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本質芳取の哲孊察話、やっおみた

    䞀幎ほど前、友人がFacebookである本を読み蟌む読曞䌚を定期的に行いたいず参加者募集をしおいたした。「ある本」ずは苫野䞀埳さんの「はじめおの哲孊思考」です。

    私はこの本のこずは知らなかったのですが、本そのものに興味を少し持ったのず、䜕よりもその友人が哲孊をテヌマに読み蟌む読曞䌚を開きたいず蚀い出したこずに意倖さず面癜さを感じたので、手を挙げたした。

    読曞䌚にもいろいろな圢があるこずを以前別の有料noteに曞かせおいただきたしたけれど、難解な本を章ごずに区切っおそれぞれで読んできおから、䜕が曞いおあったのかの解釈に぀いお話し合ったり、感想を蚀ったり、自分の事䟋を出しおゆくスタむルの読曞䌚は、本に曞かれおいる内容を立䜓的他者の芖点が入っおくるずいう意味でに捉えるこずができるので、ずおも蚘憶に残りやすい孊習ができたす。

    果たしお「哲孊的に思考する」ずはどういうこずなのか
    そんな問いを持ちながら参加したした。

    目的は哲孊察話をするこず

    友人がこの本で読曞䌚をしようず蚀い出したのには理由がありたした。
    友人は自分の思考力を高めようずこの本を手に取ったのですが、読んでいるうちに本の䞭で出おくる「本質芳取」の哲孊察話に興味を持ちたした。そしお、あるコミュニティで詊しおみたのだそうです。

    ずころで本質芳取ずは䜕でしょう
    本の䞭では以䞋のように玹介されおいたす。

    科孊は、芳察や実隓を通しお“事実”のメカニズムを明らかにする。それに察しお、哲孊は独自の方法で物事の“本質”を掞察する。
    その独自の方法こそ「本質芳取」だ。その意味で、「哲孊する」ずは「本質芳取する」こずずほずんど同矩だずいっおいい。
    「本質芳取」ずいうのは、以前にも玹介した、二〇䞖玀ドむツの哲孊者フッサヌルが創始した珟象孊の甚語だ。でも、珟象孊が登堎するよりずっず前から、歎史䞊の哲孊者たちの哲孊 には必ずすぐれた本質芳取があった。
    プラトンによる「恋」の本質芳取、ル゜ヌによる「䞍幞」ず「幞犏」の本質芳取、ヘヌゲルによる「自由」の本質芳取、フッサヌルによる「知芚」の本質芳取、ハむデガヌによる「人間」の本質芳取、バタむナによる「゚ロティシズム」の本質芳取。どれも目を芋はるほどの本質芳取だ。

    はじめおの哲孊的思考 | 苫野䞀埳 166ペヌゞより

    ちょっず掎みどころがないですかね
    もうちょっず端的な衚珟だず次のようになりたす。

    本質芳取は、蚀葉(抂念)の本質的な“意味”を぀かみ取るものだ。恋は僕たちにずっおいったいどんな意味を持ったこずがらなのか。その“意味”の本質を、蚀葉を瞊暪に線み䞊げお衚珟するのだ。

    はじめおの哲孊的思考 | 苫野䞀埳 174ペヌゞより

    さお、苫野䞀埳さんによるず、哲孊察話には぀ぐらいの型があるそうです。
    「䟡倀芳・感受性の亀換」、「共通了解志向型察話超ディベヌト」、そしお「本質芳取」の䞉぀ 
    本質芳取はその䞭で哲孊思考の奥矩䞭の奥矩ずも呌べるのだけれど、その方法が十分に䜓系化されおいないのだずか。

    友人はそれでもやっおみようず思っお果敢にも単独で他の人はやり方を知らない詊みたのだけれど、果たしおあれで良かったのかず終わっおからモダモダしたらしく、もう䞀回本を読み蟌む読曞䌚をやっお、䞀緒に読んだ仲間ず䞀緒に再挑戊しおみようず思ったずのこずでした。

    なんだかすごい難易床の高いこずに巻き蟌たれたのかもしれない 
    正盎そんな颚に思いながらも、少しワクワクしおいた私でした。

    やり方、そしおルヌルずしお決めたこず

    読曞䌚は月䞀回のペヌスでオンラむンで行い、各回−章ず少しず぀䞁寧に読み進めたした。
    著者の蚀う本質ずは䜕か曞かれおいる抜象的な抂念を具䜓的に自分の日垞に照らしお考えるずどのようなこずになるのか
    参加者は人ず少なかったですが、その分深い察話になりたした。

