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【検証】通勤中に大谷翔平の打率を超えたい

    朝の通勤電車は戦いである。

    ごった返す人混みの中、赤の他人と恋人級の距離感で数十分を共に過ごす。ただ、パーソナルスペースだけは絶対に譲らない、そんな陣地取りゲーム。

    その中でも、運に選ばれた者だけが使える安息の地である「座席」。

    着席できた記録をもとに「通勤中に大谷翔平の打率を超えたい」。


    ・ルール説明

    いつも同じ時間の同じ電車に乗っていて、この座席に座りたいという場所がある。それが乗車した反対側の端の席。

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    降車駅が席側の扉であり、直前にある繁忙駅(複数の路線がある乗換駅、人がたくさん乗ってくる)から学生と社会人がとんでもなく乗ってくるため、降りる時の最短距離を出せる端の席が一番良い。

    出勤日では、なんとかこの席に座りたいものの、通路に入らず通せんぼしている人や、電車が到着した時の人混みの感じなど、コンディションが日々変わるため記録していく。

    打率は「打率=安打数÷打数」で求められる。

    ここで言う打数(打席に立った回数)と安打数(打った回数)とは、以下の通り。

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    座ることが出来た場所にも少し区別をつけて、隅から順に「ホームラン」「ツーベース」「ヒット」とする。調べてみると、スリーベースはホームランよりも難しいとのことなので今回はなし。

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    最後に盗塁も用意。ヒット、ツーベースに座った後に、ホームランの席まで移動出来たら盗塁とする。

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    また、いつでも座れることにすると、チャンスがありすぎるため、カウントする席は乗車駅から2駅先の駅(人が降りることが多い)のみとする。

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    大谷翔平選手のデータは「大谷翔平 成績 日別」で検索し、最上位にあったAMEBA TIMES(https://times.abema.tv/articles/-/10018233)を参考にさせていただく。

    ・ルールまとめ
    1.端の座席に座れたら、位置に応じて「ホームラン」「ツーベース」「ヒット」となる。
    2.2駅先でのみカウントする。
    3.別の座席からホームランの席に移動出来たら盗塁となる。
    4.大谷翔平選手の成績(2024年)を使用する。


    ・プレイボール

    2024年11月18日、企画が始まった。シーズン開幕を迎えた新人選手のようにやる気に満ち満ちている。
    完遂してやるという気合いとウケたい気持ちが、自分でも分かるくらい前面に出ていた。

    11/18(月)乗車するとドア付近に大学生くらいの人が立っている。避けようと左右に動くと、大学生も同じリズムで左右に揺れてくる。このフラワーロックお兄さんは、揺れることもさることながら、揺れながら反発する磁石のように一歩歩くと一歩後退してと、なかなか通路にいかせてくれない。ただのタイミングミスなんだろうけど、数秒の駆け引きがふふっと笑わされた。端に座っている人が立ちあがったので、そのまま狙いを定めて無事ホームラン。

    初日はホームラン。起伏のない通勤時間に「観察」という遊びが加わった瞬間だ。

    noteに記録した記念すべき1打席目。
    ここから1年間、同じ車両に乗り合わせた乗客と席を奪い合うことになる。

    そして、ある事実に気が付いた。


    乗車する車両が変わらないため、一方的な顔見知りが現れることだ。

    遭遇回数でダントツなのが、ドッスンお父さんとベジータおじさん。

    いつも自分の座りたいところ(ホームラン席)に座っているドッスンお父さん。輪郭がやや四角く、マリオに出てくるドッスンと似ているので、そう名付けた。もう一人はベジータおじさん。生え際はM字で、髪はオールバックにセットされている。だが髪質のせいか、ツンツンと束になった毛先が膨らみ、サイヤ人のようになっている。

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    人生の登場人物紹介ページがあるなら、絶対に載らないこの2人が、変化の激しい通勤時間では、当たり前というオアシスだった。

    観察を続けるうちに、勝手にこの人たちの習性が分かるようになっていった。

    12/2
    ……目の前にはカウント駅で降りるベジータおじさんが目を瞑って座っている。昔のベジータおじさんは、降りる時に右か左、どちらに動くか分からなかったが、どうやら動いて欲しい側を少し空けておくと、その隙間を狙って動いてくれる特性を見つけた。……ヒット。

