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闇 575詩線23讃矎歌線

    岩䞊智䞀郎

    闇 575詩線23讃矎歌線

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    2026/05/29 fri
    ※これは䞖界で䞀番泣きたい小説グランプリを凊女䜜で取った䜜家が13幎ぶりに曞いた䜜品は䞖界で䞀番駄䜜ず自芚しながら曞き出したビットコむン小説です。
    ※スキ二床抌しナヌザヌは本圓にりザいのでブロックする事にしたした。
    前回の章

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    二千二十二幎九月二十䞀日、氎曜日先負。

    起きおからメッセヌゞが届いおいないかチェックする。
    ちかも枚も、神田もでったんからも無し。

    本圓に俺、知り合いがいないよな。

    フェむスブックの過去の思い出で、今日でピアノ発衚䌚から䞞十九幎ずいうのを知る。
    品川春矎の為にピアノを䞉十歳から始め、楜譜も読めないたたドビュッシヌの月の光を暗蚘した。
    結局春矎が䌚堎ぞ来おくれなかった事で、俺はピアノぞの情熱を倱ったのだ。

    だからこそ、そのあずで小説が生たれた。
    ピアノでは圌女の心を動かせなかったショック。
    しかしその春矎ぞの未緎が、俺に新たなあがきを起こさせたのである。

    坊䞻さんがパ゜コンを教えおくれたから、フォルダずファむルの違いぐらいは認識できた俺。
    そこぞ圓時働いおいた裏ビデオ屋『メロン』の北䞭の愚痎を同僚の山本ぞ蚀った時の䌚話がきっかけだった。

    俺はい぀だっお䞭途半端な人間だった。
    パ゜コンはある皋床䜿いこなせるようになった。
    だけど䞊には䞊がいる。
    坊䞻さんなんお、俺のスキルを䞀ずしたら、千ぐらいの違いがある。
    あんな腐った性栌の北䞭に扱き䜿われ、俺はこれからもずっずこんな調子なんだろうか。
    「岩䞊さん、どうかしたしたか」
    「え、いえ、䜕でもないですよ。北䞭のやっおきた事をそのたた曞いたら、面癜い小説になるんじゃないかなず思いたしおね」
    「䞭々あんな酷い人間いたせんからね」
    「今床、北䞭のこれたでの所業を曞いおみたしょうか」
    俺は冗談で蚀っおみた。
    「岩䞊さんならできたすよ」
    「え」
    「岩䞊さんっお努力家じゃないですか。そう思ったら小説も曞けるんだろうなっお」
    「俺が小説 今たでそんなのやった事もないですよ。冗談で蚀っおみただけです」

    春矎ず出逢い、俺は圌女に聎かせたいずいう想いからピアノを始めた。
    未だ圌女にはザナルカンドを捧げおいない。
    パ゜コンは、坊䞻さんから培倜で週末になるず教わっおいる。
    あたりにも色々な事ができるパ゜コン。
    俺は䜕をしたいのかある皋床目暙を絞り、坊䞻さんから色々教わっおいく。
    詳しくなる床、この人は本圓に凄いずいう事が分かる。
    少しでも远い぀きたかったが、無理だず感じた。
    これほどレベルの違いを感じるのも珍しい。
    「俺は䞭孊生の頃から毎日のようにいじっおんだぜ 差があっお圓たり前じゃん」
    そう蚀っお坊䞻さんは笑っおいた。
    ん、埅およ
    パ゜コンのスキルなら坊䞻さんに远い぀けなくおも、ワヌドを䜿っお小説を曞いおみたらどうだろうか
    さすがの坊䞻さんも小説を曞くなんお思っおもみないだろう。
    正攻法で駄目なら、違う角床で远い぀ければいい。
    これは党日本プロレス時代に知り合った偉倧なる垫匠、ゞャンボ鶎田垫匠を芋おそう思った事である。
    今は亡き、鶎田垫匠。
    初めお接した時あたりのスケヌルの倧きさに察し、いかに自分がちっぜけな存圚かを思い知らされたものだ。
    远い぀きたかった。
    しかしたずもに同じ事をしおいたのでは氞遠に远い぀けない。
    完党なる善玉だった垫匠。
    だから俺は真逆であるヒヌル、悪党の道を意識しお歩んできた。
    プロレスが駄目になっおからも、ヒヌルでいようず決めた。
    どんな圢でもいい。
    俺は鶎田垫匠に少しでも远い぀きたかったのだ。
    あの人が生きおいたなら俺は、未だ頑匵っおリングの䞊で戊う事を遞んでいたかもしれないな  。
    党日本プロレス時代にいた誇りを最近忘れおいたようだ。
    決しお自分を芋倱うな。
    俺はあくたでも俺でしかない。
    だから自分なりの亜流で頑匵っおみればいい  。
    「山本さん、俺、小説をやっおみたすよ」
    俺は新たなゞャンル、小説に挑戊しおみようず決めた。

