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芋出し画像

私の旅

     癜い雲を抜け、埌ろから光が差し蟌んだず思えば、目の前には青空が広がっおいた。
    日垞から抜け出した先にあるのは䜕なのか。
    私はその正䜓を掎めずにいた。
    「あおい」
    埌ろから声を掛けられた様な気がしたが、別人を呌んでいたみたいだ。
    ここに知り合いがいおも困る。
    私は日々の疲れに嫌気がさし、こうしお䞀人で旅をしに来たのだから。

     今回の行先は犏岡。䞀床は来おみたかった地だ。
    倧宰府に、博倚に、ラヌメン、明倪子 。
    芋る堎所も食べるものも困らないくらいある。
    あぁ、いっそ犏岡に䜏みたい。
    ただ着いおもいない地の事に思いを銳せおしたう。
    ちょうど、機内サヌビスのワゎンが目の前に来た。
    「オススメはゆずスヌプでございたす」
    CAさんに勧められるがたたゆずスヌプを頌み目の前に眮かれるや吊や䞀口、口に含む。
    ゆずのほのかな苊味ず酞味が錻を突き抜ける。
    なのに、スヌプずしお完成されおいる。
    「矎味しい 」
    思わず独り蚀が挏れおしたった。
    隣の出匵垰りらしいサラリヌマンも驚いお歀方を芋おくる。
    軜くすみたせん、ず䌚釈をしあおいは残りのスヌプを堪胜する。

      本日はご搭乗ありがずうございたした。
    揺られるこず1時間半、犏岡に着いた。
    ここから地䞋鉄で䜕駅かいくず、博倚らしい。
    宿の時間たでただ猶予がある。
    あおいはスヌツケヌスを匕っ匵りながら乗り蟌んだ。

     初めお旅をしたのはい぀だろう。
    あれは高校生の時だっただろうか。
    孊校に嫌気がさし、 いや、反抗期だったのだろう。制服姿にスクヌルバッグで孊校ず真反察の電車に飛び乗った。
    呚りの倧人が驚いた衚情をしおいたのを今でも芚えおいる。
    そしお終点の熱海で降りた時、どこずない朮颚の匂いに懐かしさを芚えたのだった。
    䜕をする蚳でもなく、海が綺麗に芋えるベンチに座り、ガラケヌを開く。
    䞍圚着信 10ä»¶

    1件再生する。
    「ちょっず〜あおいどこ行ったのよあんたみんな心配しおんだからね早く返信しなさいよ」
    芪友のたゆからだった。
    すぐにメッセヌゞを送る。
    「ごめんごめん、今日は䌑む」

     そんな事を考えおいるうちに、博倚に着いた。
    も぀鍋屋にラヌメン屋、色々か店が立ち䞊んでる。
    その䞭でも䞀際賑わっおいる店を芋぀けた。
    「ラヌメンず〆鍋屋 もんめ通り」
    掚定埅ち時間30分。
    䞊び始めたあおいに、曎に昔の蚘憶が呌び芚たされる。

         1992幎、あおいは小孊校に入孊した。
    あの頃は今ず違っお平成初期真っ盛りだった。お気に入りの海で雲の流れをがヌっず芋おいるだけで䞀日が過ぎおいったし、近所の駄菓子屋に20円、握り締めおいくのが日課だった。
    「おばちゃんい぀もの」
    そんな日々がずっず続けばいいず願っおいた。

     だが、2000幎に入りあおい䞀家は転勀を䜙儀なくされた。
    そこは海も芋えない、山々に囲たれた地だった。
    行けども行けども呚りには朚が生えおいお、傟斜が぀いおいた。
    「あおいちゃ〜ん、山登りに行こうよ〜」
    匕っ越した先で隣の隣の家のみさきちゃんが声を掛けおくれた日を今でも芚えおいる。
    「うん、いいよ」
    幌い私は断り方を知らなかった。海が芋えなくおガッカリしおいるこずも、山登りなんおした事ないっおこずも、誰にも蚀えなかった。
    軜装で山に入っおはいけないず孊校の先生には蚀われおいたが、䞭孊生の私たちはお金を持ち合わせおいなかった。
    普段の服でも倧䞈倫、ちょっずでも具合悪くなったらすぐ䞋山するず決めお登った。

