
四季それぞれに思い出す、音と匂い
春だったら、卒業の歌だろうか。
特に「旅立ちの日に」。あのメロディが聞こえてくると、いつも号泣しそうになる。
息子の高校卒業式のラスト、プログラムになかった3年生全員による大合唱のサプライズ。
あれからすでに15年経った今でも、鮮明にその音を思い出す。
夏だったら、潮騒だろうか。
潮の満ち引きの音というのは、もちろん季節を問わず聞こえてくるけれど、海といえば、やっぱり夏である。
サマーバケーションのなんだかワクワクするような、私にとってその一番は、潮騒だ。
そして音とともに、あの潮の香りもハーモニーの一部になってくれる。
秋だったら、金木犀だろうか。
息子が10月生まれなので、自分が母になったときの記憶と、金木犀のあの芳しさがオーバーラップする。
樹がどこにあるか分からなくても、街中に風とともに漂ってくる、どこか懐かしいような儚いような、甘く切ない香り。
冬だったら。
クリスマスの歌や、鈴の音や、除夜の鐘。お雑煮の出汁の芳しさや
バレンタインチョコの、好きな男子に告白して振られちゃったりした、キュンとしてしまうほろ苦甘さや。
一番寒い季節なのに、音も匂いも、こんなにたくさん思い浮かぶ。
その季節ごとの音や匂いをシグナルにして。
そしてまた、季節は繰り返していく。
春夏秋冬のある国に生まれたことは、とてもありがたい。