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Photo byk_jack_norio

夕暮れまえの

    風花なみ

    -ヨルとソラの物語のかけら-

    林をぬけるとそこには
    木々に囲まれた広場があった

    陽が優しくさしこむ
    木の上のほうから
    "トクベツな場所だよ"って
    誰かがささやいたような気がする

    広場には木の枝が
    伸びているところがあり 
    そこはまさしく2人の
    "トクベツな場所"

    西の空が柔らかな黄金色に輝く
    黄昏時には
    コウモリのまねをして
    逆さまな世界を眺めたり

    心地よい風が頬をなでる夜には
    枝の上によじ登りお星さまをみたりする

    2人が広場についたのは
    黄昏時でも 夜でもない
    それより少し前の
    お日さまが2人の陰を
    東側に伸ばすぐらいの頃

    今日はコウモリのまねじゃなくて
    "さかあがり"というものをしようと
    細めだけどしっかりしている
    枝を選んでぶら下がり
    体をぶらんぶらんと動かしはじめた

    「あとちょっと あとちょっとなのに
    うまく体が上がらないなぁ」

    ヨルもマネして 体をぶらんぶらん

    「あぁ 僕なんて全然できないよ〜」

    2人で 一緒に
    ぶらんぶらん
    地面を蹴って 枝にしがみつく

    手を ぎゅーっ
    足は地面を とんっ

    力を入れるとついつい
    目はギュッとなり
    口はイッーと空いちゃう

    ぎゅーっ とん
    ぎゅーっ とん
    ギュッ イッー
    ギュッ イッー

    そんな2人を
    高いところにぶら下がって
    見ていたコウモリは
    思わず 「ふふふっ」と笑っちゃう

    あのささやき声は
    コウモリさんかな

    ぐーぐーぐー

    枝に押されたお腹が
    ぐーぐーぐー

    「僕 たくさん頑張っちゃったから
    お腹がもうぺこぺこ」

    「ソラのお腹はいつだって
    ぺこぺこだよね」

    枝から手を離し
    夜ご飯は何にしようか
    「あま〜い匂いのものがいいな」
    「ぽりぽり言わせるものがいいな」
    なんて言いながら
    2人はトコトコ 僕たちだけの
    お家へと帰っていく




     
     
     
    風花なみ 1987年生まれ 私の事 家族の事 自分の子どもに想いを伝える ツールの一つとして 私の物語に出会った人が また誰かと話したくなるような ものであって欲しい そんな思いとともに 日常の記録として 綴っていきます

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