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🌈泣いたっおいいんだよ『がくはそのさきで たっおる』—これを曞いたのは、もういないひずだった。短線小説「䞖界で䞀番矎しい詩」

    「曲が物語になり、物語が曲になる。」そんなこころみをお届けしたす。

    ●Youtubu短線小説朗読

    ●サブスク


    侀

    朝の光が、病宀のカヌテンを薄く染める。
    䞭村拓海は、ベッドの脇に眮いた叀いノヌトを開いた。倧孊ノヌト、癟円均䞀で買った安物。でも、この䞖界で䞀番倧切なものが、そこに詰たっおいた。
    ペヌゞをめくるたびに、圌女の字が珟れる。䞞くお、少し右に傟いた、陜菜の字。

    二

    二人が出䌚ったのは、二十䞉歳の春だった。
    拓海は売れない䜜詞家だった。居酒屋でアルバむトをしながら、誰にも芋せない歌詞をノヌトに曞き続けおいた。蚀葉はあるのに、䜕かが足りなかった。自分でもわからなかった。
    陜菜は、その居酒屋の垞連客で出版瀟で線集の仕事をしおいた。い぀も文庫本を片手に䞀人で来た。静かな人だった。よく笑う人だった。
    ある倜、陜菜がカりンタヌ越しに蚀った。
    「きみ、い぀もポケットに䜕か入れおるね。ノヌト」
    拓海は驚いた。気づかれたこずに、ではなく 芋おくれおいたこずに。
    「歌詞を曞いおたす。売れおないけど」
    「読んでもいい」
    誰にも芋せたこずがなかった。でも拓海は、なぜかその倜だけ、ノヌトを差し出した。
    陜菜はしばらく黙っお読んで、それから顔を䞊げた。
    「䞖界で䞀番矎しい詩を、あなたはもう持っおる」
    その蚀葉の意味が、その時はわからなかった。

    侉

    付き合い始めお半幎が経った頃、陜菜が病院に行った。
    怜査の結果が出るたで、二人で病院の前のベンチに座った。秋だった。銀杏が黄色く染たっおいた。陜菜はずっず空を芋䞊げおいた。
    「ねえ、拓海」
    「うん」
    「私の名前、奜き」
    唐突な質問だった。
    「奜きだよ。呌ぶたびに、なんか、ほっずする」
    陜菜は少しだけ笑った。その笑顔が、倕陜に透けお芋えた。
    蚺断名は、拓海には聞き慣れない蚀葉だった。でも医垫の顔を芋た瞬間に、すべおがわかった。

    四

    それから二幎間、拓海は曞き続けた。
    陜菜の名前を呌ぶたびに浮かぶ景色を、蚀葉にした。雚の日の圌女の暪顔、倜空を芋䞊げる時の目、眠そうな朝の声。病宀で二人で芋た星空、点滎の音、握った手の枩床。
    党郚、歌詞にした。
    陜菜はその歌詞を読むたびに蚀った。
    「たた泣かせる」
    「泣かせたくお曞いおないけど」
    「わかっおる。だから泣けるんだよ」
    ある倜、陜菜がノヌトを借りたいず蚀った。
    「少し曞いおみたい」
    返っおきたノヌトを開くず、陜菜の䞞い字で䞀節だけ曞いおあった。

    君は䜕を芋おるの 
    䜕がみえおるの
    しあわせの道をみ぀けたの
    がくはその先で埅っおる

    拓海はその倜、䞀人で声を䞊げお泣いた。

    五

    桜が咲く前に、陜菜は逝った。
    䞉月の朝、静かに、眠るように。拓海は間に合った。最埌たで、手を握っおいた。
    葬儀が終わっお、郚屋に戻っお、拓海はノヌトを開いた。
    陜菜の字があった。あの䞀節が、そこにあった。
    拓海は気づいた。
    陜菜が曞いたのは、自分ぞの蚀葉じゃない。拓海ぞの蚀葉だった。
    がくはその先で埅っおる「がく」は陜菜自身だ。先に行った陜菜が、埌に残る拓海に向けお曞いた蚀葉だ。
    しあわせの道を芋぀けたら、その先で埅っおる、ず。

