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司会者は二人の物語を届ける人

    30年以上、披露宴の司会者をしています。

    マイクを持って話すのが仕事だと思われていますが、

    本当は少し違います。

    私の仕事は、

    新郎・新婦の物語を見つけ、

    ゲストへ届けること。

    今日はそんな司会者という仕事について、

    少しだけお話しさせてください。

    ______

    披露宴の司会者というと、

    「話す人」

    だと思われることが多い。

    確かに話す。

    マイクも握る。

    進行もする。

    でも、

    私が30年以上この仕事を続けてきて思うのは、

    司会者の仕事は、

    ただ話すことではない。

    二人の物語を届けること。

    それが一番大切な仕事だと思っている。

    打ち合わせで私はよく聞く。

    「どうしてそれを選んだんですか?」

    「どうしてその演出なんですか?」

    「何か思い出があるんですか?」

    時々、

    「司会者さん、なぜそこまで聞くの?」

    みたいな顔をしている新郎・新婦もいる。

    でも、

    私は興味本位で聞いている訳ではない。

    原稿を書くためだけでもない。

    その演出の向こう側にある、

    二人の物語を知りたいのだ。

    例えば、

    ウエディングケーキ。

    フレッシュの生ケーキなら、

    何かこだわりのデザインや、

    想いが込められているのではないか、

    と思うから。

    野球のバットが飾られていたら、

    そこには新郎の青春があるかもしれない。

    クラリネットが飾られていたら、

    そこには新婦の青春があるかもしれない。

    努力した日々。

    仲間との時間。

    悔しかったこと。

    嬉しかったこと。

    そんな人生の一部が、

    ウエディングケーキの一部になっている。

    私は、

    それをゲストに届けたい。

    ただのウエディングケーキではなく、

    物語を語るケーキにしたいのだ。


    私たちは全力でお手伝いします。

    進行も考えます。

    演出も組み立てます。

    ゲスト目線で台本も作ります。

    でも、

    お二人の想いだけは代わりに作れません。

    だから、

    どうか教えてください。

    なぜそれを選んだのか。

    なぜそれをやりたいのか。

    その物語を。


    司会者は、

    二人の物語を届ける人。


    私は今日も、

    その物語を探しながらマイクを握っています。

    披露宴は演出で記憶に残るのではない。

    二人らしい物語があるから記憶に残る。

    だから私は、

    今日も二人の物語を探しているのです。

    ______

    〈司会者の心の声〉

    「私は情報が欲しいのではない。
    物語が欲しいのである。」

    ______

    【今日のウエディングケーキ🎂】

    新郎・新婦が学生時代に情熱を傾けたアイテムが彩りを添えるウエディングケーキ。

    新郎は野球部からイメージするバット&ボール⚾️

    新婦は吹奏楽部からイメージするクラリネットと音符🎶

    学生時代の青春が詰まった、
    お二人らしいウエディングケーキでした。

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    #創作大賞2026
    #エッセイ部門

     
     
    披露宴MC歴30年以上。 たくさんの新郎・新婦との出会いが宝物です。 ご披露宴で感じたことなどをnoteに綴っています。 その他、セルフケアや日常の一コマを。 肩の力を抜いて覗いてみてくださいね。

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