    7/3
    ……ドッスンお父さんは無理やり降りようとはせず、空気を読んで席を立ってくれるから...…昔はなんで動いてくれないんだよって不満に思うこともあったけど、あれは心遣いだったんだなと感じた木曜日。……ホームラン

    おそらくお二人とも、サラリーマン歴でいうと百戦錬磨の域。息を吸うように車内でも気遣いが出来るジェントルマンだ。

    ある日、そんな二人に挟まれる事件が起きた。

    12/4
    記録をし始めて、3週間目にして初めて乗車駅で座ることが出来た。しかも あのドッスンお父さんとベジータおじさんの間に座れた。...…観察側からすると、あの二人とチェキ撮る距離まで近づけるの?!みたいな独特な興奮があった。ただの通勤しているおじさん二人に、メイドカフェのオプション的な喜びを感じてしまうなんて夢にも思わなかった。両手に常連客。……乗車駅で初めて座れた喜びとおじさんに興奮できる体になったことを知れた今日だった。……ホームラン席へ盗塁成功。

    まるでアイドルに出会ったように胸を躍らせている。どんなことにでも愛着を持てば、一般人でも推しになれる。ライバー配信の広告みたいな感想を頭に思い浮かべた。

    どこに座るか分からない二人に挟まれるという貴重な経験は、この先一度もなかった。

    ・1回表

    座れないストレスを形にした結果、大谷翔平選手と比較することになったが、記録を始めてみると通勤電車は様々な人がいる。

    乗り込むと同時に両側の通路を確認するおばさん。車両に乗り込むシミュレーションをしているサラリーマンなど、起伏のない毎日に、小さな発見だけは絶えなかった。

    その中でも、ある日のおじさんは「職人の朝は早い」を体現していた人だった。

    8/29
    電車の中で革靴の調整をするおじさんの横に座ってしまった。……革靴の紐をほどいで、靴の中を覗くおじさんは、自分の膝をテーブルにして、革靴の何かをずっと調整している。ちょこちょこと自分の肘におじさんの手が当たる。電車でメイクをするのが女性の戦闘準備なら、男は革靴調整なのか?紐を全部ほどいたのを、なみ縫いのように元あったところに戻す。……いつもまぶたを閉じて会社に向かう道中を1人の職人に狂わされた通勤でした。アウト

    不思議な出会いだった。「電車」で「靴のお手入れ」というギャップが企画を終えても印象に残っている。


    しかし、変化に喜びを感じながらも、日々の発見はストレスの輪郭をしっかりと実感させてくるものだった。

    1/8
    新年明けてから戦いに向かう戦士の志がない。「結果的に座れたらいいか」の堕落した思考っぷり。……毎日成果を残している大谷翔平の精神力がいかに強靭かを感じざるを得ない。……席に座れずアウト。

    3/7
    最近のマインドが、座れなくてもいいからぶつかって来ないでくれという弱気なマインドだからか、今日もホームラン席には座れなかった。……大谷選手はどんな球が来ても言い訳しないのに、僕ったら…大谷選手と格の違いを改めて感じた金曜日。……アウト

    3月ごろに入ると、シーズンを通して結果を出していくことの難しさを痛感していた。早朝のテンション低下に相まって、満員電車の息苦しさにより、徐々に億劫さを感じ始めたのだ。

    お金をもらって、満員電車に乗り込むプロとして任されたとしても、モチベーションを保つことが出来るだろうか。いや、出来ない。まず、こんなことにお金を出すスポンサーなんていない。

    素晴らしい成果をあげている大谷翔平選手と空席を狙って着席しようとするハイエナは、同じ土俵には立てない可能性をビシビシと感じていた。

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    季節は春になり、人によっては生活環境が変わる。

    それは、この企画の登場人物にも例外ではないわけで、そんなことは起きないでおくれと祈りを捧げた。

    4/4
    乗車駅でツーベース席に座れた珍しい日だったが、4月に入ってから少し懸念点が出てきた。常連のドッスンお父さん、ベジータおじさんを見かけない。役職が上のほうで、たまたま新人研修で席を外してたってことになってほしいところ。……ツーベースから盗塁成功