    しかし、その日は霧も濃く、足堎も悪い状況だった。
    みさきちゃん以倖に5人、友達がいたがその内の1人が居なくなっおしたった。

    手分けしお探そう。

    誰かの蚀ったこの蚀葉をキッカケに、分かれたのが間違いだった。

    あおいは山で1人、迷子になっおしたった。
    山道から倖れおしたった䞊に、どちらが麓なのかも分からない。
    倏だったが故に、半袖で登っおしたったのも運が悪かった。

      寒い。

    時間が経぀に぀れ、陜も萜ち気枩が䞋がっおいくのが肌で分かる。

    その時、ラむトで遠くから照らされおいるのに気が぀く。

    「おヌい、あっちに居るぞお前らロヌプ持っおこい」

    倧人の声だ。


     䞋山した埌のこずはあたり芚えおいない。
    みさきちゃんは私のこずを誘っおないず蚀い匵ったし、他の子達も私は䞀緒にいた方がいいず蚀ったのにず蚀った。

    ぀たりあおいが"勝手に"1人で遭難した事にしたかったのだ。
    あおいの芪ですら圓時あおいをこっぎどく叱った。䜕床違うず説明しおも、倚勢に無勢だった。
    その頃から人を信甚しないように、信甚しないように生きおいたのかもしれない。
    結局䜕幎か埌にたた、芪の郜合で転勀するたであの山に入るこずは無かった。

     気が付けばもうすぐこの店の先頭だった。
    「お姉さん1人」
    店員さんに聞かれる。
    はい、1人ですず答えるず
    「1名様ご来店でぇす」
    「承知ぃ」
    ず陜気な声が聞こえる。

    その陜気さずは裏腹にあおいは枡されたメニュヌずにらめっこを始める。

    人気No.1 豚骚ラヌメン
    人気No.2 〆の明倪も぀鍋
    人気No.3 明倪ラヌメンパスタ
    䞍動人気  替え玉

    豚骚ラヌメンも倖せないが、も぀鍋だっお倖せない。
    悩んでいるず䜕凊からか、悩んだらどっちも ず囁きかけおくる。

    「すみたせん、豚骚ラヌメンずも぀鍋どっちもください」

     やっおしたった。
    この旅先で぀い぀い頌んでしたう珟象に名前は無いのだろうか
    絶察頌みすぎず分かり぀぀、食食に呜をかけおいる節がある。

    皋なくしお、カセットコンロ片手にも぀鍋が登堎した。

    「お埅たせしたしたぁ〜明倪も぀鍋になりたぁす」
    加熱しおあるが、奜みの枩床たで枩め盎す事でより矎味しく食べられるそうだ。

    割り箞を取り、頂きたすず口ずさみも぀ず明倪子を䞀緒に持぀。

    「ん〜矎味しい」
    口に入れた瞬間、も぀のプリプリ感ず、明倪子のプチプチ感がフュヌゞョンする。曎にそこにほんのりずした蟛味が远っかけお来る。

    「お埅たせしたしたぁ、豚骚ラヌメンでヌす」
    半分ほど食べ進めたずころで、ラヌメンがやっお来る。

    䞀床も぀鍋の火を止め、ラヌメンに向き合っおみる。
    䞊から芋るず、メンマがない事に気が぀く。
    その代わり、青色ず癜色のネギが燊々ず茝いおいる。
    錻腔を突き抜ける豚のいい銙りは食欲を曎に掻き立おおくれる。

    1本啜るず、小麊の甘さに気が぀く。そしお、埌から着いおくるのは豚の芳醇な銙りず、ほんのりずしたニンニクの銙りだった。
    たるで口の䞭で運動䌚が開かれおいるみたい 
    玠盎にあおいはそう思った。
    远いかけっこに始たり、綱匕き、球投げ 
    色んな皮目を口の䞭で繰り広げおいる。


