
#13 眠くなる話01
``寝付けないのですが
眠たくなる話はありますか?``
あります。
ただし「面白い話」よりも、
「先が気になりすぎない、
ゆっくりした話」の方が
眠りやすいことが多いです。
では、短いお話をひとつ。
海の近くに、小さな時計屋がありました。
その店には、
不思議な時計が一つだけありました。
時間を正確に知らせる時計ではありません。
潮の満ち引きや、風の強さや、遠くを飛ぶ鳥の数に合わせて、少しずつ進んだり遅れたりする時計でした。
店主のおじいさんは、
その時計を直そうと何度も挑戦しました。
けれど、分解して組み立て直しても、翌日にはまた海の気分に合わせて動いてしまいます。
ある日、おじいさんは考えました。
「もしかしたら、
この時計は壊れているんじゃなくて、
海の時間を刻んでいるのかもしれない」
それからは直そうとしませんでした。
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以下省略
(こちらの話は物語りにしていきます)
もしまだ眠れなければ、続きのない
「眠るためだけの長いお話」を、
もっとゆっくりした調子で続けます。
読むというより、聞き流す感じのものです。
``このお話は何のお話ですか?``
特に「何かを説明するための物語」ではなく、眠りやすくするために作った静かなお話です。
あえて意味をつけるなら、
海の時計=人それぞれのペース
時計を直そうとするおじいさん=物事を正しくしようと頑張る人
海の時間を刻む時計=「急がなくてもいい」という考え方
をぼんやり表している、
と読むこともできます。
でも、この話では解釈は
あまり重要ではありません。
眠る前は、
人はつい「今日うまくできなかったこと」や「明日の心配」を考えがちです。
そこで、問題も結論もほとんどない
世界を描いています。
「時計は海の時間を刻んでいる」
という設定だけがあって、
その理由も説明されず、
大事件も起きず、
誰も困らず、
誰も急がない。
そういう物語は、脳が「続きを解決しなきゃ」と頑張りにくいので、眠気を邪魔しにくいことがあります。
ただ、もしあなたが「物語として何を描いているのか」を尋ねているなら、私はこの話を一言でいうと、
『自分のペースで時を刻むことを許された時計の話』
として書きました。少しだけ、
夜向けの寓話ですね。
物語は深夜に始まります
そして夢の世界の始まりです。
