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Photo byhiiro_archive153

倢の぀づきアマノ文筆クラブせりふ䞉題噺

    fuff

    ▌今回のタむトル「倢の぀づき」


    ▌今週のお題
    ◆セリフ
    「ホヌホッホッホッ」
    ◆䞉題
    ・グリュヌワむン
    ・髭
    ・包み玙


    ◆倢を芋た。
    そこは広い広いパヌティヌ䌚堎だった。
    本圓に本圓に広くおいくら目を凝らしおみおも向こうの壁が芋えないくらいだった。
    あちらこちらにテヌブルが配眮され飲み物ず軜食が眮かれおいおそれぞれのテヌブルの前では人々がグラスを片手に談笑しおいた。
    「これはねお前の倢だ」
    声をかけられお振り向くず穏やかな笑みを顔に浮かべた母方の祖父がそこにいた。
    「お爺ちゃん」
    祖父はずっくに他界しおいる。
    「倢ずいうのはその䞻の望みをかなえ欲望を満たすものだがこの倢は殊曎にわかりやすい。
    この倢が満たしおくれるお前の欲望ずは䜕だず思う」
    私は戞惑い銖を振った。
    「わからない じゃあ教えおあげる」
    話を匕き取った人物の方を向くずそれは幌皚園のずきの先生だった。もう䜕十幎も䌚っおいないが昔のたたの姿だった。
    「それはね承認欲求。
    ここにはあなたがこれたでの人生で出䌚っおきたありずあらゆる人たちがいる。
    家族近所の人クラスメむトただ䞀床だけ電車で乗り合わせただけの人さらには本や挫画で読んだりテレビや映画で芳た人も含めおね」
    「そしおなんずその党員が」
    ず匕き取ったのはなんずパむプを片手に持ったヘミングりェむだった。
    「君ずいう人間に察しおあたたかい芖線を向けおいるんだ。䞀人残らず。そうこの際限なく広がる䌚堎䞭の䞀人残らずだ。
    決しお倧袈裟なものじゃないが君が本来呚囲の人間に期埅しおよいはずのほどのよい敬意ず奜意ず興味ずをたたえた芖線をね」
    「たずえば私だ。お久しぶりだな」
    私の番目の勀務先の片桐専務だった。芋たこずもない穏やかな芖線をこちらに向けお楜しげに蚀葉を぀なぐ。
    「私は瀟内のプレれンコンテストの折君がその性栌の悪さず身勝手さをいたく嫌っおいた同期の君を倧絶賛した䞀方で君には䞀顧だに䞎えず君の心をいたく傷぀けたわけだが  
    芋たたえ今ここにいる私はこうしお君ずの思いがけない再䌚を圓たり前に心から喜んでいる」
    「぀たりここにいるすべおの人が」
    これは以前マンションの同じ階に䜏んでいた育ちのよさそうな枅楚な女子孊生だった。圌女ずは結局䜕床か挚拶を亀わしたこずくらいしかなかった。
    「あなたのこずを知りあなたの持぀矎質を認めあなたの欠点に぀いおも知った䞊であなたのこずを自然にあたたかく受け容れおいるんですよ。玠敵なこずだず思いたせんか」
    圌女が私に向けおいる自然な笑顔は実際には䞀床ずしお私に向けられたこずのなかったものだった。
    「぀たりこの䌚堎は君にずっお君だけにずっおこの䞊なく居心地のよい堎所だずいうこずだ。倢の䞭のこのような゚リアのこずをズバリ『倩囜』ず呌ぶ人もいる」
    こう蚀った男は私が䞀時期ハマっお映像をよく芋おいたコント集団のリヌダヌだった。もちろん私ずは䞀面識もない。
    「ちなみにこの『倩囜』はね本来は私たちのためのものなんだ」
    暖かそうな掟手な赀い服を着お癜い豊かな顎髭をたくわえた倪錓腹の人物が湯気の立぀グリュヌワむンらしきグラスを片手に続きを語った。
    「『あわおんがうのサンタクロヌス』ずいう歌を知っおいるかい。
    クリスマス以倖のずきに誰かを蚪ねお行くずそれだけで『間違えたのか。あわおん坊だな』ず思われおしたう。
    䞀緒に螊ろうず呌びかけおも『クリスマスに出盎しおこい』ず蚀われ挙句に『忘れちゃダメだよおもちゃ』ず来た。
    個々の私たちのこずなんお誰も芋ちゃいない。行く先々でただの『プレれントをくれる人』ずしおしか認識されないこの虚しさが君にわかるかい。
    それでも私たちが仕事を投げ出さずに続けられるようにこの『倩囜』を蚪れる特暩が䞎えられおいるっおわけさ。
    もちろん『自分甚の』倩囜をだけどね。ホヌホッホッホッ」
    テヌブルの䞊にあったプレれントを開けた埌に残されたものず思しき赀ず緑の包み玙を架空の存圚であるその老人はガサガサず指でたさぐった。
    「お前がこの倢を芋るんは残念ながら今回のこの回きりや」
    これは  高校で䞀緒だった山田か。倧孊に進孊しおから疎遠になりその埌心臓の病で亡くなったず聞いたが葬儀にも出られなかった。
    「お前は䞀床目を芚たしおこの党員の䞭から倢の䞭でのパヌトナヌを誰にするか決めんずいかん。『倩囜』にはもう来られんがその人は今埌の倢の䞭でい぀でも呌び出せるようになるんやず。
    あくたで呌び出せるだけやからお前の蚀うこず䜕でも聞いおくれるっちゅうわけやないんやけどな。たあよう考えお遞べよ」

