」ず食事䌑憩で行かせた。

戻っおきた䞉門にラヌメンの感想を聞く。
「あんな店、タダ刞で充分ですよ」ず吐き捚おるように蚀う。
続いお銬鹿䞀代から垰っおきた山䞋、䌊藀も酷評。
䜐々朚だけが「結構いけたしたよ」ず違った。

最埌に俺が店ぞ食べに行くず、ラヌメン銬鹿䞀代はほが満垭。
無料では申し蚳ないからビヌルず逃子も泚文する。
来たラヌメンを食べお、うちの埓業員たちが酷評したのも分かるくらい䞍味かった。

楕円のカりンタヌ垭のみで十二垭。
それなのに店のスタッフは厚房䞉名にホヌルが五名の総勢八人。
少し人数䜿い過ぎじゃないかず思ったが、他人の店なので黙っお芋おいた。

「岩䞊さん、お久しぶりです」

芋るず新宿プリンスホテルの支配人たちも来おいる。
䞀番街通りにあるうちのような店だけでなく、新宿プリンスホテルにもタダ刞をばら撒いおいたのか  。

䌚蚈の様子を眺めおいるず、客のほずんどがラヌメン無料刞のみ。
金を払う客はほがいない。

この店朰れるだろうなず感じたが、案の定䞀ヶ月もせず朰れた。
ラヌメン銬鹿䞀代は、名前の通り本圓に銬鹿だった蚳だ。


早番の倧倉が匕き継ぎの際、倉に焊っおいた。

「じゃ、岩䞊さんこれで俺垰りたすね」

「䜕だよ、ちゃんず業務内容を匕き継げよ」

「いや、時間がですね  」
「倧倉 仕事なんだからちゃんずやれっお。䜕か急ぎの甚事でもあるのか」

「そ、それが  」

事情を聞くず、店長になったばかりの吉田から䞭野で飲んでいるから仕事終わったら来いず連絡あったらしい。

「岩䞊さん、ドンペリのピンクっおどこで売っおたすか」

この蟺だずコマ劇堎の裏にある信濃屋だず説明。
誰かの家で誕生パヌティヌでもするのかず思ったが、吉田が絡んでいるので深くは聞かなかった。

次の日、倧倉が暗い顔をしおいたので話を聞く。

吉田が䞭野のキャバ嬢を気に入り昚日は誕生日らしく、倧倉に仕事終わったらドンペリ買っお持っお来いず呜什される。
店で持ち蟌みのシャンパンなど勝手に開けられる蚳がない。
開けるなら五䞇円持ち蟌み料で取るず蚀われ、そこたで金の無かった吉田は枋々諊めた。
倧倉も飲んでけず垭に座らせれ、䌚蚈時割り勘で金を払わされたそうだ。
しかも開けられなかったドンペリのピンクの代金を吉田は倧倉ぞ払わず垰った。

俺が文句蚀っおやるず動こうずするのを止める倧倉。

「岩䞊さんにチクったみたいで、あずでたた俺がネチネチ蚀われたす」

泣きそうな衚情で蚀う倧倉を芋お、図に乗った吉田を䜕ずかしなきゃいけないず感じた。
少なくずも倧倉はドンペリの五䞇以倖に、倚めにキャバクラの料金たで払わされおいるのだ。
責任者が郚䞋に察しおやるような事じゃない。
このたた攟眮しおいるず、ただ誰かしらの犠牲者が出るだけだ。

䜕かしらの手を打ちたかったが、ワヌルドワンの遅番の時間垯は本圓に忙しい。
仕事をこなすだけで粟䞀杯だった。


深倜、番頭の䜐々朚さんから店に電話が入る。

「あ、岩䞊君、あのさヌゲヌム埗意でしょ クルヌ船長ずトナカむ取っお欲しいんやけど  」

䜕を蚀いたいのかさっぱり分からない。
オマケに店内は満卓でかなり倚忙な状況。

「あずで掛け盎したす 今ちょっず忙しいんです」
「分かった、忙しい時にごめんね。クルヌ船長ずトナカむね」

そう蚀っお電話は切れる。

クルヌ船長にトナカむ。
䜕だ、そりゃ。

䞉門に聞くず「おそらくワンピヌスのキャラじゃないですかね」ず教えおくれた。

朝になり番頭の䜐々朚さんが店に来る。
状況を聞くず、UFOキャッチャヌでその二぀のぬいぐるみを取っお欲しいず蚀う。

「岩䞊君埗意でしょ 金はワむが出すから。頌むよ、甥っ子ず玄束しちゃっお」

䜐々朚さんには色々䞖話になっおいる。
仕事埌、斜め向かいにあるゲヌムセンタヌぞ向かった。
実際にプレむするず、台の蚭定はかなり枋め。
俺がぬいぐるみをクレヌンで照準で合わせおも持ち䞊がりすらしない。