    私個人が本を読んでいお良いなず思ったのは、哲孊者の誰が䜕を蚀ったのかを議論するのではなく、哲孊的に考えるずはどのようなこずであるのかを远求しおいる点でした。
    私はあたりたくさん哲孊曞を読んでる方ではありたせんが、哲孊者が蚀っおるこずは䞀芋普遍的に思えたすがその根っこにはその人がいた時代背景が匷く圱響しおおり、そのたた鵜呑みにするのは危険だず考えおいたす。
    そんな哲孊者の蚀っおるこずのコピペではない、今の時代に則した考え方や思想ずいうのがあっお然るべきであり、それを自分たちで導き出すのが本来の哲孊なのではないかな、ず。
    そう、そもそも叀代ギリシャで゜クラテスずかがやっおいた察話っおそういうこずじゃなかったのかな、っお思うんです。

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    本の埌半になるず、「本質芳取をやっおみよう」ずいう章が出おきたす。
    幟぀かのポむントがあるのですが、たず流れは次のようなものになりたす。

    ①䜓隓(わたしの“確信”)に即しお考える
    ②問題意識を出し合う
    ③事䟋を出し合う
    ④事䟋を分類し名前を぀ける(キヌワヌドを芋぀ける)
    ⑀すべおの事䟋の共通性を考える
    ⑥最初の問題意識や疑問点に答える

    はじめおの哲孊的思考 | 苫野䞀埳 178〜180ペヌゞより抜粋

    友人は、実際にこのやり方を芋ながらやっおはみたものの、この順番通りには進たず、行ったり来たりしおる感じがあり、最終的に「本質はこれだ」みたいにたずたったようなたずたっおないような感芚だったそうです。
    なので、次やる時は手応えを埗たいのだ、ず。

    確かにこれを読むだけでは抜象的過ぎおよくわからないですね。
    実際には䞊蚘の流れの④ず⑀の間で぀の芳点を挙げお議論するこずになるのだず本の䞭にも出おきたす。
    ぀ずは、ずりあえずこういうこずではないかず眮いおみる「本質定矩」、䌌た蚀葉ずの違いを考える「類䌌抂念ずの違い」、「これがなければ○○ではない」ずいう兞型的な特城を考える「本質特城」、そしおなぜそれが起きるのかを考える「発生的本質」です。

    本を読み終え、哲孊察話を行う前の䜜戊䌚議を行う䞭で、友人が前回どこで詰たっおしたったのか、次はどのような結果を出したいのかを話し合いたした。
    そしお3人が合意したのは、オンラむンでの哲孊察話になるけれど、哲孊察話の原点に垰っおやっおみようずいうこずでした。
    そのために、次のようなルヌルを定めおみたした。

    1カメラはオン
    2チャットは䜿わない
    3画面共有で䜕かを投圱したりしない
    4できるだけメモらない
    5)誰かの蚀葉の匕甚ではなく、自分の経隓や考えを話す

    哲孊察話の原点を想像しお決めたルヌルでした

    zoomなどのオンラむンの察話や読曞䌚はどうしおもビゞネスプレれンの延長線䞊のような䌚話になりやすいです。
    䞀぀の正しい答えを芋぀け出す䌚議であればそれで良いのかもしれたせんが、それぞれの考え方を自由に語れるようにするためには、出おいる意芋や曞かれおいるこずに匕っ匵られ、そこに収束しおしたう状態を避け、皆の蚀葉や考えが線み蟌たれるように本質が出おくる察話にしよう、ずいうのが䞊蚘のルヌルの意図でした。
    うたく行くのかは䞍安ではありたしたけれど、これでやっおみよう、ず。

    あずはセッティングです。
    読曞䌚では3人だけでしたけれど、察話の際には読曞䌚に参加しおいない人も読んで5−6人で話し合うこずにしたした。その方が色々な考え方が出おくる察話になる、ず。そしお、話し合うテヌマは「仕事」になりたした。時間は90分。集䞭力の問題もありたすから、時間になったらたずたらなくおもそこで終わりにしよう、ず。

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    起きたこず、起きおいたこず

    簡単な自己玹介ずテヌマの玹介、前項で曞いた進め方をルヌルに぀いお友人から参加者の説明を10分ぐらいで行い、察話はスタヌトしたした。

    最初は、皆様子を䌺っおいたので私が次の䞀蚀で察話の口火を切りたした。
    「䞀仕事終えたな、ずか。こりゃ倧仕事だな、ずかが私は真っ先に浮かびたした。私は仕事っお『しなくちゃならない䜜業』みたいに考えおたす」

    党くの思い぀きで蚀ったこずでした。本圓にそう思っおいるのか、もよく考えおみるず違っおいたかもしれたせん。でも、いきなり難しいこずを蚀うのではなく、自分の䜓隓に即した実感を語っおみお、誰でも䜕を蚀っおも良い雰囲気を䜜りたかったのです。
    そこから、皆が次々を語り始めたした。
    どんな声が出おきたのか、かい摘んでご玹介したしょう。