    「  」

    その小説さえたったく曞かなくなり、もう十䞀幎間も執筆から離れおいる。
    ピアノを匟かなくなっお十九幎ほどではないが、こうしお俺は日々衰えおいくだけ。

    玄二十幎も時間が過ぎたんじゃ、幎も取るよな。
    䞉十䞉歳の時の自分の挔奏動画を恚めしく眺める。

    楜譜も芋ずによくこんな垂民䌚通のような倧䌚堎で、俺も挔奏できたもんだよな  。

    シャワヌを济びお身支床を敎える。

    今日は早出出勀。
    い぀もなら十五時が、四時間早く出るようだ。

    面子は俺ず湯浅ず星野。
    この日、銖が回らないぐらい忙しかった。

    キャッシャヌには俺が座り、湯浅ず星野がホヌル。
    ビップ客がずにかく倚く、䞉぀ある個宀は満垭、他の垭も二垭しか空いおいない状況。
    の単䜍が䞀䞇二䞇でなく、癟䞇から数十䞇単䜍で飛んでくるので、金を数えるのが远い぀かない。
    マネヌカりンタヌは二台あるものの、新札が倚いず途䞭で噛んでしたい、正垞に動かない。
    よっお手で䞀枚ず぀数える䜜業たで加わる。

    次から次ぞ飛んでくるコヌル。
    星野の声はボ゜ボ゜なのでむンカムを通しお非垞に聞きづらかった。
    䜕床も聞き盎し、パ゜コンのキヌボヌドを叩いお客の垭ぞクレゞットを入れる。

    このような時、キャッシャヌが䞀番地獄だ。
    䜕故なら各客のずだけでなく、党サむトの残りクレゞットず客偎のクレゞットの動向を芋ながら、パ゜コンでの䜜業。
    オマケに来た䞀千䞇円に近い金額も数え、パ゜コンの数字ず金を合わせないずいけない。

    入口のむンタヌホンが鳎る。
    モニタヌを芋るず、䞭里たちの䞍動産軍団。

    「すみたせん、只今垭のほうがいっぱいでしお、時間ズラしおお願いしたす」

    湯浅が断りを入れた。
    暇な時ならいざ知らず、こんな状況であんな面倒な客など入れたら排萜にならなくなる。

    店にずっお忙しく面倒な客の定矩。

    が现かい事。
    䞀床に十䞇円を入れず、䞀䞇円ず぀小分けにをするような客は、玔粋に手間が十回になるので店から嫌われる。

    䞉䞇以䞊のを入れるず、必ず出前を頌む客。
    いくら店が経費で出すずいっおも、勝負の前に飯ぐらい食っおこいずいうのが本音だ。

    やたらチャむムを抌し、無駄な甚件の倚い客。
    爪切りだ、この薬をくれだ、䜕でも屋じゃねえんだよず蚀っおやりたい。

    むンタヌホンが鳎る。
    ビップ客の石垣軍団䞉人だった。
    これは入れないずさすがにマズい。

    個宀は埋たり、ノヌマル垭が二぀しか空いおいない状況を䌝えるず、石垣軍団手䞋が垭ぞ座り出す。
    満垭状態になり、尚曎萜ち着いお凊理をしなくおはならなくなった。

    パ゜コンの〇の桁を䞀぀倚く抌すだけで、排萜にならなくなる。
    癟䞇のに察し、このサむトはドル蚈算だから千ドルで送る、こっちのサむトは円蚈算だから癟䞇で送る䜜業。
    䟋えば癟䞇を間違え、十䞇円分のしか送らないず、クレゞットを芋た客はそれだけで烈火の劂く怒り狂う。
    逆に十䞇のを間違えお癟䞇分送るず、ラッキヌずばかり客は䞀気に賭けだすので質が悪い。
    ミスは絶察に蚱されないのだ。

    俺はその間も空いた時間はひたすら金を数え、十䞇円毎のズクにしお揃える䜜業で手䞀杯。

    そこぞ元名矩瀟長の小西が店に顔を出す。
    空気の読めない小西は、キャッシャヌ宀ぞ入るず折り畳み怅子に腰掛け、たずタバコを吞いだす。

    今月で名矩を䞊がった小西。
    珟圚は倉敷がパクられ芁員の名矩を受け継ぎ、呚りのスタッフたちも真面目な圌がなっお良かったずみんなが内心思っおいた。

    暇な小西は元瀟長だずいう嚁厳だけ持っお店に顔を出すだけ。
    䜕もしないなら、忙しいんだからずっずず垰っおくれず蚀いたい。

    「岩䞊さん、悪いけどコヌヒヌ淹れおくれるかな」
    「すみたせん、小西さん。今、むンカム入ったんで」

    俺は小西の䌚話を遮り、湯浅ぞ聞き盎す。

    「えヌ、八卓様、五千、八卓様五千ドルお願いしたす」

    むンカムを通し、湯浅からのコヌルを受ける。

    「はい、八卓様五千 、五千ドル入れたした」

    パ゜コンぞたず顧客の番号の欄ぞの数字を打ち蟌み、続いおマむクロのサむトのクレゞットの欄をリセットしおからパ゜コンぞ数字を打ち蟌む。
    そこで顧客の収支ずサむトの誀差がないかの確認をしおいるず、小西が手を䌞ばしおきた。

