マニュアルにない仕事
できる人がやる仕事(不在)を書いた。
今回は、同じ職場での別のやり方。
仕事の継続には惰性に惰性が重なっていた。
上司やそれ以外の職員の異動、やめる人もいて、もともと所属していた人が私だけになった。
「先輩になったので、積極的に意見言ってね」
「先輩なんだからしっかりしてね」
「お手本になれるように」
「自信を持って」
頭と腹が痛くなった。
他のフロアのヘルプにも行くことがあった。
どこも似たようなものだった。
上司が変わって、方針が変わった。
流れや雰囲気がだいぶ違った。
それまでは、何よりも利用者第一、理想を追うやり方だった。
変わってからは、仕事をこなすようになった。
以前は、必要なことをその都度、介助する形だった。
そのあやふやな流れを整理して、視覚化してマニュアルを新しい上司は作った。
最初のうちはマニュアルがあると動きやすく、良いと思った。
でも、マニュアルから少し外れると
「何でそんなことするの?」
返答しにくい質問をされるようになった。
今すぐは、必要なかったかもしれないが、やっておくといい、と思うことがある。
例えば、個室で利用者がいない間に窓を開けて換気。
サイドボードやベッドのシーツを整える。
いつも気にするべき事でも、
職員の匙加減なところがある。
一つ一つ覚えてやると言うより、気づいてやる。
それが、マニュアルには入っていなかった。
また、マニュアル通りにことが進まないと、
「何で終わらなかったの?これとこれとこれだけだよね?何で?どうして?」
マニュアルに縛られるようになった。
「何で?」と聞かれるのが、怖くなった。
監視されてるような気がした。
もともと、自信は無かったが、それも薄れていった。
何もできなくなっていた。
さらに、勤務の休みが以前より希望通りには取りにくかった。
事前に相談 すれば、休みを取れないわけでも無かった。
しかし連休は無い。有給は殆ど使えていなかった。
上司の機嫌がいい時と悪い時の落差が激しく、相談をすること自体が面倒だった。
それだけで疲れた。
業務に対して、今までのやり方で、改善するべき点が有ったと思う。
だから、上司の言うことが、わからなくもなかった。
ただ、利用者第一のようで、マニュアルが全てになっていた。
マニュアルは、基準のはずだった。
相手は生きている人だった。
改善に意見を通そうと思っても、一度却下がでるとそのままだった。
どうにもうまくいかなかったから、意思疎通を図ろうとしたが、うまくいかなかった。
思えば、苦手な人と話す方法をよく知らなかった。
意思疎通はこんなに難しかったのか。
後から知ったが、他の職員も似たようなことで困っていた。
複数の職員が困っていたのに本人は何とも思わないように見えた。
仕事は利用者のために行う。
しかし、この人の下で働くと、怒られないように仕事をしているようだった。
何だか意味がわからなくなった。
誰のための仕事だったのか。
そのまま、続けていた。