
たまご、その美しきもの。
思い浮かべてみて、わくわくする食べもの・飲みものってなんだろう。
ひとつめは、青空の下で飲むビール。
ふたつめは、炊きたての、ほっかほかした白いお米。
そしてやっぱり外せないのが、卵料理だと思う。
たまごは名役者
卵はいい。
何がいいって、かんたんに、いろんな美味しい料理に変身してくれるところだ。
4歳の息子がお弁当を持っていく日、おかずに必ず玉子焼きを入れることにしている。それも母から受け継いだお手製の味で、なかに海苔を巻くのだ。
子どもの頃、この玉子焼きがすごく好きだったから、息子にも食べてほしくて。
四角い玉子焼き用のフライパンを熱して、黒糖を入れてといた卵をさっと広げる。じゅわっ!と小気味よい音がする。
ぱりぱりの海苔を2枚敷いて、丁寧に端をくる、くる、と巻いていく。
オムライスを作るときには、黒糖ではなく牛乳と(ほんの少しの)バターを入れる。
うすーく、まるーく焼いた卵を、お椀型に盛ったケチャップライスにそーっとかけてあげる。これも、母がオムライスを卵で巻かない人だったから、そのまま受け継がれている。
親子丼の卵もいいね。
タマネギ、鶏モモ肉、三つ葉をざっくざっく切って、ぐつぐつ煮て、仕上げにぐるりと回し入れる。
しばらくがまんして待っていると、ゆらゆらっと卵のカーテンができる。それをお箸でほどいてあげる。最後に味付けをしたら、もう簡単に食べられる。
まだまだたくさんあるけれど、私がよく作るのはこんな感じ。ね、どんな役でも演じる名役者でしょう。
朝の活力、昼の戦友
もうひとつ、たまごの素晴らしきところ。
手の込んだ料理にしなくても、それぞれにおいしいところだ。
たとえば私は、よく喫茶店のモーニングへ行く。モーニングセットはたいてい、コーヒーと、トーストとゆで卵だ。ペリペリと殻を剥いて、2つに割って、そこに塩をかけて食べる。それだけのことが、なぜあんなに美味しいのだろう。
慌ただしいお昼ご飯時にも、卵は味方になってくれる。忙しいときには、白いお米に納豆と生卵をぶわわっと混ぜて、食べる。そこにおみそ汁があれば完璧。
ちょっと余裕があるときは、朝でも昼でも目玉焼きにする。ソーセージやベーコンと食べてもいいし、サラダをつけてもいいし。
目玉焼きのいいところは、無限に味変ができること。ケチャップとマヨネーズでもいいし、ソースでもいいし、お醤油でも、胡椒でもいい。カレーライスの上に乗せるのもアリ。
たまご、その美しきもの。
食卓になくてはならないもの、家族のいのちを作ってくれるもの。
この記事を書いた人:
元舞台俳優で、現在は演劇・アートライター、選書びと。ひとりユニット「ものがたりと対話」では、読書と人を繋ぐさまざまなサービスを運営しています
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