    「今、売䞊どうなのよ」
    「ちょっずすみたせん、小西さん 今、ずかやっおいる時なんで」

    「あヌ、悪いねえ」

    戊力になるどころか、身内の邪魔にしかならない小西。
    頌むからそれなら出お行っおくれず蚀いたいのを粟䞀杯我慢した。

    たず本圓に邪魔なのが、ク゜狭いキャッシャヌ宀に居座られるずホヌルずの連携がちゃんず取れない。
    奥に俺がいお、真ん䞭に小西、ホヌルの二人は䞀人しか䞭に入れないのだ。
    せめお溜たったグラスぐらい掗っおくれればいいが、そのシンクの䜍眮にいる小西はタバコを吞いながらコヌヒヌを飲むだけなので、仕事じゃなければ「どけ、ク゜メガネ」ず蹎りをお芋舞いしたいほど。

    「えヌ、九卓様䞉䞇、MG䞉䞇」

    星野のボ゜ボ゜声。
    むンカムだず聞こえ蟛いから、二回ハッキリ繰り返せず決たっおいるのにい぀もこうだ。

    「もう䞀床お願いしたす。九卓に䞉䞇ドルですか」
    「䞉䞇、䞉䞇ドル」

    石垣の連れ、䞉癟䞇円も䞀気に入れるのかよ  。

    慎重にパ゜コンの画面を芋ながらを入力しお送る。
    続いお顧客収支衚ぞ『⑚』ず手曞きで蚘入。
    そこからパ゜コンでの顧客収支衚ぞ打ち蟌み、マむクロのトヌタルクレゞットを打ち蟌んで数字を合わせた。

    ドアの怅子では湯浅ず星野が二人で䞀生懞呜金を数えおいる。
    小西はその様子をボヌっず芋ながら「忙しいねえ」ずタバコを吞う。

    他の垭からも次々呌ばれる店内。
    俺は䞀぀䞀぀の䜜業を䞁重に神経を尖らせ぀぀、ホヌルの様子をチェックしながらパ゜コンも芋る。

    湯浅が「五卓様、クルヌズ千ドル、クルヌズ千ドルお願いしたす」ず蚀えば、被るように星野が「䞉卓八千、四卓䞀䞇五千」ず蚀う。

    「え、星野さん 䞉が䞀䞇五千ですか」

    慌おおむンカムで聞き盎すも、近くに小西が「岩䞊さん 䜕客を埅たせおんだよ 早くしなよ」ず急かしおくる。
    聞き盎す前に仕方なくを入れた。
    次々に他の垭からもが飛び、俺は金を数えるのは䞀旊諊め、パ゜コンの操䜜だけに集䞭する。

    その時ビップペア宀の四卓からチャむムが鳎り、星野が行くず客が怒っおいた。
    俺が䞉卓ず四卓のを間違っお送っおしたったようだ。
    䞉卓が八十䞇、四卓が癟五十䞇円なのを逆に入れおいたらしい。

    自分のミスもあるが、コヌルの星野がハッキリずドタバタの時に蚀わないせいもある。
    俺は慌おおクレゞットを抜こうずするが、勝負する気がなくなったのでしおくれずなった。

    クレゞットをしお画面䞊の数字をたず合わせる。

    「ほら、モタモタしないで、岩䞊さん」
    「分かっおたすよ ちょっず埅っお䞋さい」

    さすがに声を匵り䞊げ、小西の意味のない介入を防ぐ。
    正盎名矩瀟長でも䜕でもなくなったコむツの機嫌よりも、ミスをしないほうが倧事だ。

    金を数え、䞉卓ず四卓の分の金額を星野ぞ枡す。

    キャッシャヌはこれで瞬間区切りが぀いたので、再び金を数え、ズクを䜜り出した。
    湯浅はただ各垭から集めた金を怅子の䞊に眮き、立った状態のたたズクを䜜っおいる。

    「あヌ、チクショり 新札ばかりでカりンタヌ通らない。星野さん、ただそっちの金数えおないすから」
    「あいよヌ。あ、岩䞊さん、四卓の客凄い怒っおるから、本圓にだけは気を付けお」

    「すみたせん  」
    「いや、岩䞊さん、すみたせんじゃなくおさヌ。もっず気を匕き締めないず駄目だよ あ、湯浅、萜ち着いたらコヌヒヌ淹れおくれよ」

    「ちょ、ちょっず小西さん埅っお䞋さいよ」
    「䜕だよ、そんな怒った蚀い方するなよヌ」

    うるせえよ、小西。
    おたえがいるからどんどん蚳分からなくなるんだろ。
    本圓に邪魔だから垰れ、小西ず誰もが思っおいるだろう。

    九卓のチャむムが鳎る。
    星野が向かう。

    「えヌ、九卓、」
    「はい、九卓様、臎したす」

    モニタヌを芋おギョッずした。
    䞉䞇千癟二十二ドル。
    珟金で䞉癟十䞇二千二癟円。

    䜕で䞉癟䞇のを入れずいお、十二䞇ちょっず䞊がっただけですぐしおんだよ  。

    たずパ゜コンの数字を合わせる。
    うん、間違いない。
    玙にも数字を曞く。

    「湯浅さん、そっちのズクっお今、どのぐらいできおたす」
    「ただこっち党郚数え終わっおないんですよ」

    ドアが開き、星野が急かす。

    「湯浅君、ただ」
    「ただっすよ 远い぀かないっすよ」

    二人は必死に金を数えながらズクを䜜っおいる。
    俺も手䌝いたかったが、間にいる小西が邪魔で近付けない。
    呑気にそれを眺めながらタバコに火を぀ける小西。

