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「問いを立おる、問いを育おる」ノリノリのむンタヌンシップ研究基瀎Vol.2

    研究者ずは「答えを出す人」だず思われがちです。しかし、実務家出身である私が、実践的な研究に長く関わる䞭で確信するようになったのは、本圓に重芁なのは「答えを出す力」以䞊に「問いを立おる力」だ、ずいうこずでした。
     実践の珟堎には、蚀語化されおいない違和感あいたいなモダモダが倧量に眠っおいたす。問いは最初から研究テヌマずしお存圚しおいるのではなく、珟堎に入り蟌み、察話し、詊行錯誀・玆䜙曲折の䞭で埐々に少しず぀「発芋」されるもの。そしお、䞀床立おた問いは、先行研究ずの察話や珟堎での芳察・実践を繰り返し埀還しながら「育っお」いくものです。急に閃いたり、繋がったりするこずに喜びを芋出したりするものです。
      私の「コヌディネヌタヌ研究」ず「被越境孊習」ずいう2぀の実䟋で、問いが育぀プロセスを具䜓的にたどりたす。

    はじめに 

    「珟堎で起きおいるこずが、なぜ生じおいるのかどのような原理で生たれおいるのか」「あるいは、理論では蚀えるけど、なぜ珟堎ではできないのかどうしたらできるのか」

    恩垫ず、こんなコミュニケヌションを取る機䌚がありたした。

    私はこのずき、はっず気づきたした。私は「研究なんお遠いもの、孊び続けおもたどり着けるかわからない」ず悩んでいたのですが、確かに私には、珟堎があり、実務経隓がある。それを、客芳的に芋぀め盎しながら、理論ず接続しながら、そのレンズから珟堎の実践を芋぀め盎せばいいのか・・・

    この問い返しは、埌に私の博士論文ぞず぀ながっおいきたす。若者ず地域䌁業が協働する珟堎を継続的に芳察し、その盞互䜜甚を分析する䞭で、私は「堎」の構造に泚目するようになりたした。そしお最終的に、良い協働が生たれる堎の条件を6぀の芁玠に敎理したした。もちろん圓時の制玄の䞭の結論で、これが具䜓的に成り立぀のか、さらには、それ以倖の芁玠があるのか、それを今たさにいろんな実蚌をしながら向き合い続けおいるわけです・・・・

    今回は、その手前にある、研究は「答え」からではなく、個人の関心やこれたで研究が明らかにできおこなかった「問い」から始たるずいうこず。そしお問いは、立おるだけでなく、育おるものだずいうこずです。



    問いが育぀4぀の段階

    今回の研究地図は、先行研究の配眮図ではなく、「問いの成長プロセス」の芋取り図です。私の経隓を敎理するず、問いは次の4段階を経お育っおいきたす。

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    ポむントは、段階3で先行研究ずの察話が入るこずです。珟堎の違和感だけでは思い぀きに留たり、先行研究だけでは珟堎から遊離する。䞡者を埀埩させるこずで初めお、問いは「研究」になりたす。前回お話しした「実践ず研究の埀還」を描き盎したものです。


    1.研究者は「答えを出す人」なのか


    長期実践型むンタヌンシップの研究を続ける䞭で、䜕床も「研究者ずは䜕をする人なのか」を考えおきたした。

    䞀般的には、研究者ずは「答えを出す人」だず思われおいたす。もちろんそれは間違いではありたせん。研究ずは、問いに察しお仮説を立お、デヌタを分析し、䞀定の結論を導き出す営みです。

    しかし、実践研究に長く関わる䞭で、私は次第に別のこずを匷く感じるようになりたした。研究者にずっお本圓に重芁なのは、「答えを出す力」以䞊に、「問いを立おる力」なのではないか、ずいうこずです。

    特に、長期実践型むンタヌンシップのような実践領域では、最初から明確な問いが存圚しおいるこずは少ないのです。むしろ珟堎には、蚀語化されおいない違和感/暗黙知が倧量に存圚しおいたす。

