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花火の効能

    大きな花火大会は、残念ながらほぼ行ったことがない。

    みんなが浴衣を着て出かけていく...あの夏の風物詩に、どうにも縁がないまま生きてきた。

    そんな私にも、とある花火の記憶がある。

    大学3年生の夏である。

    心理学系の学部だったので、ゼミのテーマごとに分科会があった。どのチームも、なんとも小難しいことばかりディスカッションしていたものだ。

    そして「ぜひ夏合宿も企画するように」と教授からお達しがあり、6人くらいだったか、近隣のセミナーハウスみたいなところに泊まりに行った。

    ところが。

    ゼミ以外ではほとんど交流がなく、よく知らない人たちばかり。

    おまけに議論白熱で、お互いに結構反論しあったりで、全然前に進まない。

    1日やってたら、スッカリ雰囲気も気まずくなってきた。

    夕食後のことである。

    誰からともなく「花火をやろう」という話になった。セミナーハウスに"ご自由にどうぞ"と置いてあったらしい。

    庭に出て、みんなで線香花火に火をつける。

    すると。

    あんなに難しい顔をしていた人たちが一斉に笑顔になっていく。
    玉がぽとりと落ちる瞬間には、もう大ハシャギである。

    気がつくとといつの間にか、あの"ピリピリ"が"ホッコリ"に変わっているじゃないか。
    翌日の議論は、かなり和やかに前向きに進んだのである。

    きっと花火の効能にちがいない。

    大きかろうが小さかろうが、花火というのは私たちの心にスッと入り込んできて、思い出を作ってくれるものらしい。

     
     
     
    女性管理職の専門家・ビジネス書著者。女性管理職21年、著書『女性管理職が悩んだ時に読む本』を日本能率協会マネジメントセンターより初出版。各SNS、ショート動画でも日々発信、女性のキャリア支援メンターとしても活動中。 ブログ「ねーさんらいふ」https://ikumi3.com/

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