    俺はキャッシャヌにある珟金を数え盎す。
    するずたた九卓からチャむムが鳎り、早く珟金をず星野が急かされる。

    「湯浅君、あずいくらできおないの」
    「えっず 、こっちで䞉癟䞇すよね だからズクが䞉本䜜れば」
    「ほんず急かしおるからさ」

    俺はキャッシャヌにある金から䞉十䞇円を取り、湯浅ぞ手枡しながら「あずは俺がズク䜜っずきたすよ」ず蚀った。

    䞉十䞇架空で枡したものずしお、パ゜コン画面ず珟金を合わせる。

    「岩䞊さん 珟金合っおんの」
    「合っおたすっお。二床確認しおたすから」

    「もう䞀床やっお」

    「  」

    本圓に小西、コむツ面倒臭いなあ  。

    えヌず、店の数字が八癟䞇䞃十二䞇で、さっきの䞉十匕いお八癟四十二䞇。
    うん、間違いなしず。

    䞉卓ず四卓のビップ客が垰り、石垣軍団は盞倉わらず急かしおいる。
    珟金を枡し、少し䜙裕できおから湯浅ぞ「じゃあさっき枡した䞉十䞇戻しおもらえたすか」ず蚀うず、䞃䞇しか戻っおこない。

    「え 残りの二十䞉䞇は」
    「星野さんが枡しちゃいたしたけど」

    「はあ どういう事です」
    「九卓が、最初に玙袋に入れたたたの金をホッシヌさんぞ枡しおきお、ここから䞉癟䞇以䞊あるから、䞉癟だけマむクロにしおくれず。で、玙袋の䞭、札がバラバラだったから、自分ずホッシヌさんで䞀生懞呜数えながらズクにしおいたんですよ」

    䜕だ、それ
    初耳だった。
    俺はズクがあず䞉十䞇足りないず蚀うから、気を利かせお枡しただけなのに、星野が慌おお二十䞉䞇円たで枡しおしたった。

    垰りそうになる石垣軍団。
    俺は立ち䞊がり状況を䌝えに行こうずした。

    「キャッシャヌの岩䞊さんが䜕をやっおんの」

    小西が止める。

    「だから金を返しおもらわないず、二十䞉䞇のショヌトが出たすっお」
    「だからちゃんず金は合っおいるのか数えろっお䜕床も蚀ったろ」

    「だから䞉十䞇をこっちの金で枡した状態で合っおるず俺は蚀ったんですよ。責任持っお俺が石垣さんずころ蚀っおきたすよ」
    「駄目に決たっおんだろ 店偎のミスを客に蚀う぀もりか あヌ、岩䞊さんのせいで二十䞉䞇も損害出たんだよ ショヌト。どうすんの」

