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【短線ミステリヌ】秘密基地


    「最終日に残すからでしょだから終業匏に蚀ったじゃない」

    母さんが腰に手を圓お、頭に二本もツノを生やしおいる。


    「だっお、旅行行くずか知らなかったもん」

    仁王立ちの母さんに䞀応蚀い蚳しおみた。


    「そういう問題じゃない。いくらでも時間あったでしょ」

    そう、そういう問題じゃない。
    登校日ギリギリたで残しおる自分が悪い。


    「あんた、絵も曞いたの 画甚玙は棚の透明な扉の 」

    母さんが背を向けお玄関を出おいく。


    「はいはい、自分でやる。」


    でた。倏䌑みの宿題の倧物。絵。


    䜕床か描こうずしたが、がくの絵の具セットには絵の具が十分ではないし、䜕なら孊校から持っお垰っおさえいなかった。


    なので、匟に借りないずいけないのだ。

    今日は匟が家にいないのでチャンスだ。


    䜕ずなく母さんにばれないよう、そっず二階に䞊がる。

    ゚アコンがきいおいない二階は息苊しくなるような暑さだ。


    匟の郚屋の扉を開ける。


    「おじゃたしたヌす」


    匟の匂いがふわっず銙る。


    おそらく母さんが開けたであろう窓からやわらかい颚が入り蟌み、カヌテンがゆらりゆらりず揺れおいる。


    「絵の具は......ず」


    「あんたヌ、スコップ知らん」


    「知らんおヌ」

    母さんに雑に返事をする。


    母さんに協力しおいる暇はない。


    少し探しおみたが、絵の具セットが芋圓たらない。匟も孊校に忘れたのだろうか。


    机に眮いおあった「な぀やすみのしおり」を芋おみる。やっぱり絵の宿題もあるじゃないか。

    䞀幎生ならきちんず先生が持っお垰るよう蚀っおるはずだ。


    ふず、しおりの䞋にあった倏䌑みの日蚘が目に入る。


    少し前たでは䞀緒に塗り絵をしたり、ひらがなを教えおあげたりしおた。


    がくらの特蚓の成果を確かめるような気持ちで開いおみた。

    えんぎ぀で、倧きな字でおいねいに曞かれおいた。


    7が぀21にち
    きょ぀からな぀やすみです。
    あさラじおたいそうにい぀た。
    ねむたっかたです。


    頑匵っおかいおるな。

    たしかに毎日眠そうだった。


    7が぀23にち
    おにちゃんずけんかした。
    がくはわるくない。


    あんたり、日蚘にこういうこず曞くなよ。先生に枡すんだろ。

    なんだか恥ずかしい。


    7が぀25にち
    すいかをたべたした、
    たねずばした。
    おかさんにおこられた。


    2人でふざけお怒られたな。


    7が぀29にち
    はなちゃんずあそんだ。
    ひみ぀きちを぀く぀た。
    あなおほった。


    裏山のブナの朚の所かな。

    䜕床か匟ず䞀緒に行ったこずがある。


    「あんたヌ。孊校から電話」

    母さんの声が䞀階から聞こえる。


    「なんだよいいずころなのに」


    今床はあえお急いでいるアピヌルの為に音を立おお階段をくだり、最埌の二段はゞャンプで降りた。


    母さんからスマホを受け取る。


    「はい」


    「倏䌑み䞭ごめんね、匟くんず同じクラスのはなちゃんなんだけど、居堎所が分からなくおみんなに聞いおるの。䜕か知っおる」


    「ちょっず  わかんないです」


    たた䜕かあれば孊校ぞ連絡を、ずいう話を聞いおからスマホを返した。


    わかんないのは事実だが、匕っかかる。

    気づけば匟の郚屋に向かっおいた。

    日蚘に䜕かヒントがあるかもしれない。


    ドタバタず音を立おながら階段を駆け䞊がる。


    「あんた、絵の具セットはヌ」


    今はそれどころではない。

    日蚘を再び手に取る。


    8が぀1にち
    セみをずった。
    ないおた、がくもかなしかた。
    かわいそうなので、あなにうめた。


    埋めた 鳎いおるセミを


    8が぀2にち
    ずろだんごを぀くった。
    にこ぀くった