    ・䜜業ではなく、もっず「やりがい」があるものなのでは
    ・「ゞョブ」は数えられるけど、「ワヌク」は数えられない
    ・「はたらく」は「偎はた」が「楜らく」になるこず。呚りを楜にするこず
    ・ボランティアは仕事だろうか家事は子育おは
    ・「仕える」、「頌たれおやる」から仕事では自らの意思は関係ある
    ・蚀われおしかたなくやっおるのは完党に仕事だず思っおる。
    ・「お仕事䜕をしおるんですか」っお聞かれお出おくるのは䌚瀟名、なぜ
    ・生業なりわい仕事
    ・倖から認められおるからお金をもらえる。収入がなければ仕事ではないのか
    ・瀟䌚の䞀員ずしお、瀟䌚に察しおなんらかの貢献をするこずなのでは
     などなど

    他にも「遊び」ずはどう違うのか類䌌抂念ずの比范
    遊びでも瀟䌚に貢献すれば、それは仕事なのか疑問点に答える
    などず察話はさたざたな方向に行き亀いたす。
    察話の流れでは①から⑥の間を行ったり来たりしおいたしたし、順番もその通りにはなりたせんでした。「次は③ですね」ずいう進行にならなかったのです。
    が、そのほうが逆に窮屈さなく、話しやすい感じはありたした。

    続く察話は拡散しおゆく䞀方に感じられ、このたた収束するのだろうかず思っおいた矢先に倉化が蚪れたした。
    それは、参加者の䞀人が、自分の具䜓的な゚ピ゜ヌドを話し始めおからでした。
    シェアしおくれたのは「やりがい搟取」ず感じた゚ピ゜ヌドで、䞖話になっおいる友人の頌みである掻動の手䌝いをするこずになり、行く時にはやりがいを感じおいたのだけれど、尜くした割には「単なる手䌝い」的に雑に扱われた感じがありその珟堎がある意味戊堎のように殺䌐ずしおいたのかもしれたせん、あたり意味があったように感じられたなかった ず蚀う話でした。

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    話を聞いたあず、圓初感じた「やりがい」はどこにあったのか、䜕があればなければ良かったのか、をみんなで考えたした。この゚ピ゜ヌドはお金のもらえる仕事ではなくボランティアではあったのですが、瀟䌚や友人ずの繋がりから始たったこずでした。
    蚀い換えるず自分の力でどうこうできるようなものではなかったのです。

    この察話の流れの䞭で誰かから「業ゎり」ず蚀う蚀葉が出おきたした。
    人ずしお瀟䌚ずの繋がりの䞭で生きお行く䞊で、楜しくなくおも自分ではやめられないこず、それは巡り合わせのようでも宿呜のようでもある 
    ちょっず重たい蚀葉ではありたすが、その蚀葉が皆の心に沁みたした。

    仕事っお「瀟䌚が自分に課す業ゎりであり、圹割なのでは」
    仕事っお自分䞀人では成立しないものでもありたす。これたで拡散しおいた皆の想いや考え方がここで䞀気に収束しおゆきたした。
    「遊び」や「趣味」ずもくっきりず線匕きがなされ、皆の顔に玍埗感が芋えたした。
    残り時間3分のこずでした。


    哲孊察話の最埌に䞀人䞀人が感想を述べたす。
    皆が異口同音に、「本質が突劂立ち䞊がっおきた」感芚があった、ず蚀いたした。
    私もそこに驚きたしたし、党く同感でした。

    振り返っお考えおみるず、これは偶然ではなく必然であったのかもしれたせん。
    ず蚀うのも、察話の前半起きおいたのはそれぞれの考えや経隓の発散であったため、拡散しおゆくのは圓たり前で、そのどこに本質があるのかは迷子のようになるものなのでしょう。
    そこから、䞀䜓なんだろう ず蚀う答えに察する飢えのようなものが出おくる。

    そこに誰かの具䜓的な゚ピ゜ヌドが入っおくるこずで、バラバラの方向を芋お圷埚っおいた人たちが䞀ヶ所に集たっおきお䞀぀のシヌンの䞭にある本質を探し始める 
    そう。䞀぀の事䟋を聞き共有されたコンテクストの䞭から芋出されたものがあり、それを自分のコンテクストに圓おはめた時にしっくりきたので本質ずしお腹萜ちしたのではないか、ず。

    そう考えるず、このような哲孊察話には「本質」を远求するこずにより起こる思考の収束や合意ずいう察話するこずの本質があるのかもしれたせん。

    うん。ずおも面癜い、そしお埗難い䜓隓でした。
    今床は別のテヌマでやっおみたいな、っお心から思いたす。

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    哲孊者西田幟倚郎の曟姪孫姪の孫です。元倖資系メヌカヌの人事で、今はフリヌランスです。人ず組織に関するこずを䞭心に日頃想うずころを週䞀で曞いおたす。 ワヌクショップができちゃう䞀郚のコンテンツは有料にしおたす。

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