    「  」

    俺のミスもあるかもしれないが、これは明らかに連携ミスだろ  。

    「金が合わないのはキャッシャヌやっおる人間の責任だから どうすんの」

    おたえが邪魔だから、連携が党然取れなかったんだろうが

    「  。自分で埋めたすよ  」
    「あのねヌ、そういう問題じゃないんだよ」

    もう嫌だ、こんな職堎  。

    貯金おろしお自分の金で損倱埋めお、ずっずず蟞めよう。

    あれだけ忙しかった客があらかた匕き、萜ち着いた状況でハッキリしおいるのは、店の二十䞉䞇円のショヌトずいう珟実だけ。

    暇になるず小西は「ちゃんずやんなきゃ駄目だよ」ず捚お台詞を残しお去っおいく。
    倜の十䞀時たでの時間が苊痛で堪らない。

    䞭番の南沢が暗く沈んだ俺を気に掛け色々話し掛けおくるが、正盎攟っおおいおほしかった。

    あれは俺だけのミスなのかずいう疑問。
    確かに基本的にむンカゞは金を扱うキャッシャヌさえちゃんずしおいれば、ショヌトが出る事はない。

    しかし今日に限っおは手元に党郚金が無い状況ず、特殊な客のによっお起きた連携ミスなのだ。

    これたで枡り歩いたむンカゞで、ここたで倧きな金額の穎を空けた事など䞀床もなかった。

    過去の倱敗ですぐ思い浮かぶのが『゚むト』の時だ。

    以前来た反瀟䌚的な䞉人組が来る。
    癟䞇単䜍で勝負をするので、俺は楊ずキャッシャヌを代わった。
    を入れるのをモタモタするだけで、圌らず揉める原因になり兌ねないからだ。
    「䜕や、岩ちゃん。ワむだっおキャッシャヌくらいできるんやで」
    「楊さん、それよりもホヌル芋お䞋さい。坂本ず束尟じゃ、いたいち慣れおいないんで」
    皮肉な事に、こんな時に限っお他の客も同時に入っおきた。
    前回ナむフを出しおきた加藀明。
    『゚むト』元々の倪客の前川。
    ホストの湊ず姫川。
    ここは絶察にキャッシャヌを俺がやらないず、間違いが起きる。
    ずおもじゃないが楊じゃ、悪いけど凊理しきれないだろう。
    䞉人組は十六、十䞃、十八卓。
    加藀明は二卓。
    前川は二十二卓。
    「あヌ、十六卓五千」
    「二卓六癟」
    「あヌ、十䞃は䞉千。十八は四千」
    束尟ず坂本がキャッシャヌぞ金を持っおきお、同時にコヌルをし出す。
    「ちょっず埅っお 䞀人ず぀しか凊理できないんだから、順番にお願い」
    むンタヌネットカゞノのキャッシャヌは、あくたでもパ゜コンを䜿っおを送るので䞀人䞀人順番にやっおいくしかない。
    䞀気に客が来たので、ホヌルにいる䞉人はかなり混乱しおいる。
    持っおきた金を目の前に眮かれ「十六、五千」ず束尟が蚀う。
    「十六卓が五千ドルですね」
    俺はマりスで操䜜しながら、十六卓ぞ五千ドルを送る。
    「二、六癟」
    坂本が、先ほどの五十䞇円の䞊に札を重ねた。
    「ちょ 、ちょっず䜕をしおんの」
    「はい、十䞃、䞉千」
    俺が制止しようずするず、束尟たでその䞊に札束を重ねだす。
    「おい、䜕をしおんだよ 重ねるなよ 重ねるなっお、束尟」
    「えヌず、十八、四千」
    「  」
    すべおの金を重ねおしたう二人。
    しかも十䞇ず぀のヅクも䜜らず、そのたた䞀䞇円札を無造䜜に重ねおしたった。
    仕方なく客ぞのを優先し、それぞれの卓ぞクレゞットを送った。
    十六卓が五千ドルに、二卓が六癟ドル。
    十䞃卓が䞉千ドルに、十八卓が四千ドル。
    玙に卓番ず客の名前、それぞれのを曞く。
    そのあずでマむクロのポむントの照らし合わせをする。
    次に眮かれた珟金を数える。
    党郚で癟二十六䞇円なきゃいけない。
    本来なら、客の別に金は眮くものだ。
    それを坂本ず束尟の銬鹿二人は、すべおの金を重ねお眮いた。
    䟋えば二千ドルず蚀いながら、受け取った金が十九䞇しかない堎合、䞀䞇円ショヌトする。
    そうなるず珟堎で身銭を切っお埋めなければならないのだ。
    「岩ちゃん、二十二卓䞀䞇ドル」
    「はい、二十二卓、前川さんで䞀䞇ドル。あ、楊さん お金を重ねないで䞋さい」
    え、癟二十四䞇しかないじゃん  。
    二䞇円足りおいない。
    こういう事があるからこそ、客から受けた金は別々に眮かないずいけないのである。
    䜕床数えおも癟二十四䞇円。
    俺は坂本ず束尟に、文句を蚀う。
    「二䞇円足りおなかったよ ちゃんず金数えたの」
    「自分は数えた」
    「俺も数えたした」
    「だから金を重ねるなっお䜕床も蚀ったのに  」
    本圓にコむツらたったく䜿えない。
    どうするんだよ、二䞇円もショヌトさせお  。
    「䜕や䜕や」
    楊が口を挟んできたので状況を説明する。
    「珟金が二䞇足らんのか それはキャッシャヌやっおる岩ちゃんの責任やな」
    「  」
    䞀日十二時間働いお䞀䞇二千円。
    こんなくだらないミスをすべお俺のせいにされ、二䞇円を埋めなきゃならない仕打ち。
    本圓にくだらない店だ。
    本圓にいい蟞め時なのかもしれない。
    坂本ず束尟のミスで、俺は先日二䞇円の金を埋めされられた。
    䜕で働いおいお赀字にならなきゃならないんだ
    楊は責任をすべお俺䞀人ぞ被せ、ミスの原因ずなった坂本ず束尟には䜕のお咎めも無し。
    本圓に理䞍尜な仕打ち。
    それでも俺を慕っお来おくれる客がいる。
    腐る蚳にもいかない。
    䜕ずも蚀えない耇雑な気分のたた、仕事を続けおいた。

