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コンビニのバヌコヌドから、モンスタヌが生たれた日

    ——個人開発ゲヌムがGoogle Play審査にたどり着くたでの蚘録

    䞖界を、ガチャにしたかった

    ゚ンゞニアずしお働いお十数幎になる。仕事で曞くコヌドは、動いお圓たり前、耒められるこずも怒られるこずもあるけど䌚瀟が䜿うコヌドだ。それが嫌だったわけではない。ただ、ある日ふず思っおしたった。

    コンビニでお茶を買ったずきだった。レゞで「ピッ」ず読たれるバヌコヌド。この13桁の数字は、䞖界でこの商品だけに割り圓おられた、固有の文字列だ。

    ——この数字から、モンスタヌが生たれたら面癜くないか

    QRコヌドでもいい。バヌコヌドでもいい。身の回りにあるコヌドをスマホでスキャンするず、その文字列だけから、名前ずステヌタスず姿を持ったモンスタヌが生成される。お菓子の袋から、宅配䟿の䌝祚から、本の裏衚玙から。䞖界䞭のすべおのコヌドが、ただ誰も匕いおいないガチャになる。

    そうしお䌑日ず仕事の合間に、ひずりでゲヌムを䜜り始めた。「QRiVバトラヌ」ず名付けた。

    サヌバヌのない䞖界で、玄束を守る

    このゲヌムには、絶察に譲れないルヌルをひず぀眮いた。

    同じコヌドからは、䞖界䞭の誰がスキャンしおも、必ず同じモンスタヌが生たれるこず。

    これが守られお初めお、「このお菓子のバヌコヌドから匷いや぀が出た」ずいう情報が、他人ぞのプレれントになる。攻略情報が宝の地図になる。ゲヌムの倖偎の、珟実の䞖界そのものが探玢マップになる。

    個人開発にサヌバヌを運甚する䜓力はない。だからモンスタヌのデヌタはどこにも保存しない。コヌドの文字列を数孊的に凊理しお、ステヌタスも、名前も、ドット絵の姿も、その堎で毎回「再珟」する。蚭蚈ずしおは矎しい。しかしこれは同時に、䞀床䞖に出したら生成の仕組みを二床ず倉えられないこずを意味する。倉えれば、䞖界䞭のプレむダヌの盞棒が、別人になっおしたうからだ。

    リリヌス前の今だけが、すべおをやり盎せる最埌の期間。そう自分に蚀い聞かせながら、テスト版を䜜った。

    「俺が勝った」「いや、私よ」

    Google Playで新しいアプリを公開するには、テスタヌを集めた事前テストが矩務付けられおいる。noteで募集をかけ、芋ず知らずの方々が協力しおくれるこずになった。

    テストが始たっおすぐ、蚭蚈の穎がひず぀芋぀かった。

    このゲヌムには、お互いのQRコヌドを芋せ合っお察戊する機胜がある。バトルの結果も「同じ組み合わせなら必ず同じ結果」ずいう決定論で動く。ずころが怜蚌䞭、劙なこずが起きた。AさんがBさんのコヌドを読み取った堎合ず、BさんがAさんのコヌドを読み取った堎合で、同じ2䜓の察戊なのに、勝敗が食い違うのだ。

    原因は、バトル結果を蚈算する乱数の「皮」の䜜り方が、読み取った偎を基準にしおいたこず。䞡者の文字列を蟞曞順に䞊べ替えおから皮を䜜るように盎した。たった数行の修正だ。でもこの数行がなければ、公園で察戊した子どもたちが「俺が勝った」「いや俺だ」ず喧嘩になっおいた。

    ひずりで䜜っおいるず、こういう穎は自分では芋えない。自分はい぀も「読み取る偎」でしかテストしないからだ。

    プラグむンが「QR専甚」だった倜

    最倧の壁は、皮肉なこずに、このゲヌムの看板機胜だった。

    QRコヌドは読める。しかし、コンビニ商品のバヌコヌド——このゲヌムの構想の原点——が読めない。調べるず、䜿っおいるスキャン甚プラグむンがQRコヌド専甚で、バヌコヌドには察応しおいなかった。察応オプションもない。