    ・3回表

    乗客と競り合うだけでは、通勤電車は語れない。打率をあげるため、着席できるようにポジションを整えるなどの戦術の他に、体調管理も大事になってくる。1年間で、インフルエンザにかかったり、生牡蠣に当たってしまう不運もあった。そして、一番厄介なのが、通勤途中で突然勃発する「自分との戦い」になる時だ。

    それが、 便意との戦い。絶対に負けられない戦いだ。

    想像はできると思うが、実際はそれ以上に壮絶である。便意のウーバーイーツとでもいうのか、自宅から職場近くの駅まで、何としてでも守り通さないといけない誇りを、肛門括約筋を頼って運びきる。

    5/12
    朝ごはんを少し前から始めたことで、朝の便意を会社内で発動することが増えた。今日もだいぶパワーを溜めて会社に向かっている。何食わぬ顔で、ホームラン席の前に立つ高校生の横で便意を保っている。自分の秘めるパワーを全開にするためにも、ホームランに座らせてくれ!無事ホームラン!!

    便意との戦いは、その後も静かに続いていく。一方で、もう一つの戦いには、誰も気づかないうちに終わりが来ていた。


    目を凝らすとドラマは、日常にも起きている。

    半径数メートルの世界に、あなたが影響を与えている世界があることを、ベジータおじさんは知らないだろう。

    これ以降、ベジータおじさんを見ることは無くなった。

    6/26
    右通路に移動して待機。常連のドッスンお父さんは健在だけど、ベジータおじさんはもう姿が見えない。4月に転勤でいなくなったなら、3月に見納めしときたかった。自然の流れに任せてると気づけるものも気付けないのかも。ホームラン


    勝手に登場人物にして、勝手に悲しがるなんて本当に身勝手だ。お菓子の販売終了を知ってから「実は好きだったんだよね」と惜しみ始める、あの都合の良い寂しさに近い。失って初めて自覚する。当たり前とはそういうものか。

    悲しさは去っても、あいつはこちらの気も知らずにやってくるから厄介だ。

    7/30
    腹痛が出勤中を狙ってやってくることに、何かしらの罪を与えて欲しい。最寄駅から会社まで腹痛を脂汗かきながら運んで、なんとか周りに迷惑をかけずに済んだけど、腹痛さんそりゃないよ。……アウト

    人が余韻に浸っているところにやってくるなんて、本当にデリカシーがない。おそらく映画のエンドロールが流れているときに、スマホ見るタイプなのだろう。だから、通勤中に襲ってくる図々しさがあるんだろうね。余韻奪いは、有罪だ。

    ・5回表

    9月に入り、記録を始めてからまもなく1年が経とうとしていた。

    残念ながら、歴史は繰り返される。

    あの春の動揺から持ち直したつもりだったやる気を、この頃にはデータを記録するだけのマシンとなっていた。

    9/12
    今日は、見慣れない人ばかりだ。数日前からのこの感じはなんなんだ。今日は森で会ったら死を覚悟する大きさの熊くらい大きい人がホームラン席に座っている。腕の太さはモデルさんのウエストのサイズレベル。おそらく生まれた時には、未来の横綱になると周りも口にしたと思う。隣の人のエリアに、ウエストサイズの腕が領域侵害してる。規格外の大きさは、故意じゃないのに周りを傷つけてしまう。ただ、これは能力を手にした瞬間の主人公みたいに、まだ自分の体の使い方を会得できてないだけかもしれない。……本当は人を助ける力なのに、敵側に回ってるキャラもいるよね。境遇、環境で力を悪用してしまうみたいな。あれあれ。無自覚に傷つけてしまうのは、まだ力が発芽したくらいだからわかってないだけ。みんな怒りで握った拳を一回緩めよう。非暴力の人権運動で有名なガンジーも「握り拳と握手はできない」って言ってるし。そういう持て余した力って人にはあるわけ、それで眉間に皺寄せてもね、もったいないさ。えっと、今日の話なんだっけ?人の可能性みたいな話だっけ?とりあえず、席に座れなかったからアウトはアウトなんだけど、えっと。アウトで〜す