    䞋手な責任感など持぀からこのような目に遭うのだ。
    あたりに阿呆らしいので、ミスしようがキャッシャヌを楊ぞやらせるよう促す。
    倪客前川が来店。
    毎回癟䞇単䜍の勝負をするので、接客にも神経を䜿う。
    倪客に察し、坂本や束尟を行かせられない。
    䞀回で二十䞇円匵れる奥の列ぞ進む。
    十五卓ぞ座った前川。
    隣の十四卓ではホスト颚の客がスロットを回しおいる。
    「ほい、入れお」
    前川は癟䞇円の垯び付きを出す。
    「十五卓様、前川様でマむクロ䞀䞇ドル。十五卓様マむクロ䞀䞇ドル、お願いしたす」
    コヌルを飛ばし、数えおからキャッシャヌぞ金を持っおいく。
    「えヌず十五 、䞀䞇はれロを四぀やな」
    おが぀かない手぀きでパ゜コンを操䜜する楊。
    俺は金を眮いお再び十五卓ぞ戻った。
    ちゃんず十五卓の垭に䞀䞇ドルのクレゞットが反映したかを確認する為である。
    しかし䞀分経っおも二分経っおも、クレゞットは出おこない。
    䜕やっおんだよ、あい぀。
    倪客なんだから早く入れろよ。
    チラッず隣の十四卓のモニタを芋る。
    クレゞット癟十だったのが、䞀䞇ドル増えた。
    あの銬鹿、間違っお隣にいれやがったのか。
    俺は走っおキャッシャヌ宀ぞ向かう。
    「楊さん 䞀䞇ドルどこぞ入れたした」
    「䜕や䜕や  」
    「あヌ、もうどいお」
    緊急時なので俺は楊を突き飛ばしおどかす。
    ずの履歎を確認。
    やはり、楊は間違えお十四卓ぞ䞀䞇ドルを送っおいる。
    俺は十四卓のクレゞットをした。
    「楊さん、十五卓に䞀䞇ドルしずいお䞋さい」
    履歎の郚分をプリントアりトしお、十四卓ぞ持っおいく。
    「プレヌ䞭すみたせん。先ほどキャッシャヌで間違っお䞀䞇ドルのが入ったんですね」
    「え、そうなんすか」
    十四卓の客は惚けたが、知らないはずがない。
    目の前で二桁は違うクレゞットがいきなり反映されたのだから。
    俺は先ほどプリントアりトした玙を芋せながら説明を続ける。
    「それでこちらの手違いずはいえ、ご迷惑をお掛けしたしたので、元のクレゞット分二癟二十ドルに加え、二十ドル分のサヌビスを臎したすのでご了承䞋さいたせ」
    「あ、䜕かすみたせん」
    「いえいえ、それではごゆっくりずご遊戯をお楜しみ䞋さい」
    䞀瀌しお䞋がる。
    「おい、ただ入んないの」
    十五卓の前川が声を掛けおきた。
    「すみたせん、確認臎したすので少々お埅ち䞋さい」
    楊の奎、ただ䞀䞇ドル入れおないのかよ  。
    俺は再び走っおキャッシャヌ宀ぞ行く。
    「楊さん 䜕で十五卓に䞀䞇ドル入れおないんですか」
    䜕故か楊は俺を睚み付けおいる。
    「岩ちゃん、ワむをさっき突き飛ばしやがったな」
    「楊さん そんな事よりも十五卓の」
    「䜕を蚀うおんのや、おい」
    「もういい。どけよっ」
    俺は楊を突き飛ばし、十五卓ぞを入れた。
    「おたえ、たた人を突き飛ばしたな」
    目を剥き出しお敵意を芋せる楊。
    コむツのミスを俺が救っおあげた事が䜕も分からないのか
    最初に䞀䞇ドル 、癟䞇円のを間違っお十五卓ではなく隣の十四卓ぞ入れたのは楊自身。
    だからすっ飛んでここぞ来たのだ。
    十四卓の客が小狡かったら、突然増えたクレゞットをもっず倧きなベッドをしお䜿う事も可胜だ。
    ずにかく時間を争う事だった。
    だから状況を理解しおいない楊をどかし、俺がすべお凊理したのである。
    そこたでやっおから十五卓の前川にを入れろず蚀い残し、十四卓のフォロヌぞ行ったのだ。
    䞀぀間違えば、癟䞇円のショヌトになっおいた事態。
    そうなった堎合、誰がその癟䞇円を埋めるのだ
    それを最優先で防ぐ為の行動である。
    それを䜕䞀぀仕事できおいない楊が、突き飛ばしたずいう郚分だけを切り取っお、勝手に怒っおいた。
    銬鹿だずは思っおいたが、䜿えなさ過ぎる。
    「のう坂本。さっき岩ちゃんは間違いなくワむを突き飛ばしたよな」
    「ええ、突き飛ばしたした」
    駄目だ、コむツら  。
    脳みそに蛆虫でも湧いおんじゃねえのか
    「もういいわ  」
    「䜕だっお、おい」
    「どけよ  」
    楊を乱暎に突き飛ばす。
    「ちょっず」
    「おたえもどけ」
    目の前に立ち塞がる坂本も、手で払いのける。
    もうこの店は限界  。
    勝手にすればいい。
    こういう銬鹿だけで勝手にやればいいのだ。
    俺は仕事時間途䞭にも関わらず『゚むト』をあずにした。

    ふず以前䞍倫関係にあった牧垫劻の望の蚀葉が頭によぎる。

    「智さん、聖曞の詩線二十䞉篇は、神が守っおくださるから、私は䜕も恐れないっお、絶察的な安心感を歌った非垞に有名な䞀節なんだ」

    確か圌女が俺を元気付けようず、ホテルのベッドの䞊で埮笑みながら蚀った台詞だ。

    䜕でこんな時に望の蚀葉を
    神が守っおくれるから、䜕も恐れない

    違う
    神などいないから、こうも理䞍尜な事ばかり襲い掛かっおくるのだ。

    では䜕故詊合前日にゎリが邪魔しにやっおきお、培倜で俺は詊合ぞ臚んだ
    詊合には負け、坂道を転がり萜ちるように䞖間は興味を瀺さなくなり、挙句の果おに印皎すらもらえなかった。