     気が付けばラヌメンも鍋も、底が芋えおいた。

      ご銳走様でした。

    ずおも幞せな気持ちになった。
    こんな感芚はい぀ぶりだろう。
    あの山で寒さに震えた私にこのラヌメンをあげたいず思った時、䞀筋涙が零れた。


     倜の犏岡は過ごしやすい颚が吹いおいる。
    今日の宿は高玚ずたでは行かないが、いいホテルを予玄した。
    䞀通り手続きを終え、私の今晩の郚屋を開けた瞬間、そこには綺麗な空間が広がっおいた。
    赀い絚毯に、癜い壁。たったそれだけだったが非日垞を味わうには充分だった。
    そこに腰を掛けた瞬間、猛烈な眠気に襲われた。

    ────────────
    久しぶりに倢を芋た。
    䞡芪が再婚する倢だった。
    手を取り合い、たた䞀緒に暮らすんだよず母は私に埮笑みかけた。父も嬉しそうな衚情をしおいた。
    ────────────

     気が぀くず、朝日が顔を芗かせおいた。

     倢、だった。
    珟実だったずしおも、もう遅いが。

    あおいは気を取り盎しお昚晩萜ずせなかったメむクを萜ずしおいく。
    あヌあ、たたメむク萜ずせなかったな 
    今の時刻は9時、ちょうどモヌニングビュッフェも終わった頃合だ。

    たた䞀からメむクをし盎すず、あおいは倧宰府に向けお歩き始めた。
    ず、思ったのだがホテル近くに矎味しい明倪フランスが楜しめる店を芋぀けおしたい、180°方向転換をした。

    これも䞀人旅の醍醐味だよね。
    足取り軜やかに私はその店の前たで来た。

    ここでは目の前で明倪フランスを焌き䞊げおいたり、食べ歩きように切り目を付けたりしおくれる。
    むヌトむンもあり、オシャレで玠敵な空間だ。

    明倪フランスを手に取る前に玠敵なブランゞェリヌがあおいの目の前に広がる。
    クロワッサン、クロックムッシュ、メロンパン どれも矎味しそうだ。
    だが、あおいは明倪フランスの事しか頭にない。
    「明倪フランスを2本お願いしたす」
    お姉さんは手際よく詰めおくれる。
    「2本で500円になりたす」
    かなり良心的な倀段だ。
    これなら近所にあったら毎日でも食べられる。

    倖におあ぀らえ向きにベンチが䞊んでいる。
    涌しく爜やかな青色の空が広がる今日、倖で食べないずいう遞択肢はない。
    包み玙を少し捲り、1口分ちぎる。
    口の䞭にゆっくり入れるず、明倪子の蟛旚さが脳倩に響く。
    「これが 明倪フランス   」

    フランスパンは元から奜きだった。
    明倪子は昚日食べるたであたり奜んで食べおこなかった。
    加熱しおいない明倪子を食べたのはこれが初めおかもしれない。
    フランスパンず明倪子を最初に組み合わせようず思った人はどう、思い぀けたのだろう。
    私もこんな倩才的な発明がしたいずいう原動力をたた、芋぀けおしたった。


     倧孊を卒業しあおいは倧手ず呌ばれる䌚瀟になんずか入れた。
    䜕幎かは良かったが、ある時を境に䞊叞から目を付けられるようになった。
    開発のかの字も出来なくなったあおいを埅っおいたのはパ゜コンから出る英語の矅列ではなく、呚囲からの冷たい颚だった。
    その頃からだろうか、䜕かから逃げたいずいう衝動に駆られ始めたのは。
    最初は、仕事垰りに知らない街に飲みに行くずか、䌑日遠出をしカフェに行く䜍のものだった。だが最近はそれすらしなくなった。
    その代わりず蚀っおは䜕だが、こうしお旅に出るようになった。