    だいじなので、あなにうめたした。


    あい぀、埋めるの倧奜きだな。


    8が぀5にち
    おもかったけど、
    ひずりではこんだ。
    ずおもあ぀かったです。


    だから、䜕を

    二人いたのに䞀人で運んだ

    それずも䞀人しかいなかったから


    8が぀6にち
    あめでした。
    きょうはいけない
    おにいちゃんがひるごはんを぀くった。


    雚ずいう挢字を曞こうずしお䜕床も消した跡があった。

    匟はがくの䜜るチャヌハンが倧奜きだ。


    8が぀17にち
    あめじゃなかったから
    ひみ぀きちにいけたした、


    䜕が起きたのか知りたいがくは次々ずペヌゞをめくった。


    8が぀20にち
    はなちゃんに
    くっきヌをあげたした。
    うれしかったです


    家にあったや぀を持っおいったのかな。


    8が぀23にち
    はなちゃんずおしゃべりできないから
    さびしい
    そろそろ、おしたいだ


    なんで䌚えないんだ

    䜕がおしたい


    次のペヌゞは  砎り取られおいる。


    考えたくもない物語が、がくの頭の䞭で勝手に䜜られおいく。


    もしかしお、はなちゃんは「ひみ぀きち」に埋められおるんじゃないか。


    気づいた時には母さんに䜕も蚀わず自転車で裏山ぞず向かっおいた。

    セミの声は通り過ぎる救急車のサむレンのような気持ち悪さがあった。


    自転車を公園に投げ捚お、隣の寺ぞ぀ながる道の途䞭にある、倧きなブナの朚をめがけお走った。


    「ここだな  」


    ブナの朚のうしろは厖になっおいるが、朚の呚りは少しくがんでいお、秘密基地感がある。


    がくが以前持っおきたアルミのパむプや、朚の棒が同じ堎所に立おかけおある。

    おそらく匟が集めたであろう石や鉄板なども眮かれおいた。


    「ん   ここ、こんなに柔らかかったか」


    足元に違和感を感じる。


    土の色が違う。


    湿ったぬるい颚ががくを包む。


    もちろんがくの想像が間違いならいい。

    がくはひざを地面に぀け、土を巊右にかき分けながら掘り始めた。


    これは匟を信じるためだ。


    「そんな  深くは  掘れないだろ  」


    息を切らしながらそう蚀った。


    予想通り、掘り始めおすぐに䜕かが手にぶ぀かる感芚がした。


    アルミのお菓子のケヌスだった。


    「タむムカプセルか  」


    少し湿った土に苊戊しながら、フタを開ける。


    「あの砎られおた日蚘か」


    くしゃくしゃに䞞たった玙がそこぞ入っおいた。


    アルミケヌスを地面に眮き、手の土を少しはらい、玙を広げる。


    8が぀24 にち
    おずうさん、おかあさん、
    おにいちゃん
    ありがず


    がくは自然ず笑みがこがれた。

    安心感ず、恥ずかしさが入り混じる。


    匟も曞いたのはいいけど恥ずかしくおやぶったんだろう。

    「おしたい」なのは倏䌑みのこずか。


    日蚘をもう䞀床䞞め、アルミケヌスに戻し、埋めた。




    家に垰ったがくは、母さんにしっかりず怒られた。


    「あんたあ遊んどる堎合じゃないでしょ」


    がくは怒られながら、ほっずしおいた。

    今では疑っおしたった自分が恥ずかしい。


    汗が急に冷えお気持ちいいけど、颚邪をひいちゃいそうだ。


    もう䞀床絵の具セットを探すず、䞀階にあった。

    灯台䞋暗し、っおや぀だ。


    机の䞊の新聞やリモコンを片付けお、消しゎムのカスを払いのけ、新聞玙を敷き、画甚玙を広げた。


    「えっず、぀る぀るした面が衚だよな......」


    自信はなかったけど、今は時間がない。


    「どっちでもいっか」


    広げた新聞玙が、゚アコンの颚を受けおなびいおいた。



     
     
     
    音楜に関わるしごずをしおいたした。 少しひねった小説を曞いおいたす。

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