    おじいちゃんが亡くなり、店を頑匵ろうず思った俺に埅っおいたのは䜕だ
    身銭で䞉癟䞇以䞊の損倱だけだったじゃないか。

    ダクザのゲヌム屋では搟取され続け、金が無いのに解攟されなかった。
    十䞀で貞すず小銬鹿にされ、思わず殎ったら癟十䞇円を奪われた。

    か぀お俺を蘇らせおくれた地暪浜ぞ行ったら、四぀の皮類の違う地獄が埅っおいただけだった。

    聖曞の詩線二十䞉篇で俺に圓お嵌たるのは、今日損害を䞎えた二十䞉䞇ずいう珟実的な数字だけ。
    そこに神も仏も存圚しない。

    よく望は無宗教の俺に察し、む゚スキリストの蚀葉を䟋えお慰めおくれた。

    キリスト教が神聖
    どの蟺が

    おたえは俺のチンコに狂っお、神父ず離婚たでした女じゃねえか。
    䞀番思い出すのが倧日本印刷の時だ。

    遅番の仕事䞭、圩色をしおいおも頭の䞭は小説の事を考えおいた。
    䌑憩を取り、タバコを吞いに行く。
    火を぀けお携垯電話を開くず、メヌルが䞀通届いおいる。
    䞭身を芋お驚いた。
    『深倜䞭々寝付けなくお、ドラむブをしおいたす。智さんの事を考えおいたら、気付けば狭山の方向ぞ向かっおいお、今ちょうど倧日本印刷の近くを走っおいたした。ここで智さんが働いおいるんだあっお思いながら。 宮䞋望』
    時間を確認する。
    ただ五分前のメヌル。
    すぐ近くに望がいる  。
    俺は居おも立っおも居られなくなる。
    どうする
    考えるたでもなく決たっおいる。
    俺は班の班長のずころぞ向かい「すみたせん、ちょっず芪戚の叔父さんが急に倒れおしたいたしお」ず嘘を぀いお䌚瀟を早退した。
    眪悪感よりも性欲が勝っおしたう。
    すぐ望ぞ電話を掛ける。
    「あれ、智さん。仕事䞭じゃ  」
    「仕事䞭だったよ。でも望が今近くにいるなんお蚀うもんだから  」
    「え 、本圓に近くに来たからメヌルしおみただけなんですよ」
    「早退しちゃったよ。望に䌚いたくお」
    「ただ 、実は近くにいたす。堎所を蚀っおくれれば車で行きたす」
    こうしお俺ず望の䞍倫は、歯止めが本圓に効かなくなり぀぀あった。
    ホテルぞ着くなり、自分から跚る望。
    前はもっず恥じらいがあり、完党に寝おいるだけの受け身だった。
    圌女は俺ずのセックスで、性欲にずり憑かれおいるように芋えた。
    「望、埅っお。ただ仕事終わりで手が汚れおいるから先に掗わせお  」
    喋っおいる途䞭、俺の口をキスで塞ぐ望。
    䌚う床倧胆になっおいる。
    「今日安党日だから、䞭ぞ出しお  」
    さすがに戞惑う俺。
    䜕床も数え切れないほど抱いたが、望は人劻なのだ。
    圌女は俺ずの逢瀬をどう考えおいるのだろう。
    始めは二人きりで食事から。
    この関係ぞ持ち蟌んだのは俺。
    今では望のほうが積極的なくらいである。
    「倧䞈倫だから 。お願い。智さんのが欲しい  」
    最悪できたら俺もこんな状況の生掻だけど、芚悟を決めよう  。
    課長に頭を䞋げお、瀟員にしおもらえれば少なくずも生掻は安定する。
    俺は望の䞭ぞ射粟した。

    俺の粟子を䜕床自分の身䜓の䞭ぞ受けた
    旊那も子䟛もいる䞭で、䜕床キリスト教を汚した

    「  」

    やめろ 、か぀お愛した女をこれ以䞊䟮蟱するな。

    確かに望は俺から離れお行った。
    俺ずの関係よりも、自分の子䟛を優先しお。

    確かに性欲には溺れた。
    しかし最埌は腹を痛めお産んだ子䟛の元ぞ圌女は蟿り着けたのだ。
    俺の母芪ず違っお  。

    汚れはしたかもしれない。
    それでも俺は望の厇高さを目にし、玍埗しお身を匕けたじゃないか。

    これ以䞊あの子を汚すなよ。
    汚れるのは俺䞀人でたくさん。

    セブンスタヌに火を぀ける。
    煙を吐き、ゆっくりず倩井に消えおいくのを眺めた。

    南沢が煙いず換気扇を倧にしお、倧袈裟に手でパタパタ振る。
    倧麻は吞うが、タバコは蟞めた
    客も埓業員もほずんどが吞う空間でそれはないだろう。
    それなら裏皌業ぞ戻っおくんなやず思う。

    店の電話に今日䌑みの新名矩瀟長になった倉敷から着信が入った。
    星野が出お、トむレぞ向かう。
    今日の二十䞉䞇の損倱の件で、話をしおいるのか。

    正盎星野の本性を俺は知っおいる。
    ク゜生意気な客の金子が二床目に来店した時だった。

    むンタヌホンが鳎りモニタヌを芋るず、客がカメラのずころに身䜓を抌し付けおいおたったく誰だか分からなかった。
    しばらく様子を芋おいるず、少しだけ顔の茪郭が芋えたがいたいち分からずじたい。
    俺は星野に聞いた。

    「誰か分かりたす」
    「さあ 名前聞いおみればいいじゃないすか」

    「お客様、倧倉申し蚳ございたせんが、ご登録名をフルネヌムで  」
    「たたテメヌか、この野郎」

    声で金子だずすぐ分かる。
    星野の顔を芋るず、顔を背けおいたので俺がドアを開けに行く。

    「おたえ、二床も人の名前聞きやがっお、どういう぀もりだ、あ」
    「倧倉申し蚳ございたせん。ただ、モニタヌでよく確認できたせんでしたので  」
    「蚀い蚳ばっかしおんじゃねえよ おたえ、ちょっず倖出ろ」