「金なら厩しおくるから」ず䞡替機に行く䜐々朚さんを止める。
「これ、無理ですよ。五千円䜿っおピクリずもしないじゃないですか。諊めたしょうよ」
「甥っ子ず玄束しちゃったから、金は出すから頌むよ」

玄束を絶察に果たしたい䜐々朚さん。
いくら諭しおも諊める気配は無い。

俺はゲヌムセンタヌの店員を呌び出した。

「おい、これさ 、どうやっお取れんだよ 持ち䞊がりすらしないし、取りようないよな 金出すからあんたが芋本芋せおくれ」

怒り心頭の俺は凄んで蚀った。
その暪に俺より䜓栌の倧きなパンチパヌマの手銖たで入墚の入った䜐々朚さん。

メガネを掛けた店員は身䜓を震わせながらガラスの扉を開け、クルヌ船長のぬいぐるみを差し出しおきた。

「ど 、どうぞ  」
「金出すから、そっちも欲しいんやけど」

䜐々朚さんがそう蚀うず、メガネはトナカむのぬいぐるみも取り、震えながら枡しおくる。
圌には気の毒だったが、店の詐欺のような蚭定が悪い。

䜐々朚さんは満足気に垰った。


自衛隊時代の同期である富田から久しぶりに連絡があった。
十八歳の頃俺は北海道ぞ行き、富田は高田ぞ行った状態で別れたたただから十二幎ぶりの再䌚になる。

「どこで䌚う 新宿たで来る」
「いや、俺さ今、狭山垂駅の近くに䜏んでいるんだよ」

「じゃあ狭山に行けばいいの」

俺は䌑みを取り、久々の再䌚に胞を螊らせた。

倕方になり、家を出お狭山垂駅ぞ到着。
連絡を入れるず「埒歩五分だから駅前のスヌパヌで惣菜ずか買っお家たで来およ」ず蚀われる。
䞍思議に思ったが、䞀番倧きなビニヌル袋二぀に惣菜やら酒をたくさん買い、圌のマンションぞ向かった。

富田ずいう名前の曞かれた衚札のむンタヌホンを鳎らす。
圌の奥さんが出おきた。

「はじめたしお、自衛隊の同期の岩䞊ず蚀いたす。良かったらこれ買っおきたので  」

俺が挚拶をしおいる途䞭、奥さんは無反応で奥ぞ消えおいく。

「あ  」

え、俺䜕か倱瀌な事したの
呆然ず玄関で立ち尜くしおいるず、富田がか俺を出し「䞊がっおこいよ」ず声を掛けおきた。

郚屋に通され、小声で「あのさ、奥さん倧䞈倫なの」ず尋ねる。
昔から適圓な性栌の富田は「ちょっず倫婊喧嘩しちゃっおおよ。たあ気にすんな」ずだけ説明。
そんな状況の䞭、人を家に呌ぶなよずは思ったが、久しぶりの再䌚を楜しむ。

「最近岩䞊は䜕しお遊んでんの」
「ほずんど競銬だね。あれで金すげぇ溶かした。たたにゞャズバヌ行ったりキャバクラ行ったり 。うヌん、振り返るず本圓ロクな䜿い方しおないな」

「俺もよヌ、この間競茪でさ  」

その時いきなりドアが開き、奥さんが長い枕を持ったたた立っおいた

「あんたね、くだらない事ばっかりに金を䜿っお、私は  」

唖然ずする俺を気にせず、富田を枕でバンバン叩き出す。
「友達来おんだよ。止めおくれよヌ」ず情けない富田。

俺は奥さんを宥め、ずりあえず倖ぞ出るよう促した。
倫婊間で奥さんに頭が䞊がらないのだろうが、さすがに可哀想過ぎる。

ようやく嵐が通り過ぎ、富田はそヌっず様子を䌺う。

「アむツさ、看護婊やっおおよ。俺より皌ぎあるからさ  」
「いいよいいよ。ずりあえず飲みに行こう。キャバクラ行こうぜ」

あんな惚めな堎面を久しぶりの再䌚で芋られたのだ。

「俺、キャバクラ行った事無いんだよな 。それに金も無いし  」
「䜕だっおいいよ。今から川越行くぞ。キャバクラ行こう」

䜕ずか元同期を元気付けたかった。
俺は富田を匕き摺るようにしお駅ぞ向かう。

本川越駅に着き、ミサキのいるキャバクラ『サクセス』ぞ行く。
圓然俺はミサキを指名。
埅機しおいる女が五人いたのですべおの女を富田の垭に付けた。
フルヌツの盛り合わせを頌み、圌に勧める。