    ◆目を開けるず私はい぀もの自分の郚屋のベッドの䞭にいた。
    私はもう䌚えないはずの人ず䌚う倢を芋たずきにはい぀もそうなるように自分が眠りながら泣いおいたこずに気が぀いた。
    寝巻きの袖で目を拭いながら倉な倢だったなず考えた。
    パヌトナヌを遞ぶ
    自分が過去に出䌚っおきた実圚・非実圚を問わないあらゆる人物の䞭から人だけ
    すぐに぀の顔が浮かんだ。さっきの倢には出お来なかった顔だ。
    そんなのあい぀に決たっおいる。
    考えるたでもない。
    ずっず埌悔しおいた。だがずっず忘れおもいた。
    今初めお気が぀いたが厄介な棘のようなその埌悔は私の心臓に深々ず刺さったたたでそしお私はその棘を痛みをずっず「自分の䞀郚」だず思い蟌んできたのだった。
    私は再び目を぀ぶった。

    ◆山田の蚀葉通り「倩囜」を蚪れるこずができるのは本圓に回きりだったらしく「倢の続き」では私は真っ暗な堎所に立っおいた。
    「『パヌトナヌ』は決たりたしたか」
    䞊の方から声がした。
    奇劙なこずにその声は祖父のようでもあり幌皚園の先生のようでもあり同じ階に䜏んでいた女子倧生のようでもあり山田のようでもあり誰のものずも刀断できなかった。
    「はいナナシマを    ナナシマはここにいたすか」
    倉に䞊ずったかすれた声になった。
    「  」
    目の前に人の小柄な女性が埌ろから抌し出されるようにしお珟れた。
    「なんで私なんですか。絶察に埌悔したすよ」
    その戞惑ったような䞍貞腐れたようなでももしかしたらちょっず嬉しそうかもしれない衚情は確かに芋芚えのあるもので私はあたりの懐かしさにたた泣きたくなった。
    ナナシマは私が20代のころに勀めおいた小さな線集プロダクションの埌茩だった。
    自己肯定感が䜎いのが難だが根は玠盎で誠実ないい子で読んだ本に぀いおあれこれ話ができる貎重な盞手でもあり仕事を蟞めたずきも圌女ずは連絡を取り続けたかったが私にはそれず告げる勇気がなかった。私は卑怯だった。
    その埌ふず思い぀いお怜玢しおみたずきに出おきたある催しの参加者リストから圌女が郷里の北の街に垰ったらしいこずを知りそしおそのさらに数幎埌その地域で倧きな地震があり  圌女がどうなったのかはわからなくなった。
    「ごめん。だけど君しか思い぀かなかった」
    「もっずいろいろあるじゃないですか。誰でもいいんだからもっず綺麗な人ずか頭がいい話の面癜い人ずか  たあ私はうれしいですけどがそ」
    ああやっぱりナナシマだ。
    このナナシマが本物なのかそれずも私の倢の䞭であくたで私にずっお郜合よく造圢されたフェむクの「ナナシマ」なのかは私にはわからない。
    でもそんなこずはいいじゃないか。所詮は倢の䞭なんだから。

    ◆私たちはい぀の間にか埡茶ノ氎駅前の雑螏に立っおいた。
    「じゃあ  ずりあえずお茶でもするか。あそれずもナナシマお腹すいおたりする」
    「䜕かおいしいもの食べに行きたしょうよどうせ倢なんだから 私パスタがいいです」
    ナナシマはもう圌女が機嫌がいいずきのあの䞡手をぶんぶん振る元気な歩き方で先に立っお歩き始めおいた。


    ◆こちら↓の䌁画に参加させおいただいおおりたす。い぀もありがずうございたす。
    今回は぀の䌁画の盞乗せずさせおいただきたしたがタむトルはタむトル瞛りのある「アマノ文筆クラブ」のお題の方に合わせたした。

     
     
     

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    塟講垫。50代埌半。人芋知りのおっさん。 割をセリフが占める「掛け合いショヌトショヌト」特化職人。 倧阪出身・東京圚䜏。たぶん特性持ち。 日蚘・゚ッセむは①特別支揎孊校小のダりン症の息子重床知的障碍自閉傟向の子育お日蚘②青山原宿界隈の街ネタ③こずば等の雑孊ネタ等。

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