    この䞉十歳そこそこのク゜ガキの自信は、䞀䜓どこから来おいるんだ
    俺は蚀われるたた倖ぞ出る。

    「おたえ、舐めおんのかよ あ」

    よく動く顎を粉砕しおやるか。
    隙だらけの構え。
    人を恫喝しおいるようで、盞手がどう動くかの譊戒心の欠片もない。
    頭を抱え、膝で打ち抜くか
    それずも巊耳を掎み、右の肘をそのたた叩き蟌むか

    喧嘩を売るなら、盞手がどう動くかたで最善を尜くさないず呜取りになる。
    䜕故この男は、倧声を出しお目をひん剥き、嚁嚇する事しかできないのだろう

    「テメヌ、人の話聞いおんのかよ」

    俺は䞍動の姿勢のたた、ゞッず金子の目を芋据え、静かに口を開く。

    「ええ、気分を害された事にはお詫び申し䞊げたす。ただ、むンタヌホンを抌した埌は、カメラから距離を取っお頂けない事には誰も分かり兌ねたす」

    䞀番いいのがこれで、短気なこの銬鹿が殎り掛かっおきおくれればいい。
    俺は目線を倖さず、盞手の肩の䜍眮を確認する。
    少しでも動いお殎り掛かっおきたら、蚀い蚳がきくように䞀発だけ食らっおやろう。
    そのあずは止めるふりをしながら、頞動脈を締めお萜ずしおやればいい。

    しかし金子は怒鳎るだけでそのあず店内ぞ入っおしたった。
    この䞀件で星野がフォロヌを入れる事はたるでないたたこの日を終える。

    翌日この話を聞いた小西は、俺にたた意味䞍明な説教をしおきた。

    「たったくそんなんだから、金子さんにドダされんだよ」

    党身の血が逆流したような感じだった。
    この銬鹿があの金子をそこたで図に乗らせ、間違った察応をしおいない俺が無胜だず蚀うのか

    あの時はグッず堪えた。
    䌊達に酒ぞ誘われた時、愚痎っお終わりにした。

    でも、今日のケヌスはもう無理だず思った。
    自身の矜持を守る限界点に達しおいたから  。

    星野の性栌だ。
    自分の連携ミスは蚀わず、俺の倱態だけを倉敷ぞ話しおいるに違いあるたい。

    俺がこれからする事は、身銭で金を埋めお、この店を蟞める事。
    残りの金いくらになるんだ
    匕越しをしたばかりなのに。

    たあいいさ、歌舞䌎町ならどこだっお仕事はある。
    䜕もこんな理䞍尜な店にいる必芁性はない。

    ドアが開き、星野が電話を代わるように蚀っおくる。
    俺はトむレぞ行き、倉敷ぞ今日の状況を詳现を包み隠さず話す。
    それから最埌に蚀った。

    「倉敷さん 今回の件は自分の倱態です。なので二十䞉䞇身銭で埋めたす。ただ、それで店を蟞めさせお䞋さい」

    そのケヌスを想定しおいなかった倉敷は慌おお俺を静止した。
    そしお機嫌を取るように「結局のずころ、悪いのは邪魔だった小西さんっお事ですから。あず埋めなくおいいです。それを䞊から説教もらう為に、自分がいるんですから」ず蚀っおくれる。

    俺は自身の非瀌を詫び、䞁重にミスした事を謝眪した。

    項垂れたたたアスクルヌムぞ戻るず、䌊達からが入る。
    店に入ったばかりで、俺の倱態を芋たので驚いおいたようだが、時間合わせお飲みに行きたしょうず曞いおあった。

    自分で裏皌業の䞭ではかなり優秀だずいう自負がある俺。
    それは近くで仕事ぶりを芋おきた䌊達には分かるはず。

    近い内時間を䜜り、圌に愚痎りたかった。

    ベランダから新倧久保駅のホヌムを眺めながら、䜕ずも蚀えない䞀日を振り返る。

    『仕事でミスしお二十䞉䞇の損害出しちゃった  。自己嫌悪。 岩䞊智䞀郎』

    神田ぞメッセヌゞを送っおから、シャワヌを济び続けた。
    ミスはミス。
    俺がもう少ししっかりしおいたら、あの二十䞉䞇の損倱は防げおいたのに  。

    シャワヌを終え、郚屋ぞ戻る。
    しかしこの日、神田からの返信は無いたただった。

    久しぶりに望ず䌚いたいな  。

    俺は携垯電話を手に取り、圌女の連絡先を出す。

    「  」

    銬鹿だな、俺は  。

    あの本を出しお戊ったあず、転がり萜ちた俺に察し、望は受け入れ慰めおくれたじゃないか。
    あの時、神は救っおくれなくおも、キリスト教埒である望には救われたのだ。
    感謝も未だある。

    こんな俺が今さらどの面䞋げお、あい぀に送る蚀葉などあるのだ
    子䟛たちず幞せに生きおいるであろう望。

    こんな人間が近付いおはいけない。

    携垯電話をベッドぞ攟り投げる。

    早く来月の祭りにならないかな。
    無性に枚の顔が芋たかった。


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