    六

    䞀幎埌、拓海の曲がはじめおリリヌスされた。
    タむトルは「䞖界で䞀番矎しい詩」。
    歌詞の最埌に、陜菜が曞いた䞀節をそのたた残した。クレゞットには「䜜詞䞭村拓海・陜菜」ず入れた。
    曲は静かに広たった。掟手なプロモヌションも、タむアップもなかった。でも、聎いた人が誰かに送った。その人がたた誰かに送った。
    ある日、芋知らぬ人からメッセヌゞが届いた。
    「倧切な人を亡くした埌、この曲を聎いお、初めお泣けたした。ありがずうございたす」
    拓海は画面を芋぀めた。しばらくしお、窓を開けた。
    春の朝の光が、郚屋に差し蟌んできた。
    拓海は静かに、声に出した。
    「陜菜」
    その名前は、今も䞖界で䞀番矎しい詩だった。

    了

    名前ずは、誰かに呌ばれるために生たれる蚀葉だ。
    だから愛する人の名前は、呌ぶたびに その人に、すこし觊れた気がする。



    ●歌詞

    朝の光に包たれお
    静かな街が目を芚たす
    君の声が颚に溶けお
    倢の䞭で響いおる

    雚の雫が頬を䌝う
    涙ず共に消えおいく
    君の笑顔が浮かぶたび
    心が少し暖かくなる

    䞖界で䞀番、矎しい詩は
    君のそのなたえ よぶたびに
    きみがほほえんでくれる
    心の䞭で歌い続ける

    倜空に星が瞬いお
    君ず芋䞊げた思い出が
    消えるこずなく茝いお
    今もがくを照らしおる

    過ぎた季節が教えおくれた
    倧切なものは目に芋えない
    遠く離れおも繋がっおる
    君ずがくの絆の糞

    䞖界で䞀番、矎しいひびき
    君のそのなたえ よぶたびに
    蚀葉を越えお届くメロディヌ
    氞遠に響けきみの胞に

    君は䜕を芋おるの
    䜕がみえおるの
    しあわせの道をみ぀けたの
    がくはその先で埅っおる

    䞖界で䞀番、矎しい詩は
    君のそのなたえ よぶたびに
    きみがほほえんでくれる
    心の䞭で歌い続ける

    朝の光に包たれお
    静かな街が目を芚たす
    君の声が颚に溶けお
    倢の䞭で響いおる

    雚の雫が頬を䌝う
    涙ず共に消えおいく
    君の笑顔が浮かぶたび
    心が少し暖かくなる

    䞖界で䞀番、矎しい詩は
    君のそのなたえ よぶたびに
    きみがほほえんでくれる
    心の䞭で歌い続ける

    倜空に星が瞬いお
    君ず芋䞊げた思い出が
    消えるこずなく茝いお
    今もがくを照らしおる

    過ぎた季節が教えおくれた
    倧切なものは目に芋えない
    遠く離れおも繋がっおる
    君ずがくの絆の糞

    䞖界で䞀番、矎しいひびき
    君のそのなたえ よぶたびに
    蚀葉を越えお届くメロディヌ
    氞遠に響けきみの胞に

    君は䜕を芋おるの
    䜕がみえおるの
    しあわせの道をみ぀けたの
    がくはその先で埅っおる

    䞖界で䞀番、矎しい詩は
    君のそのなたえ よぶたびに
    きみがほほえんでくれる
    心の䞭で歌い続ける

    ●Youtubu短線小説朗読

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    私の最終孊歎1988幎は専門孊校の音響芞術科です。 長幎、家族を守るため仕事䞀筋で生きおきたしたが、心の䞭には垞に「眮き去りにしおきた倢」がありたす。 還暊たじかになり、䌚瀟員から音楜プロデュヌサヌに転身するため幎間オリゞナル140曲リリヌスに挑戊したす。

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