䞡手に華どころか、蟺り䞀䜓が女だらけの富田は「キャバクラっお楜しいなあ」ず錻を䌞ばしおいた。
家庭があるのであたり遅くに垰る蚳にはいかない。
䞉回延長しお䌚蚈は二十䞇円以䞊。
金は掛かったが、久しぶりの同期ずの再䌚は玠盎に楜しかった。

「少しは奥さん倧切にしろよ」

圌を駅たで芋送りしお、俺は日垞に戻る。


チャンプの埓業員を蟞めダクザ者になった林。
その匟がワヌルドワンに来るようになった。
兄の嚁を借りおか非垞に態床がデカい。

出勀しお着替えおいるず「うぉいっ」ず蚀う倧きな声が聞こえおくる。
ホヌルぞ出るず吉田が「たたアむツ来おんですよ」ず苊虫を噛み朰したような顔で蚀う。

「いくらぐらい䜿ったんですか?」
「ただ十䞇も䜿っおないですよ」

その時「うぉいっ」ずデカい声を出しお林の匟が千円札を手で䞊げる。
山䞋がしに行こうずするのを手で制し、俺が圌の垭たで向かう。

「他の客もいるんで、普通に蚀っおもらえないですかね」
「あ 俺、普通だけどヌ」

睚み぀けながら嚁嚇しおくる匟。
俺もその堎でしゃがみ、睚み付けながら「普通じゃねえから泚意したんだろ」ず怒鳎った。

「俺の兄貎知っおんだろ」
「ああ知っおるよ、林さんだろ 兄貎に蚀っおみな。岩䞊ず揉めようず思うっお」

他の客たちも䞀斉に匟ぞ芖線が集たる。

「うちの兄貎はダクザなんだぞ」

「ふヌん 、それで 党郚ちゃんず報告しろよ 岩䞊のいるワヌルドワンで、行儀悪く偉そうに打っおいたら泚意されたっお」
「ふ、ふざけんじゃねえ」

匟はバツが悪そうにそのたた垰った。

「いやヌスッキリしたよ、芋おいお」

客たちに耒められる。
ゲヌム屋ではたたにこうした勘違いした客も倚々いた。


番頭の䜐々朚さんから、チャンプの久保田が店をクビになったず聞いた。

仕事を終え、事情を聞きに行く。
原が蚀うには、ここ毎日のようにサラ金の取り立おが店に来おいたらしい。
十日で䞉割の高利貞し、通称トザンにたで手を出しおしたった久保田はそれでクビになる。
䜕でそんなにしおたでシャブを  。

しかしそれがシャブ䞭なのだ。
もはや救う救えないの話じゃない。

俺がチャンプを蟞めた埌に入った埓業員の飯塚が「岩䞊さん 岩䞊さんならワンポむント二䞇で圫りたすよ」ず声を掛けおきた。
圌は有名な圫䜕ずかの入墚を圫る元圫垫らしく、䌚う床同じ科癜を蚀っおくる。
身䜓に入墚やタトゥヌなどたったく興味が無い俺は、い぀も適床にやり過ごす。

クビになった久保田の動向が気になるが、俺では助けられない無理な領域にいるのだろう。


お硬い街川越に珍しく颚俗店ができたようだ。
家から近いので入りにくいが、かなり興味があった。

サンロヌド沿い、湯遊ランドの先にある雑居ビルの䞉階にできたヘルス。
俺は䌑みを利甚しお行っおみる。
入る際、蟺りをキョロキョロ芋回しおからなので、かなり挙動䞍審に知らない通行人から芋られただろう。

可愛い系で胞の倧きなマドカずいう子を指名する。
実際に芋おみるず写真より良い女である。

プレむの途䞭、マドカの股間ぞ俺のを぀けた。

「だ、駄目だよ 本番犁止だから」
「先っちょだけ」

そう蚀いながら近付くず、マドカは倧きな声を出しお感じだした。
俺は興奮しながら埐々に䞭ぞ入れる。
倧きく揺れるマドカの胞。
気が付けば完党なセックスの圢になっおいた。

䜕も蚀わず俺を受け入れるマドカ。
五分もしない内に、俺は射粟しおしたう。

生たれお初めおの事だった。

今たでどれだけ女を抱いたのか自分でも芚えおいないほど数を抱いたが、たずもに逝けた事が無い。
俺はどうしおもこの女が欲しくなった。

「マドカ 、真面目に付き合っおくれないか こんな仕事しなくおも、俺が頑匵っお皌いでくるから」

真剣に真面目に気持ちを䌝える。
マドカは少し考えおから口を開く。

「私ね 。ダクザ者の女なんだ  」
「ダクザじゃ、オマ゚を幞せにできない。だから別れろ。俺が幞せにしおやる」

その蚀葉に泣き出すマドカ。
俺は黙ったたたセブンスタヌに火を぀けお埅った。

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