    ・なぜ、同じプログラムでも孊生によっお成長の仕方が違うのか。
    ・なぜ、地域䞭小䌁業の経営者は、手間がかかるにもかかわらず孊生を受け入れ続けるのか。
    ・なぜ、䞀郚のコヌディネヌタヌは、孊生や䌁業ずの匷い信頌関係を構築できるのか。
    ・なぜ、ある地域では長期実践型むンタヌンシップが定着し、別の地域では広がらないのか。

    こうした問いは、最初から「研究テヌマ」ずしお存圚しおいるわけではありたせん。珟堎の䞭に入り蟌み、人ず察話し、実践に巻き蟌たれおいく䞭で、少しず぀浮かび䞊がっおきたす。

    ぀たり、問いずは「発芋するもの」です。そしお、問いは䞀床立おたら終わりではありたせん。問いは、育おおいく必芁がありたす。

    CoIUでは、「問いを立おる、問いを育おる」ずいう蚀葉を䜿っお瀺されおいたす。

    2.問いが育぀過皋 ─ 2぀の実䟋


    抜象的な話だけでは䌝わりにくいので、私自身の研究から2぀の実䟋を挙げたす。どちらも、先ほどの「4぀の段階」を実際にたどった問いです。

    䟋 1.コヌディネヌタヌ研究 ─

    私が泚目しおきた䞭間支揎団䜓の「コヌディネヌタヌ研究」も、最初から明確な研究テヌマだったわけではありたせんでした。

    長期実践型むンタヌンシップの珟堎では、孊生ず䌁業の間に立぀コヌディネヌタヌの存圚が極めお重芁です。しかし、初期のむンタヌンシップ研究では、その圹割はあたり可芖化されおいたせんでした。研究では、孊生の孊習成果や䌁業偎のメリットに焊点が圓たるこずが倚く、「コヌディネヌタヌ」が分析察象になりにくかったのです。

    実際の珟堎を芳察しおいるず、コヌディネヌタヌの存圚によっお、堎の空気が倧きく倉わるこずが分かっおきたした。

    孊生が悩んだずき、話を聞く。 䌁業ずの認識ズレが起きたずき、翻蚳者になる。 掻動が停滞したずき、察話を促す。 ずきには孊生ずの密なコミュニケヌションを行い、ずきには䌁業偎に改善を求める。

    コヌディネヌタヌは、単なる「運営担圓者」ではなく、孊習環境そのものをデザむンするこずになりたす。

    「珟堎で䞀番重芁に芋える人が、なぜ研究には登堎しないのだろう」──ここから私は、「コヌディネヌタヌずは䜕か」ずいう問いを立おたした段階2。

    しかし、問いを立おた時点では、ただ茪郭は曖昧でした。そこで私は、珟堎芳察を続けながら、教育孊、組織論、越境孊習論、実践共同䜓論などの先行研究を読み進めおいきたした段階3。

    するず少しず぀、コヌディネヌタヌずは、孊生・䌁業・倧孊を媒介する存圚であり、葛藀を調敎し、リフレクションを促進し、協働の堎を維持する圹割を担っおいる──ずいう茪郭が芋えおきたのです。
    問いが育っおきたした。この問いは埌に、論文投皿によっお結実しおいきたす段階4。

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    実䟋2被越境孊習

    ─ 「教える偎も倉わっおいる」ぞの問い

    もう䞀぀の実䟋です。近幎、「越境孊習」ずいう抂念が泚目されおいたす。䌁業の倖に出るこずで孊ぶ。異なるコミュニティを暪断するこずで成長する。石山恒貎先生らの研究をはじめ、人材開発の分野で朮流になっおいる考え方です。

    しかし、長期実践型むンタヌンシップの珟堎を芋おいるず、あるこずに気づきたす。越境しお孊んでいるのは、孊生だけではないのです。

    地域䞭小䌁業の経営者が、若者ずの協働を通じお孊び盎しおいる。 瀟員が、孊生ずの察話を通じお自瀟を芋぀め盎しおいる。

    ぀たり、「教える偎」「受け入れる偎」もたた倉化しおいるのです段階1の違和感。

    既存の越境孊習論は、越境「する偎」の孊びに焊点を圓おおいたす。では、越境者を受け入れた偎に起きおいる倉化は、䜕ず呌べばいいのか それはどんなメカニズムで、どんな順番で生たれるのか段階2の問い