    犏岡の午埌は気枩も䞊がり、暑くなっおきた。
    矜織っおいた長袖をカバンにしたう。ず同時にカバンからレシヌトがひらひらず空ぞ飛んでいく。

    あっ あああ 
    行っおしたった。あのレシヌトには旅の思い出が詰たっおいたのに。
    あおいはベンチから立ち䞊がり、たた歩き始める。

     「あヌおヌいヌ」
    階段を駆け䞊る音ず共に母
    の声がする。
    「あおい早く起きお手䌝いなさい」
    私は目を擊るずパゞャマ姿のたたリビングに降りおいく。
    テヌブルの䞊には焌きたおのトヌストず牛乳が眮かれおいる。
    「あおい、ほら早く食べちゃっお」
    いただきたす。ず軜く蚀い私はトヌストを䞀口かじる。

    「明埌日、この家から出おくから。荷物たずめおね。」
    たった䞀蚀だったが、どこか母の背䞭からは哀愁が挂っおいた。

    父ず母が離婚するず聞かされた時、頭に岩が萜ちおくるような感芚を芚えた。ず、同時に私の䜕がいけなかったんだろう、ずも思った。
    高校3幎生の受隓を控えたあの冬に、どうしお急ぐように離婚したんだろうず今でも思う。

    䞀軒家から八畳間に母1人子1人で匕っ越すにはそれなりの敎理をしなければいけなかった。
    友達ず撮ったプリクラや、昔行った氎族通のチケット 私にずっおの倧切な思い出も、母からすればゎミだったようで「捚おなさい」ず䜎い声で蚀われた。

    あの頃からなんでも物を捚おるようになった。
    父がいなくなり、母に捚おられたくはなかった。
    いい子ちゃんで、いたかったのだ。

    倧孊4幎間は父ず母で取り決めおいたのか、すんなりず通うこずができた。
    生掻する䞭で友達ずも同じ講矩を取り、なんやかんや家の事情を忘れお楜しむこずができた。
    ただ、アむスブレむクの時間、隣の垭の子に初めおお父さんは䜕をしおいるのず聞かれ、無蚀でう぀むくこずしかできなかった。

    あおいはアルバむトを始めた。
    月に2䞇、絊料が入るず机の䞊においお倧孊ぞ行った。
    この頃から母を憎むようになった。専業䞻婊しかしたこずがない母に、䜕ができるのか、父ず離婚しなければ働くこずもしなくおいいのに、ず。

     そんな事を思い出しおいるず、い぀の間にか商業斜蚭が立ち䞊ぶ゚リアぞず足を螏み入れおた。

    広い公園を取り囲むように高局ビルが立ち䞊ぶ姿は、たるで䞊から芋守っおいるようだった。そのうちの1぀のビルぞず歩を進める。
    䞭に入るず、吹き抜けになっおいる。
    倩井からはシャンデリアが垂れ䞋がっおおり、キラキラ光り茝く店たちず混ざり合っお、あおいが立ち寄るのを今か今か埅っおいる。

    「うわぁ綺麗」
    あおいはずあるアクセサリヌ屋の前で立ち止たる。
    それは、青い宝石が台座に埋め蟌たれたネックレスだった。

    「そちら、圓店でも人気の石を䜿ったネックレスでしお、䞭々入荷しないんです。この石はタンザナむトず蚀っお、石蚀葉は『垌望』なんですよ。」

    垌望 。あおいが今䞀番求めおいるものだ。
    誰にも頌れず、䞀人でいるこずしかできないこの悲しみを、あず䜕幎背負っお行かなければいけないのだろう、ず。
    目の前のお姉さんは笑顔で続ける。

    「タンザナむトは、12月の誕生石でもあるんですよ。」

    12月 。私の誕生月だ。
    お姉さんは眩しいくらいに明るく私ず話しおくれる。

    「ちょうど、私12月が誕生日なんです。」
    売り぀けられる、そう思ったあおいは俯きながらそう蚀った。

    「たあ、玠敵ずころで、もしお客様がよければ、このネックレス詊しに着けおみたせんか」

    普段アクセサリヌを぀けずに出勀しおいるせいか、あたり実感が湧かない。
    乗り気ではなかったが、詊しに着けるだけなら、ず断れなかった。

    鏡があるショヌケヌスの前に案内される。

    「良ければお着けいたしたすね」
    あおいが髪を前に持っおくるずお姉さんは
    「恐れ入りたす」
    ず蚀い、そのたたあおいの銖にネックレスを着ける。

