
もう一度、会いたい人
人とのご縁というのは、本当にありがたいものだ。
そうしてつながってくださった方々が、自分の人生に新たな気づきをもたらしてくれる。
なのだけれど。
この「ご縁」というのを、ずっと続けていきたいと願うものの、いきなり中断を余儀なくされることもある。
例えば、お相手が人生の幕を閉じてしまったとき。
「もう一度会いたい人は誰ですか?」
その問いに、私が最も再会したい人のことへ想いを馳せてみる。
大学時代の親友のことだ。
彼女は英語の専門学校を卒業してからうちの大学に入学してきたので、私より2歳年上である。
英語は当然ペラペラで、加えて、とびきりの美人でスタイル抜群。おまけに、酒好きで料理が上手で。
彼女と出会ってからの私は、まさにその人生をトレースさせてもらうかの如く。英語の勉強をして、美味しいお酒を堪能して、料理も色々と覚えて。
そして、いっつも彼女のアパートに何人かで定期的に集まっては、熱く議論を交わしていたものだ。
そうそう、根っからの読書好きでもあった。移動時間とか家飲みしている時とか、つねに彼女の傍には本がいるのだ。
社会人になってからも、その付き合いは続いていた。
ありがたいことに、そんな偉大な彼女から「いくみは人としての魅力がいい」って言ってもらって嬉しかった。
ずっとずっとお互いに成長していきたい、その姿を見せ合って。そう思っていたのに。
残念ながら果たすことができなくなった。
30歳を目の前にして癌に冒されて、彼女はあまりにも短すぎる生涯を閉じてしまったからである。
あれから、私は著者になった。
英語も結構得意だし、美味しいお酒も料理も好きだし。きっと今の私のルーツは、全部この親友にあるに違いない。
出会った時から、46年が経つ。
「結構、いい感じにこれまで過ごして来られたよ。
それってあなたから教えてもらったことのお陰だから。」
できることならば、直接会って、感謝を伝えたい。
なのだが、残念ながら現実に彼女と会うことは叶わない。
もう一度会いたい。