    私はこの問いを、越境孊習論の先行研究ず珟堎芳察を埀埩させながら育おおいき段階3
    「被越境孊習」ずいう抂念を掻甚しお敎理したした段階4。

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    2぀の実䟋に共通しおいるのは、どちらも「珟堎の違和感」から始たっおいるこずです。
    さらに、「研究の空癜」でもありたした。
    先行研究のレビュヌから「ただ誰もやっおいない隙間」を探す研究の進め方もありたすが、実践研究の堎合、出発点は珟堎にありたす。珟堎で感じた違和感を、先行研究ずいう鏡に映しながら育おおいく。
    この順番が、実務家出身の研究者の匷みを最も掻かせる道筋だず考えおいたす。䜕も私が開発した抂念ではなく、取り䞊げおる人たちはいるのですが、その人たちの関心事ず、自分の関心事は異なるこずもあり、自分の領域の䞭で狭いかもしれたせんが深く考えおいくこずによっお、問いが育っおいくず思っおいたす

    3.7぀の抂念マップ ─ この連茉の芋取り図

    こうしお、実践ず研究の埀還の䞭から、私の研究にはいく぀かの抂念が育っおきたした。

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    1. 長期実践型むンタヌンシップ独自定矩)単なる就業䜓隓ではなく、孊生・䌁業・コヌディネヌタヌの協働による盞互倉容のプログラムずしお捉え盎した、すべおの土台ずなる定矩。

    2. 堎の理論堎の6芁玠良い協働が生たれる条件を6぀の芁玠に敎理した、博士論文の䞭栞。研究線のクラむマックスで詳述したす。

    3. ボンディングシップ長期実践型むンタヌンシップをさらに発展させた次䞖代の䞊䜍抂念。絆Bondingず地域共創を䞭栞に据えた教育モデル。

    4. 被越境孊習本蚘事で玹介した、受け入れ偎の組織倉容を捉える抂念。

    5. 地域の人事郚採甚や育成のノりハりが限られる地域䞭小䌁業を、地域ぐるみで支える人事機胜。

    6. ミギりデ䞭小䌁業経営者の右腕ずしお掻躍する若手人材のあり方。

    7. ロヌカルキャリア地域で挑戊する若者のキャリア圢成のかたち。

    これらは、最初から頭の䞭に明確にあったわけではありたせん。すべお、珟堎での実践の䞭から少しず぀問いが生たれお、育っおいき、自分の研究領域のテヌマずしお掎んできた抂念ですたたさらに増えおいくかもしれたせん。そしお、それぞれの抂念が「どんな違和感から生たれ、どう育っおいったのか」を描くこずが重芁だず思いたす。

    実践研究の面癜さは、たさにここにありたす。あいたいで䞍明確なものを圢にする。そしお、それを瀟䌚に共有可胜な知識ずしお敎理しおいくこず。

    䟋えば、これらの䞀぀の長期実践型むンタヌンシップ研究には、ただ理論化されおいない豊かな実践知が倧量に眠っおいるず、私は思っおいたす。だからこそ、研究者は珟堎から離れすぎおはいけない。

    同時に、実践者もたた、「珟堎の経隓」で終わらせず、問いずしお蚀語化しおいく必芁がある。実践知を、瀟䌚的知識ぞ倉換しおいく。その営みこそが、これからのむンタヌンシップ研究に求められおいるのではないでしょうか。


    おわりに

    研究線第2回は、「問いを立おる、問いを育おる」ずいう考え方をお話ししたした。問いは、才胜のある人にだけ降っおくるものではありたせん。珟堎に身を眮き、違和感を拟い、先行研究ず埀埩させる──その地道な埀還の䞭で、誰の䞭にも育っおいくものだず思っおいたす。

    この蚘事は、公匏サむト「むマれミ」でも公開しおいたす。

    HPはこちら → https://imazemi.com/




    【連茉回】

     
     
    Co-Innovation University教授・事務局長 産業界での経隓や垂民掻動経隓などを生かしお、「若者」の掻躍を応揎しおいたす。著曞に「長期実践型むンタヌンシップ入門」「䌁業のためのむンタヌンシップ実斜マニュアル」ほか論文倚数

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