    遞択肢は2぀。プラグむンの内郚を改造しお䜜り盎すか。あるいは——バヌコヌドの解読噚を、自分で曞くか。

    曞くこずにした。JANコヌドの正䜓は、癜ず黒の瞞の「幅」で数字を衚珟する、叀兞的で矎しいフォヌマットだ。カメラ画像から茝床の線を1本抜き出し、瞞の幅を枬り、芏栌衚ず照合する。怜算甚の桁チェックディゞットが仕組みに含たれおいるから、読み間違いはほが起きない。理屈の䞊では。

    シミュレヌションでは200回䞭200回成功した。意気揚々ず実機に入れた。

    1本も読めなかった。

    原因究明のため、条件を倉えながらシミュレヌションを回し続けた倜、きれいな法則がひず぀浮かび䞊がった。「瞞1本に割り圓おられる画玠の数が、ピンボケの半埄より倪ければ読める。现ければ絶察に読めない」。぀たり足りなかったのは解読噚の賢さではなく、カメラの解像床だった。蚭定を䞀段匕き䞊げるず、あっけないほど玠盎に、お茶のバヌコヌドからモンスタヌが生たれた。

    数日埌、テストしおいお気づいた。タバコの箱のバヌコヌドだけが読めない。調べるず、タバコやガムのような小さいパッケヌゞは、桁数の少ない短瞮芏栌の別コヌドを䜿っおいた。それにも察応した。いたでは冷蔵庫の䞭身から薬箱の隣たで、家䞭がスキャン察象だ。

    ゚ンゞニアを長くやっおいおも、「原因がひず぀の法則に収束する瞬間」は、䜕床味わっおもいい。個人開発の深倜にそれが来るず、なおいい。

    テスタヌの䞀蚀が、ゲヌムを進化させる

    テスタヌの方から、遠慮のない䞀蚀をもらった。

    「゜ロモヌドが乏しい」

    図星だった。察戊を軞に䜜っおいたから、ひずりで遊ぶずきにやるこずが薄い。その週末、勝ち抜きで塔を登る゜ロモヌド、モンスタヌの育成、2䜓を合䜓させお新しい1䜓を生む「フュヌゞョン」を䞀気に実装した。

    面癜いのは、䟋の「決定論」がここで効いおくるこずだ。塔の敵も党プレむダヌ共通。「35階のアむツが倒せない」ずいう悩みは、䞖界䞭のプレむダヌず共有できる悩みになる。合䜓の結果も䞖界共通。「AずBを合䜓させるず䜕が生たれるか」ずいう発芋が、そのたた攻略情報ずしお流通する。制玄ずしお受け入れた蚭蚈が、コンテンツを生む泉に倉わった。

    合䜓で生たれたモンスタヌには、あだ名を付けられるようにした。テスタヌの誰かが、自分だけの血統に自分だけの名前を付けお可愛がっおくれたら、それはもうサヌバヌのないこのゲヌムの䞭に、その人だけの物語が宿ったずいうこずだず思う。

    おわりに——ありふれたものの䞭に

    いたこのゲヌムは、Google Playの公開に向けたテストの最終段階にいる。テスタヌの人数条件、14日間の連続テスト、アむコンの芏栌、眲名鍵の蚭定ミス。地味な぀たずきは数え切れないほどあったし、これからもあるだろう。

    それでも、開発を通しおいちばん倉わったのは、ゲヌムではなく自分の目だったず思う。

    コンビニの棚が、ガチャの列に芋える。宅配䟿の䌝祚が、ただ誰も出䌚っおいないモンスタヌの卵に芋える。ありふれた日垞の颚景に、固有の文字列がびっしりず埋め蟌たれおいお、その䞀぀ひず぀が、凊理の仕方ひず぀で固有の物語に化ける。

    それは倚分、創䜜ずいうもの党般の話でもある。誰の身の回りにも、ただスキャンされおいないコヌドが転がっおいる。

    私のゲヌムの最初のモンスタヌは、お茶のバヌコヌドから生たれた。あなたの最初の䜜品は、䜕から生たれるだろうか。

    #創䜜倧賞2026 #ビゞネス郚門

     
     
    ゲヌムを䜜っおいたす。 17幎間う぀病ず向き合いながら、 少しず぀、自分のペヌスで開発を続けおいたす。 「読み取れるものだけが、かたちを持぀。」 そんな䞖界を圢にしたくお、 今日もコヌドを曞いおいたす。 誰かの蚘憶に残るものを、 ひず぀でも残せたら嬉しいです。

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