
【イラストエッセイ】5月病の特効薬!新社会人に伝えたい。楽してスキルを身につける方法。
新卒の私が就職したのは、佐賀に50店舗ほどを構える調剤薬局だった。
私は、佐賀市内に部屋を借り、車で片道40分ほどかかる田舎町の薬局に配属された。

昔ながらの病院を町中の人がかかりつけにしているので、患者さんは多く、薬局も忙しい。薬剤師定数3の規模の店舗だったが、人手不足の影響で、配属1年目は一つ上の男性薬剤師と私の2人だけ。
それを補うために、月・水・金の週に3日、いろんな店舗から薬剤師の助っ人が来てくれていた。
これが、私の密かな楽しみになっていた。
自分が他のお店に行くのは緊張するが、
ここは勝手知ったる私のホーム。
ようこそ、我が家へ☆
しかも、来るのは、本部の偉い人や各店舗の店長クラスのベテラン勢。そんな面々に、新人の私が張り切ってお店の中を案内できるのだ。
薬局というのは、毎日同じスタッフで、来るのはいつメン、変わらない薬。

慣れてくると、薬局の窓から病院の駐車場を見て、
「あ、今日は〇〇さん来てるんだ。でも、今日は定期の日じゃないから風邪かな」 と、車で判断できるくらい、日々は同じ。
飽きる。
だから、珍しい人がやってきてくれる3日間は、ウキウキした。
遠いけど、また行ってもいいなぁ。
そう思ってもらいたい!!
毎回、コアラのマーチやらたべっ子どうぶつやらパイの実なんかのお菓子を用意して、歓迎した。
ここまでなら、私はすごく純粋でいい子っぽい。
が、しかし、私には、重要なものが既に欠けていた。
向上心。
やる気なし、勉強が苦手。
落ちこぼれ薬剤師としてもピチピチの1年目だった。
仕事から帰って勉強しようという良い心は、配属ちょうど1ヶ月目に寝坊をした日に置いてきてしまった。

そんな私の前に、立派なベテラン薬剤師たちが現れた。

この人たちは、いろんな科の処方せんを捌いてきた、しゃべる薬学書。
「この薬が出たらこう話す」という攻略法を教えてもらった方が勉強するより近道。
私は必殺無邪気で、ニコニコ、クネクネして教えをこうた。

また、その当時は、薬剤指導料という加算があり、薬の説明をちゃんと行ったら取れる点数で、投薬する薬剤師の力量に左右されるものだった。この点数が利益に直結するので、会社から店舗ごとに月間目標が勝手に決められていた。
ふふふ。これを使おう。
他店舗から来る助っ人薬剤師は、薬がどこにあるかわからないので調剤はできない。もれなく投薬席に入ることになる。
私は投薬席のパソコンに付箋を貼った。
今月の目標○%!今月残り○日!
あとは、調剤室からそっと患者さんとの会話を盗み見るだけ。
私の、ラクして勉強できる自動化が完成した。

そんなことを続けていたある日、エリアマネージャーが店舗にやってきた。
「この店は、何かあるの?」
キョロキョロして私を見て、こう言った。
「お前か!!」
私は、はてな顔だった。

後日、再びエリアマネージャーが笑顔でやって来た。
なんと、本部で話題になっているという。
ベテラン薬剤師たちが、いつも自分の店舗では取らない加算を、なぜかこの店では取るのはなぜだと。
新人の仕業だと伝えたら、本部の偉い人たちが、のけぞっていたそうだ。
私が作ったのは、ラクして勉強ができる仕組みではなく、どうやら、
働かないおじさんを自動化する仕組み
だったようだ。
そして、実は、ここで最も身についたのは、教えてもらった豊富な薬の知識より、必殺無邪気という技。この後も、環境が変わる度に幾度となく身を救ってくれた。
しかし、そんな私は、今、働かないおばさんに悩んでいる。
おばさんは、おじさんより手強い。
【自己紹介】

どうも!薬剤師でイラストレーターのパー子です!
挿絵を描きたくて、エッセイを書いています。
【落ちこぼれ薬剤師】や【人間一周目の気づき】など、ちょっとクスッとする投稿をしています。ぜひ、お気軽にフォローやコメントお待ちしてます🌟
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