    いかがですか
    ものの数十秒で青いその宝石はあおいの銖元に鎮座しおいる。

    綺麗だった。
    自分に銎染んでいるかず問われれば分からないが、この私の銖に付いおいる茝きは確かに綺麗だった。

    「お客様 いかがですか」
    ボヌっずしおいたのだろう、銖を傟げながらお姉さんが問いかけおくる。

    「あっ 玠敵ですね、これ 」
    苊笑いを浮かべながらあおいは答えた。

    「今倖したすので、もう䞀床埌ろを向いおいただいおもよろしいですか」
    お姉さんは着けるずきず同じ䞁寧さで倖しおくれる。

    胞元が䞀気に涌しくなった。
    どこかにぜっかり穎が開いおしたったように。

    「あの、これください」
    気が付くずそう、発しおいた。
    誰にも取られたくなかった。
    もう、誰にも䜕も取られたくなかった。あの日、母から父を取った女狐にも。

     離婚の原因が父の浮気だず知ったずき、母を責めるのをやめた。
    名前も知らない女狐が父を誑かし、いや、父も女狐に心酔しおいたかもしれない、そう思うず苛立ちが収たらなかった。
    母に䞀床だけ怒ったこずがある。芪子喧嘩の延長だった。
    「どうしお離婚したのお母さんなんお家事しかできないくせに」
    母は悲しそうだった。
    その日の倜、離婚の原因は浮気だず教えおくれた。

    「ありがずうございたす。お包みしたすかそれずもこのたた着けおいきたすか」

    気が付くずお䌚蚈を枈たせおいた。
    胞元の寂しさず、気分転換も兌ねおこのネックレスを着けおいくこずにした。
    タグを倖しおもらい、胞元にもう䞀床鎮座したこの子を、二床ず離さないず誓った。


    再び、お店たちを暪目にあおいは歩いた。
    ただ、先ほどたでずは違い、この宝石が守っおくれおいるような気がした。


     小さいころから、取られるずいう感芚がなかった。
    䞀人っ子で、䜕事も父ず母を独り占めできおいた。
    父も母も愛情を私に泚いでくれたはずなのに、䜕がいけなかったんだろうか。
    自問自答しおも答えは出おこないだろう。
    「あおいが埌悔するこずなんお、䜕もないのよ」
    い぀かの母の声がこだたする。
    でもこれからは私が、母ず、そしおこの宝石を守るのだ。

    垰りの飛行機の時間が差し掛かっおきた。
    あの鬱々ずした毎日に戻るのかず思うず、気が滅入る。
    地䞋鉄の䞭で䞀人、戻りたくないず駄々をこねる。
    だが呆気なく終着駅たで地䞋鉄は人を運び終えた。

    空枯は今から旅をする人々、これから垰る人々、色々いろいろな衚情が芋え隠れしおいるから奜きだ。
    い぀たでもこの情景を眺めおいられる。

    「たもなく東京矜田行、搭乗締め切りでヌす」

     あおいは飛行機ぞず乗り蟌む。
    あの時ず䌌おいる。
    嫌なこずから逃げるように旅に出た。垰るのが嫌だ。
    月曜日、デスクに座れば䞊叞からの芖線が飛んでくるだろう。
    だが、そんな事は今どうだっおいい。
    私はこの旅行で、過去ず向き合った。
    もう消えない私の過去は、できるだけ忘れようず思った。

    「圓機はたもなく、離陞いたしたす。」
    アナりンスが流れるず、あおいは胞元のネックレスをぎゅっず握りしめた。
    ベルトサむンが4回鳎り、空ぞず向かい始めた。

    日垞ぞ旅立぀私を、飛行機が応揎しおくれおいるようだった。

    この物語はフィクションです。

    #創䜜倧賞2026 #オヌルカテゎリ郚門


     
     
    いのあ、ず読みたす。 小説を投皿したり、趣味に぀いお觊れたりいろいろしたす。

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