メインコンテンツへスキップ
見出し画像

遺跡をゆく(神戸市の五色塚古墳と兵庫県立考古博物館) 26010

    フォトジェニックな古墳と参加体験型の博物館


    五色塚古墳は明石海峡と淡路島を望む台地上に築かれた全長194mの兵庫県最大の前方後円墳です。復元整備された姿が美しく、写真映えします。
    一方、兵庫県立考古博物館は、播磨町にある参加体験型博物館のコンセプトによる、訪ねて楽しい博物館です。

     
     東京から姫路に向かう途中、新大阪駅には12時過ぎに着き、京都線に乗り換えて、垂水駅で下車しました。コインロッカーを探すのに一苦労しましたが、何とか荷物をロッカーに収めて五色塚古墳に向かいます。
     
     住宅地の中を10分ほど歩くと、葺石に覆われた美しい古墳に到着します。
     第二次大戦中・戦後に荒廃しましたが、遺構などはよく残っていたようです。1965年に調査、復元工事が開始され、1975年に全面復元されました。  
     前方部の西側に入口があり、墳丘上に登ることができます。

    画像
    後円部西側に回ると、外から周溝、周濠、三段墳丘がよくわかります
    画像
    入口。中段と上段の斜面は淡路島産の石で葺かれていたとのこと
    画像
    前方部より後円部を望む。
    南側(海側)に通路状遺構、くびれ部東西に島状遺構。
    鰭付円筒埴輪4~6本ごとに鰭付朝顔形埴輪を配置
    画像
    後円部墳頂より。眼前に淡路島と明石海峡大橋。
    後円部北東側にも埴輪棺が埋められた遺構があったとのこと
    画像
    西側の付けね部から陪冢である小壺古墳(直径70m)が見える

     後円部の北西側には新しいガイダンス施設があり、円筒埴輪や葺石などが展示されています。

    画像
    円筒埴輪と見学客の大きさ比較
    画像
    葺石とチケットの大きさ比較

      この古墳はフォトジェニックであるばかりではなく、同時期(4世紀後半)では佐紀古墳群の大王墓と比肩する大きさを誇ります。また、日本書紀に登場する数少ない古墳(神功皇后紀の麛坂王<かごさかのみこ>・忍熊王<おしくまのみこ>の策謀の段)である点からも重要な古墳で、被葬者はこの地域の海運の実力者であったのでしょう。(埋葬施設の発掘調査は未実施とのこと。)

     さて、JR垂水駅に戻って神戸線に乗り、西に向かうこと20分ほどで土山駅に着きます。
     南出口から右に進むと博物館に通じる“であいのみち”があります。路傍には歴史上の出来事などが記されたプレートが年代順にあって、徒歩15分ほどの道のりも楽しく感じられます。

    画像
    気持ちよく整備されたプロムナード
    画像
    プレートを探しながら歩くのも楽しい

     喜瀬川にかかる橋までやって来ると物見やぐらのような建物が目に入ってきます。これは博物館とつながった展望塔です。

    画像
    橋に着くと三角屋根が
    画像
    橋を渡って少し進むと博物館に到着

     建物に入り、上から眺めると屋外には大中<おおなか>遺跡(弥生時代後期~古墳時代初頭)が広がり、竪穴住居も復元されています。

    画像
    足元から前方の木立の中に広がる大中遺跡

      屋内の特別展示室では、特別展「縄文のくらしと弥生のくらし」が開催されていて、食衣住から祭祀にわたって、兵庫県内の出土品を中心に縄文時代と弥生時代のちがいがわかりやすく説明されています。

    画像
    特別展示室

      常設展示にあたるテーマ展示室では、埋葬関係、道具関係、戦関係(武具、とりで)、交易関係などのテーマごとに、出土品と平易でわかりやすいパネルが展示されています。

    画像
    準構造船の模型。日曜日には時間限定で乗船できる
    画像
    石斧と鉄斧の威力の差をヴィジュアルに
    画像
    淡路島の佃遺跡の貯蔵穴の立体剥ぎ取り

     また、この博物館の特徴といえる“体験型”という面では、古代体験(火おこし、勾玉・石包丁・組ひも作り)ができ、「発掘ひろば」というコーナーではミニ重機や道具を使って発掘体験ができるようになっていて、考古学を身近に感じられるようになっています。

    画像
    体験展示室
    画像
    「発掘ひろば」に設けられた“現場”

     さらに博物館中央の階段から地下に降りると、バックヤードまで見学することができます。

    画像
    収蔵物の展示コーナー
    画像
    作業室も見渡せる
    画像
    なんと、“倉庫”の中まで

     小さな子供から考古学好きの大人まで、いろいろな楽しみ方ができる博物館でした。

     さて、次回は再びの下諏訪。個人旅行ではなく団体ツアーに参加して3つの遺跡を巡りました。

     
     
     
    70歳を目前にして、好きな古代の遺跡巡りを始めました。なるべく公共交通機関と徒歩で遺跡や施設を訪ねています。歩くことで見えてくることを中心にしてブログ風に書いていきます。数年前の旅も含まれていますので、最新情報とはいえませんが、同好の皆さんの参考になれば幸いです。

    あなたへのおすすめ