    記録を書かないといけないのは分かってる、でも面倒さが押し寄せて、なかなか文章が書けない。やっと長文が書けたとしても、二転三転も脱線を繰り返し、強引に締めている。

    通勤電車のマンネリ化が止められない。

    4/18
    ……君も将来は大谷翔平選手を超える打率を出せるかな?僕は出すよ。入院中の子供に願われたわけでもなく、スカウトが見に来たわけでもないのに、大谷選手の打率を越えるよ。……アウト。

    4月にはこんな明るく楽しく、無邪気に遊んでいたはずなのに。

    9/18
    昨日辛いまぜ麺を食べた。口で感じる辛さとお腹へのダメージは比例しないようだ。……便意の報告でした。アウト

    もう便意の話しかしていない。

    全体を通して何なんだ。

    記録をつけたら、こんなことになるなんて思ってもみなかった。企画タイトルに「胃腸弱者が挑む!」と吹き出しをつけたほうが良かった。大谷翔平選手の名前を使って野球に絡めた企画なのに、腹痛にまみれた内容で、タイトル詐欺もやめとけよと思う。周りの観察を諦め、自らを観察するしかないなんて恥ずかしいことだ。

    世界を観察できなくなった自分に、観察せざるを得ない状況を作ってくれた救世主がいた。

    あの靴職人だ。

    9/17
    ...…僕の横のお兄さんもホームラン席に狙いを定めたのが分かった……以前話した靴職人のおじさんがスマホをバンバン叩き始めた。スタンディングオベーションの時の強烈な拍手をスマホを間にしてしてる感じ。そのあと音声入力で「元に戻す方法」「緊急時、元に戻す方法」と声に出している。本当、話題に欠けない人だ。スマホがガンダムみたいな意識を交わせるロボットだと思ってるのか、先ほどから「再起動!再起動!」とパイロット並みに叫んでいる。そのまま自分の降車駅に緊急脱出していった。立っている時に隣のお兄さんとのホームラン席争奪戦を実況してたのに、それをぶんどれるくらいの印象的な人だ。結局、ホームラン席は座れず、ツーベースでした

    これだから、やめられない。緊急事態になると自分が何をしているのか分からなくなる、それは分かる。ただ、音声で再起動する精密機械をバシバシ叩くなんて、故障したらとりあえず叩く昭和スタイルじゃないか。亭主関白な一面もあったりするタイプ?と行動から考察してしまう。

    こんな豪快なエピソードが、誰の記憶に残らずに消えていくなら、自分が残すしかない。

    電車の中には色々な人がいる。国籍も関係ない多種多様な世界で、世代も収入差も関係なく、同じ車両に押し込まれる。親切が漂う空間もあれば、不条理に頭を抱えるときもある。社会の縮図みたいなものが、ここにはある。

    人生で一瞬すれ違って、二度も会わないからこそ、受け取れる変化がある。

    その中で、ずっと変わらずにいてくれたはずの存在が、いなくなっていることに気づく。

    ・7回表

    10/6
    朝のダイヤが変わってからかドッスンお父さんを見かけることが無くなった。なんだか初めて乗るような電車になって心に隙間を感じている。今日は外国人の方がいたからホームランを譲ってしまいアウト。どんまい

    恋愛で別れたあと、生活のふとした瞬間に「なんて良い人と付き合っていたんだろう」と思い出すことがある。あの感覚と同じだ。着席しようと人混みをかき分けているとき、ドッスンお父さんだったらもっと優しく回り込んでくれたのにな、と思う。そこに存在していることが、価値になっていたことに気づかず、いつもの安心を運んでくれていた顔を、見ることが無くなっていた。

    心のオアシスを失った喪失感より、またどこかでお会いしましょうと送り出す気持ちだろうか。マシン化していた心に、隙間風を感じた。

    それからしばらく、通勤はただの移動に戻った。座席を守ってくれる期待も、いつの間にか手放していた。

    11/5
    普段より一本早い電車に乗ってみると、ドッスンお父さんが、僕らの定位置に着いていた。いつからこの光景を見れていなかったんだろう。懐かしさを感じる。入れ替わるように、ホームラン席へ

