
子どもの世界と、私の本棚。
ある日、子どもが本棚から一冊の小説を取り出した。
「これ、面白いって聞いたんだけど。」
手にしていたのは、映画にもなった『変な家』だった。
どうやら学校で「面白いらしい」と聞き、
私の本棚にあったもの見つけたのだ。
子どもはそのまま部屋に持っていき、読み始めた。
気づくと、静かにページをめくっている。
一気に読んでしまったらしく、読み終わると一言、
「面白かった、好きかも、、、」
それからシリーズを買い集め全部読んでしまった。
ホラーっぽい感じが面白かったらしい。
それをきっかけに、子どもは私の本棚を“漁る”ようになった。
綾辻行人さん、赤川次郎さん、知念実希人さん、岩井圭也さん、呉勝浩さん。
推理小説の棚から次々と本を取り出していく。
図書館で、借りてくる本も少しずつ変わっていった。
大倉崇裕さん、濱嘉之さん、貴志祐介さん。
気がつけば、読んでいる。
どこへ行くにも持ち歩き、
外食に行くときも、必ず一冊持っていく。
料理が来るまでの待ち時間、
静かにページをめくっている。
自分の世界を持ち始めているのかもしれないと、
そんな姿を見て、私は思う。
気づけば、
私以外の誰かとも本の話をするようになっていた。
「これ面白いらしいよ」
そんな言葉を、どこかで聞いてきている。
本の世界が、私と子どもだけのものではなくなっている。