    電車内で出会うのは数ヶ月ぶりのことだった。「お久しぶりです」と「おかえりなさい」なら、おかえりなさいを言わせて欲しい。一言も喋ったこともないのに、心の座席は隣に座らせてもらっています。

    見慣れた姿は、時間を巻き戻す。過去には存在していない、学生時代にお世話になった恩師のような温かさを彷彿とさせた。記憶をセピア色で脚色するほど、懐かしさに包まれた。

    まもなく1年が経ち、自分の野球生命も終わろうとしていた。

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    11/17
    一年が52週ということで、これを投稿すると51週目になる。ただの記録として始めた企画でも、一年の中で常連さんが出来たり、別れがあったり、日常の中の誰も気づかない変化を拾うことが出来たのは、やってよかったことだなと思う。ただ一年は長い。…...ホームラン

    続けるかどうかの迷いを抱えたまま、結局は日々の通勤に追われて、考える時間もなく日が過ぎていった。

    気づけば52週という区切りは、もう目の前まで来ていた。1年というのは、決めているうちに終わるものらしい。

    11/26
    ...…地下鉄のダイヤが変わってから、記録をし始めた最初の頃を思い出す。通勤ラッシュは戦場だったことを。人の肩にぶつかりながらも奥に行ったり、背中で無言の圧力をくらったり、車内でのストレスをまじまじと感じる。よく戦っていると思う。アウト

    ・9回表

    1年間の記録を集計した。

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    1週~52週までのホームラン等のヒット数(安打数)と、休みや体調不良等を省いた打数を計算し、グラフ化を行った。

    ちなみに大谷翔平選手は636打席。
    自分が1年間で記録できたのが223打席。

    正式に打席数を合わせようとすると3年かかる計算だが、今回は1年=1シーズンと捉えて、このまま計算した結果。

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    打数223、安打97。打率.435。 大谷翔平選手は打率.310だった。

    通勤中に大谷翔平の打率を超えた。

    まさか、本当に超えることが出来るとは思ってもみなかった。アウトが続くスランプ期も乗り越え、文字通り足で稼いだ数字となった。

    調べてみると、この打率.435はメジャーリーグでも歴代記録でもトップ5に入るらしい。肩を並べるにはおこがましさは感じるものの、数字だけ見れば、名だたるプロ野球選手たちにも引けを取らないだろう。

    ここで内訳を見てみよう。
    ホームラン、ツーベース、ヒット。大谷翔平選手は三塁打も数値に入ってる。

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    どうも様子がおかしい。

    ヒットよりホームランのほうが多い、異常事態だ。
    野球を知らない自分でも分かる。これは普通じゃない。

    自分の数字を見たら物語っている。
    筋肉量とか野球センスとかじゃない、生物として違う相手だ。

    全体の62%がホームランって何だよ、まずヒット打てよ。

    野球をやらせてちゃダメだ。野球が壊れてしまう。世の野球少年たちが「僕たちはあぁには、なれない」と夢を諦めてしまう。

    野球の絆なんて芽生えるはずないよ。スモールベースボールで繋ぐ野球に、手に汗握るのに、打席に立ったらホームラン打っちゃうんだもん。「あなたたちはあぁは、なれない」って、保護者も観客席から思っちゃうよ。

    ただ安心してほしい。

    これは、通勤電車で着席出来た人の話。

    数字だけ見れば「すごい打者」かもしれないが、実際の意味は全く違う。
    「ホームラン=一番奥の席に座れた」ということだけだ。

    野球少年たちよ、Never give up on your dream。

    ・延長戦(まとめ)

    1年を通して感じたのは、コンディションを整え、記録を残し続けようとする難しさ。

    そんなハードルを日々乗り越え、来る日も来る日も打席に立ち続ける大谷翔平選手。

    体調が悪くても、結果が出なくても、毎日打席に立つ。
    窮屈さと腹痛で悲鳴を上げている自分とは、根本的に何かが違う。

    打率で超えても、超えられなかったものがあるとすれば、それだった。

    座席を奪うことだけじゃ、大谷翔平は超えられない。

    通勤電車は、今